ここまでの5回でなんとなくトレースと手描きの使い方、ノードの編集方法まで語ってきました。実際私もこんな感じで調べては試し、を繰り返して少しずつ覚えて行ったので、ある程度までできるようになったら後は何か壁にあたるたびにそこを調べるとだいたい解決していきます。たまにしない時もあります(。∀°)
文字を入力するだけだから簡単簡単、あとはいつも通り保存の流れをやれば、、、と進んでしまうと、グランツーリスモ上で何も表示されない憂き目に遭います。グランツーリスモの注意書きにはアップロード可能なものについて『文字がアウトライン化されていること』と説明されていますが、まさしくこの文字はまだ『アウトライン化』されていないのです。
今回は、初心者が手軽にやろうとして意外と躓くことがある『文字のデカール化』についてです。Inkscapeには文字入力のツールもあるので、任意の文字を入力して使用することができます。画面左側のメニューから『テキストツール』を選択し、描画範囲をクリックするとその位置から文字を入力できます。
SVGは角と曲線と面の情報の集合体だということは何度か書いてきましたが、Inkscape上で文字を打っただけでは、まだ文字にノードが設定されておらず、それゆえグランツーリスモ上では読めない存在なんですね。
そこで、上部のメニューから パス > オブジェクトをパスへ を選択すると、文字にノードが設定されて、トレースしたロゴと同じ状態になります。ここから先の作業はこれまでと同じです。漢字やひらがなはアルファベットと比較して複雑なため、サイズが大きくなりがちなので注意が必要です。
・フォントを変更する
入力した文字はフォントを変更することが可能です。上部のメニューから テキスト > テキストとフォント と選択するとフォントを選択するメニューが開きます。たくさんフォント名が出て来るので、そこから選ぶことができます。パスに変換してしまうと変更できないので、先にこの作業を行いましょう。
フォントによってはさらに選択肢があり、Bold は太文字、Italic は斜体です。下部には適用した場合のプレビューが表示されますが、フォントは基本的にアルファベット用に作られたものなので、日本語の場合『□□□□』など、非表示になってしまうことがあります。Italic がちゃんと斜めになってくれないこともあります。
このプレビューはフォントサイズのプレビューも行われているので、サイズがあまりにデカいとプレビュー画面を文字がはみ出してしまい、小さすぎると全然見えません。実際に使う大きさは一旦忘れて、プレビューで読める大きさの文字にしましょう。
・フォントを探す
テキストに関しては特にこれ以上ネタが無いのですが、せっかくなので小技を。デカールの元画像を探しているけど解像度が低すぎてトレースできない、既存のロゴをモジったネタデカールを作りたい、などの理由で文字を入力したいこともあると思います。できるだけ本物に似せたフォントにしたい、しかし初期で収録されているフォント、PC内にあるものでは似たものが無い、なんてことはこだわってくると結構起こります。
そんな時、インターネット上でフォントの検索を行うことができます。私がいつも使用しているのが WhatTheFont というサイトです。
英語のサイトですが中学生の知識があれば大丈夫。画像内にある文字を判別し、似たフォントをいっぱい教えてくれるというサイトです。とりあえずファイルを開くか直接ドラッグ&ドロップしろと書いてあるので、その通りにします。すると、画像を取り込んだ上で自動で文字を判別し「読み取る範囲はこれでええんか?」的なことを聞いてきます。範囲を変更する場合は任意で動かすことができるので、読みたい場所を指定します。
今回はNAPA BRAKESのBRAKES部分のちょっと変わったフォントを探したいので、ここを範囲指定。初期状態ではNAPAも認識されて2つ枠が表示されたので、片方はゴミ箱マークを押して消しました。あとは画面下部の矢印をクリックすると、検索結果が表示されます。
こんな感じで似た雰囲気のフォントが表示され、スクロールすると出てきます。show more resutlsを押すと延々と出てきます。基本的に上の方が一致率が高いですが、特殊な形状なものほど下にお宝がある印象があります。完全一致が難しい場合、「この文字だけ似て無いからちょっと自分でノードいじるか」などと考えつつやるのもなかなか楽しい作業(?)です。 また、Enter your own text のところに任意の文字を入力して change text をクリックすれば、他の文字でどんな感じになるのか確認できます。アルファベットで調べて出てきたフォントなので、日本語を入れるとこれまた□□□になることは多々あります。
コメント