NASCAR、2022年のチーム・ドライバー情報

 2021年もあとわずかとなってまいりました。NASCAR Cup Seriesの2022年の参戦体制もかなり出そろってきましたが、今年もザっと状況をまとめてみようと思います。例によってJayskiさんのサイトを中心に、あれこれ漁ってきました。
 2022年は新規定車両・NextGen Carが導入されて一旦これまでのデータなどの蓄積はリセット。規定に沿って各々が車体を作るのではなく、基本は完成されたものを運営から取得して自分たちで整備・セッティングするため、車検制度の隙間で細かすぎて伝わらない抜け穴を衝くことも容易ではなくなりました。
 それだけにこの2022年を睨んだ新規参戦がここ1~2年で相次いでいますので、昨年までは走るシケインだったところも来シーズンはどうなるか分かりませんし、もちろん強豪チームの勢力図もまた大きく変わるかもしれません。

2022/01/21 複数の情報を更新
   02/02 RWR、TMTなどの情報を更新


ドライバー名の前の記号は
〇=新人
△=移籍
□=復帰
ドライバー名の後の()内の数字は推定される契約期限

チーム名の前の記号は
〇=新規参戦
△=体制変更
◆=体制縮小
×=撤退



Joe Gibbs Racing/Toyota
11 Denny Hamlin(2023+)
18 Kyle Bush(2022)
19 Martin Truex Jr.(2022)
20 Christopher Bell(2022?)


 ジョー ギブス レーシングはデニー ハムリン、カイル ブッシュ、マーティン トゥルーエックス ジュニア、クリストファー ベルの4名で昨シーズンと変更なし。ハムリンとトゥルーエックスはいずれも2021年2月1日に契約の延長が発表されましたが、ハムリンはスポンサーのフェデックスとともに複数年と発表されたのに対し、トゥルーエックスは不明でした。
 そのハムリンは、ぼちぼちオーナー業へ軸足を移すのかと思いきや、いつまで現役を続ける意向か問われた際に
「3年前に自分に尋ねていたら、『うーん、どれだけ長くやりたいんだろうか』と思っていただろうね。でも今、自分には地平線はないんだ、分からないよ。今までのように競争力を維持している限りは分からない。マーク・マーティンになるまでレースしてるんじゃないかな」
と、長く続けることへ含みをもたせる発言をしていました。2020年の7勝から比べると2勝だった2021年は一見物足りなく見えますが、決勝平均順位8.4は全ドライバー中トップ、36戦全て完走したものハムリンだけで、なんとシーズンの総周回数・9200周に対して走行したのは9196周。僅か4周足りないだけのほぼ全戦リード ラップ フィニッシュという驚異的安定感でした。
 一方カイルは今期末で契約が切れますが、スポンサーのマース(M&M'Sの会社)も今期末でNASCARを去ることになり動きが注目されていますが、本人は残留を望んでいるようです。


23XI Racing/Toyota
23 Bubba Wallace
45△Kurt Busch(2023?)


 NBAの元スター選手・マイケル ジョーダンと現役ドライバーであるハムリンが設立した23XI。話題性のわりに思ったほど結果が出ずになかなかの苦戦でしたが、タラデガでウォーレスが優勝してみせました。
 2022年はウォーレスに加えてカート ブッシュがチップガナッシから移籍して新加入。複数年契約とみられます。チームはJGRと提携しているので、間接的にブッシュ兄弟はチームメイトとなりました。ウォーレスにとっても大ベテランとのチーム内競争は力量を図る大きな物差しですので、チーム内での争いにも注目です。
 チームとしては、カートのための2台目のチャーター取得に10億円以上費やしたので、出したお金に見合った結果、最低でもプレイオフへは進んでもらいたいところでしょう。


Stewart-Haas Racing/Ford
  4 Kevin Harvick(2023)
10 Aric Almirola(2022年限りで引退)
14 Chase Briscoe
41 Cole Custer


 スチュワート-ハース レーシングはケビン ハービック、エリック アルミローラ、チェイス ブリスコー、コール カスターの4人で変更はないものと思われますが、12月25日時点ではまだ正式発表がありません。というか、残留なので特に改めて言う気が無いのかもしれませんw
 2021年のSHRは車検制度の変更でチームが持っていた優位性が失われたという情報で、ハービックはプレイオフをRound of 12まで戦い、一定の結果は残したとはいえ未勝利、アルミローラは1勝したものの決勝平均順位が19.9。カスターはトップ10が僅か2回で選手権26位と散々でした。
 ブリスコーは新人王になったものの全体で言えば23位。ただ、決勝平均順位は19.6で実はアルミローラを僅かに上回っており、そういう点でこの3人は似たり寄ったり。新人にも負けたカスターは立場的に非常にマズくなっています。
 アルミローラは家族との時間を持ちたいことを理由に2022年限りでの引退を表明し、これが最後のシーズンとなります。また、チームはリザーブと開発のドライバーとしてライアン プリースとの契約を発表しました。

Team Penske/Ford
  2〇Auston Cindric
12 Ryan Blaney(2022)
22 Joey Logano(2023)

 チーム ペンスキーはブラッド ケゼロウスキーがチームを離れ、代わってオースティン シンドリックが加入。ジョーイ ロガーノはペンスキーで10年目のシーズン、ライアン ブレイニーは5年目ですが、スポット参戦やウッドブラザーズ時代も含めるとペンスキーで9年目となります。
 2020年のエクスフィニティ― シリーズのチャンピオン、2021年もターン3まではチャンピオンに手が届いていたシンドリック、既に昨年のスポット参戦でも速さを見せているだけに1年目から期待がかかります。お父さんはチーム社長のティム シンドリックです。


Wood Brothers Racing/Ford
21〇Harrison Burton

 ウッド ブラザーズ レーシングはマット ディベネデトーが離脱。新人のハリソン バートンが起用されます。2年連続エクスフィニティ―でシリーズ8位、2000年生まれの21歳はこれまでキャリアのほとんどをトヨタ車で参戦してきましたが、フォードが引き抜いたようです。
 チームは通算100勝に王手をかけた状態で止まっており、Matt Dでは残念ながら達成できなかった記録を今度はハリソンとともに目指します。ハリソンの父は元ドライバーで現在はNBCの解説者を担当しているジェフ バートン。ワード バートンから見ると甥、ジェブ バートンから見るといとこにあたります。レース家系ですね。
 

△Roush Fenway Keselowski Racing/Ford
  6△Brad Keselowski
17 Chris Buescher

 ラウシュ フェンウェイ レーシングはブラッド ケゼロウスキーが加入、さらにオーナー権の一部も取得してチーム名がラウシュ フェンウェイ ケゼロウスキー レーシングへと変更されました。契約年数は分かりませんが、オーナー権まで取得しておいて1年契約はさすがに無さそうなので複数年でしょう。
 ペンスキーではブレイニー、ロガーノと比べるとうまさも感じさせつつ、一方でやや衰えた感もやはり垣間見えた印象がありますが、心機一転、将来を見据えたオーナー業にもやる気十分で新シーズンに挑みます。
 クリス ブッシャーも残留、本人の契約年数は不明ですがスポンサーのfastenalは2024年までの契約延長をチームと行っています。チームもブッシャーも滑りやすい条件やタイヤ摩耗の激しいレースで強みを見せていましたが残念ながらシーズンは19位とMatt Dに及ばず。個人的に期待している1人なので、チーム側が「契約したい!」と思うような光る走りを見たいところです。


Front Row Motorsports/Ford
34 Michael Mcdowell
38〇Todd Gilliland

 フロント ロウ モータースポーツはマイケル マクダウルが残留。なんといってもデイトナ500勝者です。彼がデイトナで勝ってプレイオフ進出=選手権16位に滑り込んだことで、チームには本来の20位そこそこの場合と比べて多くの収益分配金が手に入るため、チームとして飛躍の機会を得ています。
 No.38は3年連続でドライバーが交代。再三にわたって経験不足が指摘されていたアンソニー アルフレードとは契約を延長せず、トッド ギリランドが新たに加入しました。元々FRMからキャンピング ワールド トラック シリーズに出場していたチーム所属のドライバーで、2021年はシリーズで7位でした。エクスフィニティ―の経験はありません。
 父のデイビッド ギリランドも7年間FRMに所属してカップシリーズを戦っており、親子で同じカーナンバーの車に乗ることになります。祖父のブッチ ギリランドも元ドライバーで、1997年のウインストン ウエスト シリーズ(現在のARCA Menards Westシリーズ)チャンピオン。日本で開催されたエキシビション戦で来日した際には日本語のダジャレで「ぶっ千切りランド」なんて速そうな変なあだ名を付けられていたそうな。


△Rick Ware Racing/Ford
15 David Ragan
   Ryan Preece
   Joey Hand
   Joey Gase?
   James Davison?
   Garrett Smithley?
51 Cody Ware
??  ???

 毎度おなじみ、すごい勢いで周回遅れになったり、チームメイト同士でぶつかって時々険悪になった話が聞こえてくるリック ウェアー レーシング。元々いくつかのチームをくっつけながら4台体制へと広げていったので使用する車両もシボレーとフォードの併用でしたが、2022年はスチュワートハースと提携することになり、フォードに一本化される見込みです。
 また、参戦台数は『少なくとも2台をフル参戦』としており、No.15とNo.51の2台がフル参戦車両となり、場合によってはNo.52やNo.53といった車が出て来るものと思われます。
 No.51はコディー ウェアーがフル参戦。昨年自身初のフル参戦(ただしダーリントンのレースで排気が車内に入り一酸化炭素中毒になるなど計4戦を欠場)を果たしましたが、今季も引き続き同じ車に乗ります。スポンサーもおそらく偏頭痛薬・NurtecODTが継続される見込みです。
 No.15は例年通りドライバーは複数のドライバーをスポンサーの兼ね合いで入れ替えながらの起用になり、とりあえずデイトナ500にはデイビッド レーガンが起用される他、SHRのリザーブであるプリースが3戦に出場、ロードコースの6戦では耐久レースやDTMなどの経験が豊富なジョーイ ハンドが起用されることも発表されました。確定したドライバーで既に3人出て来るわけですね。
 そういえば、NTTインディーカー シリーズでは佐藤 琢磨がデイル コイン レーシング ウィズ リック ウェアー レーシングと契約しましたが、RWRのTwitterアカウントでは佐藤に関連したツイートも投稿されています。この繋がりでNASCARにスポット参戦とかしてもらえ、あ、ホンダじゃないから無理かw

 
Hendrick Motorsports/Chevrolet
  5 Kyle Larson(2023)
  9 Chase Elliott(2022)
24 William Byron(2022)
48 Alex Bowman(2023)

 ヘンドリック モータースポーツはカイル ラーソン、チェイス エリオット、ウイリアム バイロン、アレックス ボウマンの4人で変更の必要を微塵も感じない体制です。10勝してチャンピオンになったラーソンは言わずもがな、4勝したボウマンも契約を2年延長。
 チェイスは2022年で契約切れですがよほどの事情が無ければ契約を延長しない理由も自分から出ていく理由も無いでしょう。しいて言えばバイロンが4人の中でやや影が薄くなりましたが、オーナーのリック ヘンドリックは現在の4人の体制維持を望んでいるようです。
 2021年はチームで36戦中17勝と間違いなく最強チームでしたが、車両が一新される2022年はデータ量がモノを言うはずで、その点で4台体制で高いレベルのドライバーが揃い、設備も整うヘンドリックは先行して抜け出す基礎的条件が整っています。


Richard Childress Racing/Chevrolet
3 Austin Dillon
8 Tyler Reddick

 リチャード チルドレス レーシングは特に発表は無いもののオースティン ディロンとタイラー レディックの体制です。2021年のチームはシーズン未勝利、ポイントでプレイオフ最後の1枠を争う形になり、結果的にレディックがプレイオフに進出しました。
 レディックはトップ10フィニッシュ16回、シーズンでは13位でしたが、プレイオフ制ではない"単純なポイント順位"なら11位と健闘しました。一方ディロンはトップ10が8回にとどまりパッとしない印象ですが、決勝平均順位14.4は自己最高でこれはレディックを上回っていました。
 オーナーのリチャード チルドレスの孫なので単純に成績で契約の可否が決まるとも思えませんが、来季で9年目・32歳という年齢を考えるとドライバーの力量としては結構頭打ちなのかな、という印象を受けます。トップ10は少ないのに平均順位が14であることから分かる通り12位あたりの結果が多いので、これをもう2つ3つ上げる力を見せてほしいですね。


△Trackhouse Racing Team/Chevrolet
  1△Ross Chastain
99 Daniel Suárez

 2021年に新規参戦したトラックハウス レーシング。元ドライバーで起業家でもあるジャスティン マークスが、STEM教育という、科学・技術・工学・数学の4つの教育分野を横断的に学んでIT化・グローバル化する社会に適応できる人材を育成する考え方の教育プログラムと連携して、共通理念を持つ企業の商品の購入を薦めるような広告宣伝を行う、という、独創的なチームの運営方針を掲げて話題を集めました。
 さらに、チームの体制強化を模索する中でチップガナッシの買収をもちかけて話をまとめあげ、チップガナッシの設備・チャーターを丸ごと手にすることに成功。意欲的・積極的なチーム作りでNASCAR界を騒がせました。
 話題性にとどまらず、ダニエル スアレスは開幕から安定感の高い走りを見せ、ブリストルのダート戦ではあわや優勝かという活躍を見せました。当然ながら残留です。
 そして2台目のドライバーとしてはチップガナッシから引き継いでロス チャステインと契約。昨シーズンは通算3年目のフル参戦、36戦全てに出場する初めてのシーズンとなったチャステインですがトップ5を3回、特にブレーキングが得意なようでロードコースやショートオーバルで光るものを見せました。
 実家は代々続くスイカ農家で、ついたあだ名はThe Watermelon Man=スイカ男。レースで勝利するとスイカを地面に投げつけるパフォーマンスで知られ、カップシリーズでのスイカ投げに期待がかかります。勝手に当ブログのイチオシ選手となっております。


△Petty GMS Motorsports/Chevrolet
42△Ty Dillon
43 Erik Jones
 
 リチャード ペティー モータースポーツはGMSレーシングと合併してペティーGMSモータースポーツになりました。元々リチャードペティーのドライバーだったエリック ジョーンズがチームで2年目のシーズン、昨シーズンはトップ10フィニッシュ6回・平均順位19.7でしたが、チームとしては2017年のアルミローラ以来となる数字で、決勝平均順位が20を切ったのも同じくアルミローラ以来。単純に数字だけを見ればそれ以前の3年間に所属していたウォーレスを上回る結果を出しました。
 そしてカップシリーズ初参戦となるGMSは合併の発表前の段階で既にタイ ディロンとの契約を発表しており、合併によってカーナンバー42を背負うことになりました。昨シーズンはゴーントブラザーズから4戦にスポット参戦、フル参戦は2年ぶり。オースティン ディロンの弟で、チルドレスの孫です。念のため。


△Kaulig Racing/Chevrolet
16△Justin Haley
31 A J Allmendinger
    □Daniel Hemric
  〇Noah Gragson

 エクスフィニティ― シリーズに参戦しているコウリッグ レーシングが2021年のスポット参戦を経て2022年からフル参戦。2台体制での参戦で、No.16はジャスティン ヘイリーがフル参戦。2台目のNo.31はA J アルメンディンガー、ダニエル ヘムリック、ノア グラッグソンの3人での持ち回りとなります。
 スポット参戦ながらインディアナポリスではAJが優勝してフル参戦前から初優勝を記録、今季もロードコースを託されるものと思われます。ヘムリックは昨シーズンのエクスフィニティ―シリーズのチャンピオンで2019年以来のカップシリーズ復帰、グラッグソンはエクスフィニティーで過去2年間に5勝している有望株です。この2人はどう配分するんでしょうかね?
 ヘイリーは2019年夏のデイトナにスポット参戦してうっかり優勝してしまい既にカップシリーズでの勝利を記録していますが、エクスフィニティーでは過去2年で4勝、数字とすればグラッグソンと似たような成績です。
 

◆JTG Dougherty Racing/Chevrolet
47 Ricky Stenhouse Jr.

 JTG ドアティー レーシングは体制を縮小。プリースは居場所を失い、リッキー ステンハウス ジュニアの1台体制となりました。クラッシュによるリタイアが2020年の7回から3回に減少し、これにともなって平均順位などの数字が大きく向上しましたが、トップ10は2回、このうち1回は特殊なブリストルのダート戦であまり参考にならないので、全体としてとにかく堅実に20位以内を走った、という印象です。


◆Spire Motorsports/Chevrolet
7 Corey Lajoie(2022)
77 Josh Bilicki
 
 スパイアー モータースポーツは昨シーズンはNo.77でヘイリーを走らせて2台体制でしたが77のチャーターは売却。これによりNo.7はフル参戦、No.77はイベント数を絞っての参戦となります。チームは2022年からトラックシリーズへ新規参入することを発表しており、全体としては微妙に事業を拡大しています。
 No.7のドライバーはコリー ラジョーイ。2021年にチームに加入した際に昨年複数年契約を発表しており、おそらく契約最終年です。昨シーズンはフル参戦ドライバーで下から3番目のシーズン29位。トップ10は開幕戦のデイトナ500で9位になった一度だけでした。"フェイス カー"のイメージが強いですがインパクトだけでレースでは全然目立ってなかったようですw
 ただロードコースとショートオーバルは比較的得意なのかなという印象で、デイトナを除くシーズン最上位となる15位を記録したのが、難易度の高いナッシュビルとダーリントンだったりして色んな意味で面白さは感じます。
 そしてNo.77は昨年までリックウェアーで走っていたジョッシュ ビリッキーと契約。開幕戦には出場せず第2戦が彼にとっての初戦となり、シーズンで25戦程度に出場する見込みだとの情報です。

 
Live Fast Motorsports/Ford
78 B J McLeod

 2020年途中、パンデミックからのシーズン再開のタイミングで参戦を開始したライブ ファスト モータースポーツ。スチュワートハースと提携しています。特に発表はありませんが、オーナー兼ドライバーとしてB J マクラウドが主要ドライバーになると思われます。
 昨シーズンのマクラウドは自己最多の28戦に出場し、秋のデイトナでは自己最上位となる9位に入りました。
 

〇Team Hezeberg/Ford
27〇Loris Hezemans
  □Jacques Villeneuve

 2022年にスポット参戦を予定している新規チーム、チーム ヘイズバーグ。ヨーロッパのシリーズであるNASCAR Whelen Euro Seriesに参戦しているオランダのチームが、アメリカのリューム ブラザーズ レーシングと提携しての新規参入してロードコース戦に出場する予定です。
 ヘイズバーグは1973年、1975年のル マン24時間レースでクラス優勝を果たした元ドライバーのオランダ人・トイネ ヘイズマンズと、起業家でこちらも元レーサーのオランダ人・アーンスト バーグによって設立されました。
 カップシリーズのチームは、ここにリュームブラザーズのオーナーであるジョシュ リュームが加わって共同オーナーとなります。ヘイズマンズの個人企業であるヘイズマンズ システムズがスポンサー、チーム名の由来は見たまんま名前をくっつけただけですね、
 ドライバーのロリス ヘイズマンズはオーナーの息子で、2019年、2021年とユーロ シリーズで2度のチャンピオンを獲得。エクスフィニティーにも5戦だけスポット参戦経験があり、直近の出場となる2021年の第31戦・カンザスにはハットリ レーシング エンタープライジーズからの参戦でした。
 開発ドライバーには1997年のF1チャンピオン・ジャック ビルヌーブも加わっており、デイトナ500ではビルヌーブがドライバーとなる見込みです。ビルヌーブは過去に5戦だけカップシリーズに出場、デイトナ500は2008年に一度だけ参戦して予選落ちしています。出場すると2013年の第16戦ソノマ以来です。


◆MBM Motorsports/Ford
66  Timmy Hill
      Boris Said?

 参戦チームの中でも最小規模と言われるMBMモータースポーツ。チャーターを持っていないながらもフル参戦していましたが、iRacingのイベントを巡ってNASCARと一悶着あり、その後は参戦規模が縮小されました。2022年もスポット参戦するとみられます。
 昨年まで主要ドライバーだったティミー ヒルは2022年に自身のチームからトラックシリーズにフル参戦することを発表していますが、デイトナ500にはMBMから参戦することが決まっており、スポンサーとの兼ね合いをみながらのスポット参戦が続くものと思われます。
 一方、12月に行われたレース関係の展示会にNextGen Carを持ち込んだ際、ルーフにはボリス セッドの名前が貼られていたためセッド起用説が浮上。チームはこの件について聞かれ、セッドとロードコース戦のスポット参戦を目指して調整中であることを明らかにしました。わざとネット上でファンに反応させて、その反応を利用してスポンサーに「ほら、うちのチームとドライバーはこんなに注目されてますよ」と伝えるための戦略ではないかとも思えますね。


Beard Motorsports/Chevrolet
62 Noah Gragson

 2017年からスーパースピードウェイにスポット参戦してきたビアード モータースポーツ。2021年はグラッグソンを起用してデイトナ500に参戦するも予選落ちし、活動はこの1戦だけでした。2022年もデイトナ500にグラッグソンとともに挑むことは既に発表されており、スーパー スピードウェイ限定、ひょっとしたらデイトナ500限定での参戦継続が見込まれます。


Gaunt Brothers Racing/Toyota
96 ???

 2021年はタイ ディロンなどを起用して8戦だけ出場したゴーント ブラザーズ レーシング。2022年もスポット参戦の意向はあるようですが現時点で参戦状況は不明です。

〇The Money Team Racing
50 Kaz Grala

 元ボクシング世界王者・フロイド メイウェザーもオーナーに名を連ねるTMTレーシング。2020年ごろからたびたび参戦の名前が挙がっては特に何も起きていませんが、デイトナ500にカズ グラーラを起用して参戦することが明らかになりました。
 クルーチーフには、以前デイルジュニアなどを担当した経験があり、チームの共同オーナーでもあるトニー ユーリー ジュニアが就き、スターコムレーシングの首脳陣もこの計画に関与しているようです。

◆Starcom Racing/Chevrolet

 スターコム レーシングは2021年をもって活動を終了し、チャーターは23XIに売却されました。スポンサーの都合がつけばスポット参戦する可能性はあるそうです。


×GoFas Racing/Ford

 ラジョーイを起用して2020年はフル参戦していたものの、2021年はフル参戦せずスポット参戦の可能性を示唆していたゴーファス レーシング。その後、チームは活動を終了していたことが明らかになりました。


×Chip Ganassi Racing/Chevrolet

 チップ ガナッシ レーシングはNASCAR部門をトラックハウスに売却して撤退しました。設備と多くの人員はトラックハウスに移行しています。


JR Motorsports

 デイル アーンハート ジュニアがオーナーを務めるJRモータースポーツ。カップシリーズ参戦に意欲を見せていますが、参戦するならチャーターを取得しての参戦を検討。しかしチャーターの価格があまりに上がりすぎて手が届かないため、現時点では具体的な進展は無い様子です。




2021年にはカップシリーズに参戦していたが、2022年に不在のドライバー

Matt Dibenedetto

 マット ディベネデトーはカップシリーズにはシートが無く、2022年はトラックシリーズにRackly W.A.R.というチームのNo.25でフル参戦することになりました。

Ryan Newman

 44歳のライアン ニューマンはケゼロウスキーに押し出される形でラウシュフェンウェイのシートを失いました。チーム側はベテランに敬意を表してスポット参戦で数戦に出場できる可能性を示唆していましたが、ニューマンは2022年についてNASCARには出場せず、草の根レースに参加するぐらいに留まるとの見通しを示しています。ただ、引退ではないとのことです。

Anthony Alfredo

 下部カテゴリーでの経験があまりないままに2021年のカップシリーズに参戦したがため、たびたび力量不足を指摘されていたアンソニー アルフレード。2022年はエクスフィニティ―へと戦いの場を移し、Our Motorsports のNo.23でフル参戦します。

Quin Houff

 2021年までスターコムで2年連続フル参戦していたクイン ハウフですが、チームの活動が無くなったことでカップシリーズのシートを失いました。2022年については現時点で未定です。

コメント

日日不穏日記 さんの投稿…
ティム・シンドリックって、インディカーでウィル・パワーや、ジョセフ・ニューガーデンのストラデジスト(クルーチーフ)をやってたと思ったけど、今は社長かぁ。オースティンも、スポット参戦ではイマイチだったけど、暫く安泰かな。ライアン・ニューマンはフェードアウト?
SCfromLA さんの投稿…
>日日不穏日記さん

 調べたところ、古すぎて就任時の情報ソースがなかなか見つからないですが2008年にはペンスキーの社長になっていたみたいですね(Wikipediaには2006年と書いてあるのでこっちが正解かもしれない)
書いているうちに一瞬思い出した後に忘れ去っていましたがニューマンは現状では仕事無さそうです^^;