NASCAR、2023年のチーム・ドライバー情報(更新6)

 36戦で19人の優勝者が出るという開幕前には全く予想しない争いの末、ジョーイ ロガーノが2度目のチャンピオンとなって幕を閉じた2022年のNASCAR Cup Series。シーズン中から大物の移籍が発生してトラック外でも話題を集め、ドライバーの世代交代の足音も聞こえてきましたが、今年も主なチーム・ドライバーの状況をまとめてみました。気が向いたら更新するかもしれません。



ドライバー名の前の記号は
〇=新人
△=移籍
□=復帰
ドライバー名の後の()内の数字は推定される契約期限

チーム名の前の記号は
△=体制変更
〇=新規参戦

12/30 細かい情報を更新
1/15 ハービックの表記を引退に変更
1/20 レガシー モーター クラブ等複数の内容を更新
1/21 エクスフィニティ―のコウリッグだけ情報追加
1/26 チェイスがトラックの開幕戦に出るので情報追加
2/16 いくつかの契約情報を更新

Joe Gibbs Racing/Toyota
11 Denny Hamlin(2023)
19 Martin Truex Jr.(2023)
20 Christopher Bell
54〇Ty Gibbs
#19 トゥルーエックス と #11 ハムリン

 元NFLの名ヘッドコーチ・ジョー ギブス率いるジョー ギブス レーシングはお馴染み4台体制。デニー ハムリンの現行契約が2023年までですが、現時点で2024年以降も残留を希望しているようです。
 マーティン トゥルーエックス ジュニアもスポンサーのオート-オーナーズが2023年の契約を正式に公表しているためおそらく単年契約での契約延長、ただここ数年は「ひょっとしたらそろそろやめるんじゃ」的報道がちらほら見えるので、状況次第ではいつまでもここにいるというわけではないかもしれません。クリストファー ベルはまだ正式発表が無いようですがどう考えても残留です。
 そして長年チームの顔だったカイルの離脱に伴いタイ ギブスがデビュー。カイルが使用していた18ではなく、ギブスがエクスフィニティ―で使用していた54へ数字を変更しています。オーナーであるジョー ギブスの孫である彼は2022年のエクスフィニティ―のチャンピオンであり、カート ブッシュの負傷により代走で既にカップでの経験もありますが、まだ20歳で『すぐキレる』ところがあるなど血気盛んな様子です。


23XI Racing/Toyota
23 Bubba Wallace(2024)
45△Tyler Reddick(2024?)
67 Travis Pastrana

優勝したウォーレス
 
 NBAの元スター選手・マイケル ジョーダンと現役ドライバーであるハムリンが設立した23XIレーシング。バッバ ウォーレスはシーズン中に複数年での契約延長が発表されているため、少なくとも2024年まで契約が延長されています。2022年はカンザスで優勝するなど実力の片りんを見せた一方で、ラスベガスではラーソンに一方的に報復した上に殴り掛かって出場停止処分を食らうなど、わざわざ信頼を失う行動に出ているのでスポンサーさんもちょっと困ってるかもしれません。
 本来チームメイトはカート ブッシュで2023年まで契約があり、おそらくはこの契約満了をもって引退するはずでした。ところが第21戦ポコノ―の予選でのクラッシュで脳震盪を起こして残るシーズンを全休。
 一方で、7月の段階でタイラー レディックが『2024年から』23XIと契約するという想像の斜め上を行く発表を行い、これに現在の所属チームであるRCRが不快感を持ったことからレディックを取り巻く環境明らかに悪化。
 結果的に『現チームで居心地の悪いレディック』と『走れるか分からないカート』がたまたま合致し、レディックのRCRでの2023年の契約を23XIが買い取る形で予定より1年早く移籍が実現、カートは予定より1年早くフル参戦から退くことになりました。元々2024年からが『本来の』契約なので、少なくとも2024年まで、おそらくはもう少し長く契約があると考えられます。
 レディックは2022年に初優勝を含む3勝を挙げロード コースでも速さを見せましたが、契約問題のもつれがやる気に影響したのかプレイオフ終盤は下降線。また、シーズン序盤は『走っているうちに足が痺れる』という問題に悩まされ、第35戦マーティンズビルでも『玉突き事故をきっかけに気分が悪くなった』という体調不良に襲われるなど、少し運もありませんでした。

 また、モトクロスやラリー、エクストリーム競技で活躍してきたトラビス パストラーナがデイトナ500にスポット参戦します。


Stewart-Haas Racing/Ford
  4 Kevin Harvick(今季をもって引退)
10 Aric Almirola(2024)
14 Chase Briscoe
41□Ryan Preece

リスタートで並ぶ#4 ハービックと #14 ブリスコー
 
 F1のハースでもお馴染み、工作機械メーカー大手・ハース オートメーションの創業者・ジーン ハースと、史上唯一インディーカーとNASCARカップシリーズでチャンピオンを獲得した殿堂入りドライバー・トニー スチュワートが共同オーナーを務めるスチュワート-ハース レーシング。
 47歳のケビン ハービックは2023年が契約期限で、今期末をもって引退することを表明しました。一方で、2022年の開幕前に引退を表明したエリック アルミローラは、結局引退を撤回してスポンサーのスミスフィールドとともにさらに2年間チームに残留することを発表。どうやらスミスフィールド側から続行を打診され、アルミローラ側も引退の理由だった家族との時間を、全米を転戦しながら家族を帯同させるなどうまくバランスを取って障壁を取り払ったようです。
 チェイス ブリスコーは新規定車両との相性が良かったのか2年目にしていきなり覚醒し、第4戦で早々と初勝利を挙げプレイオフでもラウンド オブ 8まで生き残ってシリーズ9位、たぶん誰も予想しなかった活躍を見せました。おそらく残留ですが、SHRは去年もあんまり正式な発表とかが無かったので、気づいたら発表が無いまま開幕しているかもしれません。
 そしてNo.41だけはドライバーが入れ替わり、残念ながらフル参戦3シーズンで主だった結果を残せなかったコール カスターがエクスフィニティ―へ降格、代わって今季はリザーブ契約だったライアン プリースが2年ぶりにフル参戦することになりました。プリースに関する話題はこちらにそこそこ細かく書いたので過去記事に任せますw


Team Penske/Ford
  2 Auston Cindric
12 Ryan Blaney(2024+)
22 Joey Logano(2025+)
デイトナ500で優勝したシンドリック(前列左から2番目)
向かって右隣りがペンスキー
オースティンの後ろにいるのがたぶんティム


 アメリカレース界の名門、今やインディアナポリス モーター スピードウェイとNTTインディーカー シリーズを所有するに至ったロジャー ペンスキー率いるチーム ペンスキー。2022年にブラッド ケゼロウスキーがチームを離れる大きな動きがあったばかりなので今季はおそらく不変。
 オースティン シンドリックは2022年だけの単年契約と思われ、延長したという情報も現時点で出ていないようですが誰かが取って代わるという話も無いので残留濃厚。フル参戦デビューとなったデイトナ500でいきなり優勝しシリーズ12位。地味ですがシーズン平均順位16.3も全体12番目で決して悪い数字ではなく、チーム社長・ティム シンドリックの息子なのでクビになる理由は見当たりません。
 チャンピオンを獲得したロガーノは元々2023年まであった契約を『長期延長契約』したと発表されているので、最低でも2025年までの契約が行われていると考えられます。
 ライアン ブレイニーはまさかのシーズン未勝利でしたが、こちらも長期契約したということで少なくとも2024年までの在籍が確定。ペンスキーのドライバー陣容は強固ですね。ロガーノとブレイニーはわりとチーム内でシーズンごとに優位性が入れ替わりつつ争っている雰囲気ですが、契約年限が長くてその座を脅かすものではないのか意外と衝突とかなくうまく回ってる気がしますね。


Wood Brothers Racing/Ford
21 Harrison Burton
尻に火が付いたあ!


 グレン ウッドとレナード ウッドの兄弟が1950年に設立したところに起源がある最古参チーム・ウッド ブラザーズ レーシング。一時はかなり規模を縮小していたところから、ペンスキーとの技術提携を結んで2016年にフル参戦・ブレイニー育成舞台として復活。その後も2021年までの2年間はマット ディベネデトーの奮闘もあって存在感を見せていましたが、新規定になって存在感が希薄になってしまいました。
 1年目だったハリソン バートンはトップ10が僅かに2回、フル参戦から撤退した時代の成績に逆戻りしてしまいましたが、1台しかいないとこれがエンジニア面なのかドライバー面なのか、どちらが主因か判断をしにくいのが難点です。このチームは基本的に単年契約ベースのようですが、おそらくバートンは残留です。
 

RFK Racing/Ford
  6 Brad Keselowski
17 Chris Buescher

ブリストルで優勝したブッシャー

 元フォードの従業員であるジャック ラウシュが1988年に創業したチームに、2007年に投資家のジョン ヘンリー(ボストン レッドソックス等のオーナー)、そして2022年にブラッド ケゼロウスキーがペンスキーからドライバー兼共同オーナーとして出資して現在に至るラウシュ フェンウェイ ケゼロウスキー レーシング。
 ケゼロウスキーオーナー様の1年目は開幕前からホイール違法改造疑惑をかけられ、その後も規定違反によるポイント剥奪、失格もあるなどひたすら噛み合わないシーズン。トップ10フィニッシュわずか6度とペンスキー時代ではあり得なかった低迷となりましたが、一方でビジネス面では手腕を発揮したようで、リックウェアーとの提携に主導的役割を果たしたとみられています。契約年数は不明ですが、オーナーなのでたぶん希望してスポンサーがいる限りは走り続けられるでしょう。
 一方、念願の初勝利を挙げるなど自己最高成績と言えるシーズンだったクリス ブッシャーは契約年数は不明ですが、スポンサーのファステナルは2024年までの契約延長をチームと行っており、他にも複数のスポンサーが2023年までの契約延長をしているので、ブッシャー自身も残留が濃厚です。


Front Row Motorsports/Ford
34 Michael Mcdowell
36   Zane Smith
38 Todd Gilliland(30 races)
     Zane Smith(6 races)

 ヤム!ブランズ(ケンタッキーフライドチキン、タコベル、ピザハットなどの運営会社)の複数の店舗のフランチャイズ オーナーである実業家・ボブ ジェンキンスが率いる小規模チーム・フロント ロウ モータースポーツ。ラウシュと提携し、ラウシュより小規模で従業員も少ないのになぜか前を走っていてどっちが上だか分からなくなることもよくあります。2023年も前年同様にマイケル マクダウル、トッド ギリランドとも残留する発表がありました。
 また、ゼイン スミスがこのチームから合計7戦に出場予定。デイトナ500ではスポット参戦のNo.36で参戦しますが、残る6戦はNo.38のドライバーとなり、ギリランドは30戦の出場となります。

 2021年のデイトナ500勝者・マクダウルはトップ10回数、平均順位でRFKのブッシャーを上回る好成績。とにかくゴールまで車を運ぶことに長けており、2022年のレース走破距離、消化周回数とも全ドライバー中最多。毎年のようにこの部門では上位につけており、しかもロードコースを中心に上位に顔を出すこともあることから小規模チームには貴重な人材です。来年は38歳、まさに円熟芸。
 一方で1年目だった22歳のギリランドはトップ10僅か2回、ドライバー選手権28位でしたが、先輩をしっかり真似たのか走行距離ではなんと6番目。とにかく車を壊さないお財布に優しい陣容です。ただ、36戦のうち6戦はスミスにその座を譲るため他のシートを探すことになり、5戦はリックウェアーからの参戦が出来る見通しです。

△Rick Ware Racing/Ford
15 Riley Herbst
     Todd Gilliland(5 races)
   J.J.Yeley?
   Joey Hand?
   Garrett Smithley?
51 Cody Ware


 元ドライバー・リック ウェアーがオーナーを務める、毎度おなじみ、すごい勢いで周回遅れになったり、チームメイト同士でぶつかって時々険悪になった話が聞こえてくるリック ウェアー レーシング。2022年はスチュワートハースと提携していましたが、2023年はRFKと技術提携し、設備もRFKの施設内を間借り。ケゼロウスキー側の「チャンピオンを狙うなら4台体制が良い」という希望に沿うべく、より緊密な連携を目指しています。
 他チームとも提携しながらインディーカー、NHRAドラッグ レース、IMSA WSCCなど活動領域を拡大しSNSによる宣伝戦略も巧みに利用するRWRはドライバーの発表をもったいぶる傾向にありますが、おそらく2023年も前年を踏襲すると見られます。
 No.51はオーナーの息子であるコディー ウェアーの継続参戦が濃厚。RWRは各カテゴリーで51番にNurtecODTのスポンサーという組み合わせなので、おそらくこれも継続されると思われます。NurtecODTっておそらく日本では承認されておらず流通していないと思いますが、佐藤 琢磨がこの組み合わせでインディーカーを走っていたので名前だけは日本で知られてそうですね。ちなみにNurtecODTを製造・販売しているバイオヘイブンという会社は2022年5月にファイザーが約1兆5000億円で買収しました。

 No.15は例年通りドライバーは複数のドライバーをスポンサーの兼ね合いで入れ替えながらの起用になると思われます。2022年は主にスーパー スピードウェイだけ出たデイビッド レーガンと、ロードコースの6戦で起用したジョーイ ハンドがけっこう頑張っていました。とりあえずデイトナ500ではライリー ハーブストが、また5戦ではギリランドが乗ることが既に確定しています。

 
Hendrick Motorsports/Chevrolet
  5 Kyle Larson(2026)
  9 Chase Elliott(2027)
24 William Byron(2024)
48 Alex Bowman(2026)

 元々シボレー車のディーラーとして大成功を収め、現在では10000人以上の従業員を抱えるヘンドリック オートモーティブ グループにまで成長させた敏腕オーナー、リック ヘンドリックが率いる強豪・ヘンドリック モータースポーツ。ドライバーは2022年から不動。
 2020年のチャンピオン、人気No.1のチェイス エリオットは2027年までの長期契約延長。2021年のチャンピオン・カイル ラーソンもこれまた2026年まで契約を延長しており当面この2人は動きません。両雄並び立たず、というのはこの世界のお約束でシーズン中に時々やり合っていましたが、あと3年間何も起きずにチームメイトとして過ごせるんでしょうか
(っ ◠‿:;...,
 また、ウイリアム バイロンは2024年までの2年の契約延長、アレックス ボウマンは元々2023年までの複数年契約から、開幕前にさらに3年の契約延長を行って2026年までの契約となっています。テキサスでのクラッシュで脳震盪を起こし5戦を欠場したボウマン、最後に復帰したとはいえ一度なってしまうと次が怖いとよく言われるだけに少し心配です。ドライバーもチームも有名なので特に差し込むネタがありませんw
 

Richard Childress Racing/Chevrolet
3 Austin Dillon
8△Kyle Busch
右からディロン、妻のホイットニー ウォード、
息子のエース、左端がチルドレス

 ドライバーとして主に1970年代のカップシリーズに285戦出場した経歴があり、その後オーナーとしてNASCAR史に名を残す存在となったリチャード チルドレスが率いる名門・リチャード チルドレス レーシング。
 オースティン ディロンはチルドレスの孫であり、彼が希望する限り在籍できると考えられているようですが、報道ではひとまず2025年までの契約が結ばれているとのこと。チームメイトのレディックに押され気味のディロンでしたが2022年はデイトナでのタナボタ優勝などトップ10フィニッシュが11回で、2016年以来となる2桁に届いてやや持ち直しました。
 余談ですがディロンは2002年のリトル リーグ ワールド シリーズにノースカロライナ州のチームから出場、試合には敗れたものの4打数1安打を記録したそうです。この年の国際部門決勝に勝ち進んだのが日本の仙台市のチームで、当時の主力選手の1人が後に『みちのくのドクターK』と呼ばれる佐藤 由則でした。

 そしてチームメイトはJGRから移籍のカイル。JGRが主要スポンサーの離脱でカイルとの残留交渉がまとまらない中、カイルは友人のディロンを通じてRCRに話をもちかけ、契約に成功したようです。その辺の細かい話は単独の記事があるのでこちらへ。
 2022年のカイルは終わってみればブリスコーが無茶してレディックを撃墜したことで偶然勝ったブリストルのダートでの1勝のみ。エンジンがやたらと壊れたり運が無く、そうこうしている間に離脱も決まって最後は意欲が落ちたように見えましたが、新体制でやる気スイッチが入って勝てるのか注目です。ディロンに負けてると結構厳しいかもしれません。

 
 Trackhouse Racing Team/Chevrolet
  1 Ross Chastain
99 Daniel Suárez(2024)
91 multiple drivers
初勝利を挙げ豪快にスイカを叩き割ったチャステイン

 元ドライバーで起業家でもあるジャスティン マークスが、STEM教育(科学・技術・工学・数学の4つの教育分野を横断的に学んでIT化・グローバル化する社会に適応できる人材を育成する教育プログラム)と連携して、共通理念を持つ企業の商品の購入を薦めるような広告宣伝を行う、という、独創的なチームの運営方針を掲げて2021年に設立したトラックハウス レーシング。
 チームの体制強化を模索する中でチップ ガナッシ レーシングの買収をまとめあげ、チップガナッシの設備・チャーターを丸ごと手にするという、ベンチャー企業の精神をそのままレース界に持ち込んだような運営方法が注目を集めています。チップガナッシ買収で強化された2022年はその効果が絶大で、ロス チャステイン、ダニエル スアレスの両ドライバーが初勝利を挙げる躍進を見せました。
 スアレスはチームと1年契約を結んで残留したと伝えられていましたが、開幕を前に複数年契約を結んだと発表、これによりおそらく2025年までの契約が行われたとみられます。ソノマで優勝するなどシリーズ10位の成績を残した一方、大事なところで事故に巻き込まれる、ピット作業でミスが出る、などの不運も多かったので、2023年はさらなる活躍を期待されます。
 そしておそらく2022年10月30日、世界で最も有名なドライバーになったであろうロス チャステインは特に契約の情報が無いですが残留が既定路線とみられます。全ドライバー中最多となる15回のトップ5フィニッシュ、CoTAとタラデガで勝利を挙げ、一方でいらん接触であちこちから恨みも買う暴走ぶり。
 そしてマーティンズビルではまさかのミニ四駆走りでプレイオフ最終戦に進出(ただしレース後車検の結果、ケゼロウスキーが失格になって話が変わったので、あれをやらなくても結果的には勝ち残っていた)。インディアナポリスのロードコースでも、混戦回避を名目にアクセス ロードを走って優勝争いしようとするなど、いつどんな手を出してくるか分かりません。まさにNASCAR界の新庄 剛志、当ブログイチオシドライバーです。
 また、チームはフル参戦の2台とは別に、著名ドライバーをスポット参戦で起用するプロジェクト91という企画があり、年間6~8戦で実現する意向を示しています。2022年はキミ ライコネンが起用され、もらい事故さえなければひょっとしたら上位だったのでは、という速さを見せてファンを驚かせました。


△Legacy Motor Club/Chevrolet
42〇Noah Gragson
43 Erik Jones(2024)
84□Jimmie Johnson
 

 カップシリーズ通算200勝・7度のチャンピオンに輝いた"キング"・リチャード ペティー率いるリチャード ペティー モータースポーツと、アレジアント航空の共同創業者・モーリー ギャラガーが設立したGMSレーシングが2022年に合併して誕生したペティーGMSレーシング。新たに共同オーナーとして、7度のチャンピオン・ジミー ジョンソンが名を連ねることになりました。オーナーが合計14回のチャンピオン!
 さらに、このジョンソンの加入に伴ってチーム名を一新し、レガシー モーター クラブというちょっと聞きなれない名称に変更されました。

 車両規定が新しくなって勢力図がリセットされたことはチームにとってプラスに働いたようで、エリック ジョーンズはダーリントンで優勝。平均順位16.3と健闘し、2024年までの複数年契約を結んでいます。
 No.42はタイ ディロンに代わって、エクスフィニティ―で8勝を挙げシリーズ2位となった24歳のノア グレッグソンを起用。フル参戦は初めてですが、2022年はコウリッグから10戦、ビアードから3戦、さらにボウマンの代走としてヘンドリックからも5戦に出場して経験を積んでおり、多少の下準備が整っているのは好材料です。
 また、ジョンソン自身も数戦にスポット参戦し、カーナンバーは84に決まりました。


 Kaulig Racing/Chevrolet
16 Justin Haley
31 A.J.Allmendinger
13 Chandler Smith
エクスフィニティ―で優勝した際のAJ


 住宅設備関連企業リーフ ホームの創業者・マット コウリッグがオーナーを務め2022年からカップシリーズにフル参戦を開始したコウリッグ レーシング。RCRと技術提携しています。体制は基本的に2022年と変わりません。
 No.16はジャスティン ヘイリーが残留とみられ、2019年にこのチームのお世話になってから来季で5年目、カップ戦フル参戦では2年目となります。2022年は時々上位に顔を出して期待を持たせる瞬間があり、23歳とまだ若いだけにサプライズを期待したい存在。
 そしてNo.31はA.J.アルメンディンガーがフル参戦のシートを獲得。2018年にJTGDからフル参戦したのを最後にカップ戦での居場所がなく、翌年からコウリッグのドライバーとしてエクスフィニティ―に参戦し、過去2年はフル参戦で2年連続の5勝。2022年はレギュラー シーズンのチャンピオンとなり33戦でトップ10が28回と抜群の安定感を見せました。あまり例のない41歳でのフル参戦返り咲きです。
 また、エクスフィニティ―にフル参戦するチャンドラー スミスがカップにも5戦の参戦を予定しています。
 

 JTG Dougherty Racing/Chevrolet
47 Ricky Stenhouse Jr.(2024+)
事故ってる画しかない^^;


 元NBAのスター選手・ブラッド ドアティーと広告エージェントのタッド ゲシクター、彼の妻ジョディ―らが共同オーナーを務めるJTG ドアティー レーシング。リッキー ステンハウス ジュニアの1台体制で変更なし、2023年から始まる複数年契約をシーズン中に結んだので、少なくとも2024年までの契約があります。
 2022年は第11戦ドーバーから突然の4戦連続トップ10と結果を出しましたが、それ以降は全く結果に繋がらず。毎年の課題であるクラッシュも多く、そろそろ良いところを見たいフル参戦11年目のシーズンです。上位に来ると期待感と、でも何かやらかしそう、というハラハラ感で盛り上がるので下位に沈まれては困ります。


Spire Motorsports/Chevrolet
  7 Corey Lajoie
77△Ty Dillon
ひげ


 スポーツや音楽のマネージメントを手掛ける企業・スパイアー スポーツ + エンターテインメントを母体とするスパイアー モータースポーツ。2台体制ですがNo.7はチャーターあり、No.77はチャーター無しでのフル参戦。ちなみに他所のチームのドライバーですが、チャステインはSS+Eとマネージメント契約している顧客と思われます。
 No.7のドライバーはコリー ラジョーイで継続と見られ、2021年にチームに加入した際にはおそらく2年契約を発表しており、そこからの延長となります。2022年はアトランタであわや優勝かという走りを見せてエリオットに撃墜され、多彩なペイント スキーム、さらにスタッキング ぺニーズというNASCAR公式ポッドキャストの番組で遠慮なくものを言うなど、レースではほぼ下位であることを感じさせない謎の存在感を見せています。
 一方No.77はジョッシュ ビリッキ―に代わってタイ ディロンの起用を発表。フル参戦、という発表なのでチャーターが無くても基本的に全戦に出場させる意向です。ディロンはペティーGMSで明らかにジョーンズに置いて行かれてしまい、トップ10フィニッシュはダートでの1回のみにとどまっていました。

 
△Live Fast Motorsports/Chevrolet
78 B.J.McLeod
  △Josh Bilicki 


 現役ドライバーでありながら早くからオーナー業も開始し、2020年のパンデミックによるシーズン中断からの再開と同時にカップシリーズに参戦を開始したライブ ファスト モータースポーツ。2023年に向けて車両をフォードからシボレーへ変更し、RCRと提携することになりました。
 オーナー兼ドライバーとしてB.J.マクラウドが主要ドライバーになると思われますが、ジョッシュ ビリッキ―がジーグラー オートモーティブ グループのスポンサーでCoTA、シカゴ、ミシガン、インディアナポリスの4戦に出場するという具体的な内容も発表されています。

Team Hezeberg Powered by Reaume Brothers Racing/Ford
26?
27 Loris Hezemans
   Jacques Villeneuve?

 ヨーロッパのシリーズであるNASCAR Whelen Euro Seriesで2度のチャンピオンを獲得したオランダ人ドライバー・ロリス ヘゼマンズとヘゼバーグ エンジニアリング システムズが、ドライバー兼オーナーとしてトラックシリーズに参戦しているリューム ブラザーズ レーシングと提携して誕生し2022年から参戦を開始したオランダ/アメリカ連合・チーム ヘゼバーグ。
 No.27の1年目はデイトナ500とロードコース5戦の計6戦にスポット参戦し、ヘゼマンズが5戦に、デイトナには開発ドライバーで元F1世界選手権チャンピオン・ジャック ビルヌーブが起用されました。2023年も同程度の参戦体制が見込まれますが正式な情報はありません。
 また、シーズン途中からNo.26としてトヨタを使用し元F1ドライバー・ダニール クビアトが3戦に出場しましたが、これを継続するかどうかも不明です。


Beard Motorsports/Chevrolet
62〇Austin Hill
エクスフィニティ―でのヒル


 元ドライバーでもあり、M&Lペトロリアムの創業者であるマーク ビアードが2009年に設立し、2017年からスーパースピードウェイに特化してスポット参戦してきた家族経営のチーム・ビアード モータースポーツ。
 2021年のデイトナ500を目前にした1月31日にビアードが亡くなりましたが、チームは家族らによって引き続き運営され2022年も4戦に出場。夏のデイトナはリタイアが多発する乱戦をくぐりぬけてグレッグソンが5位を獲得しました。
 そのグレッグソンがペティーGMSからフル参戦するため、2023年は新たにオースティン ヒルと契約。2022年に初めてエクスフィニティ―にRCRからフル参戦し、2勝を挙げてシリーズ5位。主戦場は引き続きエクスフィニティ―ですが、ビアードからなんと6戦に出場予定。チームはスーパースピードウェイの4戦に加えてシカゴとミシガンにも出場する予定です。

The Money Team Racing/Chevrolet
50 Conor Daly


 元ボクシング世界王者・フロイド メイウェザーと、元スターコム レーシングのオーナー陣が共同オーナーを務めるザ マネー チーム レーシング。2020年ごろからたびたび参戦の名前が挙がっては動きがなくネタ化されかけていましたが、とうとう2022年のデイトナ500にやたら派手な色の車でカズ グラーラを起用して参戦するなど合計4戦に登場。シャーロットのレースにはインディーカー シリーズにエド カーペンター レーシングからフル参戦しているコナー デイリーを起用しました。
 ECRエンジンを使用していることや元スターコムの人が関わっていることからRCRの支援を受けていると考えられますが、そのおかげか新規チームでは意外と難しい完走を出場した4戦全てで達成し、派手な印象の割に堅実なシーズンを過ごしました。
 2023年もデイリーが引き続きドライバーとしてスポット参戦する見込みで、7戦への出場を予定しているようです。

〇3F Racing/Chevrolet
30 Christopher Tate?
     Ryan Vargas?

 フェニックス レーシングの元マーケティング ディレクター・ドイツ人のデニス ヒルツがオーナーを務める3F レーシングが2023年のカップシリーズに参戦する意向を示しています。既にヒルツはオーナーのライセンスとカーナンバー30を手にしており、第5戦アトランタでのデビューを目指しているとのことです。
 フェニックスレーシングはDTM等にアウディーのカスタマーとして参戦していることで有名ですが、DTMにオペルが参戦していた時代はオペルのユーザーであり、オペルはGM傘下のブランドだったので、その関係でGMと縁があり車両はシボレーを使用、RCRの支援を受けます。チームのスタッフの一部はヨーロッパ出身となる予定です。ヘゼバーグに続くヨーロッパからの挑戦者ですね。
 ドライバーは不明ですが、開発ドライバーとしてクリストファー テイトとライアン バーガスという2名のドライバーと契約している模様。ただ、新規チームなのでできれば経験のある人を起用したいとも考えられます。
 テイトは11月に3Fのエントリーでレイトモデルのレースに既に出場しているドライバーですが、調べても何にも出てこないぐらい主だったレース活動経歴が無く、なんと現役の海兵隊員。一方バーガスはエクスフィニティ―に67戦の参戦経験がある22歳の若手です。
 

MBM Motorsports/Ford
66  ?

 元ドライバー兼メカニック・カール ロングが率いるMBMモータースポーツ。カップシリーズでも最小規模のチームとされていましたが、2021年にiRacingのイベントを巡ってNASCARと一悶着あり、その後は参戦規模が縮小。2022年は2戦に姿を見せただけで、活動の主体はエクスフィニティ―に移行しています。



おまけ:下部カテゴリーの主要な動向

 おまけでエクスフィニティ― シリーズ、クラフツマン トラック シリーズの主要チームの顔ぶれも記載しておきます。トラックはさすがにまだ未定のところが多いですね。


★エクスフィニティ―シリーズ

Stewart-Haas Racing/Ford
00□Cole Custer
98 Riley Herbst

 SHRはカップからカスターがこちらへ降格する形となり2019年以来の出戻り、これにあわせて2台体制へ拡大されます。モンスター エナジーがスポンサーに付いているハーブストは2020年にJGRからフル参戦、翌年にSHRへ移籍して3年連続でプレイオフに進出している23歳ですが、まだ初勝利を手にしていません。ハービックが今季いっぱいで引退するため、後釜がこの2名のいずれかになる可能性があり、チームメイトといえどお互い負けられない存在と言えそうです。

JR Motorsports/Chevrolet
 1 Sam Mayer
 7 Justin Allgaier
 8 Josh Berry
 9△Brandon Jones

 デイル アーンハート ジュニアと妹のケリー、ヘンドリックらがオーナーを務め、実質的にヘンドリックのエクスフィニティ―での活動拠点となっているジュニア モータースポーツ。来年の1月でまだ20歳というサム メイヤー、3勝を挙げてシリーズ3位の36歳・ジャスティン オールガイアー、31歳にして初めて主要シリーズでフル参戦のシートを得た苦労人・ジョッシュ ベリーの3人は継続。
 グレッグソンがカップへ昇格したために空席となったNo.9にはJGRから移籍のブランドン ジョーンズが加入。プレイオフ ラウンド オブ 8の最終戦でチームメイトのギブスに吹っ飛ばされてチャンピオンシップ進出権を奪われたジョーンズ、それでチームが嫌になったわけではなく、その1か月半前に移籍が既に発表されていました。スポンサーのメナーズもセットで移籍です。


Richard Childress Racing/Chevrolet
  2 Shaldon Creed
21 Austin Hill

 ジュニアさんのところが強すぎてシボレーでは影が薄く感じるRCRはいずれもフル参戦2年目、25歳のシェルドン クリードと、シーズン2勝を挙げてカップ戦へのスポット参戦の仕事も確保しレース人生やや上向きのオースティン ヒルの組み合わせ。ヒルは2021年まで服部さんのチームからトラックシリーズに出ていたので、ちょっと応援したくなる存在です。


Kaulig Racing/Chevrolet
10 Landon Cassil
     Justin Haley
11 Daniel Hemric
16〇Chandler Smith

 3台体制のコウリッグ、カップ戦で通算300戦以上、エクスフィニティ―でも200戦以上出場しているベテランのランドン カッシルと、2021年にJGRで1勝ながらエクスフィニティ―のチャンピオンとなったダニエル ヘムリックが残留。ただし、カッシルはフル参戦ではなく、この車はヘイリーと併用となることが発表されています。
 アルメンディンガーがカップへ昇格したために空席となったNo.16には、トラックシリーズでシリーズ3位となったチャンドラー スミスが加入。スミスは2018年からTRDの若手育成プログラムに選ばれて17歳だった2019年にはKBMからトラックシリーズに出場している期待の若手。イケメンですがなんと既に結婚してお子さんもいます。

Joe Gibbs Racing/Toyota
18 Sammy Smith
19 Ryan Truex
     multiple drivers
20 John Hunter Nemechek

 JGRはジョーンズがJRモータースポーツへ移籍し、ギブスがカップへ昇格したので体制が大きく変動。No.18は複数のドライバーで回していましたが、TRDの育成ドライバーで2022年には9戦に出場した18歳のサミー スミスが全戦で起用されることになりました。時々サム メイヤーと頭の中でごっちゃになります^^;
 逆に、ジョーンズが抜けたNo.19が複数ドライバー起用になる見込みで、ひとまずライアン トゥルーエックスが6戦に出場することが発表されています。ライアンはマーティン トゥルーエックス ジュニアの12歳年下の弟で現在30歳です。2016~2017年には服部さんのところでトラックシリーズに出場しているので、ちょっと応援(ry
 そしてこの1年は使用していなかったNo.20を復活させ、ジョン ハンター ネメチェックを起用。ネメチェックは2020年にフロントロウからカップにフル参戦したものの、翌年からKBMへ移籍してトラックシリーズへ転向。おそらく先のキャリアを見据えてあえて目先のカップのシートを捨てたんだと思いますが、2年で7勝を挙げてJGRへ昇格しました。
 ギブスが抜けたNo.54は情報がありませんが元々3台体制ですし、わざわざカップで彼が18ではなく54を使用することや、No.20をフル参戦のネメチェックに使用するため戻したことを考慮すると、おそらく当面は欠番にしてしまって2023年には出てこないのではないかと思います。


★クラフツマン トラック シリーズ

Kyle Busch Motorsports/Chevrolet
  4△Chase Purdy
51△Jack Wood
     Kyle Busch

 カイル自身がオーナーを務めるカイル ブッシュ モータースポーツ。TRDのドライバーを育成する役割をトラックシリーズで担ってきましたが、カイルがRCRに移籍するのに伴って当然TRDとの縁も切れシボレーへと変更。3台体制だったのが2台になりました。
 No.4は服部レーシングから移籍となる23歳のチェイス パーディーがフル参戦。もう1台のNo.51は2022年にGMSレーシングから初のシリーズフル参戦となった22歳のジャック ウッドが少なくとも10戦に出場。残るレースはカイル自身を含む数名のドライバーが起用されます。
 

△TRICON Garage/Toyota
  1 William Sawalich
   multiple drivers
11 Corey Heim
15 Tanner Gray
17 Taylor Gray

 KBMを失ったので新たなドライバー育成の場を必要としたTRDが、フォードを使用していたデイビッド ギリランド レーシングに声をかけて誕生した新チームがトライコン ガレージ。チーム名は三角形を表すトライと象徴を表すアイコンを組み合わせた造語で、ドライバー、オーナー、メーカーの3つのタイトルを目指すぞ、とかいう意味合いが込められているみたいです。
 ドライバーには、KBMから16戦に出場し2勝を挙げたコリー ハイム、過去3年間DGRから参戦していてそのままチームに残留する形となるタナ― グレイがフル参戦。タナ―は2018年に19歳ながらNHRA メロー イエロー ドラッグ レーシング シリーズで史上最年少チャンピオンを獲得した珍しい経歴の持ち主です。
 タナ―の弟・現在17歳のテイラー グレイもDGRからの引き継ぎで基本的にフル参戦ですが、NASCARの規定により18歳未満の選手は1.25マイル超のオーバルに出場できないため、18歳の誕生日を迎えるまでの序盤3戦を欠場します。

 もう1台のNo.1は複数のドライバーで参戦予定ですが、このうち6戦では16歳のウイリアム サワリッチが起用されることが発表されています。サワリッチは2022年末にJGRの契約ドライバーとなりNASCARの下部カテゴリーに計20戦出場することが既に発表されていましたが、ここに加えてトラックシリーズも加わりました。
 サワリッチの父はアメリカで最大の補聴器メーカー・スターキー ヒアリング テクノロジーズの社長・ブランドン サワリッチです。

Hattori Racing Enterprises/Toyota
16 Tyler Anklum
61 ???

 唯一の日本人オーナー・服部 茂章が率いるハットリ レーシング エンタープライジーズ。フル参戦5年目・チームでは2年目となるタイラー アンクラムは残留しますが、No.61のドライバーだったパーディーはKBMへ移籍してしまったため、別のドライバーを起用するのか、1台体制とするのか現時点では未定です。


GMS Racing/Chevrolet
23 Grant Enfinger
24△Rajah Caruth
43〇Daniel Dye

 カップシリーズでペティーと組んだのがそこそこうまく行ってる気がするGMSレーシング。来年38歳、通算7勝のベテラン・グラント エンフィンガーが残留。20歳のアフリカ系アメリカ人・ラジャ カルースと、12月に19歳になったばかりのダニエル ダイがいずれも初めてのフル参戦のシートを得ました。
 カルースはスパイアーから4戦だけ出場経験がありますが、ダイは完全にトラックシリーズ未経験、父のランディー ダイがNASCAR財団の理事ということもあってか慈善活動にも積極的だそうです。一方で、ファーザー ロペス カトリック高校に在籍していた2022年4月、同級生の股間を殴って睾丸を損傷させたとして逮捕され、一時NASCARから出場停止となった事件もありました。
 当初第3級重罪で起訴されたものが後に第1級軽罪へと変更され、結局起訴猶予となったようですが、どうやら同級生の間で「互いに股間を殴り合う」という学生らしいクソしょうもないゲームが元々流行っていて度が過ぎたのが原因だった模様。護身術として金的蹴りってありますけど、冗談抜きに危険なので緊急時ならともなく日常では絶対やらないようにしましょうね、これ何の話題の記事だっけ。

Rackley-Willie Allen Racing/Chevrolet
25 Matt DiBenedetto


 元々は2008年、トラックシリーズのドライバーだったウィリー アレンが、自身のレース活動を行う上でサスペンションについてもっと理解を含めたいと思い、仲間と共にW.A.Rショックという会社とレイト モデルのチームを設立したところに起源がある、というちょっと珍しいチーム。ここに、建物の屋根を手掛ける会社・ラックリー ルーフィングのCEO・カーティス サットンが出資者に加わってラックリーW.A.Rという名称で2021年からトラックシリーズに参戦。
 カップシリーズで居場所を失ったマット ディベネデトーと2022年に契約。カップシリーズではシート喪失の瀬戸際を人脈と奇跡的な粘り強さで生き延び、弱小チームによる大物食いという夢と快感を何度ももたらしてファンを熱狂させたMatt D。さすがに2年目のチームではプレイオフの進出こそならなかったものの、タラデガでチーム初勝利を挙げ、チームに残留する見込みです。las vegasさん、忘れてませんよ!


Front Row Motorsports/Ford
38 Zane Smith

 トラックシリーズには1台で臨むフロントロウ、フォード使用者自体も少ないのでなんとなくフォード F-150では孤軍奮闘している印象です。しかしドライバーは2022年のチャンピオン・ゼイン スミス。過去2シーズンはGMSレーシングでいずれも2位に終わってあと一歩届かなかったところから3度目の正直でタイトルを手にしました。
 1月で24歳になるスミスですがチャンピオンとしてトラックシリーズに残留。ここにエクスフィニティ―とカップでもスポット参戦を行う予定です。なんというか上のカテゴリーに上がる機会があまり無いのがもったいない存在にも見えます。

Niece Motorsports/Chevrolet
41 multiple drivers?
42 Carson Hocevar
45 Lawless Alan

 水、燃料、潤滑油などの液体を積んで運ぶ特殊なトラックの製造、販売を行う企業、ニース エクイップメントの創業者・アル ニースが設立し2016年から参戦しているニース モータースポーツ。
 No.42はもうすぐ20歳になるカーソン ホースバーがフル参戦。2020年からこのチームに加入、18歳になった2021年からフル参戦し、優勝こそないものの2年連続でプレイオフ進出しています。2022年は第11戦ゲートウェイの最終周のクラッシュで骨折し、その状態で翌周のソノマの予選で気迫のポール ポジションを獲得。ところがタイムを記録した翌周にクラッシュしました^^;
 No.45はフル参戦2年目・23歳のロウレス アランがチームに残留、No.41は複数のドライバーが参戦する見込みです。チャステインがスポットで参戦したのもこのチームでした。

McAnally-Hilgemann Racing/Chevrolet
19△Christian Eckes
35〇Jake Garcia
   Chase Elliott

 仕事をしながら1992年~1998年のK&N プロ シリーズ ウエストに合計56戦も出場した努力の人・ビル マカナリーが設立したビル マカナリー レーシング。ARCA メナーズ シリーズ ウエストで若手育成の場として有名で、カスター、ハブスト、ギリランドといったドライバーもここの卒業生。ディーガンが初めて優勝し『女性ドライバーとして史上初めてNASCARの主要レースで勝利した』と話題になったのもこのチームでした。日本で例えたらJAF F4で頑張ってるチームみたいな感じですね。
 そのBMRに、実業家のウィリアム ヒルジマンが出資してトラックシリーズに参戦しているのがマカナリー-ヒルジマン レーシング。カタカナで書くとなんか『ナカジマレーシング』みたいに見えなくもない・・・
 No.19は2022年にドライバー選手権8位だったクリスチャン アッカスがソースポートから移籍。このシートは2019年のARCAウエストでのチャンピオンを含め、長くBMRのお世話になっていたデレック クラウスがフル参戦していましたが、チームを離れることになりました。
 No.35には、2022年に6戦だけスポット参戦(うち1戦は予選落ち)していたジェイク ガルシアが基本的に全戦で起用されます。ただしまだ18歳になっていないので開幕戦のデイトナには出場できず、誕生日当日となる第2戦ラスベガスから参戦します。なんと開幕戦のデイトナにはチェイス エリオットが出場することになりました。
 

△ThorSport Racing/Ford
66 Ty Majeski
88 Matt Crafton
98△Hailie Deegan
99 Ben Rhodes

 シールマスターというアスファルトやテニスコートなどの舗装に関する製品を提供する企業を成長させた実業家・デューク ソーソンがオーナーを務め1996年から参戦するソースポート レーシング。現在参戦しているチームで最も長く続いているとされます。チームは過去2年間使用していたトヨタから、それ以前に使用していたフォードに車両を変更することになりました。たぶんギリランドレーシングがトヨタに変更された関係でしょう。
 ドライバーは、2022年に2勝を挙げてプレイオフ最終戦まで勝ち残ったタイ マジェスキー、過去3度のチャンピオンを獲得した大ベテラン・マット クラフトン、2021年のチャンピオン・ベン ローズの3人はそのまま残留するとみられます。
 そして唯一、アッカスが抜けて空席となったNo.98には、女性ドライバーのヘイリー ディーガンが加入することになりました。ディーガンはフォードと契約しているドライバーですが、所属するDGRがトヨタに鞍替えしてしまったのでその関係と思われます。

コメント

あゆむ★★☆ さんのコメント…
今年のステンハウスくんは、自らが原因のクラッシュでのリタイアは地味に少なくてポイントレースだとダーリントン位でした。それ以上にマシンが壊れるケースが多くて応援してる身としては寂しかったです。

ここにいない中だと、ゼインスミスがフロントロウから出走する予定になってますね。確実に出走させるため15番を使う可能性もありますが、もしフロントロウ本体から出走+15番がレーガンの場合、デイトナ500は実質4台体制になるので実現しないかなと楽しみにしています。
あゆむ★★☆ さんのコメント…
訂正、ステンハウスくんサザン500もやらかしているものの走り切っていました
SCfromLA さんの投稿…
>あゆむ★★☆さん

 フロントロウって自前で3台目を用意できるのかが謎だったんですけど、15を使うという方法もあるんですね。レーガンと息子ギリランドのワンツーを後ろからゼインスミスとマクダウルが押すとか考えるとちょっとワクワクしますね。あ、またRFKが空気になってしまったw
カイル・プッシュ さんのコメント…
シーズンオフも情報提供ありがとうございます。
移籍の目玉は、やっぱりカイルでしょうか。でも、2022シーズンは大して目立ってなかったので、さほどセンセーショナルではないですよね。

それよりも、マクダウル!走破距離、消化周回数がトップとは知りませんでした!確かに2022シーズンは画面に映ってることが多かったですよね。
若手の台頭、ではなく、おっちゃんの台頭です。2023も遅咲きの花を咲かせてもらいましょう。
SCfromLA さんの投稿…
>カイル・プッシュさん

 マクダウルは何年か前に調べた時、確かまだ#95の頃だったと思いますけどやっぱり走行距離で1位だったので、それ以来地味だけど面白い記録なので毎年調べてて彼はだいたい上位にいる常連ですね。中団ゆえに巻き込まれることも多いはずなのに常に走り切れるってことは、たぶん自分の走りにある程度形ができているので周囲を見る余裕があるんじゃないかと思いますね。
las vegas さんのコメント…
こんにちわ。貴重なオフシーズン情報ありがとうございます。
Matt D ありがとうございます。必ずまたカップに戻る事を信じております。 マクダウェルの情報は確かに面白いです。確か、2020くらいの記録でカップドライバーで参戦して優勝から遠ざかっているランキングも1位だったはずですがデイトナで優勝したのでその当時Matt Dが1位になってましたねww  日本人ドライバーの尾形さんはトラックはスポット参戦ですかね。。日本人として頑張ってほしいです。
SCfromLA さんの投稿…
>las vegasさん

 尾形さんはスポットで頑張る感じだろうと思います、というかなかなかフル参戦のシートは壁が高いですね。今シーズンはヒッコリーモータースピードウェイのリミテッドレイトモデルシリーズで4勝してシリーズ2位、ファン投票で人気ナンバーワンに選出されたとのことで、地方シリーズとはいえ素晴らしいことだと思います。
ChaseFun9 さんのコメント…
Alex契約延長めでたい!この最強4人で大活躍し続けて欲しい!目指せ全員Championship4 & 全員Champion!!(*´ω`*)
SCfromLA さんの投稿…
>Chase Fun9さん

 そんなにヘンドリックが勝ったら、「同一チームからチャンピオンシップに出れるのは最大2人」とかまた新しいルールを作られてしまいますよw