三浦大知のライブに行った話

 2022年も残り僅かになりました。今年は年明けに私の彼女に心臓の手術が必要であることがわかり、しかし予定していた夏場にCOVID-19の陽性者急増で医療機関の手が開かず期日が無期限延期に。そうこうしているうちに8月に本人も感染してしまい、ようやく手術ができたのが11月。
 ひとまず手術とその後の経過は良好で安堵していたら、11月末に私が謎の高熱を出し、12月の一番忙しい時期に今度は私がCOVID患者になって仕事に大穴を開けました。ワクチン接種の2日前ぐらいに感染したらしく一歩間に合わなかったというわけで、未だに咳が完全に収まりません。これほど健康に関して思い知らされた年は初めてでした。

 そんな2022年、世の中はいわゆる社会生活の正常化とか、ウィズコロナと言う名の、若干の現実逃避、責任回避みたいな体制へと移行していく状態ですがイベント開催も蘇り、なんと私達は計3度も音楽ライブへ行きました。
 6月に三浦 大知、10月に藤井 風、そして11月にRAG FAIR。中の人がご覧の通りレースと鉄道とアニメと野球で人生の99%を占めているという存在なので、全部もともとは彼女に誘われて「ライブに行くから初めて知った」存在ですが、にわかが体験したからこその感想とか、素晴らしさをぜひとも伝えたい、という意気込みだけはあるので、今年最後は普段とはちょっと違った話題で締めたいと思います。
 熱量だけはVVVFインバーターの話題並みに込めてみますが、伝わらない感じもまた雨天時の321系の加速時の空転並みにであろうことは間違いないでしょう。大知さんの話題はちょうど昨年末にも書きましたが、3つの話は微妙にリンクするのでまずは大知さんの話から。

 参加したのは6月に開催された『DAICHI MIURA LIVE TOUR 2019-2022 COLORLESS』というライブの大阪公演。2019-2022という題名が付いていますが打ち間違いではなく、2019年から2020年にかけて開催していたライブツアーがパンデミックの影響で途中で全て無期限延期になってしまったものを再開した、ということになっています。
 実際にはこのツアーでもまた陽性者の発生による延期が複数発生し、会場の再度の確保には時間がかかるので、なんと7月に開催されているはずだった浜松公演は2023年3月開催予定で未だに予定すら決まっていません。札幌公演でも『バンドのメンバーに陽性者が出たが、濃厚接触者がいないので当該メンバーだけ抜いて開催する』という、一体どうなったんだろうかと気になって仕方がない事件もありました。
 おそらくまた映像化するための撮影と編集は進んでると思うんですが、いかんせん最後の公演がまだ終わっていないので発売されるとしてもだいぶ先だろうなあと思っています。映像でもう一度早く見たい!

 私たちも元々2020年の大阪公演に行くはずが、残念ながら延期になっていました。チケットは一旦払い戻しされたので改めて買う必要がありましたが、無事に手に入りました。2020年はグランキューブ大阪こと大阪国際会議場での開催予定でしたが、2年の間隔を経ての改めての開催地はフェスティバルホールになりました。グランキューブが2020年の後半にはワクチンの大規模接種会場になった、というのはなかなか笑えない出来事でした。
 延期されている間になる新曲も出ているので、今回のツアーでは2019年のライブの大枠を維持しつつ、新曲も入れるという形。で、その休止前のライブは映像化されていたので、これを見た人間は私を含め『前のライブとどこが違うのか』という普通のライブとはちょっと異なる関心の持ち方をしていたと思います。そして、いざ始まったライブでイントロが流れた瞬間、私は即座にこう思いました。

「ブルーレイでやってたやつの本物や!!!」

 まずはライブの題名でもある COLORLESS で始まるのはさすがに変わらないだろうと予想していましたが、何度も音源で聞いたあのライブと同じものが今まさに目の前で行われていることに感動する、という普通では起こりえない経験でしたw
 結局3曲目までは以前のライブと同じで、4曲目から新曲を挟んで流れが変わり、そこに全国の会場ごとに曲目を変える一夜限りの限定パート(カバー曲だから映像化されてもたぶん収録されない)も盛り込まれる仕様でした。
 何がすごいってパフォーマンスもそうなんですが、歓声禁止だと言われたお客さんが本当に皆さんルールを守っていたことでした。「結局盛り上がったら誰も守らないんじゃないかなあ」と阪神タイガースの試合を見ていて思っていたので驚きでした。大知さんも強制する言い方ではなく「声を出せない分手拍子で!」と何度も声をかけながら歌っていて、声を出さずに手拍子で盛り上げるのがカッコいいんだ、と見ている側が自然と思えるように促していたのが印象的でした。

 ちょっと話が脱線しますけど、阪神ファンがクライマックスシリーズで応援歌を大声で合掌して注意されたことがニュースになっていましたが、はっきり言って4月からみんなやってたし、みんな知っていたはずです。守ってない人間がいるのを知っていて放っておいたのに、半年経っていきなり「阪神ファンが盛り上がりすぎて騒いだ」みたいな報じ方はどうかと思いましたね。
 本来なら最初から注意されて然るべきで、もちろんルールを守っていない人間が悪いですが、ずっと黙認して放っておいた運営も球場もメディアも悪いと思います。声出し禁止ルールが良いか悪いか、という話とは別に、それ以前の問題として最初からちゃんとやるべきだし、できないならそんなルールは最初から作るべきではないです。守っている人間が迷惑です。

 ライブに話を戻すと、2時間ちょっとあったと思うんですが本当にあっという間で、翌日の2日目に当日券を買いに行って連続で見ようかと本気で思うぐらい楽しみました。ライブの最後と言えばアンコールがつきものですが、今回のライブでは『気づいたらもうアンコールに入っている』というライブ史に残る(?)出来事もありました。
 大知さんいわく「拍手しか出来ない中でもう手のHPも残りわずかだと思うので、貴重なHPをアンコールを呼ぶために使うぐらいなら曲に使って欲しい」ということで、この2年でゲーム実況者として名を挙げた彼らしい表現を用いつつ、もはやアンコールという概念はどこかへ行ってしまいましたw

 せっかくなので、大知さんの楽曲で個人的に気に入っているものをいくつか紹介したいと思います。何曲かはミュージックビデオがYouTubeに公式に上がっていて見ることができるんですが、(最後まであと一歩というところで終わってしまうものもある)avexさんの動画は外部再生禁止のようなので、文字だけになりますね^^;


 今回のライブの題名にして最初に出て来る曲です。カラーレス=無色透明ということで、今の自分はまだ何色にも染まっていないし、何色にもこれから染まっていける。誰かに色を決められて過ごすのではなく、自分で選び取ろう、という感じの曲だと思っています。
 MV同様ライブでもステージにポツンと1人で現れて、たった1人で一瞬で観客を圧倒します。「決めつける未来 くだらない」のところで力を込めて声量が一気に大きくなるんですが、会場に響き渡るその声でゾクゾクしましたね。


 前回の2018年のライブの際に最新だった楽曲。映画『ドラゴンボール超 ブロリー』の主題歌なので子供にも人気があると思われます。踊るタイプの楽曲ではないんですが、MVではちょっと安っぽく見えるCGの氷山の中で歌っていたので、私の彼女は「あれ?大知さんお金無いんかな?大丈夫かな?」と心配になったそうですw
 力を持ちすぎるが故にそれを抑え込まれてしまい、氷の中に閉ざされてしまった内なる力を解き放つ!みたいな楽曲です。ライブだと間奏部分の「Ayayayayayayaya!」の部分がCD音源の2倍となる4回歌われるので16小節ほど長いです。逆にNHK紅白歌合戦で歌った時は1回だけになって無茶苦茶短かった記憶がありますね。


 「一度しかない人生、派手にやり切って、好きなだけリプレイ」という歌詞の通り好きにやったMVが素晴らしく、ダンス界の様々な世界級の人が集まって、その人たちと大知さんが順番にコラボして踊っていきます。ただ「ロックダンスだけはさすがに難しすぎてできなかったので、しれっと横にはけている」そうです、2番の途中ですねw
 最後は全員好きなスタイルで自由に踊り、そして締めの映像でアングルがMVの開始時と同じになってまた曲が始まる、まさにリプレイになっているのが面白い作りです。ライブでもダンスが見どころで、ダンサーのみなさんの華麗なダンスを魅せるために間奏がCD音源より8小節ぐらい長いです。


 東京パラリンピックへ向けてNHKが製作した、アニメとパラスポーツをかけあわせた番組『アニ×パラ』の車いすバスケットボール編のテーマ曲となっていたもので、たぶんテレビ番組では全然歌ってないと思うんですけど私はかなり好みです。
 MVでは『晋呉先生』ことダンサーの岡本 晋呉と2人だけのものすごいパフォーマンスを披露しています。ライブでも、イントロが流れた瞬間からみんな「晋呉先生いつ出てくるのかな」という空気になっている気がして、姿を見せた瞬間に明らかにザワつきました。ここで「キャー!」ってならないところがみなさんすごく統制が取れてましたね。MVとは別にNHKのアニパラバージョンもあって、こっちも良いです。


 ル パンスールと読みます、フランス語で思想家という意味みたいですね。面倒なので私はルパンと呼んでいますw
 他の曲にはあまりない怪しげな雰囲気の曲で、面白いというと変な表現ですが、今度はそう来るのか、と思わされました。繰り返し聞いてるうちになんかクセになって来る感じです。大知さんは元々裏声をわりと積極的に使うタイプだと思いますが、この曲は裏声率が高いですね。ダンサーさんは女性になって、普段の直線的で力強い動きではなく柔らかい動きに特徴があるなと思います。


 実はライブで一番見てみたいのがこの曲です。調べたら(RE)PLAYのカップリングで2016年に発売されたものみたいですが、2021年の配信ライブに向けたファン投票で1位だったので、よっぽど人気なんだろうと思います。かく言う私も好きなわけですが。休止前のツアーですら歌っていないので絶対歌わないと思っていたら、アコースティックバージョンという新しい形で歌を聞くことができました。でも次回はダンスを見たい!
 この曲、聞くとすぐ分かるんですけどリズムの取り方の意味が分からないんですw 独特のリズム、隅々まで張り巡らされた振り付け、耳に残るフレーズ、一度聞いたら残る曲です。最初に大阪城ホールのライブに行った際、取り急ぎ予習のために彼女から借りた『テレビ出演してる大知さんを集めたDVD』の中で、たぶんメドレーの中に組み込まれてちょっと出て来ただけだったと思うんですけど印象に残っていて「1回しか見てないのによく覚えてるね」と言われました。私の記憶力がすごいんじゃなくて、この曲の持つ力がすごいんです。

・飛行船


 ライブの定番曲で人気も安定していると思われる一曲。アーティストの一発撮り映像を随時公開していくThe First Takeでも大知さんが披露していました。これは動画貼れるわw
 自分探しがテーマだそうで、足にはめられた枷を振り払って自分の望むものを探して飛び立つ、みたいな楽曲です。歌詞や曲の感じから、私はなんとなく『ただ言われるがまま社会の歯車の1つとして機械のように過ごす疲れ切った人たち』の姿を感じ、そんな世界に自分はとどまりたくないんだ、そんな思いを持つ人が多くて支持されてるのかな、なんて思います。
 この曲は「一旦体力ゲージが0になるつもりで全力で踊らないと伝えたいメッセージが伝わらない」ということで、息を切らしながらの鬼気迫るようなパフォーマンス、2番を歌い終わった後に急展開する曲とダンスが何度でも見たくなります。CD音源だと本来は長い間奏があった後にもう少し歌詞があるんですが、どのライブ映像を見ても次の曲へ綺麗に繋がっているか、このファーストテイクト同じように「♪タンタラターン」という音で締められてしまって、最後まで歌っているのを見たことがありません。理由があるんでしょうかね?


 昨年の記事でも書きました、2021年の(たぶん)大ヒット曲にして、私が決定的に大知さんにハマった要因です。前に進んでいるようで進まない、後戻りしているのではないかと感じる、そんな状況への怒りを表したという歌と激しいダンス、1つの三浦大知の完成形だと勝手に思っています。今回のライブでは、信じられないことにHPをゼロにしたはずの飛行船の次に歌っていました。絶対この流れだけは無いと思ってたのに( ゚Д゚)
 MVは通常のものとダンスエディットの2種類あり、ダンスエディットは最初ダンススタジオ内でみんなマスク姿で踊り始め、ずっとそのままかと思ったら2番で場面転換。じゃあここからはMVと同じかと言えば、MVにある別カットの挿入が無いダンス特化仕様。いずれ将来、この「マスク姿である」ことを歴史として振り返る時期が来るのかなとか、そこまで見越してのマスクかなとかさらに深く考えてしまいます。
 曲が長いせいもあると思いますが、地上波番組でフルを歌ったのはおそらく1回だけ。日本レコード大賞ですら2番を省いたショートバージョンでした。ショートバージョンだと最後のサビの振り付けがフルでは2番にあたる振り付けになるので、やってて間違えないのかなあとかいう素朴な疑問が浮かびます。レコ大はフルが良かったなあ。。。
 間違えと言えば、音楽専門チャンネル・MTVが開催したVMAJというライブイベントでは、フルで歌ったものの非常に珍しく最後のサビで歌詞を間違えた(正確に言えば間違って主旋律を歌った)、という珍しい出来事がありました。大知さんが間違えてる映像ってこれしか見たことないですね。
 

 これも私が最も好きなものの1つで、MVに関しては今のところ一番だと思っています。おそらく地上波のテレビ番組では、この後ほどなく新曲のAntelopeが発売されたこともあって一度しか披露していないと思うんですが、もっとやってほしいと思いました。自分の道を進んでいく、というざっくりしたくくりではカラーレスなんかと重なるところがありますが、まあとにかくワンカットで撮影されたダンス映像が圧巻です。
 もはや音に合わせて踊っているのではなく、三浦大知自身からから音が出ているのではないかと錯覚する圧倒的迫力で、これをライブで目の前で見れるというのはもうこれだけで2000円ぐらい払う価値がありますね。今回のライブ、信じられないことに飛行船~Backwards~Yoursという、何回体力ゼロにするんだという曲順だったと思います。この3曲だけでチケット代はもう元を取ってお釣りが来たと言っても過言ではないでしょう。


 ライブの定番、仮面ライダーエグゼイドのオープニングテーマで、大知さんがテレビ番組に出てきたときにBGMで使われていることも多いので代表曲だと思います。大阪城ホールのライブで初めて見た時、会場の盛り上がりがそれまでを遥かに凌駕する、空気が変わる曲だったので相当人気なんだろうなと思いました。
 本来なら声を出したりタオルを振り回す曲ですが、みなさん拍手と拳を振り上げることで盛り上がりました。CD音源は打ち込み系のアレンジですが、私は先にライブから入ってしまったおかしな経緯をたどったせいもあり、ライブ仕様のバンドアレンジの重低音が効いた仕様の方が好きだったりします。ライブだと最後のサビがちょっと長くなるので、CD音源よりも尺が長いです。

・燦燦

 NHKのドラマ・ちむどんどんの主題歌として作られ、2022年の日本レコード大賞最優秀歌唱賞を受賞することになった一曲、このライブの時点での最新曲でした。あまりに設定が無茶苦茶すぎて『朝ドラ反省会』が話題になるほどの作品だったので、この曲を聞いて「わけのわからん設定いい加減にしろ!」と怒りがこみ上げてくる方もいらっしゃるかもしれません。いや、曲に罪は無いんですw
 知らずに見ると特にそういう要素を感じないですが大知さんは沖縄県出身。ご両親と祖父母は沖永良部島出身で、この曲は『亡くなった祖母への手紙』という気持ちが込められていると大知さんは説明しています。どうしても踊る系の楽曲ばっかり取り上げましたけど、こういう沁みる曲も素敵です。
 朝ドラで使用されているのは2番、歌番組に出演しても多くの場合2番から後を歌うショートバージョンが多いので、うっかり間違って1番から歌わないのかとまたいらん心配をしてしまいます。貴重なフルで歌う機会だった『おげんさんといっしょ』では、最初の数フレーズだけマイクが入って無くて放送に乗ってない、というちょっともったいない事件もありました。この曲もThe First Takeで披露されています。



 ここまでは全部ライブで見た曲なんですが、今回期待していて出てこなかったのがDidn't Knowでした。Backwards のCDに収録されていた4曲の中でこれだけ出てこなかったんですw
 自分の中ではLook What You Didと同じ属性グループに勝手に分類されていて、リンク先のこの配信ライブの雰囲気を見ると、ちょっと韓流グループのパフォーマンスに近い雰囲気も勝手に感じています。動きとかキレとか態勢とか意味が分からんレベルですね( ゚Д゚)
 ちなみに動画の題名になっている Front Row Version というのは、フロントロウモータースポーツのことではもちろんなく、観客席の最前列から見ているような映像、という意味です。確かにこの位置ってライブで最前列が手に入らないと見れないですもんね。


 最後にもう1曲、これも生で見てみたいのがRight Now。休止前のツアーでは入っていたんですが、新曲が入ったことで押し出された曲の1つです。avexの公式動画では長いので1番と2番で分割されてますw
 大知さんの中では割と珍しい気がする大人の恋愛な感じのダンスミュージック、MVで女性と密着してるのもわりと珍しいと思うんですが、まあとにかくサビのダンスのカッコいいこと。あとサビの手前の「エーイ」がすごく耳に残るフレーズです。文字だけ見たら意味わかんないですけどw
 ダンスリハーサルという動画も上げられており、こっちを見るとまたかなり衝撃を受けます。テレビ出演の際に「三浦大知のここがスゴイ!」みたいな紹介映像でこれが使われていることもあったと思います。


 またライブが開催されたら必ず行きたいと思っていますが、チケットが手に入らないとどうしようもないのでそこは祈るしかありません。次回は続きで藤井風さんのライブに行った話になります。

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