NASCAR Cup Series
開始早々リードを奪ったのはカイル ブッシュでした。しかし、グリルにダートが詰まって即座にオーバーヒートしたらしく、8周目にマーティン トゥルーエックス ジュニアにリードを明け渡し、そのまま緊急ピットとなりました。レース終盤にも事故に巻き込まれたカイルは結局17位でした。トゥルーエックスはこのレースの前に行われたCamping World Truck Seriesのレースで優勝しています。
既にライン上の土はだいぶ飛ばされてきたし、展開はガチャガチャだし、オールスターを見ているような感覚です^^; なお、ダートが飛んでいったら普通の舗装が出て来るのかというとそうではなく、トラックはNASCARの資料によれば、5層構造で、最下層には木くずなどを原料とした地盤の層があるみたいです。
60周目、トゥルーエックスとボウマンの1列目でリスタートしますが、ボウマンまた大失敗。どうやら4速が壊れてしまったようです。幸いそんなに全開率が高くないトラックなのでまあまあ走れていますが、ずっと高回転で走るのでエンジンがもつのかが心配です。
Food City Dirt Race
Bristol Motor Speedway 0.533miles×250Laps(100/100/50)=133.2miles
competition caution end of Lap 50 and 150
winner:Joey Logano(Team Penske/Shell / Pennzoil Ford Mustang)
NASCAR Cup Series、約50年ぶりにダートで開催される第7戦ブリストルです。せっかく頭をひねってやり方を考えた予選レースは雨により中止、いつも通り指数によるスタート順位決定となりました。
これまた既に記事にしたように、練習走行の結果タイヤの摩耗が思ったより酷かったため、レースは当初予定のステージ距離から変更され、事実上50周×5のレースとなっています。ピット作業は基本的にステージ間コーションとコンペティション コーションでのみ可能で、ピットでの順位変動もありません。さらに、現地でかなりの豪雨となってしまったので日曜日にレースを開催することもできず、順延されてレースは月曜日に行われました。
PPはカイル ラーソンでしたがエンジン交換によってリアに下がり、デニー ハムリンとライアン ブレイニーが1列目となります。ラーソンは元々ダートからキャリアを積み重ねてきている上に、NASCARから出場停止処分を受けて仕事を失っていた昨年はダートを走っていたので、このレースの大本命の一人ですが追い上げられるでしょうか。いよいよ未知のレースが始まりました。
開始早々リードを奪ったのはカイル ブッシュでした。しかし、グリルにダートが詰まって即座にオーバーヒートしたらしく、8周目にマーティン トゥルーエックス ジュニアにリードを明け渡し、そのまま緊急ピットとなりました。レース終盤にも事故に巻き込まれたカイルは結局17位でした。トゥルーエックスはこのレースの前に行われたCamping World Truck Seriesのレースで優勝しています。
しかしオーバーヒートは全員にとっての課題らしく、トゥルーエックスも水温は上昇中。そしてエリック アルミローラは20周もしないうちに、もう「前が見えない」と言っているようです。ピットでシールドを剥がすまで我慢するしかありません。今日は車載カメラも全く役に立たないことはスタートから5周で分かりましたw
ラーソンはさすがにダートの走りは心得たもので、25周でもう16位、なんかテープみたいなのをピラピラさせてるし、泥だらけだし、見た目は既にカオスですw
41周目、アルミローラが周回遅れを抜こうとしてドアを閉められたようで、イン側のダートに乗り上げて引っかかりスピン。多重事故になります。リーダーのトゥルーエックスの目の前で起きた出来事でしたが間一髪巻き添えを免れました。
2周後、ウイリアム バイロンとライアン ニューマンが接触。ニューマンがスピンしたほか、連鎖的に数件の軽い接触も起きてコーション。これが1回目のコンペティションコーションに統合されました。
チェイス ブリスコーは混乱を避けて大外から抜けようとしたら、接触を避けてケビン ハービックが外側へ上がってきたため、ハービックとウォールに挟まれて車がジャンプ。ショック アブソーバーが壊れてしまったようです。今回、ダートではうまく機能しないということで、SAFERバリアーは取り外されており、ウォールにぶつかるとかなりのダメージがあります。
ゆっくりとしたピット作業を経て、51周目にトゥルーエックスとクリストファー ベルの1列目でリスタート。ベルもラーソン同様にダートの経験が豊富で有力視されている一人です。ところが53周目、そのベルがスピン、あろうことかもう1人の本命・ラーソンも巻き添えにクラッシュしてしまいました。ベルはここでリタイアし34位でした。
60周目、トゥルーエックスとボウマンの1列目でリスタートしますが、ボウマンまた大失敗。どうやら4速が壊れてしまったようです。幸いそんなに全開率が高くないトラックなのでまあまあ走れていますが、ずっと高回転で走るのでエンジンがもつのかが心配です。
そして、これでなんとダニエル スアレスが2位に浮上します。スアレスは一切ダートの経験が無く、直前のトラックシリーズで初めてレースを走ったそうです。
この先40周はコーション無く進行し、波乱続きのステージ1をトゥルーエックスが制しました。2位には水曜日のiRacingのレースで優勝しているウイリアム バイロンが入り、ハムリン、スアレス、ライアン ブレイニーと続きました。
ステージ2、今日は外側リスタートが有利でスアレスが2位に浮上します。各車2度のピットを経てタイヤ摩耗の状況は掴んできており、右リアのタイヤが猛烈に傷むため、50周を考えたペース配分が重要になります。こちら、オースティン ディロンの使用済みタイヤ。
フロントの食いつきが悪いので、基本的に頭の向きを変えやすくするためにスライドさせながら走りたくなりますが、もうライン上はこの状態で砂も少ないので、それをやるとタイヤを酷使してしまいます。できるだけ丁寧に車の向きを変えて真っ直ぐ走らせた方が、当然摩耗は少なくて安定します。スアレスはダート経験が無いために、逆にダートの癖が無くて滑らせないことを徹底しているように見えます。
134周目、とうとうスアレスがトゥルーエックスをかわしてリードを奪います。さらにバイロンも続いて、タイヤ摩耗の差が出始めます。このまま150周を終えコンペティションコーションとなりました。クリス ブッシャーはこの直前に右リアタイヤが潰れたみたいです(;・∀・)
ラーソンはコーション直前にスアレスに2周遅れにされる際にちょっと接触してしまい、もともと序盤の事故で壊れていたフェンダーがさらに壊れてしまいました。仕方ないので修理しました(。∀°)
で、この後ステージ2後半戦が始まりますが、なぜかYouTubeではエンコードで不具合でも出たのか、リスタート直前の151周目の映像からいきなり多重クラッシュ後の映像に時間がワープ。
レース リワインドの方を後で見て内容を補完しましたが、ブレイニーがカイルに押されて回ってしまい、多重事故になっていました。たまにこういうことがあるねんなあ、まあタダで見せてもろてるから文句は言われへんけど。
159周目にリスタートしたものの、1周したらブリスコーがスピンしてまたコーション。とにかく中団以降は前がほとんど砂ぼこりで見えず、この時間は日差しが強くて二重苦に。前で何か起きても分からないし、ブレーキ踏んだって止まらないし、一か所で何かあればほぼ多重事故という状況です。
あまりに混乱が続くので、NASCARはここでリスタートを1列にすることにしました。スアレスはNASCARから「ペースカーのもっと近くを走るように」と言われているようですが「近寄ると埃で前が見えない」と言って距離をとってしまっているようです。結構深刻^^;
そもそもオーバルのレースを雨で開催しない理由の1つは『レイン タイヤを履いたところで、水煙で前が見えないからレース出来ない』だと思うので、砂埃なら走って良い、ってのも理屈だけで考えたら変ですもんねえ。
てなことを考えてたら、なんとこの後4月1日に、NASCARはマーティンズビルでレインタイヤのテストを行いました。速度域の低いショート トラックで雨でもレースができないかを真剣に検討しているようです。これは結構びっくり。元々の理屈から考えるのではなく、逆にダートの理屈から考えたら確かにショートトラックなら雨でもレースできる気がしますw
170周目に1列でリスタート。ロガーノが仕掛けていきますがスアレスがきっちり抑えます。このままこの2台が0.5秒以下の差で争いを続けますが186周目、スアレスの目の前で周回遅れのコディー ウェアーがスピン。8回目のコーションとなりました。
191周目のリスタート、スアレスはリスタート直後がタイトで感触が良くないらしく、ここもロガーノが攻め立てて192周目にリードを奪います。そのままステージ2を制しました。
ファイナル ステージ、開始前に、来年もブリストルでダートを開催することが発表されました。早いですねw
コーション中には路面の整備も行われます。散水車が出て適度に水分を含ませ、後ろから何台か車が走って踏み固めるその姿は、野球のグラウンド整備ですw ファイナル ステージに向けては、埃があまりに舞いすぎないようこれまでよりもかなり多く水を撒いた様子。路面状況がまた変化しました。
ファイナルステージ、先ほどまでとコンディションが変わったことで外側のラインが機能するようで、それを真っ先に見抜いたハムリンがスアレスをかわして2位に浮上し、ロガーノとリーダー争いを展開します。
しかしロガーノはつつかれながらもこれに耐え、周回遅れもさばいてリードを維持。逆にハムリンは徐々に追えなくなってしまい、さらなる外側のラインを使うなど走り方を探りますがロガーノの優勢となっていきます。
216周目、バッバ ウォーレスが接触でタイヤを傷めてスピンしたものの、うまくスピンして前を向いたのでコーション無く続行。ウォーレスはトップ10を狙える走りを見せていましたが、この不運もあって27位でした。
ステージ2で時の人となったスアレスは路面状況の変化で優位性が薄れたのか後退してしまい、逆にこの状況でリッキー ステンハウス ジュニアが猛烈な速さで4位まで上げてきます。ステンハウスもトップ10を伺える車ではありましたが、この条件が車と合っている様子。
ハムリンは残り6周で完全にラインを外れてウォールにこすり、これで勝負ありかと思われました。ところが残り4周、マイク マーラーのスピンによりコーション、レースはオーバータイムとなります。
マーラーは今回のレースで起用されたスポット参戦ドライバーのうちの1人ですが、このスピンにより31位でレースを終えました。スポット組で最上位はカナダ人ドライバーで、2019年にはNCWTSのエルドラでのダート戦で優勝しているスチュワート フリーゼンの23位でした。
オーバータイム、ターン1に入ったところで3位のトゥルーエックスがタイヤのトラブルかラインを外れて撃沈。そしてステンハウスがハムリンを簡単に抜き去って2位となりますが、残り1周ではさすがにロガーノには届きませんでした。
ロガーノが新しいダートの歴史に名を刻みました。通算では27勝目、今季初優勝で、カップシリーズは開幕から7戦して依然全て勝者が異なる記録が続きます。日々不穏日記さんはロガーノの憎たらしいインタビューの表情を見て、きっと祝いながら文句言ってることでしょうw
アトランタの時に書いた内容と重なりますが、スアレスはとにかく車を真っすぐ走らせてリアをスライドさせない、言うなれば『サーキット的』な走りをしているように見えました。
ラリーのイメージを考えると分かりますが、ダートは路面の摩擦係数が低くて、前輪が食いついてはなかなか曲がってくれないので、リアを振って車の向きを変えるような走り方をします。しかし、レース距離が短くて車も軽い、ミジェット カーやスプリント カーのレースと比べて、1500kgもあるカップカーで長距離を走るとなると、タイヤが厳しくなります。
スアレスは単にダートの走り方の基本が染みついていないからそうなっただけなのかもしれませんが、結果的にタイヤを労わって安定して走らせることができていました。
ファイナルステージでは水を多く撒いたので、路面もややヌルヌルとしてスライドさせる人にとってはタイヤの摩耗を抑える方向に働き、逆にスアレスにとっては前が食いつかないので、ただでさえリスタート直後は曲がりにくい車がより向きが変わらなくなって最後に苦戦した、そんな風に見えました。
そこに加えて、リスタートが1列になったこともやや不運で、もし2列であれば、リスタートで2位のロガーノは不利なイン側を強いられ、スアレスはライバルを蹴落としやすくなったはずですが、1列になったためにリスタート直後からリアをつつかれることになっていました。この2つの点で、スアレスは少しばかり運も味方しなかったと思います。
それでも、車をこれだけうまく使えたことは間違いなくチームも本人も自信に繋がります。これはどのカテゴリーでもそうですが、セッティングって、ある程度ドライバーの好みを主体に考える場合と、エンジニアが『これが理屈では速いからこれに乗れ』と言われるような場合があります。
ここ2戦の感じだと、スアレスとクルー チーフのやりたい方向性はすごく噛み合っているように思えます。特殊なレースだったからたまたまマグレで、というだけでなく、この先も面白い走りを見せてくれるんじゃないかというちょっとした期待が持てるレースでした。
さすがに滅茶苦茶なことが色々と起きたダート戦。個人的なことを言えば、ブリストルの普通のレースが好きなので、そのうち1戦が減るのは結構残念なんですが、興行として考えれば、話題性が欲しい中で、アメリカのレースの源流とも言えるダートのレースを組み入れる、というのは良い発想だと思います。
実際、NASCARの存在なんてほとんど誰も知らない日本ですら普段より話題を目にしますし、オートスポーツ誌でも特集が組まれるぐらいなので、おそらくアメリカでの注目度もそれなりのものだったことでしょう。このレースは月曜日に順延されたにもかかわらず、311万人が視聴して昨年より6%増、春のブリストルでは2016年以来の高い数値だったとのことです。
来年は今年の教訓でタイヤも設計できますし、レースの設定も路面の作り方も多くの知見を得たわけですから、これから育てていくイベントと考えれば非常に前向きに考えられるレースでした。オールスター的な雰囲気になってしまいましたが、26戦もレギュラー シーズンがあるならそういうのがあってもまあおかしくは無いと思います。スーパー スピードウェイだってある意味運任せのレースですしね。
ひとまずこの大胆なイベントを、悪天候も乗り切ってまとめたNASCARと関係者の方々に感謝したいなと思いました。
さて、来週はイースターのため今季初の休養週。次戦は4月10日、土曜日夜に開催されるマーティンズビルです。











コメント
せめてワイパー付けてあげてwww
見た目はずいぶんと砂が飛び去ったように見えましたが、走ってみたらあの砂埃なので実際はかなり砂があるんでしょうね。
ワイパーはあの状態で回してもたぶん効果無いと思いますw