NASCAR 第22戦 インディアナポリス

NASCAR Cup Series
Brickyard 400 presented by PPG
Indianapolis Motor Speedway 2.5miles×160Laps(50/50/60)=400miles
winner:Corey Heim(23XI Racing/Field & Stream Toyota Camry XSE)

 NASCARカップシリーズ、夏休み前の締めくくりとなるブリックヤード400。レース前に国歌を歌ったのはインディアナ州を拠点としているシンガーソングライター・スコッティー ランドルフ。ロック、ブルース、カントリーを融合させた音楽で知られるそうで、めっちゃええ声なんですけどなかなかにアレンジ聞いたクセの強い国家です。このクセ強ソングでもフライオーバーとちゃんとタイミングが合うのが不思議(笑)いや、むしろ飛行機に合わせて人間が歌の尺を合わせてるのか・・・?
 ちなみに今回の観客数は7万人ほどだったらしく、昨年は7万人弱だったので前年比では微増に当たるそうです。といってもここの収容人数を考えると空席が多く見えるのは仕方ないところ。元々販売対象にしていない席もあると思いますが、少なくとも販売席が完売する状況には至ってないですね。

・ステージ1
ターン1は阪神の2軍戦ぐらいの客の入り

 スタートからホースバーが飛ばしまくって2周で早くもスアレスと2秒差、大きく引き離した状況のまま周回が進みます。スティーブ レターテの解説だとリーダーから5秒以上離れているとピットに入って4輪交換したら周回遅れになるとのことで、1人だけで逃げる展開は相手から見ると作戦の幅を奪われることになります。
 ホースバーは20周あたりまで快調に走っていましたが、やっぱり飛ばしすぎなのかここから急速に追いつかれて数周のうちにスアレスが0.7秒差に。そしてこのあたりでステージ中間地点ということでピットサイクルになりました。ホースバーは後ろの動きを見てから32周目にピットに入るも、ピット前の数周を周回遅れの後ろで過ごしたことと給油量が多かったことが影響し、ラーソンとギブスにアンダーカットされました。
 35周目あたりでこのサイクルは概ね一巡しますが、ハムリンを筆頭にステージを半分に割るのではなく、さらに走り続ける戦略を採る人がいてこれが最初の分かれ道。これはレース全体を40周×4にする3ストップ作戦、結局ハムリンはピッタリ40周走ってようやくピットに入り、同じ作戦でもハイムはさらに伸ばして44周目に突入。さすがにここでピットに入るようですが、

 マジか!見た目上2位・実質1位のラーソンが信じられないことにターン3で単独クラッシュ。左後輪がパンクしたようで、インディーカーでよく見るような派手な単独事故になってしまいました。ラーソンはこれでリタイア、ハイムはコーション直前にピットに入っていたので得をして多くの選手をオーバーカットし4位で合流します。ステージ終了間際のコーションなので他の人も作戦の練り直しです。
 上位勢はステイアウトを選択し、リスタートしたのは50周目。たった1周だけの争いは先頭で出たギブスが制し、ハイム、マクダウル、ホースバー、バイロン、ハムリン、スアレス、ブリスコー、ブッシャー、レディックのトップ10でした。
 
・ステージ2

 ピットに入るのは少数派、ということはステージ1中盤の30周目あたりでピットに入った人も75周目あたりまで引っ張って、あとはステージ2終了後、ファイナルステージ真ん中で給油する合計4ストップ作戦で考えてるんでしょうかね。
 56周目にリスタート、タイヤ履歴から言って圧倒的に有利なのはハイムだと思いましたが出遅れてしまい、2列目のマクダウルがハイムをかわしました。速いはずの人に蓋が出来てギブス君ラッキー。
 一方で不運が訪れたのはまたヘンドリック勢、60周目のターン2でエリオットがリッキー ステンハウス ジュニアと接触して壁にそこそこの強さで当たってしまい、パンクとトー リンク破損でピットへ。接触の流れがはっきりしないのでどっちが悪いのか分かりませんが、ヘンドリックはレースが半分も進まないうちに2人が争いから消えました。そういえば前回の記事のコメント欄で

 ごめんなさい、これヘンドリックを呪ってしまいましたね(笑)

 さてリーダーのギブスはステージ1のホースバーと同じように快走、ハイムの方はマクダウルの後ろにくっ付いて燃費走行しているらしく、若いのにチームから求められた戦略を真面目にこなしているように見えます。3ストップは燃料を使いすぎたら足りなくなりますからね、というか最初からそれでリスタートでも目いっぱい攻めなかったのか!?
 予想通り73周目あたりから4ストップ組はピットサイクルとなり、リーダーのギブスは75周目にピットへ、これで3ストップ組のハイムがリーダーになります。でもここからは風よけがいません。一方でホースバーなどはギブスと同じ作戦かと思いきや、コーション周回で稼いだ燃料から見積もって3ストップに乗り換えた模様。ホースバーは82周目にピットに入って燃料の面では軌道に乗りますが、問題はピットを出た場所。ハイムの僅かに後ろで周回遅れでした。
 ここでハイムに掴まったままだとペースは上がらないしコーションが出たら損なのでホースバーはラップバックを試みますが、ハイムはこれを抑え込んで周回違いにもかかわらず争いになりました。その間84周目にハムリンがピットに入り、こっちはちゃんとハイムの前で復帰したのでホースバーをオーバーカット成功。ハイムもこの争いでペースが落ちているので、おそらくピットに入って出たらハムリンより後ろになると思われます。ハイムは結局ホースバーを抑えたまま92周目にピットに入りますが、
放送できないよ(×_×)

 ホースバーはわざわざ近寄って行って左手で何かしらのサイン。えーっと、よお、元気にしてるか?とかかな(笑)ビックリしたのはスポッターで、「67号車がピットに入るよ~」と伝えたらホースバーもピットに向かっていったため、指示を誤解してピットに入ろうとしたのかと思って「違う違う、ステイアウト!」と大慌て。まさかあいさつしに行くとは思いませんでしたからね、放送席にはバカウケでしたけど。
 その後96周目にダニエル ダイが単独クラッシュしてコーションとなり、今回はリスタートするには時間が足りないのでそのままステージ終了。ステージ勝者は全然違う戦略のためある意味で前方に取り残されていたチャステインで、同じ流れのギリランドが2位。この2人は本当はステージをフリップしたかったんじゃないだろうか。
 3位からギブス、ハムリン、ハイム、ホースバー、プリース、マクダウル、ジョーンズ、スアレスのトップ10でした。プリースはダイがスピンする直前にピットに入っていてステージ1のハイムと同じパターンだったと思われ、ステージ2を最後尾近くからリスタートして全然上位じゃなかったのにここで急に出てきました。こういう変なのが挟まるのでレディックはステージ12位、ポイント獲れず。

 ところでダイと言えばインディーカー選手・デイビッド マルーカスを同性愛者だとバカにしたように発言したことで出場停止処分を受けてコウリッグ レーシングをクビになり、そのわりに別のチームでいくつか機会を得てなぜかカップシリーズにも出場する機会があるわけですが、彼の車に書かれたRace to Stop Suicide=自殺を止めるためのレースというのは彼と父親であるランディー ダイが中心となって立ち上げた非営利団体です。


 彼自身いとこを自殺で亡くした経験があるため他人事ではなく、レース活動を通じて心の健康を守る取り組みを推進することに大きな関心を持っているそうです。高校時代にもちょっと問題行動をやらかしててやや精神的に未熟っぽい彼が行動して説得力があるのかどうかは別にして、自分たちでやってる財団だからクビになろうとステッカーが剥がれることはないですし、結果的に名前が売れたら啓発効果はあるというやや皮肉な面もあります。
 ちなみにトラックシリーズの第20戦カンザスではこの非営利団体がレースの冠スポンサーとなって啓発を行うことになっています。ダイはこのレースにマカナリー ヒルジマン レーシングの20号車で出場予定です。

・ファイナル ステージ

 ガス欠寸前と思われる上位2人はステージ間コーションでピットへ駆け込み、ギブス、ハムリン、ハイム、ホースバーのチューズ順位。ここでハムリンに対してクルー チーフからの情報は「ハイムは給油時間が3秒短い燃料をもっている可能性がある」というもの。先頭のギブスもステイアウトしたということは3ストップに乗り換えたと思われますが、前回の給油が75周目ですから燃料的にそんなに余裕が無くピットで給油待ちになると推定されます。
 105周目にリスタート、ハムリンとハイムが並んだもののすぐにハイムは引いてハムリンの真後ろへ。ターン3でホースバーがハイムを狙って来ますが、やっぱり抜けません。結果ギブス、ハムリン、ハイム、ホースバーのトップ4に変化なし、5位に付けるプリースは前回の給油が96周目なので最も燃料を持っていると自信を持っています。でも走ってる時に離されたら意味ないのでどうなんでしょうねえ。
 おそらくギブスはエンジンをあんまり回すこともできないのでハムリンに張り付かれている状況。118周目あたりにピットに入るのではないかと予想されますが、なんと114周目にデブリーによるコーションが発生。ちっさい何かしらの破片1つで状況が一変しました。こうなると全員が満タン給油しか選択の余地がなく、給油時間が短い人が圧倒的に有利です。見せてもらおうか、プリースの給油時間の短さとやらを。
これが原因

 ここで燃料が多く残っている人はタイヤ交換時間よりも遥かに給油が早いので2輪交換を選択。ハイムが僅差でハムリンを下して最初にピットを出ました。ロガーノ、ベル、ブリスコー、レディックと2輪交換勢が続いて行き、プリースはというと4輪交換したので上位には全く顔を出しませんでした、放送席は驚き。うーん、ピットが後ろの方だからぶつかる危険性も考えたでしょうかね。またギブスやホースバーは給油時間が長いため、これまた沈んでしまいました。さっきまでの114周は前振り、ここからいよいよ本番ですね()

 120周目/残り41周でリスタート、内側からリスタートしたハイムでしたが後ろにいたロガーノがいきなりターン1で鼻先を突っ込もうとして軽く接触したので、その間にハムリンが楽々とリードを奪いました。中団以降も激しい争いが繰り広げられますが、

 ターン3で3ワイドの争いになってブレイニーがスピン、3ワイドの真ん中に鼻先を突っ込んでしまったネメチェックがマズかったようで、ブレイニーは無線で「バカか42号車、毎週だよ」。一方ネメチェックも「12号車に申し訳ない」。ただ接触の過程としてはなかなか微妙で、もしこれがDシェイプの普通の1.5マイルなら真ん中を開けて走ってあげる場面にも見えます。ただここはターンで3人は並べない形状なのでブレイニーとスポッター的には後ろが引くべきと考えて内側に切り込んだと思われ、行けると思って鼻先を入れたネメチェックとはターンに対する解釈がちょっと違った可能性を感じます。これは他の選手の考えも聞かないと、どっちの考えが一般的なのかちょっと素人では判別付かないですね。良い悪いは見た目よりは分かりにくい案件で、安易にネメチェックだけ非難するものでもないかなあ、とは思いました。
 この時ギリランドも争いの近くにいましたが、内側をすり抜けて無事だったので100万ドルが近づきました。ただブレイニーも壁への衝突を最小限に抑える絶妙な動きを見せたので、車体にテープは貼ってありますが致命的な損傷は避けられた様子。そういえば事前情報ページ


 ある意味ですごいことをやってくれました、予感的中ですね、ハハッ。

 このコーションは意外と長引いて上位勢はちょっと燃料が楽になり127周目にリスタート、内側を選んだハムリンはチームメイトのベルに押して欲しかったのにタイミングが合わなくて孤立。一方ハイムは今回はロガーノに上手く押してもらいターン1で前に出ると、ターン2でオーナー様を鬼ブロック。これでハイムがリードを奪い、逆にハムリンはブロックを食らったせいで勢いが削がれて5位まで後退しました。
 その後ハイムとベルが0.3秒前後の差で持久戦に突入して残りは20周、「むっちゃルース~」と苦しむハイムですがそれはダーティー エアーを受けながら走るベルも似たようなもの。そこに2秒後方から少しずつロガーノが距離を詰めてきます。4位のブリスコーは離されてしまったのでどうやらこの3人の優勝争いです。そして後方では傷んだ車で走るブレイニーが26位で健闘、1秒前方には100万ドルが走っていて、まだインシーズンチャレンジの行方も分かりません。

 残り13周、ロガーノはとうとうハイムから1秒差に追いつきましたが、ここまで来ると2人分の乱気流を食らうのでなかなか前に進めません。ハイムは明らかにルースになっていて細かい修正舵を入れながら走っているものの、車なりに絶妙な走りを続けて残り5周までもなおベルを0.3秒差で従え、ロガーノも0.7秒差で完全に待機状態。
 しかし残り3周、2秒ほど前方に周回遅れのジョンハンターがいるせいか、ハイムがターン1で滑ってベル急接近。残り2周のフロントストレッチでとうとう最初にして最大のチャンスを迎えますが、ハイムは冷静にブロックしました。その後ジョンハンターが道を開けてくれたのでハイムは最大の危機を乗り切り、ホワイトフラッグを受けて最後の2.5マイルもズルズル滑りながら最後まで耐えました。コリーハイム、サンディエゴでまさかの初優勝を挙げてから僅か1ヶ月で、今度はクラウンジュエルの1つを制して2勝目を達成です。

 ちなみにスポンサーのフィールド アンド ストリームは1871年商業の老舗アウトドア雑誌でありアウトドア ブランドだそうです。でっかい魚がバス プロ ショップスとちょっと被りますね(?)

マーティー スナイダー「NASCARカップシリーズに"ハイム タイム"の到来です。新たなスターが誕生しました。コリー ハイムにとって、この6週間は本当に素晴らしいものでした。サンディエゴでの大きな勝利、その後に24歳の誕生日を迎え、そしてここインディアナポリスでのブリックヤード400制覇です。この若者の走りは見事と言うほかありません、しかもフルタイム参戦ではないにもかかわらずです。コリー選手、15戦中2勝というのは素晴らしい勝率です。インディアナポリスでの勝利はドライバーにとっての夢ですが、まだ24歳とはいえ今回の勝利は間違いなく最高の瞬間の一つじゃないでしょうか?最後の数周はどんなことを考えていましたか?かなり扱いにくい車で、しかもチームメイトであるクリストファー ベル選手に追われていました。」

ハイム「いやあマジできつかったです。日が陰って来て入ってペースが上がった途端に車がむちゃくちゃルースになってしまって、必死に耐えるしかありませんでした。それまでクリーン エアーを走る機会があまりなかったので、とにかくターンの出口を意識して、ダーティー エアーの中でも集中力を切らさないようにするのは人生最大の戦いでした。もう、息が上がりますね。それが上手く行って、それで夢が叶いました。ブリックヤードで勝つなんて信じらんないですね。会場に駆けつけてくれたファンの皆さん、本当にありがとうございます。ヤバいっすね。序盤のピットサイクルのタイミングで運も味方しましたし、その後は一日を通してミスなく走り切ることができました。ピット クルーや23XIのチーム、そしてこのフィールドアンドストリームカムリを仕上げてくれたみなさんが素晴らしい仕事をしてくれました。フィールドアンドストリームでの初レースで勝てたのも最高ですね。初戦で初勝利ですから、この勢いを続けていきたいです。」

マーティー「レース前に『リスタートでもっと積極的に攻めることを学ばなきゃいけない』とお話しいただきました。ボスであるデニー ハムリン選手との、あのリスタートの場面について詳しく教えてください。」

ハイム「そうですね、とにかく積極的にに行くしかなかったですね。優勝がかかってましたから。何か間違ったことをしてたのかは映像を見直さないと分かんないですけど、お互いに優勝を目指してレースをしているわけですから。彼が僕に対して少し苛立つ気持ちも分かりますけど、彼だって同じ状況なら同じことをしたと思いますね。ですから、まあとにかく隙を見せないように集中してました。22号車がうまく押してくれたおかげでいい位置につけられたので、彼にはお礼を言いたいですね。いやあ、本当にすごいですね、これが何戦目でしたっけ?7戦?」

マーティー「15戦目です。」

ハイム「ああそうそう。」

マーティー「ここで勝つには豊富な経験が必要だという定説をあなたは払拭しました。観客の皆さんはご存じないかもしれませんが、ハイム選手、金曜日までこのトラックを見たことすらなかったんですよね。」

ハイム「はい、あの、本当に信じられないような話ですよね。とにかく必死に勉強して、レースに向けて万全の準備をするように心がけてきましたし、チームのみんなが信じられないほど速いカムリを用意してくれました。ですから23XIトヨタには本当に感謝しています。チームは今年絶好調ですから、その一員でいられることを嬉しく思っています。」

マーティー「コリーハイム選手、23XIのチーム全員とともに信じられないような快進撃、今シーズン2勝目を挙げました。」


 たぶんハイムは今シーズンのレース数を数えて「7戦だっけ?」(実際は8戦)と話し、マーティーは通算レース数の話をして15戦と答えたので軸が違ってるんですが、それはさておきカップシリーズで最初の15戦のうちに2勝を挙げたドライバーは1965年のA.J.フォイト以来です。フォイトは基本的にオープン ホイールの選手なのでNASCARはスポット参戦だけですが、1964年と翌年にデイトナのレースで優勝してデビューからの14戦で2勝を挙げていました。
 また、ハイムは当然ながらフル参戦ではありません。NASCAR公式サイトによると、当該シーズンの半分以下のレースにしか出走していない選手が複数回の勝利を挙げたのは1972年以降だと1972年のフォイトと1987年のティム リッチモンドの2人しかいません。またモータースポーツドットコムによると1987年はデイビー アリソンが29戦中22戦の出場で2勝しており、いずれにしてもこの年以降に非フル参戦選手による年間複数勝利は例が無いとのことです。もちろんフル参戦を予定していた人が怪我などで全戦に出れなかった例は除きます。またブリックヤード400の優勝者としては、初開催だった1994年にジェフ ゴードンが23歳で優勝して以来となる2番目の年少記録になりました。

 2位は「正直ここまで来れるとは思っていなかった」というベル、3位はロガーノ。初めてブリックヤードに来たハイムとは対照的に出身がブリックヤードから比較的近い地元民・ブリスコーが4位。5位はハムリンで、最後のリスタートでブリスコーに抜かれた後は協力して前を追うことを無線で提案していましたが、特にそれらしい動きにならないまま終わりました。6位からケゼロウスキー、ベリー、プリース、ホースバー、レディックのトップ10でした。
 ギブスは46周をリードしましたが結果としてレース戦略が展開と合わず12位、17位スアレス、18位マクダウルとスパイアーの2人は上位スタートを活かせませんでした。ヘンドリックは19位ボウマン、21位バイロン、一応チェッカーは受けたけどエリオットは37位、ラーソンはリタイアして39位と散々なブリックヤードでした。昨年の勝者・ウォーレスも28位でチームの若き後輩に完全にもっていかれました。

・NASCAR In-Season Challenge

 賞金100万ドルを賭けたインシーズンチャレンジ、ギリランドは24位でしたがブレイニーも26位から順位が上がらないまま終了。24位と26位というなかなかのしょぼい数字ではありますがギリランドの勝ちに違いなし。第2回インシーズンチャレンジをギリランドが制して賞金100万ドルとトロフィーを手にしました。対戦相手がことごとく事故ったので、呪いの技術が身についたかもしれません(笑)


 先週のノースウィルクスボロは「これぞショートトラック!」というレースでしたが、今回はこれぞブリックヤードという感じの玄人受けするような、知らないと何も起きない退屈に見えるレースでした。知らないとハイムは簡単に走ってるように見えますが、ある程度詳しいと彼の車がレースの終盤20周以上はむちゃくちゃターンの出口で滑っているのが見て取れたと思います。ターン2出口の固定カメラがすごく分かりやすかったです。
 ただ、ハイムはそれを何も起きていないかのように絶妙な加減でスロットルやステアリングを操作してベルに近寄る隙を与えませんでした。0.3秒差で付いて来られたらどうしても焦って立ち上がりにスロットルを踏みすぎてしまい、タイヤを傷めてルースを悪化させたりラインを外したりするものですが、ハイムは全くそれがありませんでした。たしかテキサスでもピットサイクルの関係でクリーンエアーで先頭を走っていると、古いタイヤのわりに安定して速くて感心させられたことがありましたが、滑りそうな車を滑る手前のギリギリの範囲でおさめる感性に優れているのかもしれません。
 チームは昨年ウォーレスが優勝していますし、今年の高速トラックでJGRが速いことを考えても車の速さがまず大前提だったのは間違いありません。ピットをできるだけ遅らせる作戦が奇跡的と言えるぐらい見事にハマったという運もありました。リスタートでハムリンが押してもらえなかったという要素もありました。でも、その機会に間違いを1つも犯さず結果に繋げたのは間違いなく彼の実力で、来年からのフル参戦が既に高い期待を持たれているのは言うまでもないでしょう。ハイムは今季あと4戦に出場を予定しています。

・グレッグソン、今度はジリッシュと揉める

 中継映像では全然存在感がありませんでしたが、ノア グレッグソンがまた小競り合いを起こしました。今回の相手はコナー ジリッシュ、最初のピット前にグレッグソンはジリッシュにブロックされていたようで、その後ピットサイクルを終えるとちょうどピットから出て来たジリッシュがまたグレッグソンの目の前に。
 グレッグソンはまだピットを出たばかりで速度が乗りきっていないジリッシュを内側から抜こうとしますが、当然ジリッシュは内側をブロック。するとグレッグソン、避けるのではなく真後ろからぶつけて押しまくる行動に出ました。正直、映像を見てたら普通に外へ行ったら抜けた気がするので最初からぶつける気だったんじゃないかという印象すらありますが・・・
 ジリッシュは事故らずに堪えて当然ながら順位は変わりませんが、その後のコーションでグレッグソンはジリッシュの車に並んで側面をぶつけ、窓から手を出してご挨拶したようです。グレッグソンは無線で「88号車のクソ野郎にブロックすんなって伝えてくれ」と言いますが、クルーチーフは「了解、全体を見てレースしてね」と冷静な対応を促しました。速くなくとも目立った上に車を壊さなければむしろ宣伝になってるのかもしれませんが、オライリー時代からグレッグソンはちょっと気が短すぎますね。サンディエゴでのケビン マグヌッセンとのごたごたも、正直なんであんなに粘着したのか外から見てたらよく分からなかったですし。

 レース全体とすると1列走行の時間は長いし燃料戦略ゲームだしでテレビ映えするレースとはあまり言えず、あっちこっちで色んな事が起こったり、リーダーが頻繁に入れ替わって30周ごとに状況が変わるようなレースではないですが、聖地インディアナポリスに相応しい、優勝する価値のある見ごたえのあるレースだと思いました。ロードコースからオーバルに戻したのは正解だと思いますね。
 ちなみに今回、ステージ終盤のコーションだったりお片付けに時間がかかったりしてコーション周回が意外と多くなってしまい不満の声が出たらしく、NASCARはコーション周回数を最小限に抑えるための何らかの手立てを検討するとレースの数日後に説明しました。1周2.5マイルだと1周増えるだけでけっこう時間かかるんですよね。お手洗いに行きたい人にはちょうど良いんですけど。

 さて、来週は3シリーズとも開催されない完全夏休み、次回のカップシリーズは8月9日決勝のアイオワで、その後はリッチモンド、ニューハンプシャーとショートトラックが連続し、8月29日がレギュラーシーズン最終戦となるデイトナです。リッチモンドとデイトナが土曜日夜の開催なのでうっかりネタバレに気を付けましょう。自分へのリマインドです(笑)

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