NASCAR Cup Series
ヘンドリックの24号車・ジェフ ゴードン。デイル アーンハートを下しての勝利でノースウィルクスボロに別れを告げています。当然今週はバイロンがこのペイント スキームに寄せてくる、と思ったら全然違うスキームでした。え~、ここはレインボーカラーのスロウバックやろ~(笑)
「彼を説得してあと数年は引退せずに走ってもらう方向になり本当に嬉しいですね。」「彼にはこのまま残ってもらえるかもしれません。間違いなく、彼が今後も私たちと共にいて、ここJRモータースポーツでその姿を見られることになると思います。」
リッグスは2位でしたがドライバー選手権ではケイデン ハニーカットとの差を59点差に広げて1位を維持。3位シェイン バン ギスバーゲン、4位クリスチャン エッケス、5位ランドン ルイスでした。カップシリーズの選手では7位にエリオット、15位にベル、ホースバーは27位でした。また、3年ぶりにNASCARに戻って来てRAMの25号車に乗ったライアン ニューマンは2周遅れの24位になっています。
Window World 450
North Wilkesboro Speedway(North Wilkesboro,North Carolina)
0.625miles×450Laps(80/185/185)=281.25miles
Goodyear Racing Eagle Tire Code
Left:D-5262 , Right:D-5256
Total Sets:10(8 new race/1 qualifying transfer to race/1 practice)
NASCAR カップ シリーズ、日付を跨いで深夜2時前にまで及んだアトランタから移動しまして第21戦はノースウィルクスボロ スピードウェイ。昨年までの3年間はオールスター戦が開催されていましたが公式戦としては1996年以来30年ぶりに開催される伝統のショート トラックです。
1周0.625マイル、最大バンク角14°のノースウィルクスボロは1947年に開場。特徴はバンク角だけでなく勾配にもあり、ターン3・4側がターン1・2側よりもちょっと高いので僅かながらフロントストレッチが下り坂、バックストレッチは上り坂になっています。これは単に建築時に資金不足で造成費用が不足したのでちゃんと高低差を均すことができなかったためとされています。ターンのバンク角も左右非対称になっています。
NASCARの源流には禁酒法時代に密造業者が警察から逃げるために改造した車を持ち寄って競争するようになったことが挙げられますが、ノースウィルクスボロはまさに密造業者が集積する密造酒天国でした。ノースウィルクスボロで最初に行われたレースも密造酒業者による非公式レースとされており、NASCARも創成期からここでレースを開催していてまさにNASCAR史にとっても重要な場所です。
ノースウィルクスボロは1995年に当時のオーナーが亡くなると新たな買い手が手を挙げますが、ざっくり言うとこれは他のトラックを所有しているオーナーが『ノースウィルクスボロの経営を手にした上で、自身が持つ別のトラックに開催権を移させる』というハゲタカ的なものでした。1980年代以降のNASCARは大型で高速・近代的なトラックでの開催を志向していたためで、実際に1996年を最後にカップシリーズの開催は無くなり、老朽化した設備が更新されることも無くこれでほとんど閉鎖状態になりました。
そこから20年以上が経過していくつかの状況が重なり、不可能と思われていたトラックの再建が2022年に完了。2023年からオールスター戦開催地としてカップシリーズに復活し、そして今年はドーバーと予定を入れ替える形でとうとう公式戦へ。設備投資を行いながらも随所にあえて昔からそのまま残した部分もあり、今となっては昭和レトロ的に古いからこそいい、というような雰囲気を漂わせています。
30年ぶりの公式戦ということでゲストも豪華、グランド マーシャルはノースウィルクスボロ通算3勝を挙げるラスティー ウォーレスが務め、決勝前のドライバー紹介にはリチャード チルドレス、レイ エバンハム、チャド カナウス、ジェフ ハモンド、ラリー マクレイノルズ、カイル ペティー、ケニー ウォーレス、エディー ウッドの8人が登場。歴史に名を残す選手、オーナー、クルー チーフと色んな人が集まります。久々に会ったラリーに向かって「よお久しぶり、お前ハゲたなあ。」とか言わないように(笑)
グッドイヤーが持ち込むタイヤはマーティンズビルで使用されたものと同じで使用実績のあるものですし、各陣営にはオールスターでの走行経験があるので基本的なデータはタイヤ・トラックとも整った環境、なんですが問題は7月開催と猛暑。現地は今週末にかなりの高温に見舞われており気温が30℃を超えるおそれもあります。その中でオールスターの2倍近い450周のレースに対してどう適応しロング ランを安定させるのかがカギになります。もちろんオールスターより走行台数が多いので、路面へのラバーの乗り方とそれに伴うハンドリングの変化、アジャストの読みも重要です。
なお、接触時のドライバーへの衝撃緩和のためこのレースからショートトラックでバンパー内部の衝撃吸収材の使用が禁止されています。勢いよくガツンと行くとラジエーターあたりを壊してガレージ送りになってしまうので接近戦は要注意です。
・ちょっとしたデータ
そもそもオールスター3レースしか参考になりそうなものがないですが、優勝者は2023年がカイル ラーソン、2024年はジョーイ ロガーノ、そして昨年はクリストファー ベルと3メーカーの有力選手が見事に星を分け合っています。2023年のレース後に再舗装を行ったので過去2年のオールスターという頼りない数字をあえて使ってみますと、一昨年の優勝に加えて昨年も2位だったロガーノが平均1.5で最良。
2年ともオールスター本戦に出た選手に限れば、これにロス チャステイン、クリス ブッシャー、チェイス エリオット、デニー ハムリン、ベル、ライアン ブレイニーと続いています。昨年のオールスタートップ10はベル、ロガーノ、チャステイン、ボウマン、エリオット、ウイリアム バイロン、タイラー レディック、カイル ブッシュ、チェイス ブリスコー、ブッシャーでした。
また、1周が0.7~1.3マイルでバンク角の低い5つの開催地、フェニックス・アイオワ・リッチモンド・ゲートウェイ・ニューハンプシャーに絞った2025年~現在までの計7戦での平均順位だとブレイニーが3勝を含む6回のトップ5フィニッシュで平均6.0と圧倒。ハムリン、ラーソン、ベル、バイロン、ボウマンが続いています。ブレイニーの3勝以外ではハムリン、ベル、バイロン、そしてオースティン ディロンがそれぞれ1勝です。限られた数字ですがブレイニー、ハムリン、ラーソン、ベルあたりが強そうなことが伺えます。
1996年以前に合計で93回開催されているカップシリーズのレースではリチャード ペティーが最多の15勝を記録。このうち初優勝のレースは24歳9ヶ月13日で、これがノースウィルクスボロでの最年少優勝記録です。
93回開催されたレースのうち23回では予選1位の選手が優勝、予選11位以下からの勝利は僅か14回しかありません。最も低いのは1990年第7戦でブレット ボダインが記録した20位スタート、これはカップシリーズ通算480戦出場の彼にとって唯一の優勝でもありました。歴代でも『ノースウィルクスボロがカップシリーズ初勝利だった』という選手は他に1950年第15戦のレオン セイルスしかいません。そして、現状で最後に開催されたレースとなる1996年第27戦で優勝したのは
ヘンドリックの24号車・ジェフ ゴードン。デイル アーンハートを下しての勝利でノースウィルクスボロに別れを告げています。当然今週はバイロンがこのペイント スキームに寄せてくる、と思ったら全然違うスキームでした。え~、ここはレインボーカラーのスロウバックやろ~(笑)
・レース前の話題
今回はレース運営と契約の話からいくつか。まずフロント ロウ モータースポーツはトッド ギリランドと来シーズンの契約延長を行ったと発表しました。フル参戦5年目、このチームでは2年目のギリランド、今季はブリストルでの6位が唯一のトップ5フィニッシュでドライバー選手権は24位ですが、開幕から2連続クラッシュして以降は高い安定感と完走率を見せ、第3戦以降の4449周で失ったのはたった21周としています。どこに行ってもそれなりの走りで若いわりにいぶし銀な雰囲気ですね。
次に、オライリー オート パーツ シリーズでは2024年のチャンピオン・ジャスティン オールガイアーが今季限りでの引退を示唆する発言をしていますが、JR モータースポーツの共同オーナー・ケリー アーンハート ミラーは
と、話し合いの既に現役続行の方向で合意が進んでいることを明らかにしました。まだ正式合意ができていないと思われるため断定的な表現をしていないものの、オールガイアーはイリノイ州に購入してある家には隠居せずもう少し現役を続けることになりそうです。家は誰かに貸します?
そしてレース運営関係で2つ、まずNASCARは8月のデイトナで新たなスーパースピードウェイ用の車両仕様を採用すると発表しました。ドラフティングトラックでは集団走行のために7インチの大型スポイラーを使用していましたが、これを通常の高速トラックと同じ4インチに小型化、スプリッターも高速トラック仕様と同じものにし、その代わりエンジン出力をさらに下げて現在の510馬力から465馬力に低下させます。
Gen7車両は単独走行での抵抗が大きすぎて、いざ抜こうとしてドラフトを出るとすぐに空気の壁に当たって失速するのでトラック上で全然抜けない、というのが問題視されたことからNASCARは様々なエンジン出力とスポイラーの組み合わせでシミュレートを繰り返し、その中で最も最適だと判断されたものをシーズン途中ながら実装。タラデガでも同様になる見込みで、これがレース展開に変化をもたらすのか注目になりそうです。なおNASCARの試算ではこの変更で単独走行時の最高速が2~3mph向上するものの、集団走行時はほとんど変化が無いと予想しています。
もう1つ、ジ アスレティックが匿名の関係者の話として、第25戦ニューハンプシャーから練習走行時間が倍増される見込みだと伝えました。現在は全体を2つのグループに分けてそれぞれが25分間の走行枠を得ていますが、このグループ分けを無くして50分間の単一走行時間に合流、タイヤも2セットを供給してより多くの走行時間を確保します。
これはより多くの走行を見たいお客さんの意見だけではなく現場からも声が上がっているようで、練習走行時間が短いと事前のセッティングで勢力図が大きく左右されやすくなるため有力大規模チームが有利になりやすく、中堅チームや若手選手にとっては新たな発見や習熟の機会が少ないことに改善を求める意見があったようです。
COVID-19による異例の練習も予選もないぶっつけ本番レース体制を経て、余分な走行時間をごっそり削ったかなりの合理化へと舵を切っていたNASCARですが、Gen7車両導入から5年が経過して柔軟に色んな部分を手直ししていますね。なお、この変更が実現した場合でもデイトナとタラデガは元々練習走行無しの設定で変更なし、最終戦は元から50分の練習走行が設定されているので同じく変更はないとのことです。
・Craftsman Truck Series FaithFest 250
一足お先に2023年から公式戦が開催されているクラフツマン トラック シリーズ、フェイスフェストは9月に開催されるキリスト教音楽のお祭りだそうです。ステージ1ではカーソン ホースバーが快走、ステージ2も途中までリードしていましたがステージ終盤にパンクして周回遅れになり脱落。
最終ステージを先頭でリスタートしたのは昨年のこのレースの勝者・チャンドラー スミスで、結局最終ステージはコーションが出ないまま99周のグリーン フラッグ走行となってスミスがそのまま独走。チームメイトのレイン リッグスに対してなんと8.479秒の大差を付けて開幕戦デイトナ以来の今季2勝目・通算9勝目を挙げました。
リッグスは2位でしたがドライバー選手権ではケイデン ハニーカットとの差を59点差に広げて1位を維持。3位シェイン バン ギスバーゲン、4位クリスチャン エッケス、5位ランドン ルイスでした。カップシリーズの選手では7位にエリオット、15位にベル、ホースバーは27位でした。また、3年ぶりにNASCARに戻って来てRAMの25号車に乗ったライアン ニューマンは2周遅れの24位になっています。
ハニーカットはこの週末に併催されているzMAX CARS ツアーでは2レースで優勝して勢いに乗りましたが、トラックシリーズは11位でした。レイト モデルの車両も規定によって形状は様々、当然どこへ行ってもトヨタの車両に乗るハニーカットですが、カムリの外観もカテゴリーごとに全く異なっています。最終的にはもちろんカップシリーズのカムリに乗りたいですね。
現地ではトラックシリーズのレース後に大雨になってしまい、予定されていたカップシリーズの予選は中止。夜になってから50分間の練習走行だけが実施されました。そのため予選順位は指数方式となってブレイニーがポール ポジションを獲得。タイ ギブス、ベル、ホースバー、レディック、エリック ジョーンズ、ハムリン、ギスバーゲン、ブッシャー、エリオットのトップ10となりました。
ロガーノは先週頑張ったのでまずまずの11位、バイロンは15位、先週クラッシュしたラーソンは27位になりました。また3人が車検に複数回の不通過となっており、このうちチャステインは3回も引っかかったので最後尾スタートとパススルーのペナルティーを持ってのスタートとなります。決勝の開始時間は現地午後7時、降水確率は40%となっていますがどちらかというと気温の高い時間帯の雷雨のパターンなので時間とともに確率は低下しレースに大きな影響はもたらさない、というのは現時点での予報だそうです。ショートトラックですのでレース前に雨が降っていてもウエット ウエザー タイヤで早期のレース開始が可能です。
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