NASCAR Cup Series
Hollywood Casino 400 presented by ESPN BET
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Kansas Speedway 1.5miles×267Laps(80/85/102)=400.5miles
NASCARカップシリーズプレイオフ・ラウンドオブ12の第2戦は1.5マイルのカンザス。1.54マイル/ドラフティング トラックのアトランタを数えなければ、なんと1.5マイルトラックは第13戦シャーロット以来の開催で、ここを終えるとあとは再来週のラスベガスを残すのみとなっています。1.5マイルはもはや希少種。スポンサーのハリウッド カジノはターン2の外側にあるカジノです。
カンザスは2001年の開場以来毎年カップシリーズが開催され、2010年までは年間1回開催で9月末ごろ、2011年以降は2回開催で概ね5月中旬と10月上旬あたりの開催。ということで2004年のプレイオフ制度開始以来必ずプレイオフでのレースを開催している4つの開催地の1つで、カンザス全体では今回が40回目の開催です。ターンのバンク角は17~20°のプログレッシブ、ストックカーらしい走りが見られるトラックであり昨年春のレースで発生したラーソンとクリス ブッシャーによる0.001秒差の決着はNASCAR史に残るものでした。
また、プレイオフのカンザスと言えば2015年、勝たないと勝ち抜けない崖っぷちだったマット ケンゼスに対して残り5周でロガーノが接触、ケンゼスがスピンしてチャンピオン争いからほぼ振り落とされ、これが後のマーティンズビルでの歴史的報復事件を招いたことでも有名です。カウンター+フル スロットルのケンゼスが巻き上げる白煙の量がすごい(笑)
今年の春のカンザスを制したのはラーソンでした。上記の通り昨年の春も制しておりGen7導入後のカンザス7戦で2勝、7戦中6戦が8位以内で2位も2度記録しておりカンザスでかなりの強さを見せています。プレイオフからは脱落してしまいましたがボウマンはGen7のカンザスで6戦全てトップ10フィニッシュ(1戦は欠場)、他に2023年春の勝者・ハムリンとベルがトップ10フィニッシュ6回を記録して平均順位で上位に並んでいます。
今季ここまでの1.5マイルで見てもラーソンは最多の212点を獲得しカンザスとホームステッドで優勝。2番目に獲得ポイントが多いのはバイロンで189点、1.5マイルは過去15戦中11戦でトップ10フィニッシュと安定。3番目がチェイスで155点、カンザスでは通算12回のトップ10フィニッシュがあり、マーティンズビルに次いで自己2番目の数字。チェイスの通算成績を見ると平均順位の良いトラックは上位5か所がロード コースとなっており、オーバルに限ると最も成績が良いのは2回しか経験していないアイオワ。続いてドーバー、そしてカンザスとなっており比較的好相性です。
他のプレイオフ選手ではウォーレス、レディック、チャステインの3人がGen7のカンザスで優勝を経験。23XIレーシングは2022年春のカート ブッシュを含めてカンザスで3人の選手がそれぞれ1勝を記録して、Gen7に限ればカンザス最多勝利チームとなっています。ただ問題はウォーレスもレディックも優勝して以降のレースであまり結果に繋がっておらず、過去3戦に限れば最高位が2人とも17位にとどまっていることでしょうか。シンドリックは基本的に1.5マイルは分が悪くて劣勢です。
基本的にこういうトラックはドライバーの腕前よりも、まず最大限のダウンフォースが出せるような車を仕上げることができる大規模チームが有利になりやすく、統計的に見ると弱小スチュワートハースで過ごしてきたブリスコーは平均順位が低くなっています。ただJGR移籍後初カンザスとなった春は4位に入っており、シャーロットでも3位。プレイオフの4戦は全てトップ10フィニッシュと好調が続いており、ここは統計では測れない存在かもしれません。
なお、今回グッドイヤーは右側だけ今季初登場のD-5290というタイヤを投入しており、これはラスベガスでも使用されます。左側はシャーロットやダーリントンで使用実績があるものです。また、カンザスは過去39戦で『カップシリーズ初優勝』の選手を輩出したことが一度もなく、39戦初優勝者無しというのは現在開催されているトラックの中で最長の記録だそうです。まあサプライズは無く順当に有力どころの選手、ラーソンあたりが勝って次ラウンドに進むんじゃないかと勝手に予想します。
・レース前の話題
今回はクルー チーフの話題を2つ。まず、現在カイル ブッシュのクルーチーフを務めているランドール バーネットが、なんと来シーズンはトラックハウス レーシングに移籍してコナー ジリッチの担当となることが発表されました。現役クルーチーフの移籍がシーズン中に大々的に発表されるのはなかなか珍しい気がします。バーネットは2016年にA.J.アルメンディンガーのクルーチーフとしてデビューし、その後RCRに移籍して2020年にレディック担当。レディックとカイルのクルーチーフとして通算6勝を挙げています。
そしてもう1人、今年スパイアー モータースポーツに加入しながらたった9戦でチームを離れたロドニー チルダースが、来シーズンからオライリー オート パーツ シリーズ・JR モータースポーツに加入してカー ナンバー1のクルーチーフに就任することが発表されました。1番にはジリッチとカーソン クワポーが乗る予定で、両若手ドライバーは2014年のカップ王者クルーチーフとともに仕事をすることになります。ジリッチはカップでバーネット、オライリーではロドニーと組むわけですからけっこうアクが強そうですね(笑)
チルダースは26歳ぐらいまではドライバーとして活動した後にメカニックに転向してクルーチーフとなり、2005年以降に複数の選手/チームでクルーチーフとして活動していましたが、2014年にスチュワートハースでケビン ハービックと出会って互いに覚醒。同年のカップシリーズチャンピオンを含めハービックとの10年間で37勝を挙げました。スチュワートハース消滅に伴って動向が注目され、スパイアーに移籍してジャスティン ヘイリーと組んだもののチームと折り合いが付かずあっさりと退職、現在は自由の身となっていました。
・ARCA Menards Series Reese’s 150
ARCA メナーズ シリーズは全20戦のうちこれが第19戦。2位スタートのジオ ルジェーロがレースを優勢に進めていましたが、残り12周のリスタートでブレンダン クイーンが後ろから押してもらって逆転。その後、ホワイト フラッグ目前でのコーションによりオーバータイム、そこでもまたスピンがあってダブル オーバータイムになりましたが、ルジェーロはいずれのリスタートも上手くいかず再逆転ならず。"バタービーン"クイーンが今季8勝目を挙げ、次戦に出場さえすれば初のチャンピオンを獲得します。
・Xfinity Series Kansas Lottery 300
エクスフィニティー シリーズのラウンドオブ12・第2戦。5位スタートのジャスティン オールガイアーがステージ1・2を圧倒したものの、ステージ間コーションのピット作業で手間取って6位に後退。これで展開が苦しくなり、162周目に発生したコーションでステイアウトしましたが、リスタートですぐに抜かれてしまいました。
このリスタートでオールガイアーを抜いたポールシッターのブレンダン ジョーンズ、残るレースでジリッチを引き離して快勝し、今季2勝目・通算7勝目を挙げ次ラウンド進出を決めました。ブレンダンはカンザスで通算3勝目、平均順位が8.2とここでは異様な好成績を誇っています。
・カップシリーズ
予選
カップの予選はブリスコーが今季7度目のブッシュライトポールを獲得。2位からハムリン、ラーソン、チェイス、ベル、ホースバー、ウォーレス、ギブス、チャステイン、エリック ジョーンズのトップ10。プレイオフ選手では11位バイロン、12位レディック、26位シンドリック。先週の勝者・ブレイニーはクラッシュしてバックアップ車両で最後尾スタートです。
彼は勝っているのでそこまで問題ではないですが、ロガーノはなんとコディーウェアーよりも遅くて予選35位と不安。練習走行からあまり感触が良くなかった上にパンクが発生してじゅうぶんな調整が行えなかったようです。決勝に向けてはマクダウルとギスバーゲンが未承認の調整によって最後尾スタート&スタート後にパススルーのペナルティーを受けるため繰り上がりはしますが、車自体が遅いままだとマズいことになります。
・・・続きは決勝視聴後に・・・
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