NASCAR、2024年のチーム・ドライバー情報(更新5)

 トラック外での予想外の怪我人発生、思わぬ代走ドライバーの登場、初の市街地で初参戦ドライバーが優勝、大物の引退、そしてライアン ブレイニーの初タイトルで幕を閉じた2023年のNASCAR。最近はF1のオフの方が短いぐらいになってきましたが、こちらもシーズンが終わって3か月ほどでもう開幕する忙しい世界です。今年も去年と同様にチームとドライバーの情報を集めてみました。気が向いたら更新して気づいたら止まってるスタイルですw



ドライバー名の前の記号は
〇=新人
△=移籍
□=復帰
ドライバー名の後の()内の数字は推定される契約期限

チーム名の前の記号は
△=体制変更
〇=新規参戦

12/15 ウェアーに関する情報に進展があったため修正
12/19 エクスフィニティーの情報をちょろちょろ更新中
12/30 トラックシリーズの情報を追加
  1/17 RWR、FRM、LMCなどの内容を少し更新
  2/18 開幕時点での新しい情報に一部を更新

 Joe Gibbs Racing/Toyota
11 Denny Hamlin(2025?)
19 Martin Truex Jr.(2024)
20 Christopher Bell
54 Ty Gibbs

 元NFLの名ヘッドコーチ・ジョー ギブス率いるジョー ギブス レーシング、2023年はチームの株式の一部をスポーツ関係の事業会社・ハリス ブリッツァー スポーツ&エンターテインメントに売却しました。プロモーション活動などでHBSEに協力してもらう意図があるようです。スポンサー集めはトップチームでも大変ですからね^^;
 ドライバーの方はベテランの2人・デニー ハムリンが複数年契約の期限満了、マーティン トゥルーエックス ジュニアは引退か続行かでここ数年は迷っている様子でいずれもなかなか去就が決まりませんでしたが、いずれも契約延長となりました。ハムリンは複数年契約、トゥルーエックスはやはり単年契約で夏場になるとまた決断がどうなるのかざわつくかもしれません。
 ハムリンはいつも手が届かないチャンピオンに今年こそは!というところが2023年も結局プレイオフの最後まで残れず敗退。後日判明した事実では、ラスベガスのレースを迎える前に古傷でオフに出術予定だった右肩の腱を断裂して症状が悪化。その状態で翌周のホームステッドではクラッシュしてかなりの深手になってしまったようで、オフに手術を受けたものの開幕に本当に間に合うのか自信が持てないとの情報で少し心配です。もし他の競技で40歳超えて肩の腱を断裂して手術なんてしたら選手生命にかかわる事態ですよね・・・
 トゥルーエックスは前年が8年ぶりの未勝利シーズンだったことから勝てない苛立ちが募っている様子でしたが、1つ勝ったらケチャップ理論で3勝しレギュラー シーズンのチャンピオンも獲得しました。ただプレイオフに入ると調子が上がらずにわりとあっけなく敗退し尻すぼみなシーズンでもありました。
 そんなベテランとは対照的にクリストファー ベルとタイ ギブスは特に契約の情報や年限の話も無いですが、2023年と変わらない4台体制となる見込みです。ベルは2年連続でプレイオフを最後まで勝ち残り、チームの次期エースへ向けて順調に成長中。1年目のギブスはトップ10フィニッシュ10回、トップ5も4回とまずまずの成績でした。


 23XI Racing/Toyota
23 Bubba Wallace(2024)
45 Tyler Reddick(2024?)
67 ?


 NBAの元スター選手・マイケル ジョーダンと現役ドライバーであるハムリンが設立した23XIレーシング。ハムリンの契約交渉が長引いた一因はオーナーとしてJGRとどういう契約関係になるのか、という点が引っかかった様子で、一時はフォードへ自分とチームで丸ごと移籍するんじゃないか、それを引き合いに交渉してるんじゃないか、なんて話もありましたがまーるく収まって引き続きJGRと提携した『6台体制』みたいになります。
 バッバ ウォーレスは2022年の途中に複数年契約を結んだので最低でも2024年までは契約が続いています。残念ながら昨シーズンは時折力強い走りを見せたものの勝利に手が届かずプレイオフ進出を逃しました。勝利数を除けば前年を上回る数字で力を付けている一方で、正直ドライバーとしての能力ではチームメイトに少し負けているだけに、少しでも近い成績を残したいところ。
 一方タイラー レディックは本来2024年から23XIへ移籍するはずが、それを随分と前もって2022年早々に決めてしまったことでRCRとの関係がこじれ、結局予定より1年早くチームを離脱することになったので、ここからが本当の契約期間でたぶん2024年以降も契約はあるんだろうと思います。不義理が祟ったのか開幕2戦連続クラッシュというどん底からスタートしつつも年間2勝を記録、平均スタート順位10.2は全ドライバー中3番目と爆発力はさすがでした。
 また、23XIは昨年No.67でトラビス パストラーナと小林 可夢偉が起用されましたが、チームは2024年もスポット参戦でこの車を動かすつもりではいるようです。可夢偉さんまた走らないですかねえ。

△Legacy Motor Club/Toyota
42□John Hunter Nemechek
43 Erik Jones(2024)
84 Jimmie Johnson

 カップシリーズ通算200勝・7度のチャンピオンに輝いた"キング"・リチャード ペティー率いるリチャード ペティー モータースポーツと、アレジアント航空の共同創業者・モーリー ギャラガーが設立したGMSレーシングが2022年に合併して誕生したペティーGMSレーシング。そこに2023年に共同オーナーとして、7度のチャンピオン・ジミー ジョンソンが名を連ねて改称され今に至るレガシー モーター クラブ。
 合併のタイミングでキングぺティーは全株式を手放してお飾りの状態になっており扱いにちょっと不満を漏らすという事件もありましたが、今シーズンはメーカーをシボレーからトヨタへ変更。シボレー色に染まったジョンソンごと鞍替えしました。日本で言えば山本 尚貴がリアル レーシングの共同オーナーになった状態でチームごと日産に転身したような感じです。
 エリック ジョーンズは元々2024年までの複数年契約、振り返ればJGRに期待の若手として登用されながら期待に応えられずベルに押し出されるようにリチャードぺティーへ移籍した経緯があり、時を経てまたトヨタへと勝手に戻ってきました。ただ2022年は優勝を含む13度のトップ10でチームも本人も期待を持てる結果だったものが、一転して昨シーズンは7回のトップ10と低迷。車両規定違反による減点も効いてシリーズ27位と厳しい1年でした。
 チームメイトは本来ならノア グレッグソンも契約があるはずでしたが、8月に人種差別を助長するようなSNSの投稿に好意的反応を示したことから出場停止処分を受けてチームを自主退職。結果として空席ができたため、エクスフィニティーで全ドライバー中最多の7勝を挙げたJGR期待の若手・ジョン ハンター ネメチェックが2020年以来のフル参戦で復活。
 元々フロント ロウ モータースポーツからデビューしてフォードで期待されていたところを、一旦トラックシリーズに下がってまでトヨタ系へと転籍して優勝を争える体制で戦える日を狙っていました。もしトゥルーエックスが引退した場合には後任となる可能性があり、現役続行に伴ってもう1年エクスフィニティーか、というところでちょうど良くトヨタ陣営の空席が見つかった形です。

 また、オーナーのジョンソンは昨シーズン、義理の両親の家庭でちょっと悲惨な事件が起きてしまったためにスポット参戦活動をシーズン途中で中断してしまいましたが、主要スポンサーのカーバナが開幕戦デイトナ、第22戦インディアナポリス、最終戦フェニックスでジョンソンに付くことを発表しており、活動を再開する予定です。



 Stewart-Haas Racing/Ford
  4〇Josh Berry
10△Noah Gragson
14 Chase Briscoe
41 Ryan Preece
Harvick 4EVER


 F1のハースでもお馴染み、工作機械メーカー大手・ハース オートメーションの創業者・ジーン ハースと、史上唯一インディーカーとNASCARカップシリーズでチャンピオンを獲得した殿堂入りドライバー・トニー スチュワートが共同オーナーを務めるスチュワート-ハース レーシング。シーズン開幕前にケビン ハービックが引退を宣言し、エリック アルミローラもシーズン終盤に2度目の引退宣言で去ったために一気にベテラン2人の穴が空きました。
 同時にアンハイザー ブッシュ、スミスフィールド、ハント ブラザーズ ピッツァと大口スポンサーも去ってお財布にも穴が空いてそうですが、ハービックの後任は33歳のオールド ルーキー・ジョッシュ ベリー。エクスフィニティー シリーズにJRモータースポーツから参戦していたら、ヘンドリックの相次ぐ怪我人発生などで予想外にカップにも10戦で代走出場。これが目に留まったのかハービック自身が運営しているマネージメント会社と契約しSHR入りを果たしました。初のフル参戦です。
 一方アルミローラの穴はグレッグソンが加入することが決定しました。差別問題→シート喪失→拾ってもらう、といえばラーソンがこれで結局はチャンピオンにたどり着いていますが、果たしてグレッグソンはどうなるでしょうか。グレッグソンは25歳と若いので、エクスフィニティーで昇格を待っている2人からするとちょっと思わぬドライバーに横入りされた感じはありそうです^^;

 残る2人、チェイス ブリスコーは2023年の段階で複数年契約を結んだため残留、移籍1年目だったライアン プリースも残留とみられます。2022年に初優勝を挙げて選手権9位と躍進したブリスコーでしたが昨シーズンは車両規定違反で120点減点という強烈な処分を食らった影響で選手権30位。これを除くとアルミローラ、ブリスコー、プリースはほぼ似た獲得ポイントで22位前後に固まっており、正直ドライバー要因なのか、ハービックがどうにか頑張ってるだけで根本的にチームのセッティングが何か間違ってるのか、苦戦の原因も見ていてよく分からないところがあります。

 Team Penske/Ford
  2 Austin Cindric
12 Ryan Blaney(2024?)
22 Joey Logano(2025?)



 アメリカレース界の名門、2年連続でカップシリーズチャンピオンを輩出したGen7時代の先頭走者・チーム ペンスキー。2022年王者のジョーイ ロガーノ、そして現王者ライアン ブレイニーとも既に長期契約を結んだと発表されており、実際のところ何年契約なのか不明です。オースティン シンドリックはペンスキーの社長・ティム シンドリックの息子なのでそう簡単にいなくはならないでしょう。
 まだ34歳とはいえフル参戦16年目、憎たらしい笑顔でアンチを大量生産し、ハービックが去った今ヒール役としてトップに君臨するであろうロガーノと、着実に前進してチャンピオンにたどり着き、世代の近いドライバーからもわりと好感度が高そうでコツコツ型のブレイニー、タイプの違う2人でうまく回っているところにシンドリックはちょっと影薄め。トップ5フィニッシュが秋のタラデガ1回だけというのは少し寂しい数字で、全体としてデビュー年だった2022年よりも数字を落としており要改善です。
 チームには新たにハントブラザーズがスポンサーとして加わることが発表されましたが、長年ハービックのスポンサーだったので見ていてついハービックが走ってると間違えないよう気を付けないといけませんw

 Wood Brothers Racing/Ford
21 Harrison Burton


 グレン ウッドとレナード ウッドの兄弟が1950年に設立したところに起源がある最古参チーム・ウッド ブラザーズ レーシング、あと1勝するとチーム通算100勝となります。ペンスキーと提携していますが、ハリソン バートンはドライバー選手権31位。伝統ある21番の車だから存在を認識するものの、これが新興の小規模チームだったら名前すら憶えてもらえなさそうなぐらいにここ2年間は活躍できていません。バートンの契約情報については不明であるものの、どうやら来季も引き続き契約して3年目のシーズンに臨むものとみられます。
 WBRとペンスキーはプレイオフ期間に入ってシンドリックとクルー チーフを入れ替えており、最後の10戦でバートンはジェレミー ブリンズと組みました。ブリンズはブレイニーと組んで通算3勝、2020年はケゼロウスキーと組んで4勝している実績があり、何かチームとドライバーに経験値を与えられていると良いなと思います。

 RFK Racing/Ford
  6 Brad Keselowski
17 Chris Buescher
60 David Ragan


 元フォードの従業員であるジャック ラウシュが1988年に創業したチームに、2007年に投資家のジョン ヘンリーが、そして2022年にブラッド ケゼロウスキーがペンスキーからドライバー兼共同オーナーとして出資して現在に至るラウシュ フェンウェイ ケゼロウスキー レーシング、通称RFKレーシング。2023年最もトラックを沸かせたチームと言えます。
 クリス ブッシャーは覚醒したように3勝を挙げて選手権7位、ブラッド ケゼロウスキーは優勝こそ手に出来なかったものの安定して上位を走りブッシャーに続く8位。夏のデイトナで見せたワンツーはラウシュ復活を強く印象付けました。一時は中団の争いで埋もれて伝統と名前だけで頑張ってます状態だったところから、SHRと完全に立場が入れ替わってペンスキーと並ぶフォードの看板に戻ってきました。
 ブッシャーは昨シーズンの走行周回数・走破距離でいずれも全ドライバー中1位で、リード ラップでチェッカーを受けられなかったレースは4回だけ。うちリタイアはクラッシュした春のアトランタのみでシーズンで用意された周回数の99%近くを走り切りました。出されたご飯は残さず全部食べましたね。
 ブッシャーの契約内容は不明ですが主要スポンサーであるファステナルは元々2024年まで長期契約しておりブッシャーの契約もこれに連動している可能性大。ケゼロウスキーは自分がオーナーなので自分で身を引くまでは終身雇用状態で、来シーズンはオーナーとしての優勝を見たいところです。
 ちょっとチームに余力が出たのか、デイトナ500では久々の3台目となる60番でデイビッド レーガンを起用、スーパースピードウェイではこの先も3台目が登場する可能性はありそうです。

 Front Row Motorsports/Ford
34 Michael Mcdowell
38 Todd Gilliland
36 Kaz Grala

 ヤム!ブランズ(ケンタッキーフライドチキン、タコベル、ピザハットなどの運営会社)の複数の店舗のフランチャイズ オーナーである実業家・ボブ ジェンキンスが率いる小規模チーム・フロント ロウ モータースポーツ。予算規模では参加チーム中でも最小に属すると考えられており、RFKと提携していながら近年はどっちが上でどっちが下だか分からんぐらい健闘してきました。
 2024年に向けては、チームは「我々のような小規模チームは生き残るためになんかやらねば」と提携相手をRFKからペンスキーに変更したことが明らかになりました。新たなエンジニアリング体制でシーズンに臨みます。
 ドライバーのマイケル マクダウルとトッド ギリランドはいずれも残留。マクダウルはインディアナポリスで圧巻の走りを見せてまさかの優勝。可夢偉見たさに生放送で視聴した日本のファンにはきっとトップチームの常勝ドライバーだと誤解されたことでしょう。他にもロード コース/ショート オーバルではたびたび上位争いに食い込んでみせました。一方ギリランドは一部のレースでゼイン スミスにシートを譲り、自身はスポット参戦用のNo.36や他チームからの出走を強いられていましたが契約延長。おそらく来シーズンはフル参戦に戻るとみられます。
 スポット参戦による3台体制も一部のレースでは継続され、デイトナ500ではカズ グラーラが起用されます。以降の予定は未定です。

 Rick Ware Racing/Ford
15 Kaz Grala
     Riley Herbst
   Cody Ware?
   Ryan Newman?
51△Justin Haley

 元ドライバーであるリック ウェアーが率いるリック ウェアー レーシング。源流を遡ると、彼が父のジョン ウェアーとともに地方でレースをしていた半世紀近く前の家族でのレース活動に起源があり、現在ではNASCAR以外にも複数のカテゴリーに参戦。昨シーズンからRFKと提携を開始してチームの拠点もRFKの施設内にお引っ越ししました。
 RFKのケゼロウスキーはオーナーとして『チャンピオンを狙うなら4台体制が必要』と語り、この提携関係には実質的な台数拡張によってデータ量を増やし、組織をより強力にしたいという意図が含まれているとみられています。
 チームはフル参戦のNo.51と、スポンサーを拾いながら複数のドライバーを起用するNo.15というすみ分けでしたが、昨シーズン途中にNo.51のコディー ウェアーが家庭内暴力の疑いで警察に一時身柄を拘束される事態となって出場停止。以後は51も複数のドライバー起用となりました。
 ウェアーに関してはその後、相手側の女性もまた暴行罪で起訴され、チームが女性側に対して「虚偽の主張によってチームに損害を与えられた」として民事訴訟を起こすなど話が平行線の泥沼化へと向かいかけた中で12月に検察が双方の暴行事件について起訴を取り下げ、出場停止処分もこれをもって解除されました。(詳しくはこちら)

 そんな中で新たなドライバーとしてコウリッグ レーシングからジャスティン ヘイリーを獲得。シカゴ市街地では優勝争いを見せるなど時折速さを見せるため、そこそこの実力があると思われるヘイリーがわざわざシーズンの途中に最下位レベルのチームへ移籍を発表したことには驚きがありましたが、RFKとの提携が上手く機能すれば伸びしろはあると考えてもらえたのかもしれません。
 一方No.15は引き続き複数ドライバー制ですが、昨シーズン最も多く起用されたJ.J.イェリーは下位でカップを走るよりも、たとえ機会が少なくともエクスフィニティーで上位を争えるような条件でレースをしたいとチームには残らず。代わって、チームはカズ グラーラと契約し25戦に出場すると発表しました。グラーラは2020年~2022年にカップ戦に通算7戦だけ出場、昨シーズンはエクスフィニティーにサム ハント レーシングからフル参戦し9度のトップ10フィニッシュを記録しています。
 残る11戦で起用されるドライバーとしては、RWRはプロモーション面でSHRと提携していることからライリー ハーブストがデイトナ500に出場、同様にコール カスターが乗る可能性も考えられます。処分が解けたウェアーも当然候補となるほか、昨シーズンウェアーの穴を埋める形で約2年ぶりにシリーズに復帰して8戦に出場した46歳のライアン ニューマンもひょっとしたらまた出てくるかもしれません。


 Hendrick Motorsports/Chevrolet
  5 Kyle Larson(2026)
  9 Chase Elliott(2027)
24 William Byron(2025)
48 Alex Bowman(2026)


 元々シボレー車のディーラーとして大成功を収め、現在では10000人以上の従業員を抱えるヘンドリック オートモーティブ グループにまで成長させた敏腕オーナー、リック ヘンドリックが率いる強豪・ヘンドリック モータースポーツ。ドライバーは2022年からカイル ラーソン、チェイス エリオット、ウイリアム バイロン、アレックス ボウマンの4人で不動。バイロンが元々あった2024年までの契約をさらに伸ばしたので全員あと2年は契約がある状態です。
 しかし昨シーズンはちょっと祟られたシーズンで、チェイスはシーズン序盤にスノーボードで遊んでいて足を骨折、さらに復帰後にもハムリンにわざとぶつけた件で1戦の出場停止処分も食らって計7戦を欠場。さらにボウマンも別カテゴリーのレースに参戦してクラッシュし負傷、3戦を欠場していずれも未勝利でプレイオフ進出を逃しました。ドライバーのレース外での活動についてチームがどこまで管理すべきか議論を呼ぶことにもなりました。
 一方でバイロンは最多の6勝、ラーソンも4勝を挙げて順当にプレイオフを最後まで勝ち上がり、チャンピオンにこそ手が届かなかったもののヘンドリックの強さを見せつけました。バイロンは何か1つ突き抜けた印象でどこへ行っても安定して速く、非常に頭脳的で今のところ誰かを敵に回すようなこともなく戦っています。クリーン レーサーでありつつたまにプチンとキレるチェイスとはまた違ったキャラです。
 ラーソンの方は不運で逃した勝利が複数あるだけにバイロンとは全体を見ても互角の存在。チェイスとは既に身内で何度かもめている一方でバイロンとは特に何も起きておらず、どちらかというと片方がダメでももう1人いるから大丈夫、というような関係性でした。しかしこの2人が正面からやり合わないまま時間が過ぎるわけがないので、仮にヘンドリック無双のシーズンになってもこの2人の人間関係は注目されるのではないかと思います。
 チェイスはオフに古傷の肩の手術も受け、おそらく急いで復帰したから完ぺきではなかったであろう足の方もそれなりに回復するはず、ボウマンも同様だと思うので、影が薄かった2人が体調を戻して再び優勝戦線に加われるだろうと思います。ただこのチーム、わりと『4台体制の時に1台大外れが出る』というジンクスもあるので、絶対その1台にはなりたくないですね・・・


 Richard Childress Racing/Chevrolet
3 Austin Dillon(2025)
8 Kyle Busch
33 Brodie Costecki?


 ドライバーとして主に1970年代のカップシリーズに285戦出場した経歴があり、その後オーナーとしてNASCAR史に名を残す存在となったリチャード チルドレスが率いる名門・リチャード チルドレス レーシング。チルドレス御大は78歳になりましたが今でもパワフルでたまに無線で気合を入れてきます。ドライバーは継続。
 カイル ブッシュは長年所属したJGRから移籍していきなり2戦目で優勝。その後も開幕からの15戦で3勝を挙げ安定して上位を走り、シーズン中盤までは最も成功したドライバーの1人でしたがなんとその後に急失速。終わってみればプレイオフ選手では下から数えた方が早いシリーズ14位となりました。
 チルドレス御大の孫・オースティン ディロンはそんなカイル加入の好影響かシーズン序盤には『カイルともどもRCR躍進の年になるのか!?』と期待を抱く内容だったものの、後が続かずこちらも低迷。終わってみたら選手権29位、クラッシュによるリタイアが10回もあり、平均順位等の数字は軒並みフル参戦開始以来最低の数字でした。2025年まで契約があり、よほどのことがなければ離脱は無いのではないかとも言われていますがさすがに立て直さないとマズいシーズンです。
 なお、RCRは組織体制強化のためにシーズン終了後人事異動を実施し、競技担当副社長だったアンディー ピートリーが執行副社長に就いてより組織全体を統括する役割を担うことになりました。競技部門のディレクターには2022年までディロンのクルーチーフだったジャスティン アレグザンダーが就任します。アレグザンダーはディロンの通算4勝を全て一緒に記録したクルーチーフですが、2022年のプレイオフ開始前にいきなり『今年でディロンのクルーチーフやめます、来年どうするかは決まってません』と言ってちょっと行動に疑問を持たれた人ですね^^;

 また、チームは昨シーズンに続いてオーストラリアのRepco Suparcars Seriesのドライバー・ブロディー コステッキを数戦で起用する可能性があり、場合によっては彼の所属チーム・エレバス モータースポートがRCRと提携のもと自チームとして参戦する可能性もある模様です。


 Trackhouse Racing Team/Chevrolet
  1 Ross Chastain(2025?)
99 Daniel Suárez(2025?)
91 ?


 元ドライバーで起業家でもあるジャスティン マークスが2021年に設立したトラックハウス レーシング。STEM教育の促進啓発をはじめ現代のベンチャー企業を彷彿とさせる従来のNASCARにはなかった経営手腕を発揮し、2021年末にはチップ ガナッシ レーシングのNASCAR部門を設備・チャーター丸ごと買収する大規模な取引をまとめ上げ一気にトップチームへと駆け上がりました。
 著名ラッパー・ピットブルことアーマンド クリスチャン ペレスが共同オーナーを務め、2023年には『トラックハウス』というアルバムも発売。チームは2024年からMotoGPへの参戦を決定するなどさらなる拡張を続けています。
 ドライバーの2名は継続、ロス チャステインは速さを見せる一方であまりに周囲が見えていない荒いレースを繰り返して非難を浴びましたが、マークスの魔法の言葉を授かってナッシュビルで優勝すると、最終戦でチャンピオン争いドライバーを置き去りにしてしれっと2勝目を挙げ復活をアピール。ハービックの引退に伴ってアンハイザーブッシュが新たなスポンサーとして2年契約で加わることとなり、クボタなど他の主力スポンサーも概ね2025年までの延長を表明しているので彼自身も2025年までは契約が続くとみられます。
 一方、シリーズ唯一のメキシコ人ドライバー、このチームの方針には欠かせないダニエル スアレスも2023年の開幕前に複数年契約での延長が発表されているので少なくとも2025年までは在籍。運悪く事故ったケースが多い印象とはいえリタイア6回の選手権19位はチャステインの成績を見ると物足りない数字です。ロング ランでの落ち幅や時間とともにコンディションが変化した際の対応でもう一歩強くなりたいところかなと思います。
 
 これに加えて、シカゴ市街地で衝撃のデビュー戦勝利を挙げたオーストラリアの刺客・シェイン バン ギスバーゲンと契約してオースティン、シャーロット、シカゴ、ワトキンスグレン、秋のラスベガス、2回のタラデガ、という計7戦の出場すると発表されましたが、後にコウリッグからの出場に話が塗り替えられたので、No.91の扱いについては未定の状態です。なおギスバーゲンの主戦場は後述のエクスフィニティーとなります。
 さらに今季のカップ戦ではスパイアーから参戦するもののZ.スミスが2025年にフル参戦することは既に発表済みで、このタイミングで3台をフル参戦させる体制へ拡張するとみられています。資金調達どんだけうまくやってるんでしょうかね^^;

 Kaulig Racing/Chevrolet
16 A.J.Allmendinger
    Shane van Gisbergen
    Josh Williams
31□Daniel Hemric

 住宅設備関連企業リーフ ホームの創業者・マット コウリッグがオーナーを務め2022年からカップシリーズにフル参戦を開始したコウリッグ レーシング。RCRと技術提携しています。2023年はA.J.アルメンディンガーとジャスティン ヘイリーの組みあわせでしたがヘイリーは移籍、そしてAJは主にスポンサー不足からエクスフィニティーでのフル参戦へと戻ることになり2人ともドライバーが変更となります。
 No.31は既にダニエル ヘムリックで発表済み、2019年にRCRからデビューしたもののレディックに押し出されてたった1年でシートを失い、その後エクスフィニティーでJRモータースポーツ、JGRと転勤族になって2022年にチャンピオン。2023年はコウリッグに移籍してランキング8位となり"昇格"を果たしました。
 一方No.16は複数ドライバー制となり、デイトナ500に関してはアルメンディンガーの起用が発表。また、エクスフィニティーでコウリッグとフル参戦の契約を結んだジョッシュ ウイリアムスも数戦で起用されます。さらに、当初はトラックハウスから7戦に出場とされていたギスバーゲンがこの車で出場することになり、彼はトラックハウスの契約ドライバーでありながら、今季はカップとエクスフィニティーの双方でコウリッグから出場することになりました。


 JTG Dougherty Racing/Chevrolet
47 Ricky Stenhouse Jr.(2024+)

 元NBAのスター選手・ブラッド ドアティーと広告エージェントのタッド ゲシクター、彼の妻ジョディ―らが共同オーナーを務めるJTG ドアティー レーシング。2023年から始まる複数年契約をシーズン中に結んだリッキー ステンハウス ジュニアによる1台体制はそのままです。どのチームも2台体制なり提携なりしているので1台でポツンとフル参戦しているチームも珍しくなってきました。
 なんといっても2023年のデイトナ500勝者であるステンハウス、しかもステンハウス推しのあゆむ★★☆さんが現地観戦したレースでピンポイントに優勝するという神業を披露しました。あまり目立たないもののトップ10フィニッシュ9回はラウシュ時代の2017年と並ぶ自己最多タイ、平均順位もその2017年に次ぐ自身2番目の好成績でこのチームに移籍してからは最高のシーズンだったと言えると思います。クルーチーフがブライアン パティーからマイク ケリーに代わったことで何か手ごたえがあるのかもしれません。今速いチームの車に乗せたらどうなるのか、ちょっとだけ興味があります。
 
Spire Motorsports/Chevrolet
  7 Corey Lajoie(2025?)
71〇Zane Smith
77〇Carson Hocevar

 スポーツや音楽のマネージメントを手掛ける企業・スパイアー スポーツ+エンターテインメントを母体とするスパイアー モータースポーツ。リブ ファスト モータースポーツからチャーターを購入して3台体制になりました。
 No.7はコリー ラジョーイがシーズン中に複数年での契約延長を発表したため少なくとも2025年までの在籍が確定。2023年は自己最多となる2度のトップ5、3度のトップ10を記録、数字は地味ですがシーズンの半分となる18戦を20位以内で終えて平均順位も20.8、選手権25位と弱小下位チームから中団のちょっと下ぐらいまでチームは前進したと言えます。
 そして残る2台はいずれも新人ドライバー、No.77はトラックシリーズで4勝し選手権4位となったカーソン ホースバーがデビューします。グレッグソンの不祥事発生後にレガシーMCで代走として登場すると驚きの速さを発揮し、スパイアーが早速獲得に名乗り出た形でエクスフィニティーのフル参戦を経ずにいきなりのカップシリーズ到達です。
 そして新たにチャーターを取得して出走させるNo.71はトラックハウスの契約ドライバーであるゼイン スミスを預かる形でフル参戦させます。翌年にトラックハウスから走ることは既に発表済みなのでこのシリーズに慣れるための1年ということになりますが、2025年にこのチャーターごとトラックハウスに売却、ないしは貸し出しになるのか、これは手元に持ったまま次の活動に使用するのか、チームの活動方針も下位チームながら注目です。

※スポット参戦専門、または参戦が噂されているチーム※

 Beard Motorsports/Chevrolet
62□Anthony Alfredo

 元ドライバーでもあり、M&Lペトロリアムの創業者であるマーク ビアードが2009年に設立し、2017年からスーパースピードウェイに特化してスポット参戦してきた家族経営のチーム・ビアード モータースポーツ、RCRと提携しています。2021年のデイトナ500を目前にした1月31日にビアードさんが亡くなりましたが、チームは家族らによって引き続き運営されています。
 昨シーズンはオースティン ヒルを擁してデイトナ、タラデガ以外に疑似スーパースピードウェイのアトランタ、さらにミシガンとシャーロットのローバルにも参戦、SSW以外のレースには初登場でした。(2014年にも2戦に参戦しているものの、いずれも予選落ちして出走できず)。
 2024年もスーパースピードウェイの4戦に出場することをまずは発表し、最初の2戦にはアンソニー アルフレードを起用することになりました。2021年に22歳ながらフロントロウからカップへのフル参戦を果たしたアルフレードでしたが、トラック・エクスフィニティーともそれほど参戦経験が無く、その状態で他者との接触が続いたために経験不足を指摘する声も多く1年でシートを喪失。その後はエクスフィニティーにフル参戦しています。
 残る日程やドライバーは後日発表、とされていることから資金状況を見ながらさらに追加のレースに出場する可能性があります。


△Live Fast Motorsports/Chevrolet
78 B.J.McLeod?

 現役ドライバーでありながら早くからオーナー業も開始していたB.J.マクラウドが2020年のパンデミックによるシーズン中断からの再開と同時にカップシリーズに参戦を開始したリブ ファスト モータースポーツ。2023年に向けて車両をフォードからシボレーへ変更しRCRと提携する体制変更を行いましたが、シーズン終了後にスパイアーへチャーターを売却しフル参戦から撤退。スポット参戦となります。


 The Money Team Racing/Chevrolet
50 Conor Daly?

 元ボクシング世界王者・フロイド メイウェザーと、元スターコム レーシングのオーナー陣が共同オーナーを務めるザ マネー チーム レーシング。2020年ごろからたびたび参戦の名前が挙がっては動きがなくネタ化されかけていたところから、2022年にデイトナ500を含む4戦に出場。2023年もコナー デイリーを擁してそれなりのレースに出場する意向を示していましたが、第6戦オースティンを最後に出場がなく2戦だけの出走でした。
 チームとしては2024年も5~8戦に出場し、2025年にフル参戦することを最終目標に掲げていますが、具体的な情報は今のところありません。


〇3F Racing/Chevrolet
30 Ryan Vargas?

 フェニックス レーシングの元マーケティング ディレクター、ドイツ人のデニス ヒルツがオーナーを務める3F レーシング。2023年のカップシリーズに参戦する意向を示していましたが結局は実現せず、下部カテゴリーへの参戦意思も示していましたがこれも実現しませんでした。ライアン バーガスが『チームとドライバー開発のディレクター兼リザーブ選手』というよく分からん肩書きで契約した、と発表されており活動自体は継続されているものの、とにかくスポンサーが無くてデビューの道のりが遠いようです。


〇Xfinity Series 主要チーム

Stewart-Haas Racing/Ford
00 Cole Custer
98 Riley Herbst

 SHRはカップでベテランが2人も引退しましたが、エクスフィニティーの若手はいずれも残留。コール カスターとライリー ハーブストの2台体制が継続されます。3年間カップシリーズを戦ってエクスフィニティーへと降格する形となったカスターは3勝を挙げて見事チャンピオンを獲得。カップ昇格以前は2年連続の2位でしたから、降格はしたものの力を見せてこの場所にいるドライバーではないことを結果で示しました。
 一方のハーブストはシーズン中盤の連続リタイアが響いてプレイオフ進出を逃した一方で、第30戦ラスベガスで待望のシリーズ初勝利を挙げるなど最後の5戦を全て4位以内で終える好走でシーズンを締めくくりました。今度はレギュラーシーズン中に勝ってプレイオフをすんなりと戦いたいところです。

AM Racing/Ford
15△Hailie Deegan
25   Brett Moffitt?

 AMテクニカル ソリューションズという建築やエンジニアリングを手掛ける企業を母体とするAMレーシング。2016年からトラックシリーズに、そして2023年からエクスフィニティーにも参戦しSHRと提携しています。参戦1年目はブレット モフィットを擁してフル参戦し、シカゴ市街地で最高位の4位を記録してシリーズ15位と健闘しました。
 さらに2年目にしてフル参戦を2台に増やすことが発表され、新たに投入されるNo.15には人気の女性ドライバー・ヘイリー ディーガンが起用されることになりました。3年間トラックシリーズに参戦して最上位は6位となかなか高い壁に阻まれている感のあるディーガンですが、23歳にしてエクスフィニティーに到達しました。まさかSHRさん、ダニカ パトリックと同じようにカップで起用する意向があったり?
 ところが、開幕戦に肝心のNo.25は参戦しておらず2台でのフル参戦という目論見は成立しなかった模様、ドライバーのモフィットもまだ開幕時点でどこにも所属していない状態となっており、今後スポット参戦するこの車に乗ることになるのか、行方が注目されています。


JR Motorsports/Chevrolet
 1 Sam Mayer
 7 Justin Allgaier
 8△Sammy Smith
 9 Brandon Jones
88  Dale Earnhardt Jr.

 デイル アーンハート ジュニアと妹のケリー、ヘンドリックらがオーナーを務め、実質的にヘンドリックのエクスフィニティ―での活動拠点となっているジュニア モータースポーツ。サム メイヤー、ジャスティン オールガイアー、ブレンダン ジョーンズの3人は継続で、SHRからカップシリーズに参戦するため移籍したジョッシュ ベリーの後任として新たにサミー スミスが加入しました。スミスはJGRからの移籍で、JGR→JRMの移籍は昨年のジョーンズに続いて2年連続です。
 2023年に最も輝いたのはメイヤー、第20戦ロード アメリカで初優勝を挙げるとその後もインディアナポリスで2位、ワトキンスグレンで優勝、シャーロットのローバルでもまた優勝とロードコースで急伸し、その2戦後にはホームステッドでオーバル初優勝とあっという間に4勝しました。まだ20歳で伸びしろも大いに期待できる逸材です。
 全米モータースポーツ記者協会が選出する『最も人気のあるドライバー』のエクスフィニティー部門に2年ぶり・4度目の選出となった37歳のオールガイアーは同じく4勝を挙げてシリーズ2位と相変わらずの安定感、一方JGRから移籍してきたジョーンズはシリーズ14位で来季はクルーチーフが変更になります。
 新加入のスミスは18歳にして第4戦フェニックスで初勝利を挙げ、シリーズでも歴代4番目の年少優勝記録を樹立したドライバーで、メイヤーからすると自分もかなり若いのに後輩ができてしまいました。あと『サミースミス』と『サムメイヤー』ってなんか頭の中でごっちゃになるんですよね(´・ω・`)

 なお、アーンハートは数戦へのスポット参戦を継続しているので、来シーズンも雄姿が見られる可能性はありそうです。昨シーズンはブリストルで一時優勝争いに加わり、ホームステッドでは5位に入りました。ただプレイオフ期間中に自チーム所属のドライバーと争ってるのでレギュラーの選手からするとちょっとやりにくい感じはあるみたいです^^;


Richard Childress Racing/Chevrolet
  2〇Jesse Love
21 Austin Hill

 RCRはシェルドン クリードがJGRに移籍し、空いた枠には18歳のジェシー ラブが加入しました。ラブは昨シーズンのARCA Menards Seriesで20戦10勝と無双だったドライバーで、2020年には15歳でARCAの西シリーズで史上最年少チャンピオンを獲得するなどNASCAR傘下カテゴリーでの年少記録を塗り替えてきたドライバーです。
 一方チームメイトはフル参戦3年目のオースティン ヒル。2023年は開幕からの5戦で3勝しいったい何勝するんだと思いましたが結局は4勝。全ドライバー中最多タイとなる24回のトップ10フィニッシュを記録するなど高い安定感を見せましたが、プレイオフの終盤にチームメイトのクリードと絡んで、メディアを通じてお互いに罵り合う遺恨が発生しました。まだその時点では未発表だったクリードの移籍先を勝手にバラしたのは記憶に残ってますねw


Kaulig Racing/Chevrolet
11△Josh Williams
16 A.J.Allmendinger
97〇Shane van Gisbergen

 3台体制のコウリッグ、昨年所属したドライバーのうちランドン カッシルはスポンサーだったボイジャー デジタルという暗号資産関連企業が破産した影響で資金を失って継続できなくなったとみられ離脱。さらにチャンドラー スミスは競争力を求めて2年契約の2年目を違約金を払ってでも破棄してJGRへ移籍し、ヘムリックはカップへ昇格したので総入れ替えになりました。
 No.16はアルメンディンガーが入れ替わって戻ってきました。カップ戦にフル参戦で復帰する前の2年間、エクスフィニティーではロードコースで最強、そしてオーバルでもそれなりに戦えて2年連続で5勝していましたから、2023年の終盤はロードコースで強かったJRMのメイヤーと好勝負が期待できるかもしれません。
 そしてトラックハウスと契約しているギスバーゲンはコウリッグからエクスフィニティーにNo.97でフル参戦。ウェザーテックを主要スポンサーにして、まず現実的には色々なトラック、環境でNASCARに慣れる1年になるでしょう。ただ若くはないですから結果は欲しくなるはずで、そのあたりを周囲と本人でどう折り合いを付けるのかは大事になりそうです。
 そしてもう1台は長髪とヒゲとごつい体、といういかにもNASCARドライバーな見た目の30歳、ジョッシュ ウイリアムスがDGMレーシングから移籍してきました。通算186戦でトップ5フィニッシュは未経験という中堅ドライバーですが、コアなファンにはちょっとした有名人。

 第5戦アトランタで序盤に車を壊してテープで修復したものの、それがまた壊れて再度コーションの起因となった上に、ダメージ ビークル ポリシーの規定に従って強制リタイアを宣告されました。するとこの判定にキレたウイリアムスはコーション中にフロントストレッチに車を置いて立ち去る珍行動。
 結局これで出場停止処分を食らいますが、その強烈な風貌と相まって多くのファンの記憶に刻まれ、むしろ普段名前を見ることも少ない選手とチームが有名になって得したとまで言われました。ネタ枠で取ったわけではないですが、けっこう苦労してレースを続けてきている選手のようなのでそこそこ強いチームでどんな結果を出すのか密かに楽しみにしたいところ、上記の通りカップ戦も少しだけ出場予定です。


Jordan Anderson Racing/Chevrolet
27 Jeb Burton
31 Parker Letzlaff

 現役ドライバーでもあるジョーダン アンダーソンが当初は自身がトラックシリーズに参戦するチームとして2018年に設立し、2021年からエクスフィニティーにも参戦しているジョーダン アンダーソン レーシング。
 フル参戦としては2年目となる2023年はアワー モータースポーツからジェブ バートンとパーカー レツラフが揃って移籍しての2台体制で挑み、バートンがタラデガでチーム初勝利を挙げてプレイオフに進出、なおかつ走行距離・走破周回数で全ドライバー中最多と抜群の完走率を誇りました。レツラフもシリーズ16位に入りました。両ドライバーとも契約を継続する見込みです。

 なお余談ですが、オーナーのアンダーソンは2022年に結婚していますが、お相手はケンドール マクレイノルズという女性。苗字を聞いてまさかと思いますがそのまさかで、元クルーチーフで現在はFOXの解説者を務めている私の大好きな解説者・ラリー マクレイノルズの娘さんです。


Joe Gibbs Racing/Toyota
18△Sheldon Creed
19 Ryan Truex
   Joe Graf Jr.
     Taylor Gray
   William Sawalich
20 John Hunter Nemechek
   Aric Almirola
81△Chandler Smith

 JGRはスミスがJRモータースポーツへ移籍し、ネメチェックがカップへ昇格。前年もジョーンズがJRMへ、ギブスがカップへ、という形で体制が多きく変動していましたが、2年連続同じパターンでまた体制が大きく変動します。No.18はRCRから移籍してきたシェルドン クリード、No.81はコウリッグから移籍のチャンドラー スミスと移籍組がフル参戦。残る2台はドライバーを入れ替えつつの参戦の合計4台です。
 26歳のクリードは2020年のトラックシリーズチャンピオン。エクスフィニティーでは2年間のフル参戦でまだ優勝経験はありませんが、昨シーズンは初めてプレイオフに進出してシリーズ7位、ただし上記の通りチームメイトのヒルと最後に揉めましたw
 22歳のC.スミスは元々トヨタの育成ドライバーとして戦いカイル ブッシュ モータースポーツからトラックシリーズに出ていましたが、2022年を終えるとカイルがシボレーに転属してチーム体制自体がごそっと動き、その流れでシボレー勢のコウリッグに移籍。しかしわずか1年で古巣のトヨタ育成プログラムルートに帰ってきた形です。派手さは無いけど確実に成績を残してくれるトゥルーエックス型のドライバーかなあと勝手に将来を期待しています。なお、イケメンのC.スミスですが既に既婚者でお子さんもいて、2人目のお子さんも誕生する予定とのことです。

 残る2台は複数ドライバー制ですが、No.19はライアン トゥルーエックス、ジョー グラフ ジュニア、テイラー グレイ、ウイリアム サワリッチの4人が起用される予定。ドーバーでのトゥルーエックス兄弟連続優勝は印象的でしたね。
 そしてNo.20はネメチェックがカップと並行して参戦するほか、なんとフル参戦を引退したアルミローラがスポットで出場します。アルミローラはキャリア初期の2005年から2007年まで、まだ当時はトヨタではなくシボレーだったJGRからエクスフィニティーとカップにスポット参戦しており、それ以来となる古巣復帰です。やっぱり勝てる体制でのびのびレースしたかったのかなあ。


〇Craftsman Truck Series 主要チーム

× Kyle Busch Motorsports/Chevrolet

 カイル ブッシュ自身がオーナーを務め、シリーズ通算100勝を超える優勝回数を記録して最も成功したチームと呼ばれてきたカイル ブッシュ モータースポーツ。トヨタのドライバー育成に貢献し、カイルのRCR移籍に伴って車両をシボレーへと変更したばかりでしたが、なんと2023年をもって活動を終了しスパイアーに施設を売却しました。

× GMS Racing/Chevrolet

 シリーズで2度ドライバー選手権チャンピオンを輩出してきたGMS レーシング、2023年も3台体制で戦ってグラント エンフィンガーはあと一方でチャンピオンを獲れる戦いぶりでしたが、オーナーのモーリー ギャラガーがカップシリーズでのレガシーMCの活動による注力するために、2023年をもってこちらの活動は終了となりました。

 Spire Motorsports/Chevrolet
  7   Corey Lajoie
       Kyle Busch
   multiple drivers
71△Rajah Caruth
77   Chase Purdy

 KBMの資産を買収したスパイアー、当然フル参戦でドライバーを、と思ったらなかなか体制発表がなくて大丈夫かよと心配になる状態でした。結局、KBMからフル参戦していたチェイス パーディーはそのまま残留する形でフル参戦の予定、フル参戦4年目の24歳のドライバーです。
 また、昨シーズンはGMSレーシングからフル参戦した21歳のラジャ カルースがNo.71でフル参戦、10戦ではHendrickCars.comがスポンサーに付くと発表されており、見た目ヘンドリックが参戦しているような姿になります。カルースはおそらくトラックシリーズにフル参戦するドライバーでは唯一と思われるアフリカ系アメリカ人のドライバーです。
 そして、No.7は複数ドライバー制でカイルは5戦ほどスポット参戦する意向、ラジョーイもカップと同じチーム・同じ番号のこの車で数戦に出場します。


 Rev Racing/Chevrolet
  2  Nick Sanchez

 元デイル アーンハート Inc.の社長・マックス シーゲルがオーナーを務め、主に下部カテゴリーでシボレーの若手育成プログラムを担っているレブ レーシング。KBMとの提携で2023年から新たにトラックシリーズにも参戦を開始し、新人のニック サンチェスを擁していきなりプレイオフにも進出しました。しかしそのKBMがスパイアーに売却され、サンチェスも契約としてはスパイアーへ転籍することになったのでこのチームとしてのエントリーが継続されるのか不明でしたが、結局チームはスパイアーとの技術提携という形となって同じ体制で2年目のシーズンを迎えることになりました。


 Niece Motorsports/Chevrolet
41 Bayley Currey
42△Matt Mills
45 Ross Chastain
     Johnny Sauter
   Kaden Honeycutt
       Connor Mosak

 水、燃料、潤滑油などの液体を積んで運ぶ特殊なトラックの製造、販売を行う企業、ニース エクイップメントの創業者・アル ニースが設立し2016年から参戦しているニース モータースポーツ。2023年はホースバーがチャンピオンを争う活躍を見せてそのままカップシリーズへ昇進しました。
 No.41は過去5シーズンに渡って繰り返しスポット参戦していた27歳のベイリー カリーが自身初となるシーズンフル参戦を予定。ホースバーの抜けたNo.42は同じく27歳のマット ミルズがやはり初のフル参戦です。ミルズはエクスフィニティーで主にB.J.マクラウド モータースポーツなどから100戦以上の出場経験があるドライバーです。
 No.45はロウレス アレンが過去2シーズンはフル参戦していましたが、このチームはこれまでの活動として2台をフル参戦、3台目以降は複数ドライバー制だったので今季はこの車が複数ドライバー制に変更。カップ戦からチャステイン、そしてジョニー ソーター、ケイデン ハニーカット、コナー モサックの4人で回すと発表されています。
 ソーターは2016年にチャンピオンを獲得するなど通算300戦以上に出場し24勝を挙げている45歳のベテラン、逆にハニーカットは20歳の若手ドライバー。モサックは19歳という比較的遅い時期から本格的にレース活動を開始したら、2年ほどでパンデミックが来てしまってやや苦労してきた25歳です。


 McAnally-Hilgemann Racing/Chevrolet
18△Tyler Anklum
19 Christian Eckes
43△Daniel Dye
91 Jack Wood
   Zane Smith
 

 仕事をしながら1992年~1998年のK&N プロ シリーズ ウエストに合計56戦も出場した努力の人・ビル マカナリーが設立したビル マカナリー レーシング。ARCA メナーズ シリーズ ウエストで若手育成の場として有名で、カスター、ハーブスト、ギリランド、ディーガンなども"卒業生"です。そのBMRに、実業家のウィリアム ヒルジマンが出資してトラックシリーズに参戦しているのがマカナリー-ヒルジマン レーシング。
 No.19は2023年に移籍してきたクリスチャン エッケスが残留。最終戦などで合計4勝を挙げてランキング5位だった、NAPAスキームでお馴染みの有望若手ドライバーです。アナウンサーによって発音が微妙に「アッカス」だったり「エッケス」だったりしてどっちで書くかだおぶブレましたがとりあえず当ブログではエッケス表記で通すことに2023年途中に決まりましましたw
 また、昨年まではNo.35だった車を18にリナンバーしてタイラー アンクラムが加入。3月で23歳になるアンクラムは過去2シーズン服部レーシングに所属していました。元々牧場の家庭に生まれたというアンクラム、現在も農業に携わっており2020年のインタビューでは「40エーカーの土地で15頭の牛がいる」と言っていたのが、2023年には「474エーカーで127頭」とむちゃくちゃ農場が大きくなっていることが明らかになっています。
 加えて、GMSの閉鎖でFAとなった20歳のダニエル ダイがGMS時代のNo.43をそのまま使用して新たに加入しフル参戦。またKBMからスポット参戦していたジャック ウッドもスポット参戦でNo.91から出場することが発表されており、撤退チームの選手の受け皿にもなっているようです。ウッドはARCAシリーズにBMRからフル参戦すると発表されています。91からはゼイン スミスもスポット参戦します。


 CR7 Motorsports/Chevrolet
 9△Grant Enfinger
 97 Codie Rohrbaugh

 ドライバーでもあるコディー ローバーなどがオーナーを務めるCR7 モータースポーツ。2022年はブレイン パーキンス、2023年はコルビー ハワードを起用してフル参戦していましたが、GMSの閉鎖でFAとなったエンフィンガーが新たなドライバーとなり複数年契約を結びました。エンフォンガーは2021年にもCR7からスポット参戦経験がありそれ以来の再加入。
 1月に誕生日を迎えると39歳となるベテランのエンフィンガー、GMSの最後のレースをチャンピオン獲得で飾る目前まで行ったものの、他所で起きた若手同士の喧嘩レースで発生したコーションに邪魔されてタイトルにあと一歩手が届かずに2023年を終えました。CR7は過去2シーズンで1桁順位の獲得がデイトナでの1度だけと決して強豪ではありませんが、注目度が上がりそうです。また、オーナーであるローバー自身もNo.97でスポット参戦を予定しています。


 Rackley-Willie Allen Racing/Chevrolet
25△Ty Dillon

 元々は2008年、トラックシリーズのドライバーだったウィリー アレンが『自身のレース活動を行う上でサスペンションについてもっと理解を含めたい』と思い、仲間と共にW.A.Rショックという会社とレイト モデルのチームを設立したところに起源がある、というちょっと珍しいチーム。ここに、建物の屋根を手掛ける会社・ラックリー ルーフィングのCEO・カーティス サットンが出資者に加わってラックリーW.A.Rという名称で2021年からトラックシリーズに参戦。
 カップシリーズで居場所を失ったマット ディベネデトーと2022年に契約し、同年のタラデガでチームとして初勝利を挙げるなど注目を集めました。ところが資金の問題か、マットDは2023年の終盤に『来年は残留しない』と早々と発表されたかと思うと、なんとシーズンを3戦残してシートを喪失。以後は異なるドライバーが起用されました。
 そんな中で新たなドライバーとして、カップシリーズでスパイアーのシートを失ったタイ ディロンが新たに加入。ディロンがトラックシリーズにフル参戦するのはRCRから出場した2013年以来なんと10年ぶりです。当時はシーズン2勝を挙げて選手権2位でした。


〇Faction46/Chevrolet
46〇Thad Moffitt


 ベンチャー フードというスーパーマーケットのオーナー・レイン ムーアが新たに設立したファクション46というチームが新規にシリーズに参戦。ニースモータースポーツとの提携です。なんといきなりのフル参戦を表明しており、記念すべき最初のドライバーとして23歳のサッド モフィットが選ばれました。2021年にはARCAシリーズで4位だったモフィットですが、2023年はNASCARではなくTrans AM シリーズに出場していました。
 モフィット、と聞くとまさか2018年のトラックシリーズチャンピオン・ブレット モフィットと関係あるのかと思いきや、そのまさかではなく実は全くの他人。ところがそれ以上にすごい血筋で、彼の母・レベッカはリチャード ぺティーの娘さん。つまりモフィットはキングぺティーの孫にあたり、このお披露目会見もぺティーズ ガレージで開催されました。関与の度合いは不明ですが、キングぺティーのお墨付きでの新規チーム活動となるようです。

 
 TRICON Garage/Toyota
  1 William Sawalich
  5 Dean Thompson
11 Corey Heim
15 Tanner Gray
17 Taylor Gray

 KBMを失ったので新たなドライバー育成の場を必要としたTRDが、フォードを使用していたデイビッド ギリランド レーシングに声をかけて誕生した新チームがトライコン ガレージ。チーム名は三角形を表すトライと象徴を表すアイコンを組み合わせた造語で、ドライバー、オーナー、メーカーの3つのタイトルを目指すぞ、とかいう意味合いが込められているみたいです。
 ドライバーは2023年から変更が無く、No.11はシーズン3勝を挙げてシーズン平均順位6.8という驚異的数字をたたき出したコリー ハイムが残留。元々KBMに所属していてカイルに付いて行かずにトヨタ陣営で横滑りし、フル参戦としては来季が2年目となります。
 No.15は2018年に19歳ながらNHRA メロー イエロー ドラッグ レーシング シリーズで史上最年少チャンピオンを獲得した珍しい経歴の持ち主・タナー グレイ。その弟で18歳のテイラー グレイもNo.17でフル参戦の予定です。グレイ弟は2023年が開幕した時点で18歳未満だったので規定により1.25マイル超のオーバル戦に出場できていませんでしたが、来季は開幕戦のデイトナから出場が可能になりました。
 グレイ兄弟の祖父はジョニー グレイという元ドラッグレーサーであり石油会社の経営者で、以前所有していたマーボブ エナジーという企業は2010年に約16億ドルで売却したということなのでけっこうな資産家と思われます。2021年にギリランドレーシングに出資し、そのままトライコンの共同オーナーとなっています。

 もう1台のNo.1は17歳のウイリアム サワリッチを引き続き起用。サワリッチは2022年末にJGRの契約ドライバーとなり、2023年は6戦に出場して3度のトップ10を記録しましたが、来季は9戦に出場数を増やす予定です。平行してARCAの各シリーズにJGRから参戦しており、2023年は全国シリーズで4勝、東部シリーズでは8戦中4勝してチャンピオンを獲得しています。サワリッチの父はアメリカで最大の補聴器メーカー・スターキー ヒアリング テクノロジーズの社長・ブランドン サワリッチです。


 Hattori Racing Enterprises/Toyota
16  

 唯一の日本人オーナー・服部 茂章が率いるハットリ レーシング エンタープライジーズ。2022年に2台のフル参戦体制へ拡充してNo.16とNo.61の2台体制でしたが、2022年末にチェイス パーディーがKBMへ移籍したため61がスポット参戦へ縮小。そして2023年を終えて今度はアンクラムがマカナリーヒルジマンへと移籍してしまいました。
 そして残念ながら、2024年はスポット参戦へと体制がさらに縮小されることになりました。それほど規模が大きくないHREが2台のフル参戦へと拡張したことがむしろチームの成績を下降させる原因になっているのではないか、とする指摘もあり、SNS上でチームのスタッフを募集する投稿をしていたことから高騰する人件費で人材確保にも苦労している様子が伺えます。なお、チームはGR スープラ GT4で別カテゴリーのレースにも出場しています。


 Front Row Motorsports/Ford
38△Layne Riggs

 トラックシリーズには1台で臨むフロントロウ、2022年からの2年間はゼイン スミスを起用し、同年にはチャンピオンを獲得するなど優勝争いの常連で、さらに昨シーズンは1戦だけタラデガにスポット参戦したNo.34でブレット モフィットも優勝しました。
 しかしそのスミスがカップシリーズへと旅立ったので、来季は新たにレイン リッグスと複数年で契約。リッグスという苗字を聞いてまさかと思いますが、そのまさかでカップシリーズに通算208戦出場、2001年にはトラックシリーズで5勝を記録したこともある元ドライバー・スコット リッグスの息子です。
 レインはこれまでの大半をNASCARの地方シリーズで戦っており、トラックシリーズにはスポットで通算6戦だけの出場。ただ2022年にデビュー戦となったルーカス オイル インディアナポリス レースウェイ パークでいきなり7位を記録すると、昨シーズンもIRPで予選12位、決勝3位となぜか異様な好相性を見せました。本当はフル参戦したかったけど資金面で無理だった、という21歳の2世ドライバーがチャンピオン経験チームでどう戦うのか注目です。


 ThorSport Racing/Ford
13△Jake Garcia
88 Matt Crafton
98 Ty Majeski
99 Ben Rhodes
66 Conner Jones

 シールマスターというアスファルトやテニスコートなどの舗装に関する製品を提供する企業を成長させた実業家・デューク ソーソンがオーナーを務め1996年から参戦するソースポート レーシング。現在参戦しているチームで最も長く続いているとされます。2021年に一旦トヨタに使用車両を変更しましたが、2023年からフォードに再変更。
 ドライバーは、2022年に2勝を挙げて選手権4位、昨シーズンも1勝して8位と上位争いの常連組・タイ マジェスキー、過去3度のチャンピオンを獲得した47歳の大ベテラン・マット クラフトン、そして2021年に続き2度目のチャンピオンを獲得したベン ローズの3人が不動。
 そして唯一、ディーガンがエクスフィニティーへと転向したことで空席となったNo.13にはマカナリー-ヒルジマンから18歳のジェイク ガルシアが移籍。フル参戦2年目となるガルシアですが、テイラー グレイと同様に昨シーズンの開幕時点でまだ17歳だったので開幕戦には規定により出場できませんでした。開幕戦デイトナからの完全なフル参戦は来季が初となります。また、No.66でコナー ジョーンズがスポット参戦を予定しています。こっちも2月22日の誕生日でようやく18歳という若いドライバーです。

コメント

日日不穏日記 さんの投稿…
どうも久しぶりです。カップ戦が終わって、フェイスブックに昔観た相撲やボクシング、野球の薀蓄(二グロリーグとか)などを長々と書き込んでいて、NASCARからすっかり離れていて、久しぶりにアクセスしました。放映権も話も読みましたが、フルレースリプレイは、是非続けて欲しいですが、Amazonや、TNTという懐かしい名前が出てきました。
スチュワートはハーヴィックがいなくなって、チームとドライバーの実力がはっきり見えてきそうです。ハントブラザーズもペンスキーに取られちゃいましたか。このままだと、RFKの下になっちゃいそうで心配です。ま、ケセロウスキーは好きですが。2026年からのF1復帰に向けて、ホンダがインディーカーから撤退なんて記事を読みましたが、観測気球なのか、本気なのか、分かりません。ま、ゲートなので話半分に読んでますが。モータースポーツは何が起きるか分かりませんね。AJはスポットになっても応援し続けます。
SCfromLA さんの投稿…
>日日不穏日記さん

 SHRはどうも規則のギリギリを突いて車を速くしていたのが全部封じられて正面から戦うにはセッティングの力が足りてない、みたいな感じに見えてしまいますね。誰かそこそこのドライバーが移籍してきたらチーム力が推しはかれるのに、来年の顔ぶれだと相対的にチームの立ち位置をあらわしてくれそうな人もいないし、これなら台数を一回減らしてエンジニアリングを集中させた方がいいんじゃないの?とも思えます。
 ちなみにニグロリーグは「サッチェル ペイジが通算2000勝投手」みたいな有名な逸話ぐらいしか知りません^^;
アールグレイ さんの投稿…
JGRはこれでHe Gets Usみたいなのとスポンサー契約を結ばないようになれればいいですね。
MLBの中継を見ていると、球場の広告にもなっていたのでこの団体はそれ程までのものなのかと驚きました。

コステッキとSVGは今年のスーパーカーズシリーズで最終戦までチャンピオンを争いましたが、来年もロードコースイベント辺りでカテゴリーを変えての争いが見られると思うと楽しみです。
スーパーカーズシリーズでは3度のチャンピオン経験者であるSVGを破って今年初のチャンピオンになったコステッキにも地味に注目したいと思います。
そこで思いましたが、アメリカのレースチームがオーストラリアのレース界と近年交流を深めている感じが強いですね。
ペンスキーはスーパーカーズシリーズの強豪ディックジョンソンレーシングと一時提携していた時期がありましたし、
(今は提携は解消されているそうですが)
アンドレッティ・ユナイテッドはこちらも強豪のウォーキンショーレーシングの株を一部所得する形でスーパーカーズシリーズにも参戦していますので、噂されているF1参戦やフォーミュラE以外にも色んなことやっているんだなと改めて感じさせられました。
SCfromLA さんの投稿…
>アールグレイさん

 オーストラリアは長らくGMがホールデンブランドで車を売ってたりしたので、こと自動車に関して言えば繋がりがあるんだろうなと思います。V8スーパーカーと呼ばれていた時代から規則的にはストックカーに似てましたし、お互いガラパゴスレースでもあるので何かの拍子に関わりたくなるのかもしれません。

 He Gets USはなんとなく来年の大統領選挙にらみで大量の資金投下してるんじゃないかなあとか思いますね、たぶんカップ戦にも出てくるんじゃないかと・・・^^;
カイル・プッシュ さんのコメント…
今年も年末まで情報提供ありがとうございました!

来シーズンこそはハムリンがチャンピオンになるように祈りながら、あたらしい年を迎えます。
主さん、みなさん、良いお年を!