NASCAR 第24戦 インディアナポリス

NASCAR Cup Series
Verizon 200 at the Brickyard
Indianapolis Motor Speedway Road Course 2.439miles×82Laps(15/20/47)=199.998miles
winner:Michael McDowell(Front Row Motorsports/Horizon Hobby Ford Mustang)


 さあやってきましたブリックヤード、日本の視聴者が多少増えそうなカップ シリーズの第24戦です。インディアナポリス モーター スピードウェイの内側にあるロード コースを使用したレースですが、来年はオーバルを使用したレースが開催される見込みのため一旦見納めということになりそうです。Mobil1 the Gridでもケビン ハービックだったか「そろそろオーバルに戻す頃合いだ」って言ってましたね、ぶっちゃけ飽きたと思われw
 このトラック、リスタート直後のターン1に車が殺到してぐちゃぐちゃになるのがある意味見所であると同時にグダグダになる要因で、逆にそこを通り過ぎると案外何も起きないままレースが進んでしまうんですが、NASCAR的にはターン1の混雑を減らしたいようでこのレースではガイコ リスタート ゾーンが最終コーナーの手前・ターン13と14の間にあります。逆にターン1までにドラフトを長く使える、という見方もできそうですが果たして・・・

 えー、ここで普段NASCARを見ない方が初めてこのレースを見た場合を想定して少し補足しておくと、現在のNASCARは『ステージ制』というレースを行っています。レースの中だるみを防ぐためにレースが3つの『ステージ』と呼ばれる区切りで分けられており、ステージ1と2の設定周回数に到達した時点での上位10台に選手権ポイントが与えられます。
 通常はステージが終了するとコーション(日欧で言うセーフティー カー)が出されて一旦レースは止まってしまうんですが、今年からロードコース戦に限っては『ステージの区切りはあるけどレースは止めない』という規則になったので、このレースなら道中の15周目と35周目に『ステージ』という言葉が出てきますが、そのままレース自体は続きます。なぜそうなったかという話は、面倒なので過去記事をご覧くださいw


・レース前の話題

 SNSでの不適切行為によりチームから無期限の出場停止処分を受けたレガシー モーター クラブのノア グレッグソン、現地でも『すぐ解雇された』『契約は続いている』と情報が分かれていたようですが、最終的にグレッグソン側から「契約の解除を要請した」と発表し、自分から離脱したことになったようです。レガシーMCはとりあえず今週と、次戦のワトキンスグレンでマイク ロッケンフェラーを起用すると発表しています。
 ロッケンフェラーは偶発的ですが、今週はスポット参戦の選手が多数登場。リック ウェアー レーシングからはロッケンフェラーと一緒にル マンを走ったジェンソン バトンが、23XIレーシングからは小林 可夢偉が登場。そしてトラックハウス レーシングからは、第18戦シカゴ市街地で衝撃のデビュー戦勝利を挙げたシェイン バン ギスバーゲンが再びの登場。
可夢偉のToyota Genuine Parts Toyota Camry TRD

 ギスバーゲンはどうやらトラックハウス レーシングから来季にフル参戦するようだ、と関係筋の情報が出回っていますが、じゃあダニエル スアレスがクビかというと彼には複数年契約があるので新たな3台目となります。チャーターが無いのでそのあたりの詰めの調整が行われている様子です。

 さらに、SVGと同じくオーストラリアのレプコ スーパーカーズ選手権に参戦しており、現在ドライバー選手権で1位に立っている25歳の若手・ブロディー コステッキもスーパーカー第2の刺客として初登場。コステッキは2013年の途中から1シーズン半ほどNASCAR K&N プロ イースト シリーズに出ており、2014年最終戦のドーバーでは自己最高の5位を記録。それ以来のNASCARということになりますが、車は今乗ってるスーパーカーの方が断然似てると思います。

 それとレギュラー陣の契約情報もまた1つ発表され、フロント ロウ モータースポーツはマイケル マクダウルとトッド ギリランドの両名と契約を延長し来季も起用すると発表しました。来季はゼイン スミスを昇格させると予想されていたので予想外に早い&ちょっと驚きの残留発表で、ゼインが来年もトラックで待機するのか、他所でカップ戦デビューの機会を探すのかが気になるところです。

・Craftsman Truck Series Tsport 200 (at Lucas Oil Indianapolis Raceway Park)

 スピードウェイから車で約15分の場所にある1周0.686マイルのトラック・通称IRPで開催されたトラック シリーズはプレイオフの第1戦。ポールシッターはクリスチャン エッケスでしたが、2位スタートのタイ マジェスキーが4周目にリードを奪うとレースをほぼ支配。200周のうち179周をリードする速さで今季初勝利。ステージ1、2も制する完全優勝でプレイオフ ポイントも荒稼ぎして次ラウンド進出を決めました。なお、このレースにもニース モータースポーツからスポット参戦したギスバーゲンは1周遅れの19位と上々の結果でした。

 また、併催されたARCA メナーズ シリーズではトヨタが育てたいと思っているであろう若手の1人・ジェシー ラブが優勝し、今季12戦で7勝と圧倒的な結果を残しています。

・Xfinity Series Pennzoil 150 presented by Advance Auto Parts

 序盤に雨が降ってきて一時赤旗中断もあったエクスフィニティー。ポールシッターのA.J.アルメンディンガーは的確なスリック タイヤへの交換等もあって一時は大きなリードを築いていましたが、速さではタイ ギブスが一歩上でした。43周目に2台が同時にピットに入るとピット内でギブスが僅差の逆転。直後にコーションが出ると、リスタートからの残る16周はギブスの独走になりました。ギブスが今季7度目のエクスフィニティーで初勝利を挙げました。

・予選

 カップシリーズの予選ではスアレスがブッシュ ライト ポールを獲得。ここ2戦梨汁の被害に遭っているタイラー レディックが2位、勝たないとプレイオフ進出が絶望的な状況に追い込まれたチェイス エリオットが3位。マクダウル、カイル ブッシュ、カイル ラーソンと続き、なんとギスバーゲンは今回もQ2に進んで8位です。
 コステッキは惜しくもQ2進出を逃し11位でしたが、壁にぶつけて車を壊した上にこれとは別に練習走行でスロットル系に不具合もあったようなので、決勝は予備車両で最後尾からのスタートになりました。可夢偉は28位、バトンは31位、ロッケンフェラーは37位、そして38位は最近肋骨を骨折していたと明かしたハービックでした。息子のカートのレースを見にイタリアへ行った際に階段から落ちたそうです、今年のNASCARコース外での怪我が多いぞ^^;

・ステージ1

 いきなりSVGがミサイルしかけたり、可夢偉が押されてスピンしたりしつつもスアレスのリードで平和に始まったレースでしたが、2周目のターン5~6でジャスティン ヘイリーとジョーイ ロガーノがちょっと無理な並走。結果ヘイリーが弾き飛ばされてクラッシュし最初のコーションが出ました。
 6周目にリスタートしますが、今度はロガーノがターン1で完全にブレーキをロックさせてチームメイトのライアン ブレイニーにオカマを掘った後スピンして自滅。ブレイニー自体は大きな被害を受けなかった一方で車間距離の無い低速コーナーなので玉突き事故になって、結果としてなんと4台も前方にいたギブス君がスピンしてしまいました。彼はまさか4台も後ろのミサイルがきっかけだとは想像できないでしょうから、たぶん後ろにいたギスバーゲンにぶつけられたと誤解したことでしょう^^;

 一方リーダー争いはマクダウルがスアレスをかわしてリーダーとなります。傾向としてロードコースでは速いけどタイヤ管理ではやや難がある印象のマクダウルとスアレスですが、この後もずっと0.5秒前後の差で走り続け、マクダウルがそのままステージ1を制しスアレス、チェイス、レディック、ラーソンが続きました。チェイスはじわじわと前の2台と距離を詰めている様子です。

・ステージ2

 航続距離で言えば35周ほど走れるので2ストップで走れるこのレース、ステージ ポイントが獲れなさそうな人は既にステージ1終盤の段階からちらほらとピットに入っていました。上位勢もポイントを貰ったらこれ以上の長居は無用なので、16周目を終えて4位のレディックが上位勢で最初にピットに入りました。
 これを見て17周目にマクダウル、スアレス、ラーソンも同時にピットへ。マクダウルはピット入り口の速度制限を警戒しすぎてブレーキが早く、危うくスアレスに追突されそうになってしまいます。そしてここはやはりトラックハウスのクルーの方が作業が早く、ピット内でスアレスが逆転しました。
 翌周にチェイスもピットに入り、なんとかラーソンの前で復帰して鬼ブロックで実質3位を守りました。先に入ったレディックはアンダーカットできるのかと思ったらこの人たちより数秒後方にいます。記録を見たらレディックのアウト ラップは他のドライバーより3秒ほど遅いので、映ってないけど何かミスったか引っかかったか、梨汁を踏んだかでしょう。ピット作業もそんなに迅速ではなかった感じでした。

 マクダウルはほんの少しだけスアレスより速いようでスアレスの隙を伺いますが、抜くほどの差が無い上にちょっかいを出した結果チェイスが完全に追いついてしまってリーダー争いは三つ巴。一方4位にいたラーソンは27周目のターン12で止まれずに一時停止ペナルティー、この争いから離脱しました。しかしなんか青い車が多いな・・・

 トラック上ではとにかく最初に走れるだけ走る作戦を採ったデニー ハムリンとブラッド ケゼロウスキーが見た目上の1位、2位。ステージ2のポイントだけ拾って最初のピットに入る上位勢とは逆張りの2ストップのようです。しかし燃料もタイヤもだいぶ厳しいのでステージ最終周を前にスアレス御一行様が追いついてしまいました。
 ハムリンはターン7のブレーキで姿勢を乱し、ケゼロウスキーはこれを見てその先で抜こうとしましたがラインを外れたらそこは路面が砂だらけでこちらもフラフラ。結局ケゼロウスキーはタイヤが汚れてターン12のブレーキで失敗し、後ろにいたスアレスは運悪くこれに詰まったので後ろで見ていたマクダウルがごっつぁん。ハムリンは敵失で命拾いしてステージ2を制し、マクダウル、スアレス、ケゼロウスキー、チェイスのトップ5でした。

・ファイナル ステージ

 マクダウルがヨレヨレのハムリンをかわしリーダーとなりますが、さっきのごちゃごちゃでチェイスがスアレスを抜いて2位。ここからはマクダウル、チェイス、スアレスの順でまたしばらくはじりじりとしたレースが続きます。せっかくリスタートゾーンをいじったのに、そもそもリスタートする機会がここまで1回しかありませんねw
 マクダウルはところどころ重圧に負けてミスってるような感じなので抜かれるのは時間の問題かと思いましたが、要所を抑えて相手に決定打を与えずリードを維持します。何も起きないトップ3より目立っているのはギスバーゲンで、1回目のピットを22周目まで引っ張ったのでコース上でやたらと追い抜きを披露しています。元チャンピオン相手にも容赦なく内側にぶっこむ度胸は、来年からフル参戦するのであいさつ代わりといったところでしょうか。見ていて車間距離の取り方がものすごく近いんですよw
ラーソンの内側に突っ込むSVG

  48周目、チェイスが突然ブレーキでのロックを立て続けにやらかしてスアレスに追い立てられた末、ターン12で軽くぶつけられつつ抜かれました。この隙にマクダウルは2秒ほどの差を築くことに成功、レースは残り35周ほどで給油すれば最後まで走れる頃合いなので、翌周にこの3人は全員同時にピットに入りました。


 しかしこのピットでスアレス陣営に痛恨の失敗、左側のタイヤを交換してジャッキを落としたらレンチの空気ホースを車で踏んずけてしまい、とんでもない時間を食ってしまいました。これでスアレスは10秒近く後退し争いから離脱。実はマクダウル陣営も左後輪の交換に手間取ってましたが、給油量が非常に多いので実質的に影響がなくチェイスの前を維持してコースに戻りました。スアレス陣営も急いで作業したって給油待ちになるんだから焦る必要無かったんですよね・・・

 残りが28周となるころにはみんな2回目の給油を終えてマクダウルは見た目上でもリーダーに復帰、なんとピット後にチェイスを引き離して3.5秒以上の差になっています。タイヤをお互いにどう使っているのかが分かりませんが、このまま何も起きずにレースが終わるとマクダウルには本当に勝てるチャンスです。

 ところが残り24周、ギリランドがターン12で単独クラッシュ。なかなかのダメージを食らってしまい、マクダウルからするとチームメイトのミスでコーションが出てせっかくのチャンスが台無しになりそうでしたが、たぶん状況を分かっているのでギリランドも必死に車を動かしてピットへ急いで逃走し難を逃れます。すぐ近くがピットで良かったですね。
 リーダー争いはその後も3秒を挟んでの睨み合い、一方で中団はハゲしいバトルの応酬なのでこっちばっかり見ててもなかなか面白い感じですが、リッキー ステンハウス ジュニアはなぜかやたら元F1ドライバーと絡みました。一度はステンハウスのミスでバトンをスピンさせ、その後バトンがブレーキでミスってステンハウスにぶつけながらの追い抜き。ジェンソンがNASCAR流の仕返しを学んだのならフル参戦の才能ありですw
 ステンハウス君の暴走はさらに続き、直後のターン1で今度は自分がブレーキでミスって、たまたまそこにいた可夢偉にミサイル、可夢偉はこれで2回目のスピンとなりました。なんかついてない可夢偉はこのレース33位でした。一応記録としては、日本人ドライバーとして福山 英朗が2002年の第28戦ラスベガスで記録した順位に並ぶ最高位タイになります。
残り12周、可夢偉は周回遅れになってマナーよく道を開ける
(直後ロッケンフェラーが内側にぶっこんできて抜かれる)

 全くコーションが出ないので普段のロードコース戦ではあり得ない数の周回遅れに遭遇するマクダウル、残り7周ではチェイスとの差が2秒となります。ただ、普段のオーバルだとみんなリードラップに残ろうと必死に抵抗してなかなか抜けませんが、ここだとタイムが遅い人はわりとブレーキングで抜けてしまうようで完全に詰まるようなところまでは行きません。抜いたら今度はチェイスがそこに引っかかり、しばし2台の間には周回遅れが2台挟まって、しかもタイヤの履歴差のせいか案外速いのでずっと同じペースでそこにいました。
 
 画面の前で「もうこのまま行ってくれ~」と祈りながら観戦する私。残り2周でその差は2.1秒、そしてようやく周回遅れのロッケンフェラーがどいてくれたら2台の差は1.3秒差となって最終周に入りました。0.5秒まで来てしまうと最後は押し出される可能性があるのでマクダウルは絶対に失敗できない状況でしたが、大事なブレーキングであるターン7と12をいずれもきっちりと決めました。
 マイケル クリストファー マクダウル、アリゾナ出身の38歳が2021年のデイトナ500以来となる自身2度目のカップシリーズ優勝、プレイオフ争いで当落線上のきわどいところにいた伏兵が一発でプレイオフ進出を決めました。チェイス、スアレス、レディック、ボウマンのトップ5。
 地元インディアナ州出身で、できればロードとオーバル両方で勝ってみたいなあと思っていたチェイス ブリスコーが健闘して6位、ギスバーゲンは10位、コステッキは3ストップになったようで22位でした。ギスバーゲンは早めのピットで順位を重視した方が良かった気がしますけど、来年からフルで出るなら他のドライバーとの争いに慣れることにも意義がありますかね。


 元々はカートからレースを始めて実績を残し、2004年にはフォーミュラの若手カテゴリー・スター マツダ選手権(現在のUSF プロ 2000)でチャンピオンを獲得とロードコースで戦うための腕は持ち合わせていたマクダウル。ここ数年も上位に顔を出してはいましたが、さすがにチェイスをはじめとしたチーム力も実力も両方ある人に勝つのは、、、という印象だったので、今回は良い意味で裏切られました。
 どのぐらい驚きの出来事だったかと言うと、F1で例えればイタリアGPでアルファタウリのピエール ガスリーが勝ったとか、ハンガリーGPでアルピーヌのエステバン オコンが勝ったとか、そういうぐらいの驚きです。SUPER GTで言えばGT500で中嶋レーシングが勝ったぐらいの感じでしょうかね。一応補足しておくと、これで今季のカップシリーズは24戦して14人も優勝者が出ています、どうですかこの高度な戦い。
7人家族でレンガにキス、というのも珍しいかも

14 Kevin Harvick 677  +145
15 Brad Keselowski 675  +143
16 Babba Wallace 560  +28
17 Daniel Suárez 532  -28
18 Ty Gibbs 511  -49
19 Chase Elliott 480  -80
20 Alex Bowman 480  -80
21 A.J.Allmendinger 473  -87

 そしてマクダウルの勝利はプレイオフに大きな影響を与えました。勝てなかったチェイス、49点を稼ぎはしたものの新たな勝者が出たことで当落線のハードルが上がってしまい、レース前よりもポイント16位との差はむしろ広がってしまいました。もう本当に勝たない限りプレイオフは無理です。
 チェイスはロードコース通算7勝を挙げていながら、Gen7車両になった昨年以降は勝利無し。Gen6はシフトがHパターンだし、サスペンションはボヨンボヨンしているし、ブレーキはめちゃくちゃ小さいし、というロードを走るように全然できていない変な車だったので勘所を掴んだ彼に勝つのはかなり難しかったですが、Gen7はもうちょっとまともな車両になったので相対的に他の人もきちんと扱えるようになってしまったことが大きいように思います。
 レース結果を後から調べると、今回はタイヤも非常に長持ちするタイヤだったようで、マクダウルにしろチェイスにしろ30周走ってもペースは1秒程度しか落ちていませんでした。燃料重量を考慮せず考えて1周あたり0.033秒程度しか遅くなっていないわけで、得意のマネージメントもそこまで威力を発揮しませんでした。もちろんマクダウルもめちゃくちゃうまくペース配分してましたけどね。
 次戦もロードコースのワトキンスグレンなので彼が優勝候補の筆頭なのは間違いないですが、『どうやっても気づいたら勝手にチェイスが1位にいた』というようなことはなかなか起きなさそうなので厳しい戦いになりそうです。何より「絶対勝たないといけない」という重圧は相当なものでしょうからね。

 一方、当落線ギリギリになったバッバ ウォーレスはこのレース18位と振るわず、対スアレスで言えばレース前から一気に32点も点差を詰められてしまいました。ウォーレスはロードコース通算25戦でトップ10が2度だけ、平均順位25と苦手分野なので、新たな勝者が出る可能性、ポイントを稼げない可能性、両面でまだこの位置が安泰とは言い難くなってしまいました。スアレスからすれば今回51点も稼いだことと、ロードコースで戦えたという結果は大きな材料です。
 万一レギュラーシーズン残り2戦をいずれも未勝利のドライバーが制した場合に崖っぷちとなるのがハービックとケゼロウスキーですが、このレースを終えてなんと2点差。現実的に起こりえるだけに少なくともグレンの勝者が決まるまでは一切気が抜けないし、リタイアなんてしようものならデイトナは自分も勝つしかない立場に追い込まれるおそれがあります。

 レース本体に関して言えば、6周目からまさかの77周ぶっ続けのコーション無しレースということで、ドライバーも1時間45分休まず走り続けたのはかなり久しぶりなんじゃないかと思いますが、お客さん的には波乱なさすぎになってしまいましたね。でも個人的には、じゃあやっぱりステージ間コーションが必要じゃないか、とは思いませんでした。
 普通に日欧の尺度で考えたら、300kmのセミ耐久レースを1人のドライバーで戦って、2回の給油+タイヤ交換を挟んだのに優勝争いの差が最も広がって3.5秒で、終わってみたら1秒差、なかなか見られない高度で僅差の好レースです。ステージ間コーションがあればロードコース作戦だらけで、たぶんマクダウルも勝ってないですからプレイオフ枠争いの番狂わせも盛り上がりも起きてないですしね。

 それに、リスタート位置の変更からも分かる通り運営側はロードコース戦にあまりがちゃがちゃしたものを求めていないと思われます。ルマン参戦からも分かる通りNASCARは国際化を進めたがっているようなので、スポット参戦で他流試合の人が来てくれやすいロードコースは自分たちから日欧のレースに合わせにいっているところがあるように感じます。
 それが古参のNASCARファンにとって良いことかと言われたら絶対違うんでしょうけど、NASCARとしたら国内だけでアメリカ人のアメリカ人によるアメリカ人のためのレースをしているだけではいずれ消えると考えての方針だと思うので、運営的には今回のレースはある程度狙った通りになったんじゃないかと思います。想定外だったのは、コース幅が広いおかげで飛び出そうが事故ろうが、みんな安全に現場を離れてしまったことでしょうか、これがグレンならみんな壁に当たって自走不能でコーションでしょうw
 そもそもNASCARらしいレースを見たいならロードコースはこんなにいらないので、見る側もある程度はオーバルとロードコースはちょっと違うイベントとして見た方がこれからのNASCARは見やすいのかな、とも思いました。ともあれ、ロードコースはせいぜい4戦ぐらいでお腹いっぱいなのでオーバル増やして欲しいですね。次戦はワトキンスグレン、ここは昔から開催していてどうやってもNASCAR的レースになるので継続でお願いします。きっとコーションも5~6回出るやろうw


コメント

日日不穏日記 さんの投稿…
 GAORAで観ました。レースは2時間10分弱、放送は、セレモニー込みで、3時間33分でした。波乱を求めた視聴者には物足りない内容だった気がしますが、まさかマクダゥエルが優勝するとは思いませんでした。プレーオフバブルにいて、17位でしたから、一昨年と比べてかなり良いドライバーになった気がします。
さて、レース内容は他の人が書くと思うので、GAORA中継について書くと、、準備期間が短かった割に、準備は良く出来ていたと思いました。現地リポート、可夢偉さんへのインタヴューは尾形さんがスカイプでしてましたし、トラックのオーナー服部さんも出てました。
 予選後のインタヴューは、前日インディのレースがあったので、声を聞くと、天野さんだったんじゃないかと思います。番組制作は良く出来ていたと思うんですが、タイムとポジションチェンジがリアルタイムじゃないんですね。違法動画をチェックしていたら、普通にタイムもポジションも変わっていたので、NBCの映像じゃなく、NASCARのフルレースリプレイに、日本語の実況と解説がついてる感じがしました。インディカー中継は、現地映像をそのまま流してると思うので、何で?って気がしました。動きの少ないレースなので、大きな支障はありませんでしたが、何度もコーションが出るオーバルだと心配になります。告知してましたが、来年のデイトナ500は特に。
実況は、ちゃんとカーナンバーが誰だとしっかり頭に入れていたようで、違和感はありませんでした。
SCfromLA さんの投稿…
>日日不穏日記さん

 GAORA観戦お疲れ様です!めっちゃ早く終わりましたねw
NASCARの海外向け映像については、たぶんFOX/NBCではなくNASCAR Media Group LLCから発信する形になっていると思うのでYouTubeと同じ仕様になるんだと思います。おそらく他国も同じでしょう。更新がタイミングループ毎じゃなくてコントロールライン通過毎なので1周が長いと表示と現状が全然合わないんですよね^^;
まっさ さんのコメント…
スイカ男走ってた???(失礼)
現地に服部さんも居たので交流とかしたのかなぁなんて妄想。
このレースで近代NASCARを初めて見た人はマクダゥエルがトップドライバーと思ったことでしょう。
ロードコースは確かに多すぎで,,,でも、インディから連続で見た人はトラックリミットが緩いレースってワクワクでしょって感じたはず。
だったらサーキットオブジアメリカズも放映しなきゃ。
ジータス色を消したいのかコメンタリーがうーんなのが残念。スワレスはメキシカンであってゲストじゃないぞー!
ロードコースは天野さん オーバルはみんな大好き桃田さん 召喚希望!

あ,NASCAR記事を探してこのブログに辿り着いた皆さま初めまして!
1号車 ロスチャステイン がK&Nプロシリーズでの下積み時代に彼のカムリを現地で組み立てて一緒にレースを戦ったまっさと申します。
今はトヨタドライバーではないですが ウォーターメロンマン(スイカ男、伝説の壁走りで有名)ロスチャステインにもご注目くださいm(_ _)m
昨年カップシリーズランク2位! まだまだ古参認定です!
アールグレイ さんの投稿…
今回のレースはコーションが序盤の1回しか無かったのを考えると、1度もコーションが出ないレースも近い内にロードコースではあり得そうな気がしますした。
今まではステージ終了後に最低2回はコーションが出ていたわけですが、ロードコースでのちょっとした単独スピンぐらいでは出さないことも今回分かりましたし。
ただ、観客がだれてこないのかが心配になりましたが。
(その場合は物投げ入れてデブリ回収の為のコーションになりそうw)

ちなみに最後まで1度もコーションが出なかったのは2002年のタラデガまで遡りますが、今考えるとビッグワンの恐れがあるプレートレースでコーション0回は意外ですね。
SCfromLA さんの投稿…
>まっささん

 あれ、チャステインはスイカの収穫作業を手伝うために欠場してませんでしたっけ?(すっとぼけ)
GAORAの中継は見れてないですけど、ディレクターの稲嶺さんはかつてのGAORA中継の時から携わっていたいた方で、それでいて私もお世話になっていたNASCARのファンサイトにご本人が書き込みもしていて、当時G+のコメンタリーがグダグダでコアなファンから不評を買っていた投稿も見てたと思うので、やれる範囲ではNASCARを伝える努力をしていたと思いますよ。ご本人のツイートによればコーション無さすぎてドライバーを掘り下げる隙間が無かったらしいですw
SCfromLA さんの投稿…
>アールグレイさん

 CoTAとここは飛び出しても戻れるのでクラッシュでないとなかなかコーションが出ないのはある程度予想できたとは言え、何もないというのはさすがに驚きました(といってもYouTube勢は動画の尺でだいたい察してしまうわけですが(--;)
タラデガのコーションフリーはそういえば何か要因があったのかな、と調べてみたら、まだデイルシニアの事故から2年も経ってなかったというのと、前年もコーションが無かったのでNASCARが燃料タンク容量を22ガロンから13ガロンに縮小してピットを増やしてやろうとしたのがかえってみんな普段と違うから慎重になった、みたいなことがあったんですね。
ウォームアップ中にポールシッターのジョンソンがマーティンに追突されて車壊した、という波乱が無ければ結果は違ったのかもしれませんけどw