フォーミュラE 最終戦 ロンドン

ABB FIA FormulaE World Championship
2023 Hankook London E-Prix
ExCel London Circuit 2.09km×34Laps=71.06km
※SC導入に伴い、規定により38周に延長
winner:Nick Cassidy(Envision Racing/Jaguar I-Type 6)


 ABBフォーミュラE最終戦、今季のドライバー選手権は昨日の時点でジェイク デニスがチャンピオンを獲得したので最終戦でのギスギスした緊張感からはある意味開放されました。デニスがチャンピオンになったことで、来年の東京E-Prixに向けたPR芸人にデニスが選ばれる可能性が0.1%ぐらい出た気がしますw
 ところで、2021年にここでのレースが初めて開催された際、私はお隣を走っている鉄道・ドックランズ ライト レールウェイについてご紹介しました。

https://zurasportsweb.blogspot.com/2021/07/formulae-season7-round12.html

 で、ふと気づくとDLRの赤い列車の向こう側にもう1つ白と青の列車が走っていることに気づきます。そういえばこれって何だったかな、と思って調べたら、ここは2022年5月に開業したばかりの新しい鉄道でした。エリザベス線と呼ばれている路線で、ボンバルディア トランスぽーテーション製の345形という新型車両が走っています。こう見えて最高時速は145km/h。少しずつ部分開業して全線開業したのが2022年5月のことで、このあたりは最後の開業区間だったみたいです。ここの最寄りであるカスタム ハウス駅では平日はほぼ5~6分間隔、休日も7~8分間隔での運行、路線の中心地だと3分間隔などかなり頻繁運転が行われています。

たまたま車と2路線揃った

 イギリス版Wikipediaには345形のページもあるんですが、日本の鉄道車両について記載する日本の鉄道記事なら必ず書いてあるインバーターのメーカーや方式なんかは書いてないですねw

 さてレースに話題を戻すと、ドライバー選手権は決まってしまいましたが、チーム選手権ではジャガーTCSレーシングとエンビジョン レーシングがなんと同点の状態で最終戦に到達。ジャガーのワークスとカスタマーがほぼ一騎打ちの状態です。
 そして昨日は36周だった決勝レースですが、今日は2周少ない34周。元々節約が必要ないようなコースですが本当の短距離戦です。もしドライバー選手権争いが最終戦にもつれ込んでいたら、最後は細かいこと言わずに正面から勝負して決めようや、ということだったんでしょうか、しらんけどw


・来季のドライバーの動向

 最終戦なので、The Raceさんの記事を基にここまでに出てきている来季のドライバーの動向について見ておきます。
 ジャガーはバードとの契約を延長せず、エンビジョンからキャシディーが移籍する可能性が濃厚。そのエンビジョンにはアプトからロビン フラインスが加入する可能性が報じられています。フラインスはエンビジョンと反りが合わなくて昨年限りで離脱したばかりですが、マヒンドラ製パワートレインは競争力不足でしたし、反りが合わない要因はたぶんキャシディー中心に回っていたチーム体制にもあったと思うので、いなくなるのなら、というところかもしれません。
 フラインスが抜けたアプトは、今年代走で出場経験があるケルビン ファン デル リンデが起用される可能性があります、チームに帯同している姿が映像にもたまに出てきますね。アンドレッティーはアンドレ ロッテラーが今年非常に成績不振だったのと、耐久レースに専念したいというのもあって契約が延長されない可能性が高く、後釜には2022年のFIA F2チャンピオンでアストン マーティンF1のリザーブも務めているフェリペ ドルゴビッチの名前が挙がっています。ドルゴビッチはマセラティーからフォーミュラEのテストに参戦経験があります。
 マクラーレンはレネ ラストと契約せず、ジャガーを離脱したバードの獲得に動いている模様、日産はナトーと契約を更新せずに、既にマヒンドラをシーズン途中で降りてしまったオリバー ローランドか、F1から戻ってくるであろうニック デ フリースのどちらかを狙っている模様です。ローランドって日産に所属している最中にさっさとマヒンドラ行きを決めてしまい、そのマヒンドラを競争力不足でシーズン途中に放り出しちゃったわけですけど、日産的にそれでいいんでしょうか^^;

現在の来季ドライバー予想

エンビジョン:ブエミ/フラインス
ジャガー:エバンス/キャシディー
アンドレッティー:デニス/ドルゴビッチ?
ポルシェ:ベアライン/ダコスタ
DSペンスキー:ベルニュ/バンドーン
マセラティーMSG:モルターラ/グンター
日産:フェネストラズ/ローランド?デフリース?
マクラーレン:ヒューズ/バード?
NIO 333:ティクタム/セッテカマラ
マヒンドラ:ディグラッシ/ダルバラ?
アプト:ミュラー/ファンデルリンデ?


・グループ予選

 A組には昨日の主役が勢揃い、最速はキャシディーで、ブエミとバードもデュエルスに進出。そしてチャンピオンの肩書が付いたデニスも最後のアタックで2位に滑り込んで、この組にいたジャガーとポルシェは全員勝ち残りました。
 B組でもエバンスが貫禄の最速タイム、2位にはちょっと驚きのニコ ミュラー。そしてこれが日産で最後になるかもしれないナトー、ストフェル バンドーンが続きました。ポルシェのワークスはまた予選で苦しみベアラインが5位、ダコスタは10位でした。



・デュエルス

 小雨が降っているようですが何せ一部が屋内にあるコースだし雨量もそれほど多くないので影響がよくわからないデュエルス。タイム水準から言えばほとんど影響は無さそうで、そんな中でキャシディーとエバンスが順当に勝ち上がり、チーム選手権を争う上で大事な3点を争う決勝になりました。
 ニュージーランド人同士の争いは激戦というべきお互いに最高の走りを披露するアタックになり、先攻のキャシディーが後攻のエバンスに対して僅か0.01秒差で勝利しジュリアス ベア ポールを獲得しました。敗れたジャガーの代表・ジェイムス バークレイのリアクションは悔しそうだけどちょっと昨日で肩の力が抜けた良い悔しがり方でした。バークレイさんの顔芸、日に日に取り上げられる機会が増えてる気がw


 スタート順位はキャシディー、エバンス、ナトー、デニス、バンドーン、バード、ブエミ、ミュラーの順。バンドーンは予選でLEDライトがものすごくでたらめに点滅したり色が変わったりしてましたが決勝ではどうなってるんでしょうか^^;

・決勝

 予選終了後の待ち時間にいよいよ本格的な雨も降ってしまって路面は様変わり、でもスタート地点が室内なのでドライバーも屋外に出るまで外の状況が全く分かりません。とりあえず雨が強いようなのでレースはSC先導スタートに。
 そしていざ先導走行して屋外へ出てみるとどえらい路面水量。ここから先導走行で2周して3周目にスタンディングでリスタート、と最初は告知されましたが、これが1周延長されたかと思うと、いざ4周目にスタンディングでリスタートしようと退いたSCが再度先導。レース進行側も安全性と競技性をどう両立させるのかかなり悩んでいる様子です。
 ドライバー側からは「ラリーのようだ」「これじゃあレースできん」と不満の声多数、ちょうど強い雨が降ってきたようで結局赤旗になってしまい雨脚が弱まるのを待つことになりました。

見えないw

 30分ほど待って赤旗解除となったものの、2周の先導走行をやってみたら運悪くまた雨が強くなってしまい、まだレースできそうにないので再度赤旗、今度は40分待ちでした。コースに出たらミュラーの車から何か脱落したけどピットで待機するときに取り付ける何かの外し忘れでしょうか^^;
 しめて70分待ちの末に8周目、ローリングでリスタート。みんなタコ踊りしながらも無事に1周しますが、3位のナトーがちょっと苦労しているようで2位と3位の間に大きな空間ができました。もうこうなるとパワートレインの効率とか関係なく単に腕と車の操縦安定性の問題ですね。


 キャシディーはエバンスを寄せ付けずに差を広げていって2回のアタックも安全に消化。ナトーを抜いたデニスが3位に上がったものの、2位のエバンスとはこれまた大きな差になっていて表彰台の顔ぶれは今のところ何か起きるの待ちになってしまいました。やっぱり選手権の上位3人が実力通り上に来るのね、とか思ったり。

 まあとにかく何も起きずにキャシディーが逃げ続けるレース、赤旗3回で延びまくったのでJ SPORTSの番組は延長しての放送となりますが、電子番組表を更新してくれなかったのでうちのレコーダーでは録画が終了してしまい、レースの終盤は後日に再度録画しなおすハメになりましたw
 雨は止んでいるようで少しずつ全体のペースは上がっているものの、依然としてドライの110%を超える状況で追い抜きは困難。エバンスは26周目あたりからキャシディーとの差を詰め始めて30周を終えた時点で約2秒。チーム選手権ではブエミが6位、バードが7位とチームメイトの争いもエンビジョンが前にいるのでこのままならエンビジョンの勝ち。でもエバンスが勝てば話はひっくり返ります。
 31周目を終えたところで追加される周回数が4周と発表され、レースは全体で38周・残りは7周となりました。スタートと赤旗からの再開手順で運用されたSCが全て加算対象になっているので随分と追加量が増えました。
 そんな中、残り5周あたりからエバンスはタイヤがちょっと厳しくなってきたのかずいぶんとオーバーステアの様子でキャシディーに突き放されてしまい、そのままレースはチェッカーを迎えました。最終戦を制したのはニック キャシディー、今季4勝目を挙げてこれでドライバー選手権でエバンスを抜き2位、そしてエンビジョンがチーム選手権を制しました。レース後のキャシディーの無線が『移籍する前の最後の感謝のご挨拶』だと思って聞くとなんかそういう風に聞こえます。


 エバンスはキャシディーに及ばず2位、気づいたらレース序盤にはちゃんと点灯していたLEDライトが消えてしまってなんだかチーム選手権争いの灯が消えたみたいになってしまってました。バンドーンも結局レース中ずっとライトが変な点滅を繰り返して、他にも点いたり消えたりしてる人が何人かいたので、結局ライト点灯の制御システムは1シーズン通じてちゃんと整備できず、加えてひょっとしたらこの雨で何か不具合が起きたかもしれませんね^^;
 
 シーズン中の勢力図の振れ幅が大きすぎたGen3初年度のフォーミュラEでしたが、最後のレースがいちばん何か起きそうで何も起きなかったですね、このレースがチャンピオン決定レースじゃなくてよかったかもしれませんw
 アタック チャージが無い、ちょっとしたレース設定でレース展開がガラッと変わってしまうので運営する側も大変、アメリカで常設のサーキットを走ってる、システム不具合で車が大破する、危険な事故が起きる、などまあ色々とありましたが、車が間に合わない危機から始まったことを考えるとよくシーズンを全うできたなとは思います。それが世界選手権の評価として相応しいのかと言われたら・・・ではあるんですけど。
 たぶん来季はこのあたりをある程度煮詰めてくるとは思うので、東京で初開催されるであろうレースはそれなりの質になっているだろう、と思いたいです。東京E-Prixの開催をきっかけに興味を持つ方も世の中にきっと3人ぐらいはいらっしゃるだろうと思いますし、私自身はこのレース、他の昔からあるモータースポーツとは切り離して別の新しいものだと思って見ればエンターテインメントとして面白くやっていると思うので、まあ来季もまた茶化しながら、ついでに分かりにくい部分やどう見ると面白いのかをお伝えできればと思います。レースが単調でネタがない場合、また近隣を走る鉄道の話になってしまいますw

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