NASCAR 第8戦 ブリストル

NASCAR Cup Series
Food City Dirt Race
Bristol Motor Speedway 0.533miles×250Laps(75/75/100)=133.25miles
winner:Christopher Bell(Joe Gibbs Racing/DEWALT POWERSTACK Toyota Camry TRD)


 キリスト教の復活祭・イースターにお送りするNASCAR Cup Series 第8戦 ブリストル。大量の砂を持ち込んで本来舗装路のブリストルを即席のダート場にするのも今年で3回目、元々まだまだ肌寒くて観客動員も伸び悩むためにちょっとした奇策として導入されたと言えますが、雨が多いので一昨年はレースが順延、昨年もレース中に雨が降って一時中断を余儀なくされました。今年は金曜日に雨に遭って一部の予定が変更されました。

・特別ルール

 普段と違うダートなのでレースの進み方もだいぶ異なります。予選はヒート レース方式で、4つのグループに分かれてそれぞれ15周のレースを行います。ヒートレースの組分けとスタート順位はくじ引き制。
 ヒートレースでは1位:10点、2位:9点・・・10位:1点、という順位によるポイントと、スタート順位よりも前方でゴールした場合に1順位=1点で追い抜きポイントが貰えます。たとえば6位スタートの人が2位でゴールしたら9+4=13点、1位の人がそのまま1位なら10点だけ、といった感じ。順位を下げても減点はありません。
 4つのヒートレースでそれぞれこの計算を行い、獲得した点数が予選結果となります。最多得点の人がブッシュ ライト ポール賞となり、以降も得点順に並びます。同点が頻発すると思いますが、その場合オーナー ポイント順となります。

 決勝は3ステージ制ですが、基本的にピット作業はステージ間でしか行えません。そのステージ間コーションは赤旗に近い運用となり、6分以内に作業を完了する限りコーション前から順位変動はありません。これは、ピット内も砂だらけになってしまうのでピット作業で競争をさせると危険と考えられるためです。
 ステージ間コーションでステイ アウトした場合は、入ったドライバーより前方からリスタート可能、パンク等の場合はNASCARの許可を得た上でステージ間以外でもタイヤを交換できます。燃料的には満タンなら175周は走れるので、トラック ポジションを重視するならステージ1の後に給油とタイヤ交換をしてステージ2をステイアウト、といった考え方があります。
 また、今年からダートでもチューズ ルールが採用されますが、砂の上にはいつものオレンジ色の目印を付けられないので、なんと路面の塗装の代わりにドローンが飛んできて役目を果たしてくれます。アホなのか賢いのかよく分からんぞw

・レース前の話題

 リック ウェアー レーシングはコディー ウェアーが一身上の都合により急遽欠場。代役として2013、2014、2019年のクラフツマン トラック シリーズ王者・マット クラフトンが乗ることになりました。後に、ウェアーは女性に対する暴力等の罪で逮捕・起訴されたことが明らかになり、NASCARは規定に従って無期限の出場停止処分としています。
 一方、コウリッグ レーシングはNo.13でジョナサン ダベンポートを起用。ダベンポートはルーカス オイル レイト モデル ダート シリーズやワールド オブ アウトロウズなどのダートを主戦場とし数々の勝利とチャンピオンを手にしてきた39歳のドライバーで、この週末はトラックシリーズとの同時出場でNASCARデビューとなりました。2013年に一度だけマーティンズビルでのトラックシリーズに参戦したものの予選落ちしたようです。
 また、複数のドライバーがダートのレースに向けて他のカテゴリーのレースに出場して調整していますが、チェイス ブリスコーはレイト モデルのレースで左手の中指を骨折してしまいました。レースには出場しますが、多少気がかりな情報です。

 なお、前戦終了後にウイリアム バイロンとアレックス ボウマンに対してペナルティーが課されるなど色々とありましたが、細かい話は前回の記事をご覧ください。

・Craftsman Truck Series Weather Guard Truck Race on Dirt

 クラフツマン トラックシリーズは2周目にジョーイ ロガーノがリードを奪うと残りのレースをほぼ制圧。後ろは11回のコーションが発生する乱戦でしたが、結局150周中138周をリード、52周目以降一度もリードを失うことなく優勝しました。トラックシリーズにはフル参戦したことがないロガーノ、これが2015年マーティンズビル以来の通算2勝目でした。
 他のカップ戦のドライバーではバイロンが3位、クラフトンが4位、ブリスコーが7位、ダベンポートは14位でデビュー戦を終えました。

・ヒートレース

 カップシリーズのヒートレース、各ヒートの勝者はオースティン ディロン、ライアン ブレイニー、カイル ラーソン、バッバ ウォーレスでした。しかし予選結果は上記の通りポイント制、ポールを獲ったのはラーソンで、2位にディロン、そして3位になんとJ.J.イェリー。イェリーはヒート3で9位スタートから3位になったので大量得点でした。ウォーレスは1位スタートだったので10点しか持ち点が無く予選順位は11位。

・ステージ1

 スタートでラーソンが抜け出したものの周回を重ねるとディロンが追い上げる流れでしたが、11周目に早くもコーション。ドリフト角度をつけすぎてウォーレスが失速、ロガーノがこれを見て減速しようとしたものの、後ろにいたバイロンに押されて前後を挟まれお互いに接触。ロガーノがスピンして流れでドラム缶を倒し、マーシャルさんの仕事が増えました。


 この後も38周目にクラフトン、60周目はブラッド ケゼロウスキーがスピンしてコーションとなり、最後はステージ終了目前の74周目にジョッシュ ベリーがスピンしてステージ1はコーション下で終了。ラーソンがステージ勝利、RCRの2台がずっと争っており2位にディロン、3位にカイル ブッシュ、4位はライアン プリースでした。最後のスピンでベリーに突っ込んでしまったデニー ハムリンは右前部をそこそこ破損。

・ステージ2

 4台がステイアウトし、タイラー レディック、ウォーレス、マーティン トゥルーエックス ジュニアの順でステージ2が始まりました。ステージ2もダベンポートが81周目にスピンして早々にコーションとなると、87周目にリスタートしたものの翌周にはマイケル マクダウルがスピン。360度ターンで誰にもぶつからずにそのまま走りましたが、さすがにそんなことは予測できないのでコーションが出てしまいましたw


 95周目にリスタートするもまた翌周にダニエル スアレスがスピン、これにロガーノも巻き込まれて白煙を上げピットに入りますがレース続行。その3周後にはまたマクダウルが360度ターンを披露しますが、運営も慣れて来たのかこれもノーコーション。しかし103周目にプリースがスピンしてとうとうコーションになりました。結局あんまりレースは進んでないw

 126周目にはケゼロウスキーがスピンして8回目のコーションから132周目にリスタート。コーションが繰り返される間にリーダーのレディックの後ろにいたステイアウト組の壁が無くなってしまい、カイルとディロンが襲い掛かります。135周目にカイルがリードを奪いました。
 ところが、3位のディロンはかなりイケイケに内側に突っ込んで外へせり上がる走り方でレディックを攻め立てるので、これがカイルにとってもちょっと邪魔な存在に。結果的にチームメイト同士でちょっと足を引っ張り合う形となって接触もしてしまい、この展開が味方をしてレディックが6周後に再逆転。そのままステージ2を制しました。ディロン、ラーソン、ベル、カイルの順となり、ディロンは無線で謝罪しました。
ゆっくりと整備中

・ファイナル ステージ

 ベル、ブリスコーら9台がステイアウト。ピット組ではラーソンが「タイヤってそのままでも行けるの?」と自分から聞いたようで、あえてタイヤを継続使用する戦略。路面からは表面の砂が飛んで行って固い地盤が露出しているので、溝が無い方が走りやすいんでしょうか?ところが最終ステージが始まって早々、156周目にラーソンはまさかの単独スピン。ダート育ちのラーソン、状況を見誤ったか。。。
 162周目にリスタート、こちらもダート育ちと言えるベルとブリスコーがそれぞれ単独走行で逃げます。一方ベルの先輩・ハムリンはスピンしていますが、これまた360度ターンでレース続行。特に見せ場も無く壊れた車と360度スピンだけが撮れ高だったハムリン、このレース22位でした。
 175周目、プリースとラーソンが接触し、ラーソンがクラッシュして本日11回目のコーションとなります。レース中盤にも接触があって火種があったこの2人、ここでも争って接触し、最後はプリースから完全にぶつけにいった感じでした。これでラーソンはガレージ送りとなってリタイアし35位、そのラーソンに突っ込む完全なとばっちりを受けたダベンポートもリタイアし36位に終わりました。


 182周目にリスタート、ブリスコーがライン取りを工夫しながらベルの攻略を試みている様子、一方中団ではロス チャステインがミスって自分からハービックに当たり360度ターン、もちろんコーションは出ません。だんだんと『360度ターンやってみた』みたいな状態になってきました。ここから本日最長の20周のグリーン フラッグ走行が続きましたが、201周目にノア グレッグソンのスピンで12回目のコーション。

 208周目にリスタート、コーションを繰り返している間にレディックが少しずつ順位を上げており、このリスタート後にはとうとう3位にまで上がってきました。ステージ2とは逆の展開です。しかしなかなか抜けないのでちょっと気持ちが焦ったか、残り27周・無理にブリスコーの内側に車を滑り込ませて、相手を壁にしてターンを通過。これでレディックは2位となる一方ブリスコーは失速。リズムが狂ったか、この後さらに失敗して順位を下げました。
 ベルとレディックはお互いに大外ラインを使って走りますが、ベルは何度か壁にぶつけながらの走行となり、ミスったぶんだけレディックが迫っていく展開。このバトルを楽しみたいところでしたが、残り15周・カイルがスピンするとなぜか即座にコーションとなりました。さっきまで360度ターンは無視が続いていたのにw

 これでレースは残り8周の短距離戦、外側はベルとレディック、内側はブレイニーとブリスコーが並びました。ブリスコーはリスタート ゾーンの段階でブレイニーを押しまくって既にやらかしそうな雰囲気を醸し出すと、期待に応えてターン1で強引に内側に入りブレイニーをスピンさせました。内側の先頭にいた車がターン1で回ったら絶対コーションだろう、と思ったらこれはなぜかノーコーション、ブレイニーもコーションじゃないと聞いて「ワオ」と一言。
 これで優勝争いはベルとレディックの一騎打ちになり、最終周に向けてレディックが一気に距離を詰め、さあ最終周レディックどうする!と思ったら、後方集団で多重事故が起きてチャステインがターン3の中途半端な場所に止まっており、さすがに危険でコーション発生。この瞬間にレースは決着し、ベルが今季初勝利・通算5勝目を挙げました。結局最終ステージの100周は一度もリードを譲りませんでした。

 ベリーがスピンして車と壁に挟まれチャステイン大破、ダートは一昨年がクラッシュ、昨年もエンジンが壊れていて、3年連続でちゃんと車を持ち帰ることができませんでした。ここの砂ではスイカは育たないみたいですね。ちなみに以前もご紹介しましたが、スポッターのブランドン マクレイノルズはFOXで解説しているラリー マクレイノルズの息子です。


 2位からレディック、ディロン、リッキー ステンハウス ジュニア、ブリスコーのトップ5でした。6位にジャスティン ヘイリー、8位にはトッド ギリランドと普段なかなかトップ10に入れない顔ぶれも入り、タイ ギブスは10位で4戦連続のトップ10。2度も360を披露したマクダウルは11位でした。

 昨年のレースは最後の最後に無茶したブリスコーがレディックに突っ込んで2台ともスピンし、脇をすり抜けたカイルが優勝。そしてレース後になぜかブリスコーがちょっとヘラヘラしながらインタビュー中のレディックに歩み寄って勝手にマイクを手に取り、謝罪と互いの健闘を称え合うやり取りに展開して非常に印象に残ったレースでした。一方で、内容としてはダートってどうなの?というところがあったのも事実です。
 そして今年、やっぱりスピン連発で展開的にはLAコロシアムのレースと大差ないようにも感じました。ロングランで争ってる分にはダートなりの走り方なり展開なりがあると思うんですが、どうにもその前にレースが止まってしまいます。しかも360度スピンに対するオフィシャルの対応にバラつきもありますしね^^;
 現地のファンの反応も賛否両論のようで、そもそも砂埃が多すぎて現地観戦したらレースがよく見えない、という根本的な問題もあるようです。実際お客さんに関してはあんまり入って無い様子でしたね。他方で、こういう無茶苦茶で予測不能な展開のレースもないとね、と思う人がいるのもまた事実。個人的にはあんまりガシャガシャしすぎると最高峰カテゴリーの質が落ちる気がするので、インディアナポリスのロード コースと同じ話になりますけど、隔年開催とかを考えてもいいのかな、と思いました。

 さて、次戦は0.5マイルのマーティンズビル、チェイス エリオットが怪我から復帰する予定になっています。ChaseFun9さん、Cherryさん、出番ですよ!

コメント

まっさ さんのコメント…
ブリストルの下は舗装が残ってるのでスイカは育たないっと_φ(・_・
でも、4号車とイチャイチャするには十分っと。

さてさて、ラバーが載るのか終盤は路面が真っ黒。。。黒くならないようにタイヤコンパウンドを茶色にしてダートっぽさを残す演出もありでは??
コーションさえ一貫した運用できればパワースライド満載で大迫力なのですが...。
アラスカでスノーレースしてもウケるはず。。。

いっそデイトナ400をダート戦にしてしまえ〜〜〜
日日不穏日記 さんの投稿…
結局、ベル、レディックの次世代のNASCARを担うドライバーの1-2。まぁ、ラーソンや復帰するエリオットもいますが、チャンピオン経験者だから外して・・・と。僕が観始め2013年からだと、同じカーナンバーで走っているのハムリンだけですね。この2人がチャンピオンになるのを願ってます。ガキだったロガーノが、今や<ベテラン>かぁ。
SCfromLA さんの投稿…
>まっささん

 設計上、重たくて700馬力もある車を支えるには固い地盤が無いと成り立たず、砂の層を増やしすぎたら埋まるか砂塵で前が見えなくなり、水を撒いたらただの沼になるのでどうしてもダート路面が最後まで持つようにするのが難しいんでしょうね。
雪上レースはユーロシリーズでやってみたので、たぶんアメリカでもLAコロシアムの次はこれを狙ってるんじゃないかとちょっと疑っています(笑)
SCfromLA さんの投稿…
>日日不穏日記さん

 速くて勢いがある上にダート育ちの2人ですからね~。ハムリンはあの年になって未だにあっちこっちですぐ喧嘩を売ったり売られたりするので、そのあたりの変わってない部分でカイルと違いが出てるのかな~と思いつつ、ロガーノは別に改心してなくてもチャンピオン獲ってるので極端にどっちかに振った方が良いのかもしれませんw
首跡 さんの投稿…
ベリー、代役ながらここまで本当によくやったと思いました。
エクスフィニティーの方でもチームメイトたちと一緒にガンバレー!
ChaseFun9 さんのコメント…
今年はライブで観れない上にChase離脱で萎え気味だったので嬉しいです。Berryの活躍が少し慰みになってました(笑)
Youtubeメンバーシップでライブ配信して欲しい...
SCfromLA さんの投稿…
>首跡さん

 エクスフィニティーはけっこうチームメイトでも容赦なく争うので大変そうですけど、ベリーがんばってほしいですね~。でも私はオールガイアー推しw
SCfromLA さんの投稿…
>ChaseFun9さん

 無料で見る方法が無くなる、なら覚悟はしてますけど、有料でライブで見る方法が閉ざされるというのは想定外でしたね。YouTubeでお金出して見れるとかなら私もちょっと検討したいしそう思う人も多い気がするんですけど、この辺は2025年以降の放映権契約とかも絡んでるんでしょうかね~。