リチャードペティー、"ペティーGMS"へと再構築

 NASCAR Cup Series、リチャード ペティー モータースポーツの株式の過半数がGMSレーシングに売却されたことをお伝えしましたが、12月7日に新たな体制に関する詳細な発表があり、チーム名が『ペティー GMS モータースポーツ』へと変更されることなどが明らかになりました。

 GMSレーシングのオーナーであり、新たにRPMの筆頭オーナーとなったモーリー ギャラガーと、リチャード ペティーは共同で会見を行い、ペティーGMSモータースポーツの創設を発表ました。2022年のカップ シリーズにエリック ジョーンズとタイ ディロンの2台体制でフル参戦を行います。ギャラガーは

「NASCAR史上最高のドライバーであるリチャードと協力し、ペティーGMSモータースポーツを結成するこの機会に非常に興奮しています。ペティーGMSは勝つことだけに焦点を合わせます。どちらのチームも勝利の実績があり、この遺産を新しい章へと継続したいと強く望んでいます。 タイとエリックは何年にもわたって自分自身を証明してきており、チームメイトとしての成功を楽しみにしています。」

 これまでの状況を見ると、オーナーの名前だけを頼りになんとか生き永らえている斜陽のチームと、まだシリーズでは何の実績も無い新興チームによる経済的事情から生まれた弱者連合に思えますが、キングペティーは意義をこう説明します。

「モーリーとマイク(=マイク ビーム:GMSレーシングの社長)は、GMSで本当に堅実な組織を構築しました。彼らはトラックシリーズで多くのレースに勝利して2度のチャンピオンになり、カップシリーズでも同じことをするのを本当に楽しみにしています。競争と勝利へのモーリーの関りと責任は、彼が行うすべてのことにおいて明白であり、それは私たちが本当に必要としていたことです。カップの最前線で2つの組織を統合する機会は、さまざまな理由で私たち全員にとって非常に理にかなっています。その1つは、2つの組織の間にある才能です。 これにより、私たちは一緒にはるかに強くなります。」

 なお、キングペティーは新チームでもチェアマンという立場でチームに残り、引き続き現場に足を運ぶ予定です。彼が保有しているチームの少数株式もおそらく保有したままでしょうね。

 そして、今回の発表ではカー ナンバーについての発表もありました。"元リチャードペティー"のジョーンズが、昨年と同様にNo.43のドライバーとなることは変わりませんが、"GMSレーシングのドライバー"として起用が発表されていたディロンが乗る車は、従来発表されていたNo.94ではなく、No.42となることが明かされました。
 昨年まではチップ ガナッシ レーシングが長く保有し、2021年はロス チャステイン、以前はカイル ラーソンやファン パブロ モントーヤが使っていた数字ですが、かつて1949年から42を使用していたドライバーがいました。リー ペティー、そう、リチャードの父です。リチャード自身もこの番号を使用したことがあり、そして息子のカイル ペティーもまた42を使用しました。ビームも1981年・1982年にカイルのクルー チーフとして42に関わっています。
 チップガナッシがトラックハウスに買収されて42番を使わなくなったこともあり、今回の統合&2台体制への移行に際して、チームはこの42を使用することになりました。
会見場で披露されたNo.42

「2台目のカー ナンバーについては、42号車が43号車と再び並んでレースをするということが、自分にとってどれほど特別なことかを個人的に何と言っていいか分かりません」とペティー。
「私は父がその車でレースをするのを見て育ちました。父はその番号でレースに勝利してチャンピオンになり数多くの成功を収めました。カイルも42号車でレースに出て優勝しました。ペティーGMSがそのカーナンバーでレースを行うことは私にとって本当に特別なことです。」

 こちらは見慣れるまで「あ~チャステイーン!じゃないディローン!」ってなりそうですが、キングにとってはこれ以上ない出来事のようです。

 そして組織の方ですが、GMSの社長だったビームがペティーGMSの社長となって日常業務の管理を担当。上級副社長にはRPMの最高経営責任者だったブライアン モフィットが就任します。モフィットは2011年からRPMで同職についており、それ以前はセールスとマーケティングを担う上級副社長でした。それ以前はUPSの営業担当者だったそうです。
 拠点は現在GMSレーシングが本拠地としているノースカロライナ州ステーツビルにある施設が使用されます。RPMは2017年末にリチャード チルドレス レーシングと提携してフォードからシボレーへと車両を変更した際に、拠点もRCRの敷地内へと移転しており自社物件の拠点ではないのでこちらを引き払うものと思われます。ビームはこう説明します。

「GMSレーシングの遺産は、シリーズに関係なく勝利と高い成功の達成に焦点を合わせてきました。ステーツビルにある25エーカーの3棟の複合ビルは約15万平方フィートあり、現在の多くのカップチームのショップと同等の規模と洗練度を備えています。私たちのインフラストラクチャー(中核的な基盤)のおかげで、今年のほとんどの新規カップ参加者を上回っています。
この非常に機能的なレースショップは、私たちが走り出すことを可能にします。この施設とレースで優勝したスタッフを組み合わせることで、今シーズンすぐに影響を与えることができると確信しています。 私は以前にカップシリーズに出場したことがあり、物事がどのように機能するかを理解しています。」

 ビームは1981年~2004年までクルーチーフとしてカップシリーズに参戦し、ビル エリオットと2勝、リッキー クレイブンと1勝の計3勝を挙げています。1985年にはリチャード ペティーと組んでNo.43でシーズンを戦ったこともあるので、そもそも顔見知りですね。レースを知る人間からの言葉によって、ペティーGMSのレースに備える体制をアピールしました。

 一切何も始まっていないんですが、こうやって内容を調べていると、ハッタリかもしれないけど、なんか楽しいシーズンにしてくれるんじゃないかという期待感を持ってしまいますね。

コメント

Cherry さんのコメント…
RIP No.94 2021-2021っていうネタをユーチューブのコミュニティ欄で見つけたんですが、正しく超短命でしたね。(何ヶ月?w)
来シーズンは色々パワーアップしたトラックハウスと、トラックシリーズのチャンピオンチームGMSと組んだペティーの活躍が気になりますねw
あと、フロントロウがNo.38に...(あえて言わない)
SCfromLA さんの投稿…
>Cherryさん

 それはなかなか素晴らしいセンスですねw フロントロウの情報は完全に見落としてました。Matt Dが仕事できる場所がもう無いですなあ・・・
まっさ さんの投稿…
これはダイナコ石油にスポンサーしてもらって救うしか道はなさそう....。
栄光の43が後ろ走ってたらねぇ。ダメよ。
ディ○ニーさん後は任せた!
SCfromLA さんの投稿…
>まっささん

 アニメと現実が混ざっとるw その際にはぜひスイカを投げるキャラクターとか出てきてほしいですね。