NASCAR Cup Series
ハムリン本人が貼ってあります。オファーパッドは家の買取を行う企業みたいですね。日本で言うとHOMESとかSUUMOとかそういう感じ?Xfinity Seriesでもハリソン バートンが同じく自分を貼ったスキームなんですが、人の姿を貼るのってコリー ラジョーイが切り拓いた分野だと思うのは私だけでしょうか。そのラジョーイはというと
36周目、今度はカイル、ハムリンの順でさっきと内外が入れ替わってリスタート。外側は蹴り出しでは3位に後退しますが、その先の旋回速度で取り返せると見込んでいるようです、実際ハムリンも1周回ったらちゃんと2位を確保していました。ただこれ、万一オーバータイムとかになったらどこを選ぶか悩みますね。
チャステインの動きについては、私にはあからさまにカイルを抑えつけるほどの動きには見えなかったのでそんなものかと思っていましたが、レース後に「フェアか汚いか」で議論になった模様。ただNASCARとしては問題の無いものと認識され、特に何か処分されるようなこともありませんでした。
Quaker State 400 Presented by Walmart
Atlanta Motor Speedway 1.54miles×260Laps(80/80/100)=400.4miles
competition caution:Lap25
winner:Kurt Busch(Chip Ganassi Racing/Gear Wrench Chevrolet Camaro ZL1 1LE)
NASCAR Cup Series、レギュラー シーズンも残り6戦となってきました。第21戦はアトランタ。今年は1966年以来となる400マイルのレースです。ステージの区分は標準的な1.5マイルと同じ割り振りですが、1周1.54マイルと微妙に長いので80周-80周-100周とファイナル ステージがやや少ない周回数となります。キリの良い数字で分かりやすいですけどね。
1997年以来再舗装が行われておらず路面がバキバキ、ここ数年も再舗装するする詐欺になっていたアトランタですが、このレースを終えるといよいよ改修工事、ただの再舗装というより更新工事が行われます。10か月におよぶ調査、研究、iRacingによるテストなどを行った結果導き出した結論として、バンク角は現状の24°から28°へ。道幅は狭くなってフロントストレッチで52フィート、バックストレッチが42フィート、ターンは40フィートとなる予定です。
テキサスが更新工事でバンク角をちょっと下げて左右非対称にしたのとは対照的に、1.5マイルでは最も高いバンクにする高速化の考えみたいですね。幅を狭くして舗装も新しいのでシャーロットのようなイメージになるでしょうか。
お馴染み指数予選によりチェイス エリオットとカイル ブッシュの1列目でスタート、マーティン トゥルーエックス ジュニアはこのレースで唯一車検に2度引っかかったため後方からのスタートです。ボロボロ舗装での最後のレースが始まりました。お客はここ数戦からすると寂しい^^;
外ラインのグリップが悪いのか始まった瞬間にエリオットがえらいことリードしてしまい、上位争いはずいぶんと静かな展開で始まります。しかしカイルが徐々に追い上げ、14周目にエリオットを大外刈り。エリオットはこの後デニー ハムリンにもかわされて3位となり、ここで25周を終了してコンペティション コーションとなりました。
コンプコーションで全車ピットに入りますが、エリオットはブレーキでロックさせてボックスをはみ出してしまい慌ててバック。後輪のクルーはもうナットを外そうとしていたのにいきなり車が動いたのでかなり驚いたと思われます。ラバーを入れるアジャストも行ったのでエリオットは後方25位あたりへ。ピットを先頭で出たのはハムリンでした。
30周目、ハムリンとカイルの1列目でリスタート。外ラインはグリップが悪いので2位の人はインの2列目に続く方が賢明では?というような放送席の話ですが、カイルはジョーイ ロガーノからのプッシュもあり外ラインで善戦、ハムリンと争いを展開します。ところで、ハムリンは今回珍しくFedExではなくofferpadのスキームです。その姿は
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https://twitter.com/JoeGibbsRacing/status/1412834412757229576 |
ハムリン本人が貼ってあります。オファーパッドは家の買取を行う企業みたいですね。日本で言うとHOMESとかSUUMOとかそういう感じ?Xfinity Seriesでもハリソン バートンが同じく自分を貼ったスキームなんですが、人の姿を貼るのってコリー ラジョーイが切り拓いた分野だと思うのは私だけでしょうか。そのラジョーイはというと
The Boss Baby:Family Businessというアニメ映画のプロモーションをしていました。元々多種多様な見た目が出て来るレースではありましたけど、この手の変わり種スキームって絶対ラジョーイをきっかけに一段階進化したと思うねんなあ。
話を戻します、カイルが鼻先を前に出した31周目、中団争いで3ワイドからチェイン リアクションとなりコディー ウェアー、リッキー ステンハウス ジュニア、ダニエル スアレスの3台がスピン、コーションとなりました。スアレスはこのレース17周遅れの36位、ステンハウスはサスペンションが壊れてビリの37位でした。クラッシュで損傷してガレージに行ったはずなのになぜ復帰可能だったのか謎です。
36周目、今度はカイル、ハムリンの順でさっきと内外が入れ替わってリスタート。外側は蹴り出しでは3位に後退しますが、その先の旋回速度で取り返せると見込んでいるようです、実際ハムリンも1周回ったらちゃんと2位を確保していました。ただこれ、万一オーバータイムとかになったらどこを選ぶか悩みますね。
この後2位にはハムリンに代わってカート ブッシュが浮上しブッシュ兄弟のワンツーとなります。兄ブッシュは0.5~0.8秒差で弟を追走しますが勝負をするところへはなかなかたどり着かず。コンプコーション後の50周弱のランはタイヤを労わらないとなかなかに厳しいようでカートは結局弟を捉えられずにペースが低下。そのままカイルがステージ1を制しました。
ライアン ニューマンはあと数周を持たせられずに緊急ピット、外したタイヤはこんな状態で右前のタイヤにはかなり気を使って走らないと最後に痛い目に遭うようです。最初に攻めた走りでスライドさせて負荷をかけてはいけませんね。
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表面がモップみたい^^; |
ステージ間コーションで全車ピットへ、カイル陣営の右側の作業がやや遅くてカートが逆転して先頭でピットを出ます。エリオットは今度は隣のピットにいたコール カスターのクルーが持っていたタイヤと接触して円滑に自分のボックスに入れない問題発生、1回目で時間がかかって順位を下げたことが2回目の問題の遠因になりました。エリオットは調子自体は徐々に良くなってこのレース7位で終えています。
ステージ2、ブッシュ兄弟の1列目で始まりますが、カイルはペースを抑えているのかハンドリングが悪くなったのか今一つさきほどの速さがありません。タイラー レディックが2位に浮上したかと思うと、今度はアレックス ボウマンがこれをかわして2位へ。ただボウマンはバイブレーションが出ている模様。
110周目、やはりカイルはある程度ペース配分を考えていたのかボウマンをかわして2位に戻ってきました。カートまで約2秒、ステージ折り返し=ピット サイクルまで10周というところですが、ロング ランが続くならカイルの走りは結果に繋がりそうです。
しかしもう1つ気になるのは雨雲で、レーダー解析ではちょうどこのトラックの南側に大きな雨雲があり、この時間帯にはその端っこがかかり始めています。ギリギリ南側を通過するかもしれませんが、本格的にかかると下手したらそこでレースは終わってしまうかもしれません。
ステージの折り返し地点・120周目あたりで一気にピットサイクル。さすがに来るかどうかわからない雨を待って古いタイヤで走り続けるのはあまりにリスクが高いのであっという間にほとんどの車はピットに入り、カートがピット組での先頭を維持します。作業も迅速に見えました。
しかし3台は雨待ちの賭けに出てエリック アルミローラが見た目上のリーダー、そしてそのアルミローラからは「すごい雨が降ってきた」との声。確かに先ほどまでよりカメラに付着する雨粒の量が増えています。もうこれ「今すぐコーション出して終わってくれ!」ですねw
しかし132周目、アルミローラは同じ雨待ち作戦のライアン プリースに抜かれ、ほぼ同時にカートがこの2台に追いついて立て続けに抜きリードを奪い返しました。これで万一雨が降っても勝つのはカート、ギャンブル組はポイント狙いで燃料が尽きるまでは雨を待って走るしかありませんが、結局雨よりも先に力尽きてピットへ向かうことになりました。アルミローラは2周遅れの23位に終わりました。
雨雲の端っこらしい小雨の降り方でそのままレースは進行、カートはカイルとの差を4秒以上に広げて快走します。カイルはアジャストの方向性を誤ったかスプリッターが路面を叩いてしまうようでダウンフォースが抜けていると訴えています。ハンドリングを変えようとしてウエッジをいじると車高が変わるのでこういうことが起こってくるから難しいですね。
そのままカートがステージ2の勝者となりました、カイルが続いてブッシュ兄弟が連続ステージ制覇です。左後輪のルース ウィールによって予定外に早いピットを強いられることとなっていたロガーノはギリギリでリード ラップを維持してステージ2を終えました。50周を超える長いランでもなんとかタイヤは持ちこたえました。
さあ、ファイナル ステージが始まるぞと思ったらここで問題発生、フロントストレッチで舗装がハゲています。あ~、あと少しでレースが終わって改修工事に入れるはずだったのに耐えられなかったのね。。。これで赤旗になりました。
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「剥がれてもうたなあ、どうしよう」 「うーん、金かけんのもったいないっすね」 ※想像です |
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工事が始まりました |
19分の赤旗で緊急補修工事終了、そもそもが全体に補修跡だらけなので終わってしまうと紛れてしまってあまり区別がつきませんw 待ってる間に雨が降ってきて終わるとかいうオチにならないかと心配でしたが雨雲の本体はかからずに済んだっぽいですね。
改めてファイナルステージ、カート、カイル、ボウマン、カイル ラーソンのトップ4で始まります。今日は5位あたりを走っているラーソン、あまりに毎週優勝争いしているので遅いように見えてしまいますが、徐々に合わせこんできました。さて、またラーソン無双になってしまうのか。
リスタート直後からカイルとボウマンがハゲしい2位争いを展開。各ドライバーともファイナルステージで気持ちを1段階さらに引き上げてきた雰囲気を感じますが、右前タイヤをうまく守らないといけないことを忘れてはいけません。
カートはカイルとの差を1.7秒ほどにまで拡大していきましたが、200周目からカートのタイムが0.4秒ほど落ちてカイルが背後に迫ります。タイヤの崖が来てすぐ抜かれるのかと思ったらここからしばし膠着。
残り50周、ロガーノがピットに飛び込むとこれがピットサイクルの号砲となって一斉に各車がピットに飛び込みます。カイルが翌周に、これを見てカートがさらに翌周に入りますが、ピット前に両者の差が1秒に満たなかったのでカイルがアンダーカットに成功しました。
ラーソンは速度違反によりここで撃沈、結局このレースは18位でしたが、この後7月14日にヘンドリック モータースポーツとの2023年までの契約延長が発表されました。
カイルとカートの差は0.8秒ほどで膠着。カートはタイヤが1周だけ新しいですが、乱気流の影響を受けます。タイヤの摩耗を考えても勝負できる機会はあまりありません。
長い膠着の末残り25周、ここでカイルが周回遅れのロス チャステインに詰まって失速。カートはここぞとばかりにカイルに並びかけ、翌周にリードを奪います。チームメイトのチャステインに感謝でしょうか。
今度はカイルがカートを0.8秒差で追走。残り11周、カイルは大外ラインで一気にカートに迫ります。カイルの手を防ぐには自分も外を走って乱気流を浴びせたい、しかし自分はそっちを走るとバランスが悪くて速く走れない。そんなカートを見透かすようにカイルは裏をかいてインを走るなど見事なバトルが展開されます。兄弟の仲が良いので争いもたぶんF1オーストリアGPの5倍ぐらいクリーンです。
残り5周、前方に周回遅れの集団も現れますが、先にミスをしたのはカイルの方でした。僅かではありますが姿勢を乱してスロットルを戻した様子。これで勝負は決し、カートが逃げ切って今季初勝利、ポイント16位のギリギリの争いを脱してプレイオフ進出を確実にしました。逆にポイントでカートを追って争っていた面々にとっては、そのハードルが一気に上がってしまいポイントでの進出がかなり難しくなった瞬間でもありました。
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カート「ありがとう、お中元にスイカ送っとくで!」 チャステイン「ありがとう、お礼にうちのスイカ送るわ!」 ※当然ながら妄想です |
チャステインの動きについては、私にはあからさまにカイルを抑えつけるほどの動きには見えなかったのでそんなものかと思っていましたが、レース後に「フェアか汚いか」で議論になった模様。ただNASCARとしては問題の無いものと認識され、特に何か処分されるようなこともありませんでした。
8月には43歳になるカートですが、波乱でも燃費レースでもなく普通に走ってロングランで速さを見せての優勝というところに価値があります。引退の可能性は五分五分だと語ったとされる昨年の状況から心境がどう変化しているのか分かりませんが、トラックハウスに横滑りか、23XIへ移籍してカイルと事実上チームメイトか、いずれにしてもまだまだ競争したい環境が整いつつあるように思います。
トラックハウスとしてもこのカートの勝利には大きな意味があります。残念ながらスアレスはプレイオフ争いが厳しくなりましたが来年はチップ ガナッシを買収してチャーターもこのチームの2枠を配下に置きます。以前こちらの記事で紹介しましたが、プレイオフに進出したチャーターには収益分配金が多く入るので、今のチップガナッシのドライバーが好成績を残すと、必然的に来年以降のトラックハウスの財政面に貢献できます。
もちろん売買交渉ではそうした価値も含めて価格が決定されたでしょうが、2台ともプレイオフに入れない状況よりは遥かに投資したことに対して価値が生まれますから、来年以降のチーム運営にとってプラスです。
プレイオフ争いでは15位がタイラー レディック、16位オースティン ディロンとリチャード チルドレス レーシングの2台がほぼ同点。17位のクリス ブッシャーは約100点離れており、18位のマット ディベネデトーはさらにそこから40点ほど離れています。デニー ハムリンが未勝利のままレギュラー シーズンのチャンピオンになると仮定して優勝による進出枠はあと3、レギュラーシーズンは残り5戦です。
次戦はニューハンプシャー、これを終えるとオリンピックにともないNASCARは2週間の短い夏休みに入ります。
コメント
おまけでモンスターエナジーも1ケースぐらい付けときましょう 笑
今年、カイルが2勝していることはありますが。カートには、トラックハウスでの残留より、23Ⅺで、ウォレスを牽引するドライバーとして、キャリアの最後を飾って欲しい気がします。チャステイン残留で良いでしょう。何か書くと、全部逆になるので、この辺で止めときます。
安心してください、私はかつてJGTC公式の順位予想ゲームがあった際、優勝と予想した車にはおそろしいほどの不幸が訪れてことごとく優勝できていませんでしたw
トラックハウスと23XIはなかなか予想がつかないし、どの組み合わせにも面白味があるので悩ましいですね~。せっかく良いキャラを見つけたのでチャステインを失うのはNASCAR界にとって損失かなあとか思ったりしますけどね。
来年どこに移るか分かりませんが、社会に幅広く通用する人材を育成するカートの姿も、BLM活動家となり差別と戦うカートの姿もいまいちピンと来ませんが、チーム力の底上げに貢献することは間違いなく、今後もレギュラーシーズンを荒らしてもらいたいものです(っ ◠‿◠ c)
ウォーレスも多少やらかしグセがあるので23XIの方がキャラクター的にはマッチしそうかなあと個人的には思ってますが、彼が来るとDr.Pepperはスポンサーから外れてしまいそうですね。このおじさんけっこうしぶといのでプレイオフでどこまで生き残るのかは見ものです。