マクダウルの優勝はチームに多大な恩恵か、他NASCAR情報

 NASCAR Cup Series、開幕戦デイトナ500では14周目に早々に多重事故が発生し、悪天候も相まって深夜の決着。劇的な幕切れでマイケル マクダウルが勝利を手にしました。
 NBCによれば、このデイトナ500でクラッシュに関係した車両は計29台、このスピード ウイークでは3カテゴリー合計で93台がクラッシュしたとのこと。これはここ12年間で5番目の多さ、最多は2012年の121台ですが、今年はブッシュ クラッシュがオーバルで行われていないことも影響しており、そういった点ではかなり多かったと考えられます。

 さて、そんなマクダウルの優勝に関して、NBCはチームに多大な価値をもたらした可能性があると報じています。チャーター制度に詳しい情報筋によれば、フロント ロウ モータースポーツは、今後3年間で160万ドル以上を新たに集めることができ、来年は100万ドルの収入を手にできるとのこと。
 チャーター制度の詳細というのは内部の人間にしか明かされておらず、その売買価格や価値というものは外からは分からない点が多いですが、その情報筋によれば、チャーター保有チームにはレース毎にNASCARから分配金が支払われており、その金額は直近3年間の成績によって増減。
 マクダウルは過去3年の年間順位が28位、28位、25位でしたが(それでも上昇傾向にはあったと思います)デイトナ500に勝ったことでプレイオフ進出が確定。少なくとも年間16位以内が保証されました。
 情報筋によれば、これにより16位であっても来年の分配金には現在よりも1レースあたり3万ドル多く受け取ることが可能となり、年間36戦でおよそ100万ドルを手にできるということになります。来年はNextGen Carの導入によりどのチームも新車の導入初期費用がかかることになりますから、こうした規模のチームにとってこれほどありがたいものはないでしょう。
 チームのジェネラル マネージャー・ジェリー フリーズは
「全てが私たちのパートナーシップと関係しており、常にドライバーとパートナーとプログラムを引き合わせ、連携させて機能ように試みています。残念ながら、フロントロウはスポンサーと複数年契約を結べるような立場にはないので、ドライバーと同じように単年契約を結んでいます。」
「ひょっとしたら、この成功により、うまくいけば何かが変わることもあるかもしれませんが、私たちはその位置にいるために、しっかりとしたチームであることを週ごとに証明しなければならないと思います。」
 見る側の我々としても、大規模資本、メーカーからの支援に依らない中小規模のチームというのは、競技を支えてくれる大事な存在であり、応援しがいのある存在ですから、この勝利が彼らの来季以降の活躍に繋がってくれればと思います。

 さて、そして第2戦の舞台はデイトナのロード コースとなりますが、ブッシュクラッシュではバス ストップと呼ばれるバックストレッチ側のシケインで、みんなイン側をカットしていくために大量の砂がコース上に出てきて問題となりました。マーティン トゥルーエックス ジュニアはレースをリードした直後にここで自滅してリタイアしました。

 コースが汚れすぎてコーションが出るなどさすがに問題がありすぎたため、この週末にはランブル ストリップスが追加されることになりました。ランブルストリップスというのは、元々の意味合いとしては、道路の中央や路肩に意図的に波面上の凸凹を付けて注意を促す設備ですが、ここで使われる意味合いは、いわゆる『カマボコ縁石』に近いものです。
 フロントストレッチ側のシケインには元々設置されており、同じものをバスストップ側にも設置、これによって大胆なカットを防ぐことになりました。
 このライアン ブレイニーが踏んでる黄色いやつがランブルストリップスですね。スクリーンショットを使いまわしているので最終周のクラッシュしたやつですw
 リスク管理もある種腕の見せどころではありましたが、さすがにプロのレースというにはあまりにひどい見た目だったので致し方なし、といったところでしょうか。

 最後に、そのロードコースでの第2戦、No.78 ライブ ファスト モータースポーツは、オーナー兼ドライバーのB J マクラウドに代わって、スコット ヘカートが搭乗すると発表しました。
 27歳のヘカートは2013年にB J マクラウド モータースポーツでNASCAR K&N Pro Series Eastにデビュー。2015年にはHScott Motorsports with Justin Marksに所属してシリーズ2位となっています。
 2016年にはやはりBJMMからNASCAR Xfinity Seriesにもデビューし通算10戦に出場、昨年のデイトナロードコース戦にも出場して19位で終えています。
「デイトナロードコースでスコットが運転してくれることに興奮している。彼は本当にロードコースでのホイール-マンであり、結果がそれを証明している」とマクラウド。
 ヘカートは「これは私にとって特別な瞬間であり、2人の親しい友人のために運転することができるんだからなおさらだよ。BJとマット(ティフト)がこの新しいチームを構築する姿を目の当たりにできるのはすごいことだし、彼らの最初のロードコース戦で彼らを代表することができて光栄だ」
とコメントしました。でも、これをお知らせするチームの公式サイトの見出し、よく見たら
「Scott Hecker to Race in Daytona Road-Course for LFM」って書いてあるんですよね。名前にtが抜けて間違えてしまってます。web担当者の校正はまだまだのようですね・・・w

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