NCS オール-スター戦 テキサス

NASCAR Cup Series
All-Star Race
Texas Motor Speedway 1.5miles×100Laps(15/15/15/15/30/10)=150miles
winner:Kyle Larson(Hendrick Motorsports/Hendrickcars.com Chevrolet Camaro ZL1 1LE)

 NASCAR Cup Series、16戦を終えて迎えるのはオール-スター レース。選手権とは関係の無いレースですが、高額賞金が獲得できるチャンスです。細かい出場要件やレース規則は話が長いので以前書いた記事のリンクを貼っておきますw


 まずはオールスターの出場権を持っていない人から4人に出場の権利が与えられるオール-スター オープンから。3つのラウンドでの勝者と、ここまでで出場権を得ていないドライバーのうちファン投票で最も得票の多い選手が夜のオールスターレース本戦に出場できます。

 22台が参加し、タイラー レディックとクリス ブッシャーの1列目でスタート。テキサス州では現在季節外れの猛暑に見舞われて、電力需給がひっ迫するなどかなり大変な状態の様子。気温95°F(35℃)、路面温度145°F(62℃)とかなり暑い中でレースが始まりました。ところが、ブッシャーは気合が入りすぎたのかスタート前に抜いてしまって違反スタートのペナルティーを受けます。

 
 本来ならパススルーのペナルティーでしたが、4周目にバッバ ウォーレスが単独スピン。日欧のレースならリスタート後にペナルティー消化ですが、NASCARはこの場合リスタート時に最後尾に配置されるペナルティーに置き換えられえるため運よく少ない被害で済みました。

 しかしブッシャーは9周目にリスタートされるとリッキー ステンハウス ジュニアと接触してスピン。ステンハウスはこの直前にジェームス デイビソンと接触していたようですが、デイビソンはステンハウスの動きが気に入らない模様。フィールド上に敵を作りすぎてますねえ^^;

 14周目にリスタートしますが、今度はターン3でエリック ジョーンズが姿勢を乱してスピン、ダニエル スアレスが突っ込んで2台がクラッシュとなりました。2台ともガレージへ。20周しかないステージの大半がコーションに注ぎ込まれます。

 19周目にリスタート、レディックがそのまま逃げるのかと思いきや、ここでロス チャステインが好リスタート。チャステインはダクトの形状に違反があって最後尾スタートでしたが車は速い様子。外側から仕掛けレディックにサイド ドラフトをしかけて叩き落としにかかると20周目にリードを獲り、そのままステージ1を制して初のオールスター進出を決めました。
「まっささん、俺やったよ!」
とはもちろん言っていない

 ステージ2、大魚を逃したレディックとマット ディベネデトーの1列目で始まりました。さっき内側からリスタートしたらチャステインにやられたので今回は内側を選択したレディック、狙い通りリスタートを決めて逃げます。
 2位争いはディベネデトーとオースティン シンドリック、来年の動向が注目される2人の同門対決が勃発しますが、Matt Dが先輩の威厳を保ちました。ステージ終盤にはこれをエリック アルミローラがかわしレディックに接近しましたが、レディックが20周を逃げ切ってステージ2を制し、本戦出場を決めます。
車を降りてかなり暑そうなレディック

 ステージ3、アルミローラとディベネデトーの1列目でリスタート。出足はうまく動いたディベネデトーでしたが、速さではアルミローラが1枚上手でした。そのまま10周を逃げ切ってアルミローラがステージ3を制しました。そしてステージ3終了後にファン投票の結果が発表され、ディベネデトーがファン投票枠で選出されました。我々の熱意が届きました!(なお投票はしていない模様)
 ブッシャーは車はかなり速いようで、たぶんこういう暑くて滑りやすい条件とラウシュ-フェンウェイの車・ブッシャーは相性が良いんだと思いますが、結局3位にとどまりました。スタートで慌てなければたぶん本戦行けてたと思うんですよね。。。


 そしてオールスター本戦です。イベント前にロックのコンサートが行われたりするのがいつもの光景ですが、今回はセレモニーをやってからレースをやるのではなく、パレード周回中に歌って、曲の終了とともにレースが始まるというすごい演出で始まりました。しばらく始まらないのかと思ってよそ見してたらいきなりレースが始まってビビりましたw

 カイル ラーソンとカイル ブッシュの1列目で始まりますが、2周目にいきなり4位のクリストファー ベルがターン1の進入で横を向いてコーションとなります。なんと横を向いたけど立て直して誰ともぶつかりませんでした。グリーンでの周回のみを数えるので、建前上コーション=レッド フラッグ表示となります。このレースで使えるタイヤは4セット、ベルはここでピットに入ってタイヤを換えますが、この先の選択肢が狭まります。

 完了していない周回もカウントされず"2周目"からリスタート、カイルがリードを奪います。しかしシーズンから引き続きラーソン&ヘンドリック無双。7周目にラーソンがリードを奪い返すと、ウイリアム バイロンがこれに続きます。結局ラーソン、バイロン、カイル、チェイス エリオットの順でラウンド1を終えました。

 ピットでは多くの車はタイヤは交換せずに車両の確認、アジャスト、一旦停止してタイヤを冷やすぐらいの作業でピットを後にしました。タイヤを換えたのはブラッド ケゼロウスキーとコール カスターのみ。
 ラウンド2は上位12台がリバースとなり、ライアン ブレイニーとケビン ハービックが1列目となりました。オープンから勝ち上がってきたチャステインがラウンド1を9位で終えたのでなんと2列目のリスタートです。

 リスタート直後からはしゃぐチャステインがうっかりブレイニーをクラッシュさせそうになったものの、それ以降はブレイニーが快走。タイヤを換えているケゼロウスキーが追随したものの、15周の履歴差は決定的な差になっていないようで抜くことができません。そのままブレイニーがラウンド2を制しました。

 ここでは多くの車が四輪交換でした。ケゼロウスキーはここでもタイヤを換えますが、新品ではなくラウンド1で使った中古にしました。他とは戦略が違うようです。

 ラウンド3は全体がリバース。アルミローラとディベネデトーが1列目となります。ラウンド2終盤はもう最下位狙いだったような気がしましたねw
 リスタートではマイケル マクダウルに押してもらってディベネデトーがリード。この2人がしばらくリーダー争いをしていましたが、そうこうしているうちにヘンドリック第4の刺客・アレックス ボウマンがやってきました。
 37周目、ボウマンがディベネデトーをかわしリード。そのままラウンド2を制しました。ディベネデトー、アルミローラが続きます。そしてラウンド4でリバースの対象となる順位は9と発表されました。9位で終えたバイロンがラウンド4の先頭となります。バイロンはラウンド3までの合計順位で最少となっており、ラウンド5を先頭で開始する可能性が高くなりました。

 ラウンド4、バイロンはリスタートで一瞬ベルに抜かれたものの、これを引き離して単独走行に持ち込みます。ラウンド終盤はラーソンが追い上げてきましたが、クリーン エアーで逃げ切ってラウンド4を制し、ラウンド5の先頭スタートを決めました。バイロンはラウンド1、2の後にそれぞれパッカーを抜き取り、さらにラウンド3後にはトラックバーを調整、ピットでの競争がないので、日没に合わせてかなり大胆に車をいじっているみたいです。


 ラウンド5、バイロン、ラーソン、エリオット、ブレイニーの順で始まります。このラウンドでは4輪交換のピット作業をどこかで消化しなければいけません。
 当然そうなるだろうなあと思いましたが、リスタート1周目からピットに飛び込む車両が現れて、コース上の争いそっちのけでピットの様子が映ります。ピットで最速だったチームのクルーには賞金が出るのでみんなやる気満々。ピット内全体の通過時間で計測するので、ドライバーも制限速度ギリギリを攻めないといけません。
 しかしカイル ブッシュ、オースティン ディロンが速度違反、これだと権利はありません。レースを見てるのかピットを見てるのか分からなくなってきましたw

 76周目、トップ4を形成していたヘンドリック4人組が全員同時にピットへ。バイロンが先頭で入りましたが、出るときはエリオットがかなりの差をつけて先に出ていったので、少なくともこの中ではこのクルーが最速の様子です。
 
 80周目、ピットを終えたばかりだったチャステインがライアン ニューマンに押されてスピン。なんとかクラッシュは逃れますがコーションとなります。ちょうどこの時ケゼロウスキーがピットに入っており、なんとこれでいきなりリーダーとなりました。先週のソノマでもケゼロウスキーは似た状況でしたけど、速度違反で幻になってましたね^^;

 80周目にリスタート、サイドバイサイドで争うケゼロウスキーとエリオットでしたが、お互いにサイド ドラフトを使って失速しても、後ろからバイロンのカバーが入るので有利なのはエリオットでした。
 そのままエリオットとバイロンの争いとなり、90周目には最後のラウンドへのあいさつとばかりにエリオットがえげつないブロックを数発お見舞い。ラウンド5を制しました。あれ、今解説のクリント ボイヤーが「サヨナラ。See ya buddy」とか言わんかったか?



言ってましたw
 

 そして、最速のピット作業もエリオットのクルーが獲得しました。とりあえず10万ドルゲッツ!

 そしていよいよラウンド6、リスタートするといきなり2列目のブレイニーがバイロンにインに潜り込んで3ワイドに( ゚Д゚)

 エリオットは当然ブレイニーを警戒、と思いきや、外から来るラーソンを警戒していきなりラインを変更し鉄壁のブロック。ターン2出口のまだ横Gが残ってる地点でラーソンががっつり押すんですが、これで2台が抜け出します。相手を信頼してるのか、リスクを取りまくってるのか見ていて区別が付きません^^;
 この後ラーソンとエリオットの争いになりますが、お互いにサイドドラフトを使っているその隙をついてケゼロウスキーががら空きのインからリードを奪うことに成功します。エリオットはひたすら外にいるラーソンを気にしている動きでした。

 これでケゼロウスキーが逃げて勝ったら、元チャンピオンにこういう言い方もアレですが大番狂わせで面白かったんですが、結局ラーソンを千切ることができず再びサイドドラフトを使われてラーソンがリードを奪い返します。
 ケゼロウスキーはターン3・4では外回りで上手く勢いを付けられるものの、1・2の脱出で負けている様子でラーソンに仕掛けることができず、あっという間に10周は終了。ラーソンがオールスターを制しました。昨年は出場停止期間中で全く関係無かったですが、2019年に続いて出場したオールスターでは2連勝です。うん、全然覚えてないw

https://ameblo.jp/scfromla/entry-12476476973.html

レース後にボイヤーとニューマンが殴り合いしてたんですねえw


 それにしてもヘンドリックの速さと、その中でも際立つラーソンには驚くばかりです。FOXの中継では、「順位を当ててボイヤーからの賞金1000ドルを獲得しよう!」みたいな企画を毎回やっているんですが、この放送でも「とりあえず全部ラーソンって書いたらいいんじゃね?」みたいな話になってて爆笑でした。
 なんか本当にジミー ジョンソン、ジェフ ゴードンの黄金コンビ時代が戻ったような活躍ぶりで、ここまで勝たれると誰でもいいからとにかく彼らを止めて欲しいですねw

 制度がややこしすぎてレースが希薄だと散々文句を言っておきながら、最後の10周はかなり熱くて盛り上がってしまいました。FOXのこのレースの視聴者数は273万5000人で2019年を12%上回った他、併催だったXfinity SeriesとCamping World Truck Seriesのレースも2年前のレースより視聴者数が増加したという情報です。

 そしてこれを見終えてGT SPORTの公式戦へ向かった私は、隠れズラの餌食になりましたとさw

 次戦はナッシュビルです!

コメント

las vegas さんのコメント…
ご無沙汰です。Matty Dの調子がよろしくないですが初勝利を諦めていない私です。ソノマは得意なコースなので期待してました・・・オールスターもファン投票で突破してる様では本調子ではないと信じています。 クルーチーフ交代ですか・・マイキーだと嬉しかったんですが。 てか最近CHEVY速い!! Fordがんばれ!! INDYもCHEVY強いですね。この間の安田記念もインディチャンプに乗っかったのですが乗り損ねました。この馬のお母さんの名前はウィルパワーww 話はそれましたが
私は信じてます。WBR100勝 Matty D初勝利!!
まっさ さんの投稿…
とりあえずマックへダッシュ確定!
早く勝ってくれーーーー
SCfromLA さんの投稿…
>las vegasさん

 結局来年もWBRに残る可能性が出ては来ましたが、20位以下を繰り返していると他の人と変えられてしまいますからどうにかトップ10の争いに戻ってもらいたいですね。 
 インディチャンプは母名のウィルパワーからの連想で名付けられたそうですが、そのウィルパワーの馬名の由来はたまたまドライバーと被ったんですね。面白いものです。
SCfromLA さんの投稿…
>まっささん

 こっちも優勝希望者が!チャステインとMatt Dが勝って、あとハムリンとハービックが勝ったら、、、よだれが出そうです(っ ◠‿◠ c)
まっさ さんの投稿…
ZURA様の力で日本にスーパースピードウェイ作ってプレートレース誘致願います!
ニヒヒ。
オープニングセレモニーはスイカの叩き割りで。