GT SPORT回線問題、詳しい人に聞いてみた

 3月20日にGT SPORTの回線問題について色々と書いてみました。結果、そこにkensanさんからご自身で検証された内容をコメントしていただきましたが、このコメントも含め、我らが誇る赤い彗星・マッキーさんに読んでいただいたところ、色々と見解を貰うことができました。
 正直何語で喋っているのかさっぱりわかりませんが()、これを読んだ詳しい方が、日本語に翻訳してくれたり、新しく何か閃いたりするきっかけになることも無いとは言えないので、前回の続きとして掲載してみます。


 なお、前提としてですが、掲載する内容は、SSTCの連絡用チャットに投稿していただいたものを、ブログの記事として成立するように再構成したものですが、文章は基本的にコピー&ペーストなので、言い回しにやや記事として不自然な点が存在する場合があります。
 また、私自身は1割も理解できていないため、内容に誤記等があっても気付くことができません。従いまして、マッキーさん自身は通信関係の仕事の方なので、ご自身の知識と良心に従って一定の注意義務は果たしておられると思いますが、完全な内容の正当性を保証することはできませんので予めご了承ください。私もこれを書きつつ多少は理解できるよう努めます。


 まず、前回kensanさんが投稿していただいたコメントから改めてこちらへ引用したいと思います。なお、kensanさんは『GT SPORT Soul on Replay』というものを作成、公開されています。GT SPORTのリプレイ動画を利用してデータロガーのようなことができるというなかなかすごいものですので、よろしければこちらもぜひご覧ください。

以下引用

ロビーのバグ問題の対策の1つとして、PSのIPアドレスの固定化や、PSをDMZに置くというのがありますが、なぜ有効なのか理由がわかりませんでした。

調査したところ、この対策が有効であるバグを1つ発見しました。
以降の説明で間違っていたら、ごめんなさい。

1. UDP:9306を使用しないロビーへの入室時にホストに接続するポート番号を間違えるバグを発見

GTSのロビーでの通信には、デフォルトはUDP:9306を使用し、P2Pでルームメンバーと相互通信を行うのですが、UDP:9306を使用出来ない場合は他のポート番号を使用します。しかし、ホストが9306以外のポート番号を使用する状況の時に、入室できない(コード:NE-210000C4)ことがあるバグを発見しました。(但し、根気よくリトライすると入室できる)

例:ホストがUDP:5678を使用して部屋を建てたとすると、入室する時にホストのIPアドレスは正しいが、UDP:5677でアクセスするため、「destination unreachable (port unreachable)」となり入室できない。リトライを繰り返すとUDP:5678へアクセスして入室できる。


2.なぜUDP:9306を使用出来ない状況となるのか?(ルーターのDHCPとNAT)

ルーターには、DHCPとNATの機能がありますが、独立して動作してます。
DHCPには「DHCPリース期間」とNATには「NATテーブルタイムアウト」の時間設定があるのですが、「DHCPリース期間(2時間)<NATテーブルタイムアウト(24時間)」の関係です。(実際の時間はルーターによって異なります)

PSがDHCPを使用しているとDHCPリース期間が短いため、他の機器(スマホ等)とIPアドレスの割り当てが入れ替わったりすることがあります。
なので、PSがUDP:9306でWAN側に接続出来ていて、DHCPリース期間後に他の機器がPSが使用していたIPアドレスを使用されたままになると、PSはその間UDP:9306を使用できなくなります。
(一旦NATテーブルに登録されると、登録されたポート番号では他のIPアドレスはWAN側へ使用出来なくなる)
PSの再起動をしてもダメで、ルーターの再起動で治ったというのは、これが原因と思われます。(ルーター再起動でNATテーブルがリセットされる)


3.PSにUDP:9306を使用させるためには、IPアドレスの固定化を行う

PSにUDP:9306を使用させるためには、PSのIPアドレスを固定化させることでNATテーブルとの関係を維持させることができます。
NATテーブルタイムアウトの考慮だけとなります。UDP:9306が他の機器で使用される状況はないといってよいでしょう。例外として、LAN内に複数のPSでGTSを起動し、それぞれがロビーを使用する場合は、UDP:9306が使用できるのは1台のみとなります。

最後にIPアドレスの固定化の手順ですが、「PS4 固定IP 設定」で検索していただくと見つかります。
(゜o゜) E>(-_-)
すいません。私より親切な説明が見つかるはずですw

引用終わり

 ものすごく簡単に言うと、GT SPORTのロビーというのは、みんなの取り決めで「9306号室に集まってやろうぜ!」となっています。
 しかし、たまたまオーナーの人が部屋を建てようとしたときに、他の人が既に別件で9306号室を使用してしまっていると、渋々よその部屋を使うことになり、しかし他のメンバーはそれを知らないので、いつも通り9306号室を訪ねてしまい、中に入れてもらえない、そこに行っても目的の人がいない=エラー、とこういったイメージかと思います。
 UDP:9306で固定するというのは、他の人がうっかり使ってしまわないように部屋を常時自分用に抑えておくことに相当します。ただし、GTを2台持ちして同時にロビーを建ててしまうような特殊なケースでは、1つ目で既に9306号室は使用中なので2台目はやっぱりよそへ行かされる、そんな話ですね。

 
 WANはWide Area Network、LANはLocal Area Network、の略です。家の中にはモデムやONUといった機器があり、そこにLANケーブルを挿してインターネットを利用する例が多いと思いますが、簡単に言えば、モデムより外側の、世界と繋がってる回線がWAN、モデムより内側の宅内の世界がLANだという考え方で良いと思います。
 この後マッキーさんの話で出てきますが、この手法には効果はあるみたいなんですが、全てこれで解決するほど話は簡単ではなく、設定をミスるとネットに繋がらなくなったりするので、分からないのに安易に手を出すのは避けて、きっちり理解することが重要です。
 また、マッキーさん(赤くない方)は、早速やろうとしたらルーターのパスワードを忘れてしまい、3回間違えてロックされた、という設定以前の問題にぶち当たったそうなので、みなさんも気を付けましょう^^;

 多少初歩的解説をして、ただのコピペではないぞというアピールだけしたところで、赤いおじさんの解説です。色々と我々の中であれはどうだ、これはどうだ、と会話した後での反応なのでいくつかの話題に話が及んでいるので、Q&Aのような形に無理やり構成してみました。

〇LANケーブルって最新規格の方が良いの?

 Cat5eとCat6はあまり気にしなくていいです。STPも外来波などのノイズの影響を薄くするもので、距離が遠い等の理由がない限り気にしなくてよし。そもそもシールドアースをきちんと取らなければ意味なしです。
 ケーブルよりもgiga対応スイッチに繋ぐ事が重要。ボトルネックはWAN側に持っていかないとLAN内の端末数やブロードキャストの影響が大きくなると考えられます。


 LANケーブルには種類があり、一般的なUTPケーブルと、電波干渉しにくいよう防御力を上げてあるSTPケーブルがありますが、一般ユーザーでは関係なしということです。
 規格もカテゴリーが色々とありますが、カテゴリー5e以上であれば高速通信に対応しており、カテゴリー7以上は必要性が薄いため、既に持っていればわざわざ高級品を買う必要性はありません。
 『giga対応スイッチに繋ぐことが重要』、というのは、モデム等の機器はきちんと1Gbpsの通信速度に対応したものを使い、後述する二重ルーターのようになったり、昔からの古いルーターを流用したりして、速度低下の要因を宅内に作らないようにしましょう、ということですね、たぶん。

〇IP固定、ポート開放に効果はありますか?

 IP固定について。意味なしとは言いませんが、今時のルータは性能がいいのでDHCP動かしても極端な影響はないかと。WAN側のIPアドレスを固定するなら意味あるかもですが、お金がかかる上に対応していないプロバイダも多いです。

 ポート解放について。UDP:9036というのは私の知らないポートです。そこが解放されているかどうかが影響するのかはわかりませんが、繋がったり繋がらなかったりするなら、そもそもそのポートは開いています。閉じていたら繋がりません。

 ポートを閉じたり開いたりはセキュリティの為にすることで、スピードや安定性に寄与するものではありません。閉じていたら問題になるポートはいくつかありますが、細かく書くと多いのでウェルノウンポートでググってみてください。尚、gtのようなリアルタイムのゲームはTCPよりもUDPの方が重要です。この辺りのことも長くなるので割愛します。

 自分で調べた範囲では、オンラインゲームをするにあたってIP固定/ポート開放を行うというのはけっこう行われているみたいですが、この作業は2つで1セット。ゲーム機側のIPアドレスは、通常だと起動するたびに変動してしまい、それだと困るみたいで、ポート開放を行うにあたってまず先んじてIP固定をしないといけない、というような話みたいです。
 でもマッキーさんの見解では、優先順位としてはあまり高くないみたいです。kensanさんの話でも、問題となるのはUDP:9306をホストの人が使えない、という状況が起きる場合の話なので、『用心するなら、やっておくとより確実性が高まる』というイメージかもしれません。


〇NATタイプは関係しますか?

 経験上、PSNで重要なのはNAT機能だと思います。NATとはプライベートIPとグローバルIPを付け替える機能です。グローバルIPが何県何市何町という住所のエリア、プライベートIPが番地と号地とでもいえば比較的わかりやすいかな?ビミョーに違いますがw

 NAT機能にはタイプがあり、type1、2、3と呼ばれます。それぞれどう違うのかは調べてみてください。問題になりやすいのはtype3の時です。1と2なら基本的には大丈夫。自分のネットワークが何で繋がっているかはPSのインターネット接続の確認で表示されます。3だとちょっと困ったことになります。

 3になる原因で代表的なのはルータが2段になっているときです。これは家に光回線を引いていて、ホームゲートウェイを導入している時になります。ホームゲートウェイはルータ機能を持っているからです。
 家で光電話を利用していると、確実にONU一体型のホームゲートウェイが導入されています。そこにルータ機能付きAP(アクセス ポイント)等を繋いで、そのスイッチポートでPSを繋いでいたり、WiFiで繋いでいると2段になります。
 この場合はルータをブリッジモードに変更することによって解決できます。ルータをスイッチとして使うということです。

 厄介なパターンは、集合住宅で、各戸に提供されているLANで繋いでいる場合です。これがtype3になってたら手の打ちようがありません。お金をかけて個人で回線引き込むか、早いLTEのWiFiルータ(WiMAXとか)を導入するしかありません。後は一縷の望みをかけてマンションの管理組合とか大家さんに掛け合うか・・・
 グローバルIPを固定にしてそれを直接psのアドレスにすればNATは乗り越えられますがお金の無駄遣いですw


 ニホンゴデハナイコトバデカカレテイルネ(;・∀・)

 二重ルーターは前回書こうと思ってすっかり忘れていたのですが、問題になることが多いので、二重になっていて、かつ回線問題が起こる方はぜひ解決した方が良いです。

 私の実例で言えば、ADSLの時代は、ルーターを使用せずにモデムからLANケーブルを直接PSに接続していたので、NATは1でした。ルーターを使うとNATは2になります。
 それを、光回線に変更した際は、まさにマッキーさんの説明通り、ひかり電話共用のONUが導入されたため、このONUから直接PSにLANケーブルを接続してもNATは2でした。ONUはルーター機能を持っているからです。

 私の場合全部有線で繋いでますのでそういうことはあまり考えないですが、これが無線だった場合を考えますと、ADSLの時代は モデム→無線LANルーター→PS の流れになるので、NATは2です。
 これが、光回線のONUになった場合、 ONU(ここに既にルーター機能がある)→無線LANルーター(ルーター2回目の登場)→PS となるので、二重ルーターとなってNATが3となってしまうと思います。
 そこで、無線LANルーターの方は、ルーター機能を切ってしまい、単に無線電波を生み出すだけの機器に仕事の役割を1段階格下げしてやることで、二重では無くすことができます。これがブリッジモードです。

 集合住宅の場合も、建物の親玉から各部屋に分配された段階で既にルーターを1回通過してNAT2になっている可能性があるため、ここからさらに家庭内でルーターを使ってしまうと二重になる可能性があります。
 その昔、まだハラキリさんが大学生で寮住まいだったころ、ある時寮のネット回線の工事が行われたら、以降急にNATが3になってしまい、異様にラグが出るようになったことがありました。集合住宅だとこうした、自力ではどうしようもない設備面の課題が出て来ることはあります。WiMaxとかを導入しても、オンラインゲームやってるとどんどん容量食ってコストがすごいかかりますからねえ。。。

〇IPv6は関係ありますか?

 IPv6について。v4に比べて空いているのでスピードが出やすく安定するのはその通りです。最終的にはどこかでv4に乗り換えるパターンが多いので、最終的には回線提供事業者やプロバイダのNW機器の性能に左右されますが、v6で繋ぐのはいい方法だと思います。

 先程、gtはUDPで動かしてると思われると書きましたが、UDPは信頼性の低い通信プロトコルなので、回線にパワーがないとパケットロスとかで突然落ちたり、そもそも部屋に入れなかったりの原因になります。スピードを上げるのは重要です。

〇赤い彗星のまとめ

重要事項を纏めます。
NATはtype3はダメ。3になっていたらNW構成を見直しましょう

DHCPは気になるなら停止して固定IPにしましょう。ただしキチンと管理できないと案外パニックになりますのでご注意を

スピードを上げるのは大事。そのためにはHUBはやめてgigaスイッチを導入したり、WiFiならスピードの早い11acを導入したり、11nでも2.4GHzではなく5GHzで繋ぎましょう。11bとかは避けた方がいいです。またルータのスループットもスピードに影響します。購入時にチェックすべき項目です。

 IPv6というのを説明するには、まずIPの意味を書かないといけないわけですが、IP=インターネット プロトコルというのは、世界中の色んな機器が互いに接続するために必要な共通言語みたいなものです。で、既に上にもちょろっと出てきましたが、それぞれの機器に割り当てられた住所みたいなものが『IPアドレス』というものです。
 で、現在主流のものはIPv4と呼ばれていますが、ネットがどんどん発達した結果、もう割り当てられるIPアドレス≒住所が無くなってきて、空いた地番が枯渇した状態になっています。そのために新しい規格として、ほぼ無限に地番を割り当てられるようにしたのがIPv6だと考えれば良いと思います。

 元々、IPv6とIPv4には互換性は無くて、それぞれ別の並行世界のネットワークみたいになっていると考えれば良いようなんですが、現実にはIPv6はまだまだ普及途上なので、IPv6だけの世界というのは非常に使い勝手が悪いものになります。PS4の各種ゲームで使用されているサーバー等のゲーム側の基幹設備も、基本的にIpv6には対応していないと思われます。
 そのため、『IPv6にするとPS4のゲームができない』といったことが結構言われていました。ゲームに限らず、IPv6単体であれば、世の中わりとまだそんな感じではないかと思います。
 そこで、インターネット接続事業者は、『基本的にはIPv6で接続するんだけど、相手がIPv4にしか対応していなければ、IPv4も使う』というサービスを提供しています。IPv6プラス、とか言われているサービスで、専門的には『IPv6 IPoE + IPv4 over IPv6接続』とか言うそうです。
 マッキーさんのコメントで『最終的にはv4に乗り換える』と書いているのはそういう意味でしょう。
 例えて言えば、IPv6は高架の上の世界、IPv4は地上にある世界で、そのままだと階段は無くて上り下りできないのでIPv6の人はv4の人の家には行けないけど、これをなんやらうまいことやることで、v4の人の家にも行けるようにするサービス、と考えれば良いと思います。
 で、現状では高架の世界=IPv6はまだ使っている人が少ないために道が空いていて渋滞に遭わずに済むため、その分だけ通信速度が速い、とこういうことだと考えれば良いと思います。IPv6だから速い、というのは厳密には間違いで、v6はまだ道が空いていて、途中まで高架の高速道路を使えるから速い、ということだと解釈しています。

 IPv6を提供している接続事業者は、たいていv6プラスを提供していると思うので、可能であれば視野に入れてみるのも良いということになります。私はBIGLOBEですが、放っておいたら勝手にv6プラスのサービスが提供されて勝手に適用されました。「いらんかったら言うてな」という感じで、GTができない問題が出たらそうしようと思いましたが、通信速度がえらく上がって動画のアップが快適になりましたw

 ですので、ことGT SPORTに関しては、v6プラスのサービスは利用可能と見て良いと思います。ただ、どうもゲームによっては不具合が出ることもあるようですので、色んなオンラインゲームを遊ぶ方は注意が必要です。その場合、ルーターのUPnPをオフにすると解決することもある(オンすると逆に邪魔になることがあるらしい)らしいので、そのあたりは各自で状況に合わせて対応するしかありません。

 というわけで、一応分かる範囲で注釈も入れてみました。そして、これはこの後のさらなる会話の中で出てきて、未解決になっている問題です。もし分かる方がいらっしゃればぜひ情報をお寄せいただけるとありがたいです。

〇IPフラグメントパケットに対応していない、という文言の謎

 SSTCの新メンバーであるモチモチさんは、なぜか人数の多い部屋でルームに入れずに弾かれてしまうケースが多いようなんですが、回線診断をするとこういった文言が表示されます。

 
 お使いのルーターはIPフラグメントパケットに対応していない可能性があり、PS4の一部のネットワーク機能が制限されます。

 二重ルーターになっていると出ることがある注意書きだそうなんですが、モチモチさんは二重ではないとのこと。以前はこの表示は出ていなかった、とのことで、ルーターが非対応なわけでもなさそうです。
 PSNの障害が発生した後などに表示されやすい、という情報もありますが、ずっと出ているのでそれとも関係なく、機器再起動でも直らないので、一時要因でもないとのことです。機器の寿命も疑っているそうですが、何かこうした症状についてご存知の方がいらっしゃればご一報願いますm(_ _)m

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