NASCAR プレイオフ 第9戦 マーティンズビル

NASCAR Cup Series
Xfinity 500
Martinsville Speedway 0.526miles×500Laps(130/130/240)=263miles
winner:William Byron(Hendrick Motorsports/Liberty University Chevrolet Camaro ZL1)

 NASCARカップシリーズ、ひょっとすると最終戦を残してチャンピオンが決まってしまうかもしれない一戦・エクスフィニティー500。決勝開始時の気温は17℃ほどですが曇ってるのと夕方に向かっていくのとでおそらく路面温度は徐々に下がっていくと思われます。昨年も15℃ぐらいでやや肌寒いかなという条件でしたので、まあそんなに変わらない感じでしょうか。

・ステージ1

 スタート早々の3周目、上手くギアが落ちなかったハムリンがターン3を大回りしてあっさりとギブスにリードを明け渡してしまいます。不安があるのかハムリンは変速せず走ることにしたようですが、ギブスとともに後続を引き離したのでひとまずは問題ない様子。というかタイヤを労わる意味では上のギアで走り続ける方が良いかもしれません。
 いつも通りリーダーは30周ほど走ると周回遅れに出会い始め、ギブスがやや苦戦し始めたらしい46周目にちょっと譲るようにしてハムリンがふたたび先行。3位には6位スタートのプリースが接近しておりJGRとしては内々で争って無駄な労力を割きたくはなかったでしょう。ちなみにギブス君、今日も周回遅れのレガシー モーター クラブ勢に対しては同じトヨタのクセに邪魔しやがって的な怒りの無線^^;

 61周目、11位にいて攻めるしかないベルがピットに入りステージを1ストップ作戦で攻めまくる方針であることが確認されると、ここからブレイニー、エリオット、レディック、シンドリック、バイロン、ホースバー、ウォーレスと多くのプレイオフ選手がこちらの作戦に流れました。タイヤを使いすぎたのか76周目になってギブスも遅ればせながらタイヤ交換しほとんどが1ストップ、とどまったのはプリース、ハムリン、ブリスコー、ラーソンぐらいでした。あ、国際映像のドライバー名でチャンピオンの権利が無くなったプレイオフ選手は色分けされなくなってるのね、人数が少ないと思った(笑)
 リーダーのハムリンは大量の周回遅れに後ろから抜きに来られて全く自分の走りができず、周回遅れに譲るために開けた場所で85周目にプリースにも抜かれてしまいました。自力ラップバックしたバイロンはノーピット組より毎周0.5秒ほど速く周回を重ねて猛烈に追い上げ105周目に4位、108周目に3位、110周目にハムリンも抜いて2位。そして最後の砦・プリースも残り6周でかわしました。
 この手の戦略ゲームは多数派になった方が圧倒的に有利、ステージ1をバイロンが制して上手く損切りできたギブスが2位、ノーピットのプリースは3位で耐えてました。ベル、ベリー、ボウマン、シンドリック、チャステイン、レディック、エリオットのトップ10でハムリンは17位まで落ちて作戦失敗。でも同じ作戦のプリースに15秒以上も置いて行かれたことのほうがチームとしては重い課題だった気がします。


 さらにブリスコーが21位、ラーソンは周回遅れの23位となり、しかもラーソンはステージ終了を目前にフリーパス位置も失ってしまったのでステージ2を周回遅れからリスタートすることが確定しました。昔ケビン ハービックがここのレースで周回遅れから全く出られなくなって、間違いないと思われていたチャンピオンシップ4を逃した事件がありましたけど、ラーソン陣営もちょっと嫌な展開です。

・ステージ2

 ラーソンがやや不機嫌モードな中でステージ2は142周目にリスタート、ステージ1よりちょっと短い119周が待ち受けるわけですがさあどうしましょう。序盤はリーダーのバイロンに対してギブスが何度かバンパーで小突いて攻める場面がありましたがほどほどでやめました。攻めすぎて少しタイヤの温度が上がりすぎたのかこの後ベルと2位が入れ替わり、そのベルも189周目にはプリースに抜かれました。今日のプリースマジで速いぞ。
 このあたりでリスタートから50周近いのでロング ランの善し悪しが見えてくるわけですが、191周目に今回は真っ先にハムリンがピットに入ってピットサイクルとなります。しかしこうやってさっきと違うことをすると裏目に出るのがレースあるある、198周目にホースバーがスピンしてコーションが出てしまい、ショートピッティング作戦の人は大損をしました。
 このコーション発生直前、3位のベルはたまたまピットに向かっていてギリギリで間に合い、これで給油と4輪交換を行った上でリードラップで合流できたので超ラッキー!!!!と思ったら入り口で速度違反していました。同じやらかすならアンダー グリーンよりはマシとも言えますが、いきなり先頭に立てる貴重な幸運を自ら手放した形で隊列最後尾リスタートとなります。ちなみにクルーチーフのアダム スティーブンスはこのホースバーのスピンについて

「あのバカわざとやりやがったな。」

 リーダーのバイロンに周回遅れにされて道を譲った後に突然よろけてスピンしたので、汚れた路面で滑ったようにも見えるけどわざとやったようにも見える微妙なものでした。ホースバー本人は「運転できたもんじゃねえよ!」と、ルースが酷すぎたことを訴えていますが真相は闇の中。明らかにわざとだったらペナルティー対象ですが、それは出てないので確証が得られるほどではなかったかもしれません。

 ともあれこのコーションでまだピットに入っていなかった人は有難く給油と4輪交換、207周目にリスタートしてバイロンがリーダー、コーションで得したエリオットが2位となってプリースの前に割り込みました。一方で中団ではシンドリックの車がいつのまにかぐちゃっと潰れており、原因はホースバーへの追突。というかホースバーが明らかに変なところで急にブレーキを踏む『ブレーキ チェック』を2回もやってました。また遺恨を増やしおった・・・シーズン途中の規則変更でバンパーの強度が意図的に弱められたため、追突すると鼻が潰れやすくなっています。
ぶぎゃっ!

 さらに、215周目にはロガーノ、ベル、ハムリンの3人が絡んでしまい、見た目としてはロガーノがJGRの2人をまとめてスピンさせた形に。日欧のレースで言えばロガーノに優先権の無い位置ですが、NASCAR的には鼻先が入った状態で減速していたら内側は開けておいてくれ、という考えも多いのでなかなか微妙なところ。これが本日3回目のコーションでラーソンはフリーパスを獲得しました。ベルはさっき速度違反して後ろからリスタートしてなければ、というところです。

 上位勢ステイアウトで223周目にリスタートしますが2周後にこれまたまさかの事態、プリースの右後輪がホイールの一部だけ脱落してしまいスピンして立て続けの4回目のコーションに。タイヤを残したまま中身のホイールだけスコンと抜いたような奇妙な事案でしたが、どうやらナットがきちんと締まっていないためにホイールがブレーキと干渉、ローターがホイールを旋盤のように切ってしまい、切り落とされたホイールの外側だけが転がって行ったようです。ホイールの不具合なら気の毒だなと思ったんですが、そもそもルース ウィールが原因だとまた話は変わりますね。ホイール脱落につきプリースは2周のペナルティーです。

 233周目にリスタートしてステージ残り28周、距離が短いのであっちこっちで細かい小競り合いをやってるなと思ったらステージ残り8周でまた有力者に事件発生。ブレイニーがターン3~4で目の前にいるベリーに追突。ブレイニーがターンの真ん中でコツンと押したら、怒ったベリーが出口でブレーキチェックしたっぽい動きです。さっきのシンドリックと同じようにブレイニーも潰れた顔のマスタングになり、そしてその先のターン1でスピンしました。車載カメラに液体が付着したので自分で撒いた何かを踏んだのかもしれませんが、自暴自棄になって自爆したようにも見えます。
 これでステージ2は繰り上げ終了となってバイロン、エリオット、ギブス、チャステイン、ロガーノ、ウォーレス、ベリー、ギリランド、レディック、ベルのトップ10。ハムリンは12位、ラーソンは13位となりますが、ラーソンとするとポイントで争ってる相手が全然ステージポイントを稼げておらず、自分はリードラップに戻って破滅的展開は避けられたのでここからは安全運転ですね、ホースバーとかに絡まないように(笑)

・ファイナルステージ

 ステージ間コーションでリードラップ選手がピットに入り263周目にリスタート、繰り上げがあったので残り238周もありますから80周刻みの2ストップでしょうか、とか思ったらターン4でいきなりコディー ウェアーがスピンしててコーションに(笑)
 さっきのリスタートは忘れて271周目にリスタートしバイロン、エリオット、ロガーノのトップ3でここは落ち着いた展開です。非常に安定して速いバイロンを誰も追えずにそのまま60周以上経過し、335周目あたりからピットサイクルとなりました。バイロンはコーションとショートピッティングの双方を警戒しつつ343周目にピットに入り実質1位を維持。一方で追いかける立場だったロガーノはナットが1本ちゃんと締まっていなかったので2回ピットを訪れることになり、まるまる1周損して競争から脱落しました。

 バイロンの快走はステージ中盤になるとますます顕著になり、411周目には12位のレディックまでもが周回遅れ。そして残りが90周を切ってきたので415周目あたりからこのステージ2度目のピットサイクルとなりました。2位と5秒も差があるバイロンはこのサイクルも手堅く堅首。一方ロガーノはアジャスト レンチが抜けないまま発進しました。すぐに急停止してクルーが引っこ抜いたものの、映像を見ていて『作業全体に対してアジャスト作業がちょっと遅れて始まってるから失敗しそうだなあ』と思ったら本当にそうなりましたね^^;

あ~、待って~

 2回目のピットサイクル後、バイロンはとうとうラーソンも周回遅れにしようとしますが、あんまりチャンピオンを争う僚友を無下にもできず、逆にラーソン側から見ても周回遅れは避けたいけど優勝を争う僚友をあまり抑え続けるわけにもいきません。なんとも扱いにくい展開がしばらく続いたせいか、ピット前に5秒あった1位バイロンと2位エリオットの差がだんだん縮まって行って残り50周あたりで1秒差になりました。
 ここからさらにエリオットが差を詰めて行ったら観客席も大盛り上がりだったと思うんですが、けっこうタイヤを使っちゃったのか進撃はここまで、邪魔なラーソンを周回遅れにしたバイロンはレース終盤に向けてふたたびエリオットを突き放し、そしてあんだけ荒れたステージ2が嘘のようにファイナルステージは最後まで何も起きませんでした。結局500周中362周をリードする自己最多記録を樹立したバイロンが全ステージ制覇の完全優勝で昨年のこのレース以来まるまる1年ぶりの通算17勝目を挙げました。234周目に記録した19秒817がエクスフィニティーファステストラップでもあり76点の最大得点、ハムリンがやりたかったやつを全部バイロンが持って行きました。あ、何も起きてないんじゃない、ウェアーのスピンを記憶から消したんだ(笑)

マーティー「2026年シーズン、35回目の挑戦にしてついにウィリアム バイロン選手がビクトリーレーンに戻ってきました。ウィリアム選手、なんだか信じられないといった表情ですね。シーズン全体でリードした周回数の2倍以上をこの一戦だけで記録しました。これほど圧倒的な力を見せられるというのは予想していましたか?」

バイロン「そうですね、ここはいつも相性がいいんですけど、それにしても今年は本当に長い道のりでした。チームのみんなが懸命に努力してくれたので本当に感謝しています。苦しい時期もありましたが今日は最高の気分です。長年支えていただいているリバティー大学、シボレー、そしてパートナー各社の皆さん、アクサルタ、バルボリン、フォーム、hp、オールプロ、他にも名前を挙げ忘れているところがあるかもしれませんが感謝しています。とにかく最高の気分です。ヘンドリックさん、そしてファクトリーで懸命に働いてくれているスタッフ全員に感謝します。私たちは決して諦めず、その姿勢が結果につながったと思います。」

マーティー「あなたとこの場所には何か特別な縁があるようですね。まだ若かった頃、お父さんのビルさんとお母さんのデイナさんに「レーシングドライバーになりたい」と伝えたところ、ご両親はあなたをこの場所に連れてきてくれました。シャーロットもあなたにとって特別な場所だと思いますが、マーティンズビルはそれ以上に特別な場所ではないでしょうか?」

バイロン「そうですね、ここは個人的にも特別な場所です。母にとっても、両親にとっても。母がここで経験したことを思うとなおさらです。ヘンドリックさんにとっても特別な場所ですね。ヘンドリックモータースポーツのドライバーとして、ここで良い結果を残すことは常に非常に重要で唯一無二の機会なんです。今日はすべてがうまく噛み合いました。本当に嬉しいです。」

マーティー「最後のグリーンフラッグランについて教えてください。300周にも及ぶ長い走行でしたがどれほど過酷なものだったのでしょうか?」

バイロン「いやあ、長かったですね。チェイスはタイヤのマネジメントがすごくうまいので、こっちも周回遅れをさばきながらうまくタイヤをもたせないければいけないと思いました。最後の2つのランではみんな終盤に向けて調子が少しずつ良くなってたので周回遅れを追い抜くのも難しくなりましたが、まあ楽しかったです。」

マーティー「見事なウィリアム バイロン選手、2度のステージ優勝、レース終盤の230周にわたる走り、そしてついに24号車がビクトリーレーンに戻ってきました。」


 バイロンのお母さんは2021年にここのレースを観戦している最中に突然体調を崩して救急搬送され、MALTリンパ腫という悪性リンパ腫が脳にあると診断されました。MALTリンパ腫による脳腫瘍は極めて稀だそうです。レース後にそれを知ったバイロンは「心臓が止まりそうになった。」そうで、その後デイナさんは複数の手術、放射線治療、合併症にも苦しみました。息子はその時間を『狂気じみた90~100日間』と呼びました。幸いデイナさんは完治し、そして息子ウイリアムはちょうど1年となる2022年第8戦のマーティンズビルで優勝して母の回復を祝いました。
 ヘンドリックにとってマーティンズビルと言えば忘れられないものであり、2004年10月24日、ここマーティンズビルへ向かっていたチーム所有の小型飛行機が山岳地帯に墜落し、リッキー ヘンドリックを含む乗員10名全員が死亡する悲惨な事故がありました。ヘンドリックにとってマーティンズビル、とりわけ秋のレースは1つの節目であり、そしてバイロンにとってマーティンズビルは複数の点で特別な存在となっています。
 
 2位は2.049秒差のエリオットで「前のランでかなり失速してしまってその差を埋めなければならなかったことが一番痛手だった。ウィリアムはその差をうまく利用して素晴らしい走りを見せた。最後のランには満足しているけどもうちょっと前に行ければよかった。」と5秒差に離されたファイナルステージ中盤の走りを後悔しました。3位ギブス、4位ベリー、そしてなんと5位にギスバーゲン、予選29位からまさかの大躍進です。ハムリン、兄ディロンが続いてここまでがリードラップ。8位ウォーレス、9位ラーソン、10位ベルは周回遅れでのトップ10です。チャンピオン決定は最終戦に持ち越されました。


・ホースバーとベリー、罰則を受ける

 ブレーキチェックで注目されたホースバーとベリーですが、レース後にペナルティーを受けました。ホースバーは行動規範規則4.4aに反してストック カー レースに対する有害行為を複数回行ったとして罰金10万ドルとドライバー選手権ポイント25点減点、ベリーも行動規範規則4.4a違反で5万ドルの罰金と25点減点となりました。ベリーはブレイニーに対するブレーキチェック疑惑について「押されてルースになったので立て直そうとしただけ。」として「急ブレーキを踏まれてレースを破壊された。」と主張するブレイニーと見解が真っ向から対立しましたが、NASCARは取得可能なデータから故意の接触と判断したようです。
シンドリックはこれで走ろうとしたけど
結局リタイア

・ホースバー、チームからも罰則を受ける

 ホースバーに関してはNASCARが処分する前に、なんと所属するスパイアー モータースポーツがホースバーを最終戦ホームステッドに出場させないというセルフ出場停止処分を下しました。共同オーナーのジェフ ディッカーソンは声明で

「簡単なのは、これをNASCARに任せてどのような罰則を科すべきかを彼らに決めさせることでした。しかし私たちにとってこれはお金やポイントの問題ではありません。私たちは敬意を重んじます。私たちの誠実さが重要なのです。これはスパイアーモータースポーツにとって正しい決断です。」
「ここにいる全員がカーソンと一緒に働くことを喜び、彼が私たちのチームと共に成長していく姿を見守ってきました。大切な人にとって正しい決断であっても、短期的には辛いものになることがあります。マーティンズビルでのカーソンの行動は、私たちがドライバー、チーム メンバー、従業員に求める基準を満たしておらず、それに伴う結果が生じました。」

と簡潔に説明、キレて相手に急ブレーキを踏むようなドライバーなら使わないよ、反省しなさい、という明確な意思表示であり、これまで様々な接触による遺恨があった状況とはまるで違う厳しい対応となりました。争っている最中でやりすぎてぶつかるのと、故意に急ブレーキを踏んで事故を起こすのは重さが違うという判断でしょう。ホースバーも声明を発表し

「今日は私にとって恥ずべき日です。カップカーを運転するという一生に一度のチャンスを与えてくれた人たちを失望させてしまいました。チーム、スポンサー、そしてファンの皆さんも失望させてしまいました。トラック上での私の行動は一線を越えてしまい、ジェフとスパイアーモータースポーツにとって今週末のホームステッドで77号車に他のドライバーを乗せる以外の道はありませんでした。今週末はチーム全体を応援し、2027年にはより良いドライバー、競技者、そしてチームメイトとして戻ってこられることを楽しみにしています。」

 ベリーの話の真相は不明なままですが、今回の2件のブレーキチェック問題には他のドライバーからも非難の声が上がっており、トラック上では全く結果が出ていないルーキー・コナー ジリッシュも批判の声に加わりました。またデイル アーンハート ジュニアも自身のポッドキャストで、親交が深いベリーを非難するのは心情的には難しいとしつつも「シリーズ主催者として、これはNASCARにとって正しい判断だ。彼らはこの問題に先手を打たなければならない。」「このような行為が罰せられないまま放置されるべきではないと私は考えている。そうしなければこうした行為は後々まで続いてしまう。」とNASCARの判断を支持しました。
 上にも書いたように今シーズンの途中から主にドライバーへの衝撃緩和策としてバンパーの強度を意図的に下げましたが、下げたのは前だけなので後ろは頑丈なままです。今回の接触で一方的に追突した側の車だけ潰れた要因もここにあると考えられるため、ジュニアさんは(多少ベリー批判から話題を逸らしたかったのかもしれないけど)後ろのバンパーも強度を下げて柔らかくすべきではないかと意見しました。
 果たしてペナルティーを受けた2人がそこまで考えた上でやらかしたのか、そういうつもりはなくて脅し程度にやってみたら相手の車が大破してえらい大ごとになってしまい、実は本人がいちばん驚いてるのか分かりませんが、NASCARはジュニアさんの言う通り最初にまず重い罰が下るという前例を出して同様の行為が広がらないように大きく注意喚起したことになるでしょう。

〇ベル、一時は光明も・・・

 今回のレースはステージ1での戦略が全てでした。何か違うことをしないと、とベルをピットに呼んだアダム スティーブンスの判断は賭けの意識が多分にあったと思うんですが、結局大半の陣営がこの作戦に乗っかったので主流派に。リーダーのハムリンは堅実に行きたい、予定通りに行きたいという心理が働くのでクリス ゲイルはとどまる判断をしたわけですが、あまりに自分たちを抜く周回遅れが多すぎたことと、思ったほど自分たちがロングランで良くなかったことが大誤算でした。
 ラーソンは基本的に『ハムリンと同じことをしていれば大怪我はしない』という定石に従っていましたが、周回遅れになって大怪我はしかけたのでこれも懸命な判断ではありませんでした。結果的に救われたけどちょっと期待しちゃいました危なかったです(笑)同じJGRのチームメイトであってもチーム全体で戦略を考えるわけではなくあくまで個人戦であることがはっきり分かるステージ1の明暗で、ラーソンはハムリンを徹底マークしたらベルにすり抜けられたので、ここまではベル陣営にとって願っても無い展開。しかもそこにステージ2で『ピットに入ったらコーションが出た』という年に1回あるかないかの幸運まで転がり込んだのに・・・
 結果としてJGR内での『見えないチーム内バトル』はラーソンを利するような結果をもたらし、そして2人は元JGRのロガーノにセットで撃墜され、そのロガーノはファイナルステージのピット作業でグダグダになったわけですから、何かしらの因果を感じなくもありません。そのロガーノがかつてのJGRの20号車・マット ケンゼスに報復の突撃攻撃を食らって車を大破させたのも2015年のここでのレースでしたね。まさかロガーノは20号車を見て急に錯乱したんじゃないだろうな(笑)
 もしベルが速度違反せずあそこでまんまとリードを奪い、そのままレースを制するようなことがあったらラーソンとは35点差ぐらいで僅かな可能性をもって最終戦に挑めたはずですが、結果としてはレース前からほとんど変わらない67点差。ハムリンは70点差で両者とも数字上微かにチャンピオンの可能性が残るにとどまっています。NASCARは最終戦にチャンピオンシップ レースという題名を付けてしまってるので、とりあえず嘘つきにならなくてよかったなと思いますけど^^;

・見たかったプリースのロングラン

 もう1つ惜しかったのはプリース、ステージ2のロングランでどのぐらい戦えたのか見てみたかったです。リスタートからの走り出しはかなり抑えた走りから入っていてタイヤをもたせる考えだったと思うので、コーションが出ないまま走っていたらまたノーピットで狙いに行ったのか、それとも1ストップに切り替えた上でバイロンと正面からやりあったのか。ロングランはバイロンより速かったんじゃないかと思えたので、脱輪であっさり消えてしまったのは本当に残念でした。でもこのままいくとドライバー選手権でブッシャーより上になる可能性がありそうです。ブッシャー、現時点でプレイオフ選手のビリです。。。

 さあ次戦はいよいよ3シリーズともチャンピオンが決まる最終戦のホームステッド。肝心のカップシリーズに消化試合感が漂い、下手したらステージ2を終えたあたりでチャンピオンが決まってしまうというしょうもないオチも考えられますが、ラーソンの車に何か不具合が起きる可能性だって無いとは言い切れませんので最後まで目を離さないようにしましょう。レディックとラーソンのミニ四駆頂上対決も見たいですね☆

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