NASCAR プレイオフ 第8戦 タラデガ

NASCAR Cup Series
Yellawood 500
Talladega Superspeedway 2.66miles×188Laps(98/45/45)=500.08miles
※Race extended to 189Laps due to NASCAR overtime
winner:Kyle Larson(Hendrick Motorsports/HendrickCars.com Chevrolet Camaro ZL1)

 NASCARカップシリーズプレイオフ・モービルワン提供ザ チェイス第8戦はタラデガ スーパースピードウェイ。オーバルではシリーズ最長の1周2.66マイル、最大バンク角33°で1周丸々スロットル全開のドラフティング トラックです。全開とは言っても実際はレース中には前との距離を保ったり燃料を節約したりするためにスロットルを半分ぐらいしか開けずに走ってしまう場面も多いんですけどね。
 今年に入ってNASCARはGen7車両のドラフティングトラック戦で沸き起こる不満に対応するため、シーズン中にもかかわらず矢継ぎ早に規則を変更。第10戦のタラデガでは通常とはステージ周回数の区切り方を反転させてステージ1を長く、ステージ2以降は給油が不要になる設定にして過度な燃費走行の不満に対処、第26戦デイトナではスポイラー高を通常の7インチから4インチへと削減する(そのかわりエンジン出力を下げる)ことで空気抵抗が大きすぎて抜けない不満にも対処しました。
 そうして迎えた今季最後のドラフティングトラックとなる2回目のタラデガ、ステージ周回数は前回と同様にステージ1が長い98周/45周/45周の設定で、スポイラーはデイトナよりもさらに削って3.5インチになりました。現在のNASCARはドラフティングトラックで練習走行が無くて予選は1周だけなので、ドライバーとチームは集団走行で実際に車がどういう動きをするのか決勝まで分からない、というけっこうムチャぶりで戦います。
 ドライバー選手権1位のラーソンはこれまでドラフティングトラックでの優勝が一度も無く、速さはあってもどこかで酷い目に遭ってきています。ここで取りこぼす危険性を考えるとある程度の点差をもってここに来たかったのに、先週のフェニックスでまさかのセッティング大外れをきっかけにガタガタになって撃沈。選手権2位のベルと僅か5点差、7位のレディックまで56点差とレース前と比べて大きくその差が無くなってしまい、絶対にやらかせない状況となりました。そしてファンとしては大変おもしろくなりました(ゲス)

 先週末は私が伊勢志摩方面へ旅行へ行っておりまして、事前情報ページも書くことなくそのままレース週末の話題へと突き進みます。ラッコめっちゃかわいかったです、あと鳥羽水族館のガチャガチャでスナメリが当たり、手に入れた瞬間は「どうせならラッコかスナドリネコが良かったなあ」と思ってたんですが、いざ家に持って帰って開封したらスナメリがむっちゃよく出来てて想像以上にかわいいのですっかり気に入りました。
メイとキラ

・Craftsman Truck Series Love's RV Stop 225

 さあまずはトラックシリーズですがステージ1から大荒れ、隊列の先頭を走っていたジャスティン ヘイリーが13周目にいきなりパンクして後続が多重事故になりかけると、ここ3戦連続で2位と絶好調だったクリスチャン エッケスも14周目にパンクでクラッシュ。そしてステージ残り4周ではスチュワート フリーズンを起点に多重事故が起きてトニー スチュワート、クリータス マクファーランドなどが巻き込まれリタイアしました。
 さらに、これで繰り上げ終了したステージ1勝者・ジオ ルジェーロはピットに入ったらギアがリバースに引っかかったまま壊れてしまい、どうやっても車がバックするという珍事でトランスミッション交換のためにガレージへ。ステージ2に入ってもチャンドラー スミスがパンク、ステージ残り3周では隊列の先頭にいたグラント エンフィンガーがこれまたパンクしてステージが繰り上げ終了になりました。パンク多すぎ。
 最終ステージでも2件のちょっとデカい事故があってオーバータイムとなり、これもホワイト フラッグが振られた直後に中団で多重事故が起きますがそのまま流して上位勢は最後の争いへ。ターン4を絶妙の位置取りで立ち上がったのはスパイアー モータースポーツの7号車でスポット参戦したサミー スミスで、前にいるタイ マジェスキーとケイデン ハニーカットをササっとかわして優勝をさらっていきました。

 スミスはトラックのフル参戦を経ずに19歳からオライリーシリーズにフル参戦して5シーズンを戦ってきましたが、今季限りでJRモータースポーツを離れて来年はトライコン ガレージからトラックシリーズに参戦することが発表されたばかりでした。フル参戦前の挨拶とばかりにトラックシリーズ通算11戦目での初勝利となりました。

・O'Reilly Auto Parts Series The Progress Group 250

 オライリーシリーズはJR モータースポーツが絶好調の様子、カーソン クワポーを主軸に4人のドライバーが全員上位を争い、レース自体もステージ2までコーションなく進みました。残り16周のリスタートからそのままホワイトフラッグまで駆け抜けることになったレース、最後に優勝を争ったのもJRMの4人とジェシー ラブでしたが、ターン4に入ったところで気付いたら前にいたのはサミースミスでした( ゚Д゚)
 スミスを押していたのはラブ、フロントストレッチでは位置的にどこにも動きようが無く、またドライバー選手権1位の彼とすると下手に動くよりもそのまま走ってライバルよりも前で堅実にレースを終えれば良いという冷静な判断もあったと思われ、そのままスミスを押していきました。結果、スミスが前日のトラックに続いて連勝。昨年の第10戦ロッキングハム以来約1年半ぶりの通算4勝目でした。

 スミスのラップリードはこの最後の1周のみ。タラデガの週末で2つのシリーズで優勝したのは2003年のデイル アーンハート ジュニア以来で、カップ シリーズの参戦選手以外が同一の週末で2つのシリーズで優勝したのは2001年のグレッグ ビッフル以来だそうです。スミスはカップシリーズには出てませんので、タラデガ週末3連勝の偉業には最初から挑戦権がありませんね。せっかくなのでカップでは同姓のゼイン スミスに期待しましょう、って前も何かにこじつけてゼイスミ推した記憶があるな(笑)

・カップシリーズ予選

 そんなにレース結果には関係なさそうだけど、カップシリーズの予選は51秒466を記録したブリスコーがブッシュライトポール賞を獲得しました。平均時速で言えば186.065mphになりますが、従来の仕様だとデイトナもタラデガも予選はだいたい182mph程度、前回のデイトナが184.396mphとなっていたので、スポイラーを小型化したら単独では確実に速くなってると思われます。
 2位はオライリーシリーズでタラデガ通算2勝のオースティン ヒル、3位からジリッシュ、ギスバーゲン、ブッシャー、ベル、ボウマン、ギブス、ハムリン、ラーソンのトップ10でした。ビアード モータースポーツから参戦したケイシー メアーズはこれが通算499戦目の出場となります。

・ステージ1

 まだ本気になる場面じゃないからのんびり見ようステージ1、色んな選手が入れ替わりで前に来るのでスポンサー的には有難く、なぜドラフティング トラックのレースはスポット参戦が増えるのかよく分かりますね。全員が燃料を節約しているためケゼロウスキーが単独走行で内側から全員をゴボウ抜きする、というちょっと珍しい場面もありつつなんとなくのっそりしたレースは進みますが、31周目に入ったところで突然RFKレーシングの3人だけが燃費走行をやめたようで逃走。他の人はこれに追随しなかったため3位と4位以下に大きな差が出来て分断され、毎周数秒ずつ離れて行くので40周目にはもう半周差になって全く別のレース状態です。

 各陣営ともステージ2を前方でリスタートするためにステージ1ではとにかく給油時間を削減したかったのと、どのみちステージ1では最低でも49周/約130マイルの走行が必要なのである程度は節約しないと1回の給油で走り切れないから、だったら最初はケチりまくってできるだけ長く走ろうという意図だったと思われます。ただ事後情報によればちょっと度が過ぎていて、ある周には全体の約75%の車両が規定最低速度を下回り1周約59秒で周回していたとのこと。そのためNASCARは「改善しないと失格にするぞ」と通知して脅したら従ってくれたそうです(笑)
 走ってるドライバーの方も指示されてるから従ってはいるもののおもしろいわけはなく、むっちゃくちゃ遅いぞ~といった類の無線が飛び交っていた模様。ハムリンは「むちゃくちゃだな。レース中にリチャード ペティードライバー エクスペリエンスやってるみたいだ。」一方RFK3人衆の先頭でレースを引っ張るライアン プリースは「俺の中のリッキー ボビーが目覚めるぜ。」(リッキーボビーは映画『タラデガ ナイツ』の主人公)とタラデガで先頭独走を満喫。
 
 そのうちRFKの3人が残りの集団に追いついて全員周回遅れにするんじゃないか、という不思議な光景が広がる中で49周目、50周目にシボレー勢の多くが二手に分かれてピットへ。そして52周目にRFKの3人もピットに入ってきました。ここでのピット サイクルは燃料を2缶しっかり入れるので必然的に時間ができるため4輪交換ですが、ほぼ1周先行していたこの3人はピットを出て戻った場所が、まだピットに入っていない人たちの集団近辺でした。
 そして56周目、多くのトヨタ勢がピットに入りましたがここで悲劇、ベルが入り口で回って壁にぶつけました。3.5インチスポイラーで全開走行からピットに入るのも初めてなので全員が気を付けていたと思いますが、ベルはブレーキを踏んだ時点で止まれ無さそうな動きになってしまいました。ベルはこれで集団からはぐれた上に、とりあえず給油とタイヤ交換してピットを出たものの明らかに右前タイヤが車体と干渉。結局この後パンクして再ピットとなりこのレース悪夢の35位でした。せっかくドライバー選手権1位に肉薄したのに。。。

 ステージ後半は『RFKの3人とその他おおぜい』という状態で残り10周を切ってくると"4位争い"が白熱。その4位集団の前方には周回遅れで実際には順位を争っていないチャステインが混ざってる上にガッツリとブロックまでしてくるので色々とワケが分からん状態ですが、幸いにして大きな問題は起きませんでした。
 ステージ1はブッシャー、リッキーボビー、ケゼロウスキーのトップ3で激戦の4位争い()を制したのはラーソン。以下バイロン、ハーブスト、ブリスコー、ブレイニー、ロガーノ、シンドリックのトップ10でした。給油時に2缶目がちゃんと入ってないから燃料足りないかも、と言われていたレディックは11位で命拾い、そのレディックを助けてあげるように言われて怒っていたウォーレスはバチがあたったのか18位でした。ピットでペナルティーを受けた人など28位以下がステージを周回遅れで終えることになり、ドラフティングトラックのレースを普通に走ってるだけにしてはわりと異例の人数だと思います。

 ちなみにケゼロウスキーですが、新たな報道としてラウシュフェンウェイ全体の買収を提案したが拒否された、というものがありました。昨年の一連のチャーター訴訟を経てNASCARチームを所有する価値が非常に高まっていることから投資ファンドや金融機関からの資金調達にはそれなりにメドが立っていたそうなんですが実現はしませんでした。ケゼロウスキーもこの報道を認めています。
 軽く読んだ限りだとこの話が残留交渉の話と時系列的にどういう順序だったのかは分からなかったんですが、本人としてはRFKを完全に所有した上でオーナー兼ドライバーとして走りつつチームを強くして運営していく、という姿に一定の憧れはあったように感じますね。

・ステージ2

 104周目のリスタートで実質は40周のステージ2、ステージ1で周回遅れだったスアレスがコーションでは給油せずにウエイブアラウンドを選択し、リスタート後にすぐピットで給油してリード パックにフリーパス1番手の立場で合流する、という珍しい場面が見られました。今日はちょっと変則的な作戦が多いですね。
 ステージ前半は平穏でしたが、今回はちょっと気が速くて残り18周あたりから3ワイドで順位と居場所の奪い合い。ラーソンがかなり軽快な動きを見せており、これが好結果につながるか自爆するか、とか思ってたらステージ残り12周でした。

 多重事故発生、どうも真ん中のレーンで2番手にいたブレイニーが外へ動こうとしたら前にいたロガーノも同じように外に、しかもすごく中途半端に移動。ブレイニーは斜め後ろから僚友を押しそうになったので少しスロットルを戻したら、そこに全くそんなことを想像していない後続が普通に押してブレイニーを回してしまったようです。これに後続が巻き込まれるタラデガではよくあるパターンの多重事故でした。
 これでブレイニーはもう怒りながらウインドウ ネットを下ろしてステアリングを投げ捨てリタイア確定、レディックも車両中破で事実上脱落しました。ウォーレス、ギブス、エリオット、ハムリンなども車にいくらか損傷がみられた一方でラーソンとロガーノはこれよりも前方にいたので全く問題ありませんでした。
 ステージが残り10周以内に入っていなかったのでステージは繰り上げ終了にならず続行、残り5周でリスタートしてラーソン・ブリスコー組とロガーノ・シンドリック組による争い。お互いに一歩も引かない接戦でしたがまだステージ2なので最後はそこまで無理をせず、僅差でロガーノがステージ2を制しました。最後ブリスコーはラーソンを押さないことで1位にさせない道を選んだようにも見えましたね。

・ファイナル ステージ

 ステージ間コーションでさっきの上位勢は4輪交換と2缶給油、後方では2回目のコーション時にピットに入った人がいて作業が先に終わるので、149周目のリスタートはさっきまでと大きく顔触れが変わりました。残り40周でいよいよここからが本番、なんかリスタート直後からすでにヤバそうな雰囲気がする^^;
 後ろにいる人は急がないと追い上げる時間が無い状況、ひとまずはラーソンが主導権を握っていて、逆にロガーノは中団からなかなか上がれず残り20周あたりで外のラインを作ろうとしたものの、仲間が増えなくて援護待ちの状態でした。ところが残り16周でチャステインがロガーノを引っ張る決断をしたことでいきなりこのレーンが急伸。そして一気に隊列に動きが出た結果、さっきまで前にいたラーソンが仲間外れになって今度は外レーンが優勢、ラーソンがいた内側のレーンが人材枯渇で順位が下がりました、タラデガの栄枯盛衰早すぎ。
 ただこの時点でロガーノにとっても居心地の良い環境とはいいがたく、前にいるのはチャステインで後ろがホースバー。そして左隣で争ってる真ん中レーンの先頭はステンハウスで、そのステンハウスを押してるのはテープだらけのハムリンです。速いんだけどあんま近寄りたくない人と、仲間にしてもあんまり役に立たなさそうな人に囲まれているのでロガーノは次の一手が悩ましいところ。そうこうしている間に残り周回数はついに10周を切りました。
 この間、内側で援護が来なくて困っていたラーソンは一旦真ん中の列に戻ったり、また3列目を作りに行ったりして機会を伺っていましたが、ついに残り7周で救いの神としてギリランドが前方に登場、1人が引っ張ってくれるだけで状況が大きく変わってあっという間に前方に追いつきました。ここからとうとう3ワイドバトル勃発!
 ラーソンは残り6周から5周になるトライ オーバルでギリランドを抜こうとしたもののギリランドがブロック。押されたギリランドがスピンしそうになりましたがギリギリ堪えて多重事故は避けられました。ギリランド上手い!と思った次の瞬間でした。

 その外側でロガーノがチャステインに詰まって後ろからホースバーに押されスピン、そして運悪くブリスコーがそこに突っ込んだらロガーノの車が下から掘り起こされたようになって裏返ってしまい、そのまま裏向きで天井を地面に擦りつけたまま14秒ほど滑り続けてようやく止まりました。裏返ったロガーノに目が行きますが、多重事故の過程でハーブストがブレーキを失ったのか内側の壁に向かってほとんど減速できずに一直線に突っ込んで行き、激しく衝突して車が大破、たぶん本当に危ないのはこっちだったと思われます。
 ロガーノはやはり裏返ったまま走り続けた成果、車を降りたら髪の毛が無くなって、いやなんでもないです。そしてハーブストの状態が心配でしたが、左手は念のため包帯でぐるぐる巻きだったもののぶら下がりの取材にも応じ、最後に「父さんがいつも言ってたんだ、頑丈であれってね。」とちょっと笑いもとっていきました。今のところ体は大丈夫みたいです。

 真面目な話、ロガーノは事故の際に無線が壊れたみたいで誰とも連絡がつかず、燃料が漏れてるのが見えたし動けないのでさすがにかなり怖かったそうです。生きていることに感謝し、そして迅速で的確な救助作業を行ってくれたAMRセーフティー クルーに感謝の言葉を述べていました。

 事故処理のため13分25秒のレッド フラッグを経てレースはもう残り僅か、プレイオフ選手が次々と脱落する中でラーソンが無傷のままここまでたどり着いています。諸々の手順を踏んでたら残り2周までにリスタートできないのでレースはNASCARオーバータイムとなりました。チューズの結果内側はギリランド、バイロン、オースティン ディロン、リッキーボビー。外レーンはラーソン、ヒル、ステンハウス、ハムリンです。

 出足が良かったのはラーソン・ヒルのコンビで、2人まとめてギリランドを追い越して内側に降りました。そのままホワイトフラッグを受けますが、かなり前のめりなヒルはターン1~2でお構いなしにラーソンをごつごつと押しまくるヤバい動き、そしてついにターン2出口でラーソンは少し外に膨らんで道が開いた、というかこじ開けたのでヒルが飛び込みました。ラーソンはすぐに閉めようとしたので少し接触しますが、ヒルはちょっとダブル イエロー ラインを跨ぎながらもラーソンの前に出ました。これでラーソンは失速。
 しかしヒルもラーソンと絡んだせいでやや勢いを失ったので外にいたステンハウスが先行、ヒルはギリランドに押してもらいますが、そのギリランドとハムリンが接触し、その弾みでヒルもハムリンと接触。2番手以降がガチャガチャしたのでステンハウスがえらく独りぼっちでターン3に入りました、がこれは前方に投げられすぎて嬉しくないパターン。
 ターン4を立ち上がったところで2位のヒルが2車身ほどの絶妙の距離感でステンハウスのドラフトに入り、これは鬼ブロックでもつれるやつだ!と思ったら次の瞬間になんとヒルがガス欠で失速、うそやろ・・・後続のギリランドはヒルを避ける時にちょっとスロットルを戻した様子、その後ろにつけていたバイロンが来たぞ!ステンハウス逃げ切れるか!

・・・なんか青い車がいる気がする


上手いことすり抜けた!?

(;・∀・)

 バックストレッチで終わったと思わされたラーソン、頑張って走ってたら最後に予想外に全て彼の有利な展開が訪れました。ギリランドを抜く際にダブルイエローラインを踏んでいたので日欧で言うトラック リミット違反ではないかとの指摘もありましたが、タイヤが線を踏んでるけどまたぎ越していないので問題なしとされ、ラーソンがついにドラフティングトラックでの初勝利となる今季3勝目・通算35勝目を挙げました。いや、マジでラーソンが来た意味が分かんなかったですよ(笑)

マーティー「59回目の挑戦にして、カイル ラーソン選手がついにドラフティングトラックでの勝利を手にしました。息子のオーウェン君も駆け寄ってきました。なんとも素晴らしい家族の光景ですね。クリフ ダニエルズも尋ねていましたが私にも聞かせてください。あの周、11番手からトップに浮上する間、どうやって冷静さを保っていたのですか?」

ラーソン「いやあ分かんないっすね。すべてがうまく噛み合って、本当に運が良かったです。ターン1・2では33号車が後ろから押してくれていたんですが、かなりヒヤヒヤする場面もありました。彼には本当に助けてもらったんですけど、これ以上ステアリングを切るとコントロールを失いそうだったので車が外へ流れてしまって、その隙に彼に内側へ入られてしまいました。もちろん彼に非はないですね。
 彼だけでなく、シボレー・GMの仲間たちも一日中ずっと協力してくれました。彼らには本当に感謝しています。おかげでこれまでで最高のスピードウェイでのレースになりました。本当にありがとうございます。ターン2を抜けた時は自分自身に対して腹が立って、もうステアリングから手を離してやろうかと思うほどイライラしてました。(←リプレイを見ると本当に左手を振り下ろして怒る動作はしていたので一瞬片手ではあった)
 ところがよく分からないけどターン4を抜けたところで突然すべてが開けたんです。前の車がターン3でクラッシュしそうになってて、こっちはうまく勢いを維持することができて。信じられないような形でスピードウェイでの初勝利を飾ることができました。家族がここに来てくれているのも最高です。今年、カップシリーズで勝った時は家族がいなかったので、今日は本当に嬉しいです。最高の1日になりました。本当に最高の1日ですね。それにポイントもね……もうヤバいって!ポイントも最高!マジかよ!」

※放送自粛用語全開でした

マーティー「不適切な表現についてお詫びしますが、それにしても本当に嬉しい瞬間ですね。最終ラップで11番手からトップに立っただけでなく、ターン4を抜ける時点でも8番手からトップまで駆け上がりました。リプレイを見てみましょう。一体どうやって成し遂げたのですか?」

ラーソン「どうでしょうね、リプレイを見直してみないと何とも言えないんですけど。さっきも言った通り、ターン2の出口で完全に勢いを削がれてしまって、追い上げる速さが足りてなくて、それでとりあえず今の位置で落ち着こうと思っていたら前の車がクラッシュするんじゃないかという雰囲気になって。33号車がガス欠したみたいで、そのせいで周りの車が外に膨らんで、そこで僕は内側に入り込んで一気に加速することができました。幸い、リッキーがそれをブロックしきれなかくて、いやあ、本当にすごいフィニッシュでした。
 ヘンドリックモータースポーツがワン-ツーで、シボレー勢が上位にたくさんいたことも大きな助けになりました。感謝してもしきれないですね。フィールドの半分くらいが僕を助けてくれているような感じだったからデイル ジュニアになったような気分でしたね。それと、ファンのみなさんも楽しんでいただけましたか?素晴らしいグリーン ホワイト チェッカーだったと思います。あー、何て言ったらいいんだろう、チームのみんな、クリフ ダニエルズ、そしてスポッターのタイラー モーンに感謝したいですね。僕が本当に苦手にしているスピードウェイでずっと辛抱強く付き合ってくれましたから。ファンのみなさんも、僕がスピードウェイで勝てるまで根気強く応援してくれてありがとうございました。タラデガのトロフィーは最高にカッコいいんで、これを持ち帰れるのが本当に嬉しいです。」

マーティー「カイルラーソン選手がこのプレイオフの戦いにおいて、自身の強さを証明するような勝利を挙げました。ここタラデガで優勝し、大きなリードを築いた状態でマーティンズビルへと向かいます。」


 2位はチームメイトのバイロンで3位はステンハウス、外を走っていて内側から猛追してきたラーソンの存在は全く認識できておらず、バイロンの相手をしてる間にもう並ばれてしまってブロックする術がありませんでした。4位はチャステインで、この人がラーソンを押したことが逆転勝利の鍵、「ブランドン マクレイノルズ(スポッター)が5号車を押すように指示してくれて。彼の方が自分よりずっと速かったと思うので、それがすごくよかったと思う。」と4位に満足。5位は今季最上位となったコール カスターでした。
 6位ホースバー、7位は「もうちょっとフォード勢の援護が得られればよかったのに。」と孤立してしまったギリランドで、ハムリン、ボウマン、マクダウルが続きました。兄ディロンが11位、プリースは13位、ヒルは無念のガス欠で14位、弟ディロンが15位でした。彼の15位以内のレースは今年4回目、ちなみに次戦からはクルー チーフが交代するそうです。事故に巻き込まれたプレイオフ選手が後方に沈み、32位以降にブッシャー、ブリスコー、ロガーノ、ベル、エリオット、レディック、ブレイニーと続きました。なおゼインスミスは19位、最下位はメアーズでした。

 そしてドライバー選手権ですが、ラーソン以外ほぼ全滅したのでレース前から状況がまたもや激変。ハムリンは2位に浮上しましたがなんとラーソンと73点差で、ベルが74点差、ブリスコーが79点差、とほぼ似た位置にJGRの3人が並びました。5位のロガーノは100点差と残り2戦では絶望的な数字になっており、ブレイニーは107点差の6位です。8位のシンドリック以下は152点以上の差が付いてしまったので、この段階でチャンピオンは数字上で可能性が完全に消滅しました。
 こうなるとラーソンは最終戦を待たずしてチャンピオンを決めてしまう可能性が出てきました。最終戦にラーソンが出場して最低限の1点を獲れると仮定した場合、次戦マーティンズビルで優勝し、なおかつそれ以外にステージかエクスフィニティー ファステスト ラップで計4点を獲得して計59点を手にすることができれば自力でチャンピオンを確定できます。
 それ以外でも、ラーソンは他のチャンピオン候補より上位で戦えていた場合にはレース終了後に2位以下を76点以上引き離している可能性があり、チャンピオンが決まる可能性があります。昨年までのプレイオフ制度は絶対に最終戦でチャンピオンが決まる制度になっていたのであり得なかった出来事で、2004年からのチェイス制度でもあれほど強いジミー ジョンソンですら一度もありませんでした。最終戦を待たずにチャンピオンが決まると2003年のマット ケンゼス以来となりプレイオフ制度導入以来初めての出来事です。
 

 というわけでタラデガで今シーズンは終了しました()ステージ1での低速走行はNASCARもさすがに想定外の遅さだったと思いますが、ステージ2以降はある程度思い描いた通りのレース展開になって規則変更が上手く行ったんじゃないかと思います。ただNASCARが思い描いた通りになってくれなかったのは、せっかく詰まった点差がほとんど決着がついたレベルに広がってしまったことでしょう。
 もやはあんだけ遅いとステージ1は単なる資源の無駄遣いで最初から200マイルのレースで良い気がしてきますけど、それはさておき選手権で大差が付いてはしまいましたがラーソンの勝ちっぷりは歴史に残りそうなもので、あの距離から戻って来れたのは3.5インチスポイラーの影響もそれなりにありそうです。そもそも曲がれなくてヒルに抜かれたのもダウンフォースが少なすぎたことが大きいだろうから、色んな面でレースに間違いなく影響してました。
 このレースでなんとかラーソンを追い落としたかった他陣営でしたがペンスキーは2枚看板が似たような事故で壊滅、トヨタ勢は連携が今一つで、ハムリンはハーブストやらブリスコーやらがトヨタ同士でちゃんと結束せずに自分の邪魔になったり助けにならなかったりしてけっこう怒っていたようなので、全員が似たような成績、似たような選手権順位で戦っている弊害が出てしまった面はありそうです。そして運が無い。
 マーティンズビルはそれなりにガシガシやりあうことになるでしょうが、あんまり露骨にラーソンを袋叩きにする展開だと問題になってくるでしょうし、ラーソンは意外とマーティンズビルで強いです。ここまで来ると開き直ってプレイオフ制導入以降の最速チャンピオンを見てみたいという気が私はしてきましたね。アントネッリより先に決めてしまえ(笑)

コメント

日日不穏日記 さんの投稿…
アントネッリって😅。フェニックスではすべてが上手く行かなったラーソンが、今回は真逆になった感じ。ハムリンと73ポイント差は、ファステストラップは読み切れないとしても、全ステージ制覇は簡単に出来ないし、ジョー・ギブスの3台がラーソンに4ポイント以上引き離されたら、そこで決まってしまう。ラーソンとしても、バイロン、ホースバーと言うチェイススタンディング下位のドライバーが上位に来たことは幸運でしたね。マーティンビルでは比較的相性の良い、バイロンに、そろそろ優勝して欲しい気が。ステンハウスを少しだけ推していたので、残念。
SCfromLA さんの投稿…
>日日不穏日記さん

 時差的にメキシコGPの方が早いので普通に行けばまずアントネッリがチャンピオンを獲るのが先だろうとは思いつつ、PUが壊れてリタイアでもしたら先送りになってラーソンが先にチャンピオン決めるかもしれないので、もうこれはF1とNASCARの争いです(謎)
 最終戦が消化試合になったらまたすぐにプレイオフ制度が戻るんじゃないか、的なことはこの制度になった時に書いた気がしますけどいきなり消化試合発生の危機で、あんま余計なことを言うもんじゃないなと思いました(笑)