NASCAR Cup Series
「彼と私はここ1年半ぐらい特に問題もなく、お互いにかなり良いレースをしてきたと思います。ですから、いつものように厳しい局面で激しく競り合う以外に特に大きな変化はないと思います。それは誰が相手のレースでも同じですから、大きな変化は感じないですね。」
としてそれぞれが前向きな発言をしています。外野からしたら面白くない展開かもしれませんが()ブレイニーはやっぱりいいヤツですね、さすがはヒゲだ。
ダレルのレースキャリアを通して彼を支えてくださった友人やファンの皆様に彼の健康状態についてご報告させていただきます。この度、ダレルは前頭側頭型認知症と診断され、慢性外傷性脳症を併発している可能性が判明しました。これはおそらく彼のレース キャリア中に負った怪我が原因と考えられます。この病気は進行していくものですが、幸いにも現時点では軽微な症状にとどまっています。そのため彼は今後、公の場から遠ざかることになりました。ダレルは妻のスティービー、2人の娘、そして3人の幼い孫たちと過ごし、幸せで健康に過ごしていますのでご安心ください。皆様の変わらぬ祈り、愛、そしてご支援に心より感謝申し上げます。
ブギティ!ブギティ!ブギティ!
Hollywood Casino 400
Kansas Speedway(Kansas City,Kansas)
1.5miles×267Laps(80/85/102)=400.5miles
Goodyear Racing Eagle Tire Code
Left:D-5284 , Right:D-5290
Total Sets:11(8 new race/1 qualifying transfer to race/2 practice)
NASCAR カップ シリーズ、プレイオフ・"ザ チェイス プレゼンティッド バイ モービル ワン"の4戦目はカンザス スピードウェイ。第19戦・シカゴランド以来約2か月半ぶりというちょっと久しぶりの1.5マイルです。カンザス自体は4月に第9戦が開催されていて今年2度目の開催で、この後に続くラスベガスとシャーロットもやはり1.5マイルで2度目の開催地。そしてシャーロットを終えると今年の1.5マイルは最終戦のホームステッドでシーズンとともに締めくくることになり、ホームステッドはちょっと特殊なトラックではありますが、色んな意味で重要な1.5マイル高速3連戦とでも言えるんじゃないかと思います。
私は完全に見落としていたんですが、第21戦ノースウィルクスボローからNASCARはフロントのスプリッターに支柱を追加して強度を上げる規則変更を行いました。というのも、どうもトヨタ陣営は走行中に風圧によってスプリッターが僅かに変形し、路面との隙間を埋めて高いダウンフォースを生み出す『可変空力スプリッター』のような使い方をしていたとみられたためです。あくまでこれは合法的なもので抜け穴のようなものでしたが、NASCARはより公平性を保つために強度を向上させて変形を阻止しに動きました。
これ以降にもインディアナポリスやダーリントンといったダウンフォースが重要なトラックがありましたが、とりわけトヨタ陣営が強みを見せていた1.5マイルは上記の通り第19戦以来なのでこの仕様でのレースは初めてです。この変形スプリッターがどこまで競争力に影響を与えていたのかについては見極めが必要だと思いますが、少なくとも他陣営は自分たちの助けになると思っているようで、こういった点でも大事な3連戦になりそうです。
一方で使用されるタイヤは前回のカンザスと同じで、1.5マイルでは今年何度も使用実績がある組み合わせになっています。50分間の練習走行を通じて空力性能の最適化を図ることが間違いなく大事になります。特にスプリッターの変形を上手く使っていた人たちはたぶん同じセッティングでは走れないでしょうから、シミュレーションはガッツリやってると思いますが、実走でそれを確認しないといけません。
カンザスは明確にこのラインが速い!みたいなのがなくて車の状態やその時の環境で刻々と変化していくようなので、常に道幅を使った争いが期待できると思います。ただ春のレースの状況ではあんまり速くピットに入りすぎて45周以上を連続して走り続けるとちょっと限界を超えてしまう場面があったので、丁寧にタイヤを使うことと、あとは目先の順位を落としてでもある程度周回数を均等に割った作戦が後々になって上手く行く可能性も考えられます。もちろんその時の路面温度など条件による部分も大きいですが。
・ちょっとしたデータ
春のカンザスを簡単に振り返ると、速かったのはタイラー レディック、デニー ハムリン、クリストファー ベル、カイル ラーソンの4人。比較的タイヤに厳しいレース展開で、レース終盤はハムリンがアンダーカットして前に出たものの古いタイヤで防戦に回り、残り10周でレディックが抜いた!と思ったら残り3周で燃料が無くなってハムリンが抜き返した!と思ったら残り2周でコーションが出てオーバータイム突入。リスタートからの争いを制したラーソンが勝った!と思ったら猛烈に巻き返したレディックが最終周に逆転して、第9戦にして5勝目を挙げました。普通はこういうドラマって多くて2つぐらいのもんですけど、1レースで何回起きたんでしょう(笑)それと現状でレディックの最後の優勝がこのレースですね。
このレースのトップ10はレディック、ラーソン、チェイス ブリスコー、ハムリン、バッバ ウォーレス、ブラッド ケゼロウスキー、ウイリアム バイロン、チェイス エリオット、タイ ギブス、クリス ブッシャーでした。カーソン ホースバーも13位と健闘しましたが、ライアン ブレイニーが1周遅れの24位、ジョーイ ロガーノは2周遅れの30位とチーム ペンスキーの2人が苦戦しました。
そのカンザスを含めた今シーズンの1.5マイルは5戦開催されており(エコー パーク スピードウェイは除く)これらの結果を見ると最も平均順位が良いのはハムリン。ラスベガスでの優勝を筆頭に全て4位以内で平均順位が驚異の2.6です。これにバイロンが平均6.2で続いています、バイロンは今季未勝利のままシーズン終盤に来てしまいチャンピオン争いから脱落寸前という感じですが、1.5マイル3連戦には最後の望みがありそうです。
以下ウォーレス、アレックス ボウマン(ラスベガスは体調不良で欠場)、レディック、ダニエル スアレス、エリオット、ブレイニー、ギブスの順。レディックの平均があんまり良くないのはシカゴランドで『破片がグリルに刺さってラジエーターに穴が開く』という不運でリタイアした影響も大きいんですけどね。
一方、前回の最後にも少し書いたと思いますがペンスキーはショート トラックで強い一方で1.5マイルには苦戦しており、オースティン シンドリックは平均順位19.4で全体18位、ロガーノは20.4で全体20位となっており、ロガーノはプレイオフ出場選手で最も悪い数字になっています。ちなみに最近絶好調のジョッシュ ベリーも平均29.8で下から4番目、コディー ウェアーとどんぐりの背比べな数字です。
また、Gen7車両で開催された過去9回のカンザスで見るとラーソンが平均順位5.8で最良、2勝を含め6回のトップ5フィニッシュを記録しています。ハムリンも1勝を含めて全ドライバー中最多となる7回のトップ5で平均7.1です。そして昨年のこのレースの勝者・エリオットが平均9.9で3番手、彼にとってカンザスは通算成績でも通算6回以上出場しているオーバルの中ではドーバーに次いで2番目に成績が良く好相性を誇ります。エリオットは直近5戦でトップ10フィニッシュがなくて存在感が薄くなっていますが、バイロン同様に巻き返しを狙うきっかけとしたいところです。
いずれもしてもジョー ギブス レーシング + 23XI レーシングとヘンドリック モータースポーツが争いの中心になる可能性が高そうですが、そこにペンスキーがこの2か月半でどの程度戦える車をシミュレーションから考えてきているか、そしてJGRはスプリッターが補強されても同じ競争力を保てるか、というのがチームごとの勢力図で見た図式だと思います。ホースバーもかっ飛ばしてくると思いますが、暴れないことを願います。
・レース前の話題
最初に、先週のレース後に大乱闘になったブレイニーとホースバー、後にハムリンのポッドキャストに出演したブレイニーが当時の状況を冷静に振り返って正直に話していましたが、その甲斐もあってひとまず騒動は収まりそうです。取材を受けたホースバーはブレイニーについて
「僕らはいい関係を築いてきましたし、ライアンはガレージの中でも最高にクールだと思いますよ。だって彼はクールな口ひげを生やして、タバコを吸って、ウイスキーを飲んだりしてるわけでしょ?まさに『それらしい』雰囲気がありますよ。だから、彼が出演したのを見てますますファンになりました、『ああ、あれは本当に尊敬できるな』ってね。目を冷やしたりして大人しくしていることもできたのに、彼は表に出て来たわけですから、その姿勢に心から尊敬します。それに彼にぶつけるつもりなんてなかったですし、今振り返れば彼がちょっと突き飛ばして怒鳴りつけたいと思った気持ちも100%理解できます。お互いの姿は見えていたはずですけど、あの瞬間にそこまで冷静にはなれないですよ。どうしても最悪の事態を想定しますから。」
と大人の対応。ブレイニーの方も
としてそれぞれが前向きな発言をしています。外野からしたら面白くない展開かもしれませんが()ブレイニーはやっぱりいいヤツですね、さすがはヒゲだ。
続いて契約の話題ですが、ケゼロウスキーのクルー チーフを務めていたジェレミー ブリンズが『新たな機会を求めるため』としてシーズン終了を待たず即座に退職することになりました。結果として、その僅か2日後にレガシー モーター クラブがブリンズとの契約を発表し、来シーズンからライリー ハーブストのクルーチーフに就任することが発表されましたので、先に移籍が決まって、じゃあ情報漏れとかも嫌なんで今すぐお別れですね、という感じでしょうか。
Wikipediaによればブリンズは1999年にウッド ブラザーズ レーシングでエンジニア職を開始し、その後は一時リチャード チルドレス レーシングで仕事をした後に2011年にペンスキーへ。ペンスキーを通じて提携先のウッドブラザーズで仕事をしてブレイニーのクルーチーフを担当した後、ペンスキーに戻ってケゼロウスキーなどを担当。その後2025年になってRFK レーシングに転職していました。なおブリンズの即時退職にともない、ケゼロウスキーは今週からマイク スカーボウスキーという人が担当クルーチーフになります。
オライリー オート パーツ シリーズからも1つ、今シーズンまで2年間はハース ファクトリー レーシングに所属していたサム メイヤーが来シーズンはJR モータースポーツと契約したことが発表されました。メイヤーは2024年まで3年間JRMに所属していたので3年ぶりの古巣復帰となります。JRMはサミー スミスと契約しないことを発表していましたので、スミスが抜けてメイヤーが入ることになります。なんかサムメイヤーとサミースミスって私の中でよくごっちゃになるんですよね^^;
ちなみにメイヤーの主要スポンサーで今回いっしょに付いて行くことを発表したのがスターキーという補聴器などを作っている会社なんですが、ここの社長はブランドン サワーリッチという人です。苗字を聞いたらピンとくるかもしれませんが、JGRに所属しているウイリアム サワーリッチのお父さんですね。
最後に少し寂しいニュース、カップシリーズで3度のチャンピオンを獲得して通算84勝、引退後は「ブギティブギティブギティ!」の掛け声で解説者としても人気を博したダレル ウォルトリップとご家族が声明を発表。
ブギティ!ブギティ!ブギティ!
として、前頭側頭型認知症と診断されたことを発表しました。軽く調べたところだと前頭側頭型認知症は『4大認知症』の1つとされており、アルツハイマー型のように脳の記憶に関する部分が委縮するのではなく人格や社会性と言った部分をつかさどる部分が委縮するため、物忘れよりも先に行動や気分といった部分で症状が出やすいとのこと。アルツハイマー病全体では1%程度がこの型になるそうです。今後は、稀にゲスト解説で現れて「ブギティブギティブギティ!」を披露するような機会も無くなりそうですが、DWがご家族とともに可能な限り健康に過ごされることを願っております。
・ARCA Menards Series Menards 150
ARCA メナーズ シリーズの最終戦、ドライバー選手権1位・ジェイク ボールマンと2位・トーマス アナジアータが文字通り激突しました。16周目のターン1で内側にいたボールマンが滑って、たまたまそこにいたアナジアータに命中し両者スピン。すると今度は24周目、ちょっと報復にも見える動きでアナジアータがボールマンを押してスピンさせました。しかし、ぶっちゃけARCAで上位争いできる車は一握りで放っておいても上位に来るので依然として選手権はボールマン有利、だったんですが悲劇は41周目。
ボールマンの目前にいきなりスピン車両が現れて衝突、さらにこれを避けれなかった後続車両に衝突されてボールマンの車は大破。その現場の脇をアナジアータがすり抜けて行きました。5位以内が逆転チャンピオンの条件となったアナジアータ、残り6周でまさしくその5位になってそのまま走り切り、同点のタイ ブレイカーによってアナジアータが2026年のARCAシリーズチャンピオンとなりました。
レース後のアナジアータは「彼をスピンさせるつもりではなかった。」と接触は判断ミスで、なおかつ決定打となったのは周回遅れとの衝突だったので「彼からタイトルを奪ったのは自分ではない」、という主張。一方のボールマンは「彼は無実ではない。」とし、さらに別のぶら下がり取材では「二度と彼とは話さない。」と口にしたそうです。一応この2人はチームメイトなんですけど、まあ登竜門カテゴリーでの所属なんて短期の関係なのでね。将来カップシリーズでぶつかる日を楽しみしてまーす(笑)
なおこのレースの優勝はカーソン ブラウンで今季4勝目、唯一の日本人選手・古賀 琢麻は4周遅れの13位でARCA全国シリーズの全20戦を走り切り、選手権では4位でした。
・Craftsman Truck Series RaceToStopSuicide.com 200
クラフツマン トラック シリーズのプレイオフ第2戦。自殺予防啓発団体がスポンサーで、その活動を主導しているのはダニエル ダイのお父さんです。雨により指数方式予選となったレース、圧倒したのは4番手スタートのケイデン ハニーカットでした。残り20周で発生したコーションで4輪交換したため、ステイ アウト/2輪交換の選手に埋もれたハニーカットでしたが全く関係なし。結局134周のうち111周をリードする圧巻の走りを見せて第8戦・ワトキンスグレン以来の今季3勝目を挙げドライバー選手権1位になりました。
対抗する速さを見せたのはレイン リッグスでしたが指数予選で22位スタートだったことが影響。ステージ2までには2位に上げたもののステージ間コーションのピット作業で失敗してまた後方に戻り、それでもまた2位まで巻き返してコーションで2輪交換を選択する勝負に出ましたがハニーカットとは戦えませんでした。それどころか最後まであきらめずに攻めすぎたことが災いして残り3周で壁にぶつけてしまい、2位で終われそうだったレースがまさかの19位に。ドライバー選手権で1位から陥落し、逆にハニーカットを35点差で追う立場となりました。次回のトラックシリーズは再来週のシャーロットです。
・カップシリーズ予選
なんと練習走行と予選がまたまたまた雨になってしまいました、プレイオフが始まってからの4戦中3戦で実施できておらず、当然ながら指数予選方式に。ポールポジションはロガーノが獲得し、ラーソン、ベル、ホースバー、ギブス、ハムリン、ウォーレス、バイロン、ライアン プリース、ベリーのトップ10。11位シンドリック、12位ブッシャー、14位スアレス、15位レディック、18位エリオット。先週トラブルに泣いたブリスコーは23位から、そしてクラッシュしたブレイニーは25位となっています。
練習走行が無かったのはひょっとするとJGR勢にとっては不安要素かもしれません。今週末は全レースが雨により予選が実施されない状態で、日曜日も天候は不安定みたいなので影響があるかもしれません。
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コメント
SHR潰しの変更ありましたね~、リアのホイールハウス内の細工がレーザー計測車検だと判断できないから、って人が調べる方法に戻したら効果てきめんでSHR遅くなったんですよね^^;