NASCAR プレイオフ 第3戦 ブリストル

NASCAR Cup Series
Bass Pro Shops Night Race
Bristol Motor Speedway 0.533miles×500Laps(125/125/250)=266.5miles
competition caution around Lap 40
winner:Joey Logano(Team Penske/Shell-Pannzoil Ford Mustang Dark Horse)

 NASCARカップシリーズ・ザチェイス第3戦ブリストル。ブリストルと言えばリング アナウンサー・マイケル バッファーによるスタート コマンドが一時期名物になってましたが、今回はレース開催に合わせてプロレスのイベントそのものを開催したそうです。野球をやるよりは遥かに設営は楽でしょうね。さてここからはプロレスラーではなくドライバーの出番、、、

 棚橋 弘至でも出て来たのかと思ったらレディックでした。プロレスのノリかと思ったらそうではなく、8月25日に亡くなった女優/シンガーソングライター・ドリー パートンへの追悼の意味でした。レディックは2019年のオライリーシリーズ・春のブリストルで彼女のレコード会社がスポンサーになっていて、ドリーさんがデザインしたというピンク色の印象的なカマロを使用していた縁からドリーさんを思わせる長い金髪で登場したそうですが、ふざけてるようにしか見えないのは日本人の感覚なんでしょうか(笑)
 なお当時のレースでレディックは予選も決勝も2位、優勝はベルでした。ボンネットに彼女の写真がそのまま描かれてたのでぶっ壊したら大ごとですごい緊張感だったんじゃないでしょうか。

 レディックのセンスは置いといて、前日に予定されていた練習走行と予選が雨で全くできなかったので、コンペティションコーションが40周目あたりに設定されました。一時期はぶっつけ本番でもコンプコーションを設定しないのが当たり前、というかCOVID-19が収まらない時期は全レースぶっつけ本番だったので、このあたりは情勢に合わせて柔軟にやってますね。さあ、ディスイズブリストル!レッツゴー!

・ステージ1

 本当に速いのが誰なのか分からない条件ですがスタートからラーソンは快走。一方レディックはハンドリングが最悪な様子で抜かれまくっています、今回レディックは青白のシリウスXMスキームな上にボンネットに大きく書かれた『S』が空撮だとラーソンの屋根に描いてある『5』とも似てるのでけっこう紛らわしいんですよね。とか言ってたら棚橋レディックは40周ももたずに周回遅れになってしまいました、ラーソンを先頭に40周を超えたところでコンペティションコーションです。

 このコンプコーションではチームペンスキー全員を含め7人がステイアウトを選択、タイヤの摩耗状況を知るためにとりあえず4輪交換する、というセオリーの裏をかいてきました。ただしブリスコーはピットからの連絡が遅くて入れなかったのが理由で、「遅い、もう通り過ぎたよ。」と伝えるブリスコーに対してクルーチーフのジェイムス スモールは「分かった、問題ない。」
 49周目のリスタート以降はステイアウトしたロガーノ、シンドリック、ブレイニー、ブッシャーの4人が4輪交換したラーソンに抜かれることなく周回を重ねていましたが、94周目にジョーンズの単独スピンでコーション発生。ロガーノとシンドリックはここもステイアウトした一方でブレイニー、ブッシャーはピットに入って戦略が分かれました、たぶんここで入ったらステージ2でフリップでしょうね。なおここではラーソンがギリギリすぎる指示でピット間に合わず。
 102周目にリスタートすると、スタートから使い続けている古いタイヤでロガーノが見事な走りを見せてラーソンを抑えこみ、そのままステージ1を制しました。ステージ順位はロガーノ、ラーソン、ハムリン、チャステイン、ギブス、ブレイニー、シンドリック、ホースバー、ケゼロウスキー、ウォーレスのトップ10。レディックは33位で全くフリーパスが得られない状況が続きます。

・ステージ2

 2回目のコーションでピットに入った人はやはりステイアウトを選択。137周目にリスタートしてブレイニーがあっさりと抜け出すことに成功しました、外側を走る人が増えて来たのでトラクションコンパウンドの利点がだいぶ消えて来たようです。明らかに路面が白くなってる箇所があってハゲてしまってるので、トラクションコンパウンドはタイヤ1本ズラしたラインを通るなどしないと効果が出ませんね、お皿に残った残り少ないソースを付けて食べるみたいな感じ(?)
 そしてこのステージは何も起きずに100周以上ぶっ通しになり、ブレイニーは2位に3秒以上の大差で独走。そしてステージ残り3周でコディー ウェアーが軽い接触によってスピンしてコーションが出たため、ステージ2は繰り上げ終了となりました。ステージ順位はブレイニー、ギブス、ロガーノ、ベリー、ベル、ウォーレス、ホースバー、バイロン、ラーソン、ブッシャーのトップ10でした。

 ブレイニーが速すぎたせいでリードラップ選手はたったの14人になっており、プレイオフ選手以外でリードラップに残ったのはベリーとチャステインの2人。エリオットは周回遅れ、棚橋弘至は2周遅れで全然ダメですね。うーむ、タイギブスはそんな好きじゃないけど今日だけはM&M'sとカイルのために頑張ってほしい気もする、けどブレイニー推しだから悩ましい・・・

・ファイナル ステージ

 周回遅れを大量に挟んでいたのでブレイニーはピットも悠々と先頭で脱出。一方で中団から抜けられなかったラーソンにはさらなる追い打ち、ピット入り口でちょっとした玉突き事故が起きてバイロンに追突してしまい、ボンネットがぐにゃっと曲がったせいでルーバーの立てつけがおかしなことに。空気の流れが悪くなればダウンフォースに影響する可能性があります。またここまで健闘してステージ2で12位だったシンドリックは給油の問題で2度ピットに入り後方へ。

 262周目にリスタートしてブレイニーが抜け出しますが、20周ほどするとギブスが接近。ここから周回遅れをかきわけながら30周以上にわたってブレイニーはリードを守りましたが、325周目にとうとうギブスが抜いてこのレースで初めてリーダーに。ただ抜かれたブレイニーも離されず、ギブス君がちょっと周回遅れにひっかかるだけですぐに真後ろに現れます、これはかなりの好レース。
 そのまま380周目あたりからアンダーグリーンピットサイクルとなり、リーダーのギブスは387周目にピットへ。ブレイニーは周回遅れの集団にハマっていて速いとは言えないんですが、結局397周目まで引っ張ってようやくピットへ、

 入ろうとした瞬間にハーブストが回りました。ブレイニーはピットのコミットメント ラインを超えてからクルーチーフの指示でトラックに戻ってしまいます。コーション発生時点で大半の選手はもうピットを終えて周回遅れになっておりリードラップ選手はブレイニーとホースバーだけ。ブレイニーはコミットメントライン違反で隊列後方ペナルティーを受けるので、リスタート順位は意味不明な事態に見舞われました。

 まともなリードラップ選手はホースバーだけ、その後ろにいる5人はコーション中にピットに入った周回遅れたちです。その後ろ、4列目にフリーパスによってリードラップに戻ったギブスがいて、そこから後ろの人が全員ウエイブアラウンド=コーション中にピットに入らなかった面々となります。で、ブレイニーはペナルティーで隊列最後尾からのリスタートになるため、この長い列の後ろに回りました。リードラップ選手であることに変わりはなく順位とすれば9位なんですが、さっきまで1位を争っていたギブスまでに数十台の車が挟まりました。

・ブレイニーはどうすればよかったの?

 ここで先にちょっと解説、不運にも順位を下げたブレイニーですが結果から言えばペナルティーは回避できた可能性がありました。ブレイニーがコミットメントラインを通過した時にはまだコーションは出ておらず、ピットに入った直後にコーションが出ました。

ジョナサン ハスラー「イエローだクソ戻れ戻れ!うお、もうコミットメントライン超えてたんか。」
ブレイニー「そうだよバカタレが!」

 ブレイニーがピットに入った瞬間にはまだピットは開いていたので、作業をしても問題はありませんでした。作業してピットを出た時にリードラップに残れるかはペースカーとの位置関係にもよりますが、ウエイブアラウンドは確実にできるのでペナルティー最後尾よりは遥かにマシでした。普通にピット作業をやってしまえば問題なかったわけです。
 また2つ目の方法として、コーション中のピット作業に該当するかどうか瞬時に判断ができないようであれば、何もせずそのままピットを通過するという手法もありました。とりあえずリードラップにさえとどまって再合流できれば、ホースバーには抜かれますけどリードラップ選手は他にいないので2番手リスタートは可能でした。ただこの場合、万が一ピット通過後に周回遅れだと、条件的にピットには入らないと燃料とタイヤがもたないのでウエイブアラウンドできない=周回遅れ固定になってしまう、という不安要素もあります。
 
 瞬時にどこまで判断できるのかは難しい話なので安易な批判はできませんが、結果論としては条件反射で「戻れ!」と言ってしまったクルーチーフと、そう言われて条件反射で戻ってしまったドライバーの双方の僅かな間違い、ほんの少しタイミングが違えば絶対起きなかった不運が生んだ損失と言えそうです。
廊下に立たされるブレイニー

 406周目にリスタート、ホースバーにはリスタート時に争う相手がいないので楽々とリードを奪いますが、集団を抜けたギブスが追いかけてきます。ホースバーは内側に下りてトラクションコンパウンドを踏み損ねて滑る、みたいなけっこう細かいミスが多くて安定してないように見えますね。とか言ってるうちに431周目、周回遅れにハマったホースバーにあっという間に追いついたギブスがホースバーを抜きつつ周回遅れの間に突っ込んで行きますが、

 明らかにヤバい場所に突っ込んで予想通りクラッシュ。ボウマンが被害者になりますがギブスの車はそんなに影響がなく、事故を起こしながらリードを奪いました。このコーションでホースバーはピットに入って2輪交換、ギブスはステイアウトを選択しブレイニー、ラーソンもステイアウトで続きます。
 442周目/残り59周、ギブス/ロガーノの1列目でリスタートしてハリケーンは3列目から。すぐさま爆発力を発揮したホースバーはたった2周でギブスを大外刈りして仕留める寸前でしたが、中団でバイロンがスピンしたためコーション発生、幻のオーバーテイクに。

 ホースバーは1列目の内側に並ぶより外を走ることを選び2列目へ。450周目にギブス/ラーソンの1列目でリスタートしますが、ホースバーはすぐに2位になったものの案外ギブスを捕まえられません。内側が速そうなので自分も下に降りたりしますが、たぶん左側のタイヤがあんまり支えになってなくてまたトラクションコンパウンドの効く場所を外してます。456周目にズルっと滑ってブレイニーに並びかけられました。
 457周目のターン2で内側から抜いたブレイニー、立ち上がりで巻き返すホースバーが内側に入って来て並走されると時間を食うことになって面倒なので、すぐにバックストレッチで内側に動いて頭を抑えようとしますが、まだ車両長の内側にホースバーがいました。そしてホースバーは一歩も引かなかったので、当たり前ですがターン3への入り口で完全に交錯。
 

 ブレイニーが回りました、そのままクラッシュしてブレイニーのレース事実上終了。ホースバーの車は意外と無事っぽいです。ホースバーがそこらじゅうで事故ってるのでこれもホースバーのせいだと思いがちですが、基本的にオーバルのマナーとしては相手がまだ自分の車両長の範囲内にいる、いわゆるクリアーになっていない状況では走路を残して相手に反撃の機会を与えるのが一般的、ブレイニーの動きはやや強引でした。解説でも言われていましたが、ホースバーの選択肢は

1 引く
2 ブレイニーを叩き潰す

の2つしか無く、引かずに後者を選んだわけです。これだけ聞いたら悪いのがホースバーに聞こえるんですが、本来であれば『内外を入れ替えて攻防を続ける』という選択肢が用意されていなければならず、この2択にしてしまった責任がブレイニーにもあります。事故はホースバーが引かなかったことで起きましたがそれはホースバーだけが悪いことを意味しない、というのがNASCARにおける基本的解釈で、この事故はお互いに最後の2周でやるような動きを40周も残っているうちにやってしまったどっちもどっち案件だと思いました。

 たぶん現地のお客さんも騒然としていると思いますが、ギブス、ホースバー、ラーソンのトップ3に変化はなくリスタートの並び順もまた同じ選択。よって446周目のリスタート後もさっきと似たような展開でしたが477周目にエリオットの単独スピンでコーション。残り周回数が少なすぎて上位勢は今さらピットに入れずステイアウトして484周目/残り17周でリスタートし、またもや同じような展開、と思ったら翌周のターン4でギブスが滑りました。
 完全に加速が鈍ったギブスに対してターン1でホースバーが懐へ飛び込み、とうとうホースバーが!と思ったらまたもやその直前にコーションが出ており、幻のオーバーテイクその2になりました。アンチホースバーの人からすると『スピンしたA.J.アルメンディンガーよくやった!』という感じでしょうか(笑)ぱっと見はコーション時点で完全にホースバーが前に出ているように見えるんですが、コーション発生時の順位というのは『コーション前に通過した最後のスコアリング ループ』とされています。

 ブリストルはこうやってスタート/フィニッシュを含め8つの区間に分けられており、コーションが出た時点でトップ2はターン2出口あたりにいたので、たぶん基準になったのはスコアリングループ1か2です。ターン1~2の途中まではまだギブスの方が前にいましたので、その先で明確に前に出ていても規則としてはホースバーは2位として記録されてしまいます。このあたりはホースバーも運が無いですね。

 そして気づけば残り9周となる492周目にリスタート、ギブスがターン1であまり速くなかったのですぐにホースバーと並走になり、外ラインを手にしたホースバー優勢の展開。やや劣勢のギブスは翌周のターン4で少しタイトになってホースバーと接触し、ホースバーはものすごい反応でスピンを避けつつもターン1で内側をブロック。すると今度はギブスが軽く後ろからコツン。危険な雰囲気が漂う若造2人の争いを後ろで見ていたラーソンがごっつぁん、しようにも行き場がありません。ホースバーが勝って大ブーイングか、やはり今日はギブスの日か、それともこのバトルの結末は壮絶なダブルクラッシュか!?

 ロガーノどこから出て来たんだ!(笑)4番手で様子を見ていたロガーノ、若造が熱くなりすぎて外へ外へと広がっていき、ラーソンも引っかかってるのでがら空きになってる内側からすっと前に出てきました、そう、まるで通勤ラッシュにポケットからスッと財布を抜き取るスリのよう(失礼)。そのままロガーノが1秒以上の差を付けて逃走し、第24戦リッチモンド以来の今季3勝目。調子を取り戻したハゲに対して会場では大ブーイングが起こり、そしてその裏ではブレイニーとホースバーが大乱闘になっていました。とりあえずはロガーノのインタビューから。

マーティー「今夜のブリストルはまさに大混乱で​​す。ピットではライアン ブレイニー選手とカーソン ホースバー選手が揉み合いになっていますけども、そして23歳の若手同士が争う中で優勝をさらったのはベテランのジョーイ ロガーノ選手でした。ジョーイ選手、あんなふうに道が開けるなんてこと、今までありましたか?」

ロガーノ「ブリストルの皆さん、歓声はしっかり届いていますよ。いやあ最高です。本当に素晴らしい車でした。チームペンスキーが最高の車を用意してくれました。最初のステージを制することができましたし、終盤は激しい展開になることは分かっていましたから、適切なタイミングで適切な場所にいられたって感じですね。」

マーティー「ブーイングです、ジョーイ選手、ブーイングが飛んでますよ。」

ロガーノ「構いませんよ。22号車を応援してくれる人たちもたくさんいますから。アンチの皆さんも含めてね。」

マーティー「さて、週末を迎える前に『20点差にしなきゃいけない』と仰ってましたが、現在16点差です。22号車のこの快進撃を予想していましたか?」

ロガーノ「もちろんですよ、車の調子は良かったですしどんどん良くなってましたから。ポールは素晴らしい仕事をしてくれましたし、ジョーも素晴らしかったし、ピットクルーも優秀でした。最高のチームです、チャンピオンシップの取り方を知っているチームですからね。あの時は「まあ今夜は3位か4位ぐらいかな~」とか思ってたんですけど、みんな外に行っちゃって「やった~、メリークリスマース」って感じでした。まさに贈り物をもらった気分ですね。ブリストルのナイト レースに勝るものはないですよ、レース カー ドライバーとしてこれほど最高なことはありません。ファンの皆さんの前で、叫び声や歓声、時にはブーイングも聞こえてくる中で走る、それもまたいいもんですよ、本当に最高です。」

マーティー「ジョーイ ロガーノ選手、まさに22号車にとってのクリスマスプレゼントとなりました。今夜のブリストルは本当に波乱の決着でした。」

この表情、もはや芸人の域

 ポール=クルーチーフのポール ウォルフ、ジョーというのは現場でクルー登録されている人ではなく、たぶん車両動作解析などを担当するエンジニアのジョー ビッソンだと思います。2位は「トップ5に入るような車ではなかったが粘り強く戦ったことを誇りに思う。」とラーソン、3位は


 ブレイニーをぶん殴ってるこの人でした。4位ベル、5位ギブス、そして6位にプレイオフ選手ではないベリー、ここ8戦で7度目のトップ10フィニッシュだぞどうなってるんだ(笑)ウォーレス、ハムリン、バイロン、プリースのトップ10で、11位シンドリック、12位チャステインまではリードラップでした。ハムリンはこれで28戦連続リードラップフィニッシュのおそらく歴代最多タイ記録ですね。
 13位にブッシャー、14位スアレス、もう今日は30位以下だろうと思っていたレディックはコーション連発で多少救われたのか3周遅れながら18位でした。エリオットは23位、ブリスコーは最後のリスタート後に突然車が壊れてピットに入ってしまい、どうやらサスペンションが壊れたらしくて痛恨の27位、クラッシュしたブレイニーは痛すぎる33位でした。
 ドライバー選手権ではハムリンがついに陥落してラーソンが1位に浮上しました、ハムリンは僅か1点差の2位です。ロガーノが急浮上して16点差の3位、ブレイニーは52点差の6位へと大きく後退しました。昨年までの制度で言えば次戦からラウンド オブ 12になるわけですが、実際ポイント13位のバイロン以下は1位ラーソンから120点以上の差が付いているので振り落とされつつあるのは間違いなさそうです。でも11位シンドリックから16位スアレスまでたった18点差なので、チャンピオンに届かなくてもドライバー/オーナー選手権争いはどの順位でも激戦です。

・大乱闘NASCARブラザーズ

 さあそしてロガーノの優勝をかき消す大乱闘、リチャード ペティー曰くこっちが取り上げられすぎてロガーノが優勝したのに気付かなかったそうですが(絶対話を盛ってる)、後にブレイニーがハムリンのポッドキャスト番組に出演して振り返ったところによれば、基本的には胸ぐらをつかんで文句を言うぐらいのつもりでホースバーの方へと向かった模様。でも実際はそう簡単につかめず手で突き飛ばしただけみたいになってます。

 ホースバーからすると殺気立ったヒゲが迫ってきていきなり突き飛ばされたら『やられる前にやれ』な感じになったみたいで殴りかかりました。ブレイニーをわりとまともに2発ぶん殴り、その後はお互いに周囲の人たちから引き離された、と思ったらブレイニーがそれを上手くかいくぐってしまい、もう1回ホースバーに近づいて反撃の一発。この後もしばらく一触即発でした。


 現役選手がラジオをやってて、他の現役選手が出てきて乱闘騒動について振り返ってしゃべる、ということ自体が日本では考えられないどころか日欧のレース文化にあんまりない気がするんですが、それはそれとしてブレイニーはハムリンのポッドキャストで冷静に当時を振り返ってちょっと反省しているようです。普段なら何かあったらその時に怒って徐々に落ち着いて行くのが、この時はなぜか逆でクラッシュした時は意外と冷静で、そこから時間とともに段々怒りが沸いてきて、そして大乱闘になりました。接触そのものに関しても

「どちらも引こうとしなかった。僕はボトム ポジションを欲しがっていたし、彼もそこにいたかった。結局は僕が飛ばされてしまった。だから両者に非があると思います、彼が100%悪いとは思わないし、僕も100%悪いとは思わない。ブリストルで2人の男がボトム ポジションを巡って争っていただけだと思います。」
 
 つまり私の見解と一致してるということですね(え)ただ、チェイスを制するための戦いという意味ではブレイニーがあそこまで危険を冒してホースバーに絡んでしまったのは判断ミスと言えると思いました。振り返ると、上に書いた通りそもそもは辺なタイミングでの不運なコーションとペナルティーで勝てるはずの立場から隊列後方へ島流しされたことがこの接触の遠因とも言えますから、、、悪いのはハーブストだ()
 冗談は置いといて、たぶんその部分の苛立ちというのも根本にあって、本来なら優勝争いしてたのに、何でこの時点でまだ3位なんだ、お前なんかに構ってる暇はない、さっさとギブスと勝負させろ、というのがあの動きに繋がっていったんじゃないかと思います。なんというかバーサーカーモード的な思考で走ってしまい、それが事故って一回ゼロになり、時間がたって脳ミソが復活してきたらリタイアしたことに腹が立ってきた、というような流れが想像できます。制度が変わってもプレイオフにブリストルを置くとやっぱりこうなるんだなあと思いましたね。ちなみに来年のブリストルは夏休み明けの第23戦で8月、レギュラー シーズンになっています。

 また、この乱闘が起きている最中にはギブスがふざけてペットボトルを現場に向かって放り投げました。当たり前ですけどあんだけ人が密集してたら現場にいた関係者に当たってしまい、もし目にでも当たって失明でもしたらどうする、ということで次の週末にNASCARからのお呼び出しがかかっています。当たったのはアラン カバンナというリポーターの方で、動画撮影していたらボトルが当たったようです。なお乱闘とボトル投げの現行犯3人ですがペナルティーは課せられませんでした。

 今年のいわゆる夏の甲子園で優勝した智辯学園和歌山高等学校の監督・中谷 仁はかつて智辯和歌山のキャッチャーとして全国優勝し阪神タイガースにドラフト1位で指名された選手でしたが、プロ2年目にチームメイトが「携帯鳴ってるで。」と軽い気持ちで放り投げた携帯電話が目に当たり視力が低下。失明の危機から奇跡的に回復はしたそうで2012年まで現役を続けましたが、選手生命に影響した可能性は否めません。
 ちなみに阪神では1962年、700試合連続フルイニング出場の日本記録を継続していた三宅 秀史がすっぽ抜けたキャッチボール球が目に当たって視力が低下、選手生命を断たれたという歴史があります。顔面をぶん殴るのはもちろん危ないですが、軽い気持ちで放り投げたものでさえ他人の人生を奪いかねないということは読んでいるみなさんにも肝に銘じていただきたいと思います。ホースバーもいきなり顔はさすがにあかんと思う・・・
 魂は細部に宿るじゃないですが、ギブス君はこういう軽率なところがやはり散見されるので、人間的にもっと成長しないと選手としてはこれ以上にはなれないと思いますね。運営にもチームにもここは厳しめに叱ってもらって、けが人が出なかった幸運に感謝しつつ今回のことを肝に銘じて人として成長するきっかけにしてもらいたいと思います。
 

 レースとしては、グリーンフラッグ長めのレースかと思ったらまさかの展開で乱闘を抜きにしても非常に面白かったです、あそこまで見事に道が開いて後ろで見ていた人が持って行くレースって年1回ぐらいのオモシロパターンですね(笑)速い人が予想通り速い、その中で速さと運を全部持ってたのが今回はたまたまロガーノだったわけですが、チャンピオンシップを考えても非常に大きな勝利。プレイオフ開始時点で『現実的には第6シードのベルぐらいまでの争いだろう』と書いた私の予想は早くも崖っぷちです。ロガーノにはブーイングの嵐でしたけどホースバーが勝ってたらあんなもんじゃ済んでないでしょうから、ロガーノでよかったですね(謎)
 ただ、ここからの3戦はカンザス、ラスベガス、シャーロットと1.5マイルの3連戦になります。ペンスキーはブレイニー以外どうも高速トラックであんまり上手く行ってない傾向があるので、ロガーノとするとチャンピオンに向けては大きな関門。逆にプレイオフ序盤戦であまり上手く行かなかったハムリンにとって1.5マイルは稼ぎどころで、同じくラーソンも基本的に得意分野です。この3連戦を終えるとかなりチャンピオン争いの形が見えるでしょうし、単純に1.5マイルはやっぱ爽快で楽しいので今からけっこうワクワクしてます。

コメント

日日不穏日記 さんの投稿…
3人のバトルに乗じて、インからすり抜けるハゲは、年齢を重ねて(36歳)、3度の戴冠を経て、上手い事、勝利を勝ち取るのは、「頭もレースも丸くなった」と言う気がします。フォンタナでのスチュワートとの乱闘、コンタクトで殴り込んできたカイルをボコボコにしたり、ハムリンを挑発するような仕草で、乱闘になったりとか、色々ありますが、ホースバーとブレイニーのインシデントは、ジャッジは難しいですが、迫ってくるマリオに2発。激昂したマリオが1発やり返していますが、あの場面で先に手が出るのはマズいです。バッファーのスタートコマンドは楽しみでしたが、WWEのイベントがあったのかな、棚橋弘至は引退したので、中邑真輔の方が良いと思います(どうでも良いか)。