2026 AUTOBACS SUPER GT Round5 SUZUKA GT 300km RACE
鈴鹿サーキット 5.807km×52Laps=301.964km
GT500 class winner:#16 ARTA MUGEN HRC PRELUDE-GT 野尻 智紀/佐藤 蓮
(Honda HRC PRELUDE-GT/ARTA MUGEN)
GT300 class winner:PACIFIC ウマ娘 NAC BMW 冨林 勇佑/藤原 優汰
(BMW M4 GT3 EVO/PACIFIC RACING TEAM)
セブンバイセブンレーシングは元をたどると藤波選手が設立したKF モータースポーツと提携する形で2024年終盤にSROジャパンカップに参戦したところから始まっており、GT300でも参戦当初は『藤波選手権監督』と表記している媒体もあったので一定程度はチームとの関わりがあるのではないかと思われていました。さらに今回の第5戦に提出された出場者名簿もスベン ミュラー/藤波 清斗の名前で提出されていてかなり急な交代であったこと、そこに藤波選手は以前に暴力沙汰でニスモの契約を失ったことを踏まえて「何?藤波またやらかした?」と思われそうな事案ですが、鈴鹿1000kmにチーム ダイシンからの出場を発表しているし今のところそういう話は無さそうです。
気温34度・路面温度49度と嫌になりそうな暑さの決勝、冒頭でトムスのエンジンの話をしていたら、なんとauトムスではなくもう1台のDeloitte TOM'S GR Supra(22kg)が予選終了後にエンジンの不具合を発見して交換。デロイトトムスのエンジン交換は既に今季2回目で、なんかこの車だけやけに車の不具合が多い気もするんですけど、運転手さんの使い方の微妙な差で何か壊れやすさに影響が出てないかさすがに気になりますね。既にエンジン交換したスタンレープレリュードとともに決勝では5秒停止ペナルティーが課せられますので、SCでも出ない限りは勝負権はほぼありません。
鈴鹿サーキット 5.807km×52Laps=301.964km
GT500 class winner:#16 ARTA MUGEN HRC PRELUDE-GT 野尻 智紀/佐藤 蓮
(Honda HRC PRELUDE-GT/ARTA MUGEN)
GT300 class winner:PACIFIC ウマ娘 NAC BMW 冨林 勇佑/藤原 優汰
(BMW M4 GT3 EVO/PACIFIC RACING TEAM)
オートバックス スーパー GT 選手権、第3戦セパンの中止で3か月も間が空いたことを考えれば、富士から鈴鹿までの3週間なんて無かったも同然です(謎)。何をやるにも暑くて大変な8月の鈴鹿300km、GT500クラスは今年からエンジンが年間1基になっていますので、シーズン中盤のこのあたりから耐久性が気になりそうです。壊れるとペナルティー食らいますからね。
でも、もしトムスのチーム マネージャーがトト ウォルフみたいな人なら、どうせ入賞が厳しいか数点しか獲れ無さそうな第4戦・5戦あたりでわざとエンジン交換し、履歴の浅いエンジンで最後の2戦を戦うためにわざとレース捨てる決断とかやりそうな気がするんですけど、さすがに日本のレースでそこまであからさまなことをする人はいなさそうですね。実際問題、せいぜい8位かそこらが限界であろうレースを捨ててエンジンが新しくなったら最後のもてぎでじゅうぶんお釣りが貰える気はしますけど。まあ嫌われますわな(笑)
・GT300でまたドライバー交替
前戦・富士の前にはポノス レーシングがドライバーをケイ コッツォリーノから川端 伸太朗に交代し、しかもいきなり予選でポール ポジションを獲る驚きの出来事がありました。まあこれは間が3か月も開いてたんだから、と思いましたがなんと3週間しか空いてないのに今回もまた別のチームでドライバー交替が発生。seven × seven レーシングが残りのレースで藤波 清斗に替えて渡会 太一を起用すると発表、チーム監督のマシュー ハービーによると来年を見据えた判断とのこと。
単純にセブンバイセブンとすると今年までの2年間は経験もツテもあった藤波選手に託し、そこから若手に繋ごうとしていたところが何かしらの要因で繰り上げで契約終了になったのかなあ、ぐらいの感じに見えますが本人がSNSで何の反応もしていないのもあって真相は謎。というかニスモをクビになった時からちゃんと報道媒体が仕事して話を報じないから、こういう時も有耶無耶なままで結果的に何も無くても本人にあらぬ話が付いたりするからよくないんですよね。
GTの記事で何回も書いてますけど、オートスポーツをはじめとした国内モータースポーツ媒体、もっと言えば公式メディアでもダメなものはダメと示して伝えるものは伝えないと、結局業界がいつまでたってもぬるま湯のダラダラで、それは巡り巡って誰のためにもならないからちゃんと報じないとダメだと思います。素人の草レースならまだしもまがりなりにもそれなりの大企業が関わってる興行なんだから、やる側も伝える側も常に緊張感があるべきだと思いますね。それで悪い部分ばっかり目立って消えるようなら所詮その程度のハッタリ組織だったというだけの話でしょう。
ちなみにハービーさんは何者かというと2015年から3年間はナカジマ レーシングでエンジニアを務めていたこともあるオーストラリア出身の人で、この選手権で珍しいエンジニア出身外国人です。このチーム、昨年の一時期は優勝請負人エンジニアとして知られる伊与木 仁が監督として表記されていた時期もあったはずなんですけど、気づいたら変わってたんですよね。というかアーカイブを漁ったらシーズン中に何回か監督の名義が変わってました。そして伊与木さんはもうこのチームにいなくて今年はJLOCに戻ってます。
・練習走行、荒れる
練習走行では珍しく問題多発、前戦優勝で勢いに乗っていたはずのSTANLEY HRC PRELUDE-GT(50kg/-1)が開始わずか15分ほどでエンジン関係の不具合で車を止めてしまいレッド フラッグ。これでチーム国光はプレリュードGTのエンジン載せ替え作業に追われることとなります。
15分ほどでレッドフラッグが解除されますが、ほんの6分ほど経過しただけで今度はGT300のVENTENY Lamborghini GT3(20kg)もデグナー付近でエンジンが壊れ、この時に撒かれたオイルで後続車が相次いでコース外へ。KeePer CERUMO GR Supra(42kg)は狭い砂場だけで止まり切れず壁にぶつけてしまい、セルモはサスペンション修復が必要に。JLOCもエンジン交換作業となってガレージ内は大忙し、これでまた20分ほどレッドフラッグになったので他の人たちも走行機会がずいぶん減ってしまいました、暑いのに大変だ。
ちなみにですが8月5日、SUPER GTお馴染みスタート前のパレード周回を行うための走行練習をしていたいわゆる白バイ隊員の方の転倒事故があり1名が重傷を負いました。そのせいだと思いますが、今回の決勝の先導警察車両には白バイの姿はありませんでした、事故を受けて自粛したとみられます。過去には雨が降り始めた岡山の開幕戦でやはり白バイ隊員の方が転倒してしまい、これ以降のレースでは実施事項として『雨ならバイクは走らない』という文言が追加されたことがありました。
・GT500
GT500クラスの予選ではQ1でModulo HRC PRELUDE-GT・イゴール オオムラ フラガが1分45秒254で最速を記録、前戦で横転事故に遭ってしまった張本人ですが幸い人間は無事で車も修理できる範囲。というかフラガさんはその後にすでにスーパーフォーミュラで優勝争いを演じており、本人も激動のここ数週間に驚いているようでした。
モデューロプレリュードはQ2でも大草 りきが1分45秒206で暫定1位でしたが、これを塗り替えたのはAstemo HRC PRELUDE-GT(18kg)・野村 勇斗、1分45秒129でした。僅か0.077秒差で自身初のポール ポジション獲得、これが史上最年少記録でした。じゃあ前の記録保持者は誰だというと1996年のラルフ シューマッハーだというのでもう驚きよりも古すぎて笑いが出ました、マクラーレンF1やん(笑)
GT STATSによるとラルフは20歳308日、野村選手は20歳と284日だそうです。なおラルフは1996年の第2戦で初めてのポールポジションを記録しましたが、同年の開幕戦で優勝しておりこれがGT500クラスでの最年少優勝記録となっています。野村選手は既にこの年齢は僅かに超えてしまってるので決勝で勝っても最年少優勝記録は更新できません。ラーク マクラーレン F1 GTR、当時子供だった私はこの車が『ラークマクラーレン』という名前の車だと思ってたなあ(笑)
話を2026年に戻します、アステモプレリュード、モデューロプレリュードに続いて3位は#8 ARTA MUGEN HRC PRELUDE-GT(32kg)・太田 格之進でしたが、たぶん本当に速かったのは4位の#6 ARTA MUGEN HRC PRELUDE-GT(26kg)・佐藤 蓮でした。佐藤選手は1回目の計測でセクター2まで明らかに速かったのに、スプーンの入り口で外へ振りすぎて舗装された部分からはみ出してしまい、減速もグリップ力も不十分で曲がり損ねる大失敗。完全にコース外に出たので記録が抹消されて、保険の2周目で出した記録での4位した。そのまま行ってたら下手したら45秒切ってぶっちぎりポールだったのでは・・・またau TOM'S GR Supra(50kg/-1/-2)はさすがにQ1敗退で予選11位、またエンジンを交換したスタンレープレリュードは出走はできたものの明らかに遅くて最下位でした。
| ゲームでやりがちなやつ |
気温34度・路面温度49度と嫌になりそうな暑さの決勝、冒頭でトムスのエンジンの話をしていたら、なんとauトムスではなくもう1台のDeloitte TOM'S GR Supra(22kg)が予選終了後にエンジンの不具合を発見して交換。デロイトトムスのエンジン交換は既に今季2回目で、なんかこの車だけやけに車の不具合が多い気もするんですけど、運転手さんの使い方の微妙な差で何か壊れやすさに影響が出てないかさすがに気になりますね。既にエンジン交換したスタンレープレリュードとともに決勝では5秒停止ペナルティーが課せられますので、SCでも出ない限りは勝負権はほぼありません。
そして決勝が始まると、予選の走りからそんな気はしましたがダンロップは今日もタイヤの目覚めが悪くて、大草は1周目にARTAの2人=大津 弘樹と野尻 智紀に抜かれて4位に後退。ARTA対決では3周目に野尻が大津をかわし、9周目にはもうアステモプレリュード・野村に追いつきました。
これで早々に大変なレースになってしまった野村選手、GT300大集団との遭遇は新人さんにはかなり難しい条件ですが上手いことこなしてリードを維持。野尻先輩はちょっとでも隙があったら抜いてやるぞという動きを見せつつも必要以上にはバタバタせず、たぶん相手のペースがけっこう速いので無理してまで抜きにかかるぐらいなら、温存しながら走って3位以降は確実に引き離す方が得策だと考えているはずです。結果GT300車両が砂場に埋まったことによるFCYを挟んで18周目までそのまま野村選手がリードを継続し、先にピットに入りました。いわゆるミニマム作戦で塚越 広大に交替してピット作業時間28.1秒。
対するARTAはここからすぐ翌周に動くのではなく少し引っ張る作戦で4周後の22周目にピットへ、後ろにいた分だけ燃料が節約できていたかと思ったらFCYが入ったせいもあるのかほとんど差が無く、作業時間もほぼ同じで野尻から佐藤に交代してピットを出ました。結果、アウト ラップのうちに塚越が佐藤を抜いてタイヤ履歴差4周で位置関係はピット前とほぼ同じという状況になります。今度はもう抜くしかありません。
ここからまたレース前半と同じように高速持久戦という感じで周回が進んでいきますが速さを持っているのはやはり追いかけている幻のポールシッター・佐藤のようで、36周目のシケインでとうとう内側に飛び込んだ!
と思ったら突っ込みすぎて脱出が苦しくなりその先の直線で抜き返されます。横同士で接触してかなりお互いに熱くなってるんですが、客観視点で言うと塚越選手はサイド ドラフトを使ってすぐに相手から離れたらあんなにバッチバチにやりあうことなくさらっと前に出れていたような気はしました。まあそれ以前に佐藤選手が白線内に留まれていたのかも微妙でしたけどね、ちょびっと出てるんちゃうかなあ。
で、普通ならこれで次の山場が訪れるのはまただいぶ先になるそうなものですが、案外すぐに訪れてしまいました。37周目の西ストレートから130R、ちょうど塚越が130Rに向かって切り込んでいくところにGT300車両がいて、外から抜きには行ったものの普通にアウト イン アウトで曲がる車速の状態で内側を余らせたのでコース内で曲がれずにはみ出してしまいました。後ろで見ていた佐藤は少し引いて逆を突き内側を通って、前半の野尻から数えてもう何周かかったんだというぐらい鉄壁の壁だったアステモプレリュードをついに攻略。一旦前に出た佐藤をもう止める者は現れませんでした。さすがのシューマッハー/ハッキネンも130Rでは3ワイドにできないでしょう(笑)
最後は残り6周、GT300車両が130Rで横転する大事故になったのでSCが導入されてそのまま周回を消化し終了。ARTA16号車が2023年第5戦鈴鹿以来3年ぶりの優勝で野尻選手は通算11勝目、佐藤選手は初優勝となりました。私は勝手に『世界最速の2次元絵師』だと思ってる佐藤蓮、2021年にGT300に乗っていてうっかりミスで山本 尚貴の車に突撃してしまいチャンピオンを阻むという最悪の出来事もありましたが、もちろん周囲の支援もありますが本人もよくここまで来ました。ただもうちょっと落ち着こう、スプーン入り口ではみ出しても絶対得はしない(笑)
1位ARTA16号車プレリュード、2位アステモプレリュード、そして3位はARTA8号車プレリュードだったので鈴鹿でプレリュードが表彰台を独占。非ホンダクラスではMOTUL Niterra Z(28kg)・千代 勝正/高星 明誠の4位が最上位、ピット サイクル前は7位にいたのでどこから来たのかと思ったら、25周目まで引っ張ってピットに入って、作業が早くてピットを出たら普通にもう実質4位でした。予選のQ1も10位のギリギリ通過だったので全く視界に入ってませんでしたが決勝の車がかなり速かったようです。私が子供の頃のJGTCではまだまだ詰めの甘いレースの中でニスモのピット作業だけ群を抜いて早かったので、こういう気づいたら上位にいるのがニスモマジックと呼ばれて日常茶飯事でした。
一方でせっかく予選2位だったモデューロナカジマレーシング、大草選手はFCY解除直後の早押しクイズに勝って一旦は3位を取り戻しピットサイクルを迎えたものの、後半になったらフラガ選手はまたタイヤ温まらない事案に加えて条件と合わなくなったのかその後のペースも悪く、最後にはGT300車両への追突事故でペナルティーを食らってしまい12位に終わりました。
さあそして、auトムスはというと9位でレースを終えて2点獲得、既に最大ハンデまで増えてはいるんですが、これで獲得ポイントがちょうど50点になったので名目でも次戦のサクセスウエイトが上限の100kgに到達、みんな憧れの100kgステッカーを貼ることができます。2台がエンジン交換で事実上不在、目の前でフラガ選手がやらかしたので『俺、何もしてない』なレースではありましたが、ちゃんとミスらず走るのも大事な仕事です。やったね!お疲れさまでした!エンジン交換しませんか?
・GT300
GT300は予選Q1でD'station Vantage GT3(50kg/-2)・藤井 誠暢が1分57秒324で最速を記録、前戦富士ではさっぱりでしたが復活!しかもこのタイム、Q2に出て来たSUBARU BRZ R&D SPORT(2kg)・井口 卓人の1分57秒484よりも速いQ1最速でした。あの動きが鈍そうなデカブツが50kgウエイトでBRZより鈴鹿で速いなんて!というのは素直な印象。
ところがQ2でまさかの展開、BRZ・山内 英輝が最初に1分56秒981の暫定1位タイムを記録してさっさとピットに帰って行きますが、Q1でそのBRZから0.3秒以上離された2位だったPACIFIC ウマ娘 NAC BMW・冨林 勇佑が1分56秒547という意味不明な記録を叩き出して暫定1位に急浮上。最後にやってきたDステーションヴァンテージ・チャーリー ファグはこれに0.004秒届かなくてパシフィックがチーム史上初のポールポジションを獲得しました。かつての救済措置逆ハンデ時代を思い起こすぐらいに予想外でしかも驚異的な速さです。あ、ちなみに私はウマ娘に全然興味がありません^^;
映像を見た印象ですが、ファグ選手は最後のシケインでほんの僅かに突っ込みすぎた分だけ届かなかった感じ、BRZはエンジンが変わったことで車の個性が従来と完全にひっくり返っており、長い全開区間があるセクター3でたぶん他の車より0.3~0.4秒ほど速そうです。本来ならセクター4もシケイン1つしかないから速いはずなんですが、車体が小さくてシケインでの挙動がかなり神経質になるので、ここで負けててセクター4全体は他車と同等、そして高速コーナー区間のセクター1・2は遅くはないけど『並』の速さになった気がします。あと、タイヤの発動が他の人より明らかに1周かそれ以上速いので決勝でヘロヘロにならないか心配になりましたね。
一方でポールを獲ったパシフィックM4ですが、車両特性的にはわりとヴァンテージと似た方向性の車だと思うんですが、あんまり車高をべたべたに下げてダウンフォースで稼ぐ設計思想の車では無いと思うので、シケインでわりと大胆に縁石を使えるぶんだけセクター4がハマったら速いんだろうなと思いました。ちなみにM4 GT3EVOは開幕戦や前戦と比較して今回はBoPが重量・ブースト圧ともやや緩和されていて速くもなっていたと思います。
そして決勝、GT300はここでもピットクルー大忙しの呪いが続いており、グッドスマイル 初音ミク AMG(48kg)は予選後に車体に破損が見つかったので修復したものの、決勝前の走行時間にナットが緩んでホイールが動いたために破損してタイヤがパンクする、という人為的なのか不具合なのか分からない問題が発生。急いで修理したもののピット出口閉鎖の時間に間に合わずピットからのスタートになってしまいました。うーんと、白バイ隊員さんの怨念とか・・・?
そして始まった決勝、3位スタートのBRZ・井口がターン1までの加速で藤井を抜くもS字で抜き返されてしまい、結果として1周目を終えて上位10人に順位変動はありませんでした。パシフィックの藤原がまずは危なげなく先頭を走りますが、まあそんなにSUPER GTは甘くはないだろう、と思ったらその後は約10周で2位のヴァンテージ・藤井に約4秒の差を付けました。おおお、マジで速いパターンかこれ、いやまだピットがある(←なぜか焦る)
一方で3位の井口は明らかにタイヤのグリップ力が落ちている様子で、予選で感じた懸念がやはり実体に。徐々に順位を下げていくと、15周目のNIPPOコーナーでPONOS FERRARI 296 EVO(28kg)・川端に内側から接触されてコース外の砂場にハマりました。コースには戻ったBRZですがジャリジャリになった車をガレージ内で入念に確認してからの復帰となり、このレース9周遅れの28位でした。当てた川端選手はドライブスルーのペナルティーでポノスフェラーリはこのレース15位です。
BRZは明らかに旋回速度が落ちてるけど直線が速くて、逆に直線はそうでもない296だと抜けないのでかつての『GT3 vs JAF-GT』の典型例から見て全く逆の構図。そうするとやはり逆バンクで外に振ってNIPPOコーナーで内側に飛び込んで相手に切り込ませない、というのは1つの狙い目。この2周前にはUPGARAGE AMG GT3(8kg)・小林 崇志がまさにそのパターンで抜いていたので川端選手も早く同じようにして抜きたかったんだろうと思います。
ただ小林選手は井口選手が逆バンクの右コーナーに向かって減速を開始した時点でするっと車を外に並べて既に並走していたのに対し、川端選手は逆バンクの時点でまだ井口選手の左斜め後方にいたので、NIPPOコーナーに対しては後ろからの進入です。確かにその時点で内側は開いてはいますが絶対に相手が切り込んで来て当たってしまう位置関係なので、引くべきところを焦ってしまったと思われます。レース後のチームが出した情報で川端選手はBRZとファンの方に対して謝っていました。
さて優勝争いの方はパシフィックが24周を終えてピットへ、優勝争いすることが今までほぼなかったし、このチームは中日本自動車短期大学と提携していてピット クルーにも学生さんが参加していた記憶があるのでかなり時間がかかるんじゃないか、と思ってたら約33秒で悪くない( ゚Д゚)結果、ピット後も約7秒とゆとりのある状況で冨林が後半を担当しました。
ピット後の2位はDステーションヴァンテージではなく、予選4位から19周目にピットに入ったSyntium LMcorsa LC500 GT(22kg)・河野 駿佑でした。ただ河野はタイヤが古い上に自力でも冨林の速さには叶いそうもなく、冨林さんマジで独走態勢です。LMコルサと言えば昨年のこのレースで優勝した、と思ったらレース後車検で規定重量に800グラム不足していた失格になったことが記憶に新しいですが、今年も速いので鈴鹿との相性は良さそう。後ろから追われまくってますがなんとか2位を守っていました。
しかし42周目・残り約6周、シケインでCARGUY Ferrari 296 GT3 EVO(48kg)・ザック オサリバンに抜かれると勢い無くそのままピットへ。LMコルサは決勝前のウォームアップ走行で右前輪にパンクが発生しており懸念材料になっていたようですが、その不安が現実になってしまってこれもパンクが原因。予定外の2回目のタイヤ交換によりLMコルサはこのレース13位でした。失格よりはマシですが・・・
するとその翌周、130RでGreen Brave GR Supra GT(50kg/-2)・吉田 広樹がクラッシュしており、これでSCが出動して事実上レースが終了となりました。結果論ですがLMコルサのダンロップタイヤはあと1周でも耐えていたら上位のままレースを終えられたかもしれません。
吉田選手のクラッシュには伏線がありました。グリーンブレイブは車も重いし給油時間も長いし、点数を獲るためには何かやらないといけないと前輪だけを交換するピット作業を行い、予選13位からピット後の時点で6位を確保。後ろから追いかけてくる人がそこまで多く無さそうなのでなんとか吉田選手頑張って!という感じでしたが41周目にGT500のモデューロプレリュード・フラガ選手から追突されてスピン。これで車がガッタガタに振動するようになったのでピットに入り、当てられた右後輪だけ交換して出て行ったらその後に130Rを曲がれませんでした。
ターンの入り口からほとんど曲がらずに外側の壁まで行ったのでクラッシュ パッドに当たった勢いで車がゴロンと転がって着地、一点もののあれやこれやの部品が壊れまくりましたが幸い吉田選手は無事でした。思わぬ幕切れとなってしまいましたが、GT300クラスはパシフィック ウマ娘 NAC BMWが圧勝してチーム初優勝となりました。いやあ、どうせ何かで落ちるに違いないと思った私が甘かった。ちなみに決勝の最速ラップも冨林選手が記録した1分58秒460で、他に58秒台を出した人は1人しかいませんでした。一度も2分切らずにトップ10フィニッシュした車もあるんですけどね。
2位カーガイフェラーリ・オサリバン/梅垣 清、3位はアップガレージAMG・小林/新原 光太郎でした。カーガイは2戦連続表彰台、アップガレージは今季初表彰台で新原選手も初表彰台ですね。Dステーションヴァンテージは給油に猛烈な時間を食われつつも4位に入りドライバー選手権1位、かと思ったら1点差の2位。1位はこのレースを5位で終えたリアライズ日産メカニックチャレンジGT-R(50kg/-2)・ジョアン パオロ デ オリベイラ/木村 偉織でした。このチームは一発の速さが無くてもしぶといですね、車もGT3車両としては古株だし・・・
・プレリュード、マジで覚醒?
GT500はまさかのプレリュード-GT連勝、しかも表彰台独占。3か月間の空白で色々と解析ができたのではないか?というのは前戦段階での素人の考察でしたが、オートスポーツ誌によれば実際に3か月あったことで普段ではできない部分までシミュレーションによる解析を行い、速かった車のセッティングを土台にしてどうすれば速くなるのかを調べ上げてきたとのこと。
解析したシミュレーション上の成果が実走で効果を発揮したということはシミュレーションの精度が高く解析の方向性が合っている可能性が高いことを示していますし、それが2戦続いたということはある程度応用が効いていることになります。またHRCとして水平方向で開発を進めることをより重視したと思われる今年の体制も機能していると感じますね、従来は優勝してる車がいるのに他がグダグダ、みたいな事例も多かったですから。
前回も書きましたが比較的サスペンションを動かして車高も上げることになる夏場のレースと、足を固めて車高を下げる涼しい時期のレースでは求めるセッティングの方向が変わるし、開幕戦岡山で大した成果の無かったプレリュードには『涼しい時期に速かった車のデータ』が存在していないので、この2戦を見てもなお年間を通じて常に高い競争力を持った車になれたとは断言できないと私は思ってるんですが、明らかに第2戦時点より見通しはよくなっています。
Zニスモが遅いわけではないですし、いい感じに3メーカーが戦える環境になったことはシリーズにとってもありがたい話だと思います。なおARTA16号車・野尻/佐藤組はこの優勝でドライバー選手権2位に浮上しましたが、auトムス・坪井 翔/山下 健太組とは17点も差があります( ゚Д゚)
ナカジマレーシングに関して言えばダンロップのタイヤ特性がモロに出たなという印象で、予選の段階からタイヤの熱入れに時間がかかっていました。ラップ タイムのデータがあればもっとよく分かるんだと思いますが、フラガ選手はピットに置いていたタイヤをイチから温めるために余計に苦労したらしく、でも今のダンロップの技術だと発動性を上げると構造が動きすぎてオーバーヒートするとか別の問題が出るんだろうと思います。たしか伊沢 拓也が走ってた時には序盤速くて10周もすると燃え尽きるような特性がよくありましたよね。
GT300はパシフィックさん恐れ入りました、というレースでした、何も言うことないですね(笑)表彰台に乗ったカーガイ、アップガレージとも堅実なレース運びだったと思います。やはり気になったのはグリーンブレイブの大クラッシュで、先ほども書きましたが吉田選手によると
追突される→異常な振動が出る→ピットで右後輪だけ交換→振動は減ったけど真っ直ぐ走らん→事故
という流れでした。真っ直ぐ走らないというのが右後輪だけ冷えているせいなのか、他に何か壊れているのか分からなかったようで、結果として車が大破したので検証も難しいかもしれない、というのがレース後のチームの話です。ただこれは正直タイヤを1本しか換えなかった判断がまず良くなかったと思います。後から落ち着いて考えたらそんなこと素人に言われなくてもチームも分かってると思いますが、タイヤ交換は1本でも2本でも規則上は作業時間に変わりはないですし、ドライバーからの『どこどこがパンクした』みたいな情報は左右を間違えてしまってることもあるので、怪しいところはできるだけ全部対応するのが鉄則だと思います。
グリーンブレイブはディーラー系チームでピットクルーもディーラーから派遣された人なのでやや作業が遅かったりするため、できるだけ予定外の作業を減らしたかったのかなあというところですが、むしろディーラー系チーム・実際に仕事現場でお客様の自動車と密に接する人たちのチームだからこそ、まず人員の安全に資する作業に関しては安全を大事にしてほしかったな、とも思います。
特に後輪を片方だけ交換するとドライバーもそんな状態で走ることがまずないですから状態がよく分かりませんし、例えば実際はサスペンションが歪んで壊れかけてるのに「あれ、タイヤ冷えてるからすげえ乗りにくいな・・・」みたいな誤った解釈をするおそれもあります。埼玉グリーンブレイブというチームの立場、レース競技をする上での判断、双方の観点から『1本だけ』はマズかったと思います。
今回は車が大破しただけで済んでまだ良かったと思いつつ、実際は金銭的な被害も大きかったでしょうからチームも痛かったはず。いざという時の対応については検証していただきたいし、これはもちろん全チームにかかわることですから外部まで公表する必要は無いですけど、監督会議的なもので車に異常があった時の判断など情報共有してまず安全が第一であるというのを共有する取り組みがあれば、と思いました。
さて、次戦は9月19日・20日にスポーツランドSUGOでのレース。前回の記事の締めくくりで「もう大事故は勘弁してください」と書いたのにまた横転するような事故が起きてしまったので、スゴウマモノさんにはマジでシルバーウイーク休暇を取っていただきたいですね。あ、私はこの週末は大知さんのライブに行ってます。
コメント