ABB FIA Formula E World Championship
2026 Hankook London E-Prix
ExCeL London Circuit 2.077km×35Laps(-0.11km)=72.585km
Race Energy:28kWh
Reference Time for SC/FCY 2:25
Attack Mode:480 seconds/2 times
winner:Taylor Barnard(DS Penske/DS E-TENSE FE25)
ABBフォーミュラE、ついに迎えたシーズン12の最終第17戦。昨日のレースでベアラインが勝って再び選手権1位に浮上、デニスが5点差の2位となってほぼこの2人に絞られました。エバンス推しの私は既に諦めモード、ただこのレースが最後まで何が起きるかわからない選手権なのはよーーーーーーーく知っているのでチェッカーが振られるまでは油断してはいけません。
数字上はベアラインもデニスも勝てば自力でチャンピオンを取れるので優勝マジックが出ていない状態ですが、ベアラインがポールポジションの3点を取るとデニスにとっては優勝+ファステスト ラップが自力獲得の条件になってむちゃくちゃ壁が高くなるので予選からかなり大事です。フォーミュラEって予選結果がレース結果に与える影響が比較的少ないですけど、最終戦でしかも抜けないロンドンとなると急に注目度が上がりますね。
・ディズニー+と契約!
この週末を前にフォーミュラEは来シーズンからディズニー+と配信放送契約を新たに結んだと発表しました。アメリカやイギリスを含む144の地域でディズニー+を通じた練習走行・予選・決勝の生放送での配信が行われ、アメリカではESPN+での配信も行われるとのことです。既存の放送局との放映権契約と並行した上での新たな契約であるとのことですが、日本でも既にディズニー+の公式サイトで日本語解説付きのライブ配信が予告されており既存のJ SPORTSとの兼ね合いがどうなるのかは気になる部分です。
フォーミュラEは知名度と視聴者の獲得にずっと課題を抱えており、ある程度世界的に規模と契約者のある事業者と組んでの事業を運営側も参加者側も望んでいました。ディズニー+の世界契約者数は約1億3000万人で有料配信サービスとしては世界でも3番手・4番手あたりの規模を誇ります。Gen4時代の開幕に合わせた今回の契約が飛躍の契機となるのか注目ですね。
日本だと最初はテレビ朝日が地上波で気合を入れるつもりがすぐにBS朝日になり、有料放送はFOXの日本法人がやってたものの録画放送でこれもFOX日本事業自体がガタガタですぐ終了。以降しばらくBS朝日ががんばってくれていて、やがてJ SPORTSの有料放送とBSフジによる録画の無料1時間番組に落ち着いて今に至ります。
そういえば今回の最終2連戦の実況解説は菱沼 洲斗/由良 拓也の組み合わせ、サッシャどこ行った~と思ったらフジロックでMCやってるんですね。仕事の幅が広すぎる!とりあえず今回は招待客で来ていた格闘家・アリスター オーフレイム(アリステアー オーフェレイム?)が画面に映った時に菱沼さんが異様にテンションが上がって早口でオーフレイムの魅力を語り始めたのが面白すぎました(笑)
・練習走行
最後の戦いに向けて悔いが残らないようにしたいFP3、最速はデフリースで1分7秒118でした。こんなコースでも金曜日から走行を重ねるごとにちょっとずつ速くなってますね。ティクタム、ブエミ、ベアライン、キャシディーのトップ5で必殺仕事人ミュラーは12位です。300kWだとキャシディー、デニス、バーナード、ティクタム、モルターラの順でベアラインは9位した。
そしてエバンスはというとブレーキ バイ ワイヤーの不具合で多くの時間をピットでの修理作業に費やしてしまい、7周しかできなくてまともな計測は行えませんでした。今のうちに直せてよかった、とでも思うしかありません。また、昨日は不具合でクラッシュしたディグラッシ、今日も練習中から不具合が出て車を止めてしまいます。ここに来てローラヤマハの信頼性問題がレジェンドを直撃ですね・・・
・グループ予選
ディグラッシは練習走行から引き続いて修理作業中でスマートフォン片手に「予選の参加者じゃないよ~」と車とバッテリーを指差して休憩モード。決勝までに組み立てれば良いので焦っていないようで、後ろにいるメカニックさんも笑ってしまってます。インバーター交換で決勝20グリッド降格が決まっていて何もなければ引退レースはビリで走るだけ。なんか超絶アクロバット規則解釈で免除出来んだろうか、どっかの球蹴り大会みたいに。
そんなA組は始まって早々にナトーもカスタム ハウス シケインでブレーキの不具合か車を止めてしまいます、ナトーも引退レースの可能性あるんですけど、なんかこの週末は全体的に不具合が多いです。最速はデフリースで1分8秒659、ベアライン、キャシディーが続いてエバンスがギリギリの4位通過。エバンスから0.009秒差でダコスタが5位となって脱落しており、ジャガーはチーム選手権を考えてもちょっと辛い結果です。
B組の最速はマヒンドラのモルターラで1分8秒616。ミュラーが2位で今日も仕事を果たし、ティクタム、バーナードが続きました。デニスはバーナードから0.104秒差のグループ8位でまさかの下位敗退です。ただモルターラは最後のアタックでターン17の壁にぶつけて車が真っ直ぐ走っていないようなので、デュエルスを勝ち抜くのは難しくなったかもしれません。持ちタイムがかなり良かったので無理しなくてもよかった気がしますね。
・デュエルス
今日もポルシェに強い追い風、準々決勝でベアラインの対戦相手だったキャシディーはターン9で内側の壁にぶつけて真っ直ぐ走れなくなり勝負権なし、ミュラーの相手だったティクタムはBBWの不具合でカスタムハウスシケインで止まれませんでした。残る2枠はデフリースとモルターラが勝ち上がり準決勝がいずれもポルシェvsマヒンドラになります、というかまっすぐ走ってないモルターラが何で速いんだ(笑)
準決勝ではインド旋風がポルシェ旋風を凌駕、デフリースが1分7秒040を記録してベアラインを僅か0.022秒差で下して決勝に進むと、まっすぐ走ってないモルターラも1分7秒153でミュラーを撃破。マヒンドラはこの時点で1列目独占が決まった上に、そもそも壊れたモルターラが勝てるとは考えていないので優勝したぐらいの大騒ぎです。
私がチーム代表なら壊れた車で無理してクラッシュされると困るのでオーダーを出すなあ、と思うデュエルス決勝。しかし本気で競うことになってるらしく先行のモルターラが出したのは1分7秒120、さっきよりも速い!?実が曲がってる方が速いんじゃないかとすら思えて来ますが、後攻のデフリースはとうとう心理的節目を破って1分6秒925を記録、誰も届かない速さを見せてジュリアスベアポールを獲得しました。メルセデスEQ時代のシーズン8・第2戦ディリーヤ以来約4年半ぶりで通算3度目です。
振り返るとGen3最初のレースだったシーズン9開幕戦でポールを獲ったのはマヒンドラのディグラッシでした。そしてGen3Evo最後のレースがまたマヒンドラで、そのレースがディグラッシの引退レースであり彼は予選を走れもせず最後尾、なんか色々と重なります。ちなみにメキシコシティーは優勝デニス、2位ベアラインでチャンピオンを獲ったのはデニスでしたね。
思い出話はさておきスタート順位はデフリース、モルターラ、ベアライン、ミュラー、エバンス、バーナード、キャシディー、ティクタム、ダコスタ、ブエミのトップ10。ポルシェとすればもうマヒンドラのことは放っておいて後ろだけ注意し、ミュラーを露払い役にしておけば盤石ですがそうやって策を巡らせすぎると何か飛んでくるかもしれないので、守りに入るか攻めるか普通にやるか、これはポアンカレ予想ぐらい永遠の命題です。え?ポアンカレ予想は解決済み?じゃあベアラインの勝ちだ。(謎)
・決勝
さあ壊れた車はもう修理しなくて良くなる決勝、毎年ちょっとずつ変わってきたGen3時代のオープニング映像、最後をエクセルロンドンっぽいので締めるあのCGも見納めですねえ。映像的な演出のせいか屋外から屋内に戻るコーナーの向きが違うんですけど(笑)特にシーズン10でデニスがちょうど曲のリズムに合わせるように3回頷くオープニングが一番良いですね。フォーミュラEと大知さんがコラボしてこの曲で大知さんが踊ったらむっちゃカッコいい気がしますね、うわ、脳内で大知さんが踊る姿が想像できる、誰かオファー出してくれ。
さあ今日も最初からスタート位置についていきなりのスタート、多少の接触はあったけど上位5人は予選順位通りに1周し、そしてミュラーがエバンスを抑え込み始めました。このままでは何もできずに終わってしまうジャガー、状況を打破すべく3周目に8位のダコスタが早くもアタック4分を使用、すぐにエバンスを抜いてミュラーの後ろにまとわりつきます。
昨日はキャシディーから変な妨害工作を食らったためかポルシェはミュラーに対してペースを上げる指示を出しますが、5周目のターン1・2の攻防で接触。ダコスタがミュラーを撃墜!したかと思ったらなんとか耐え、エバンスはここから少し離れていたので隙をついて抜くどころか復帰途中の遅いミュラーに引っかかってむしろ邪魔になりました。ダコスタはどう考えてもやったらあかんレベルの動きなんですが、コース外を走っても露骨にぶつけても壁に押し付けてもいないので規則上は罰則が無いという、まあ一番汚いやつです^^;
ダコスタはアタックモードなのでベアラインもあっさり抜いて見た目上の3位へ、ベアラインはこの周にアタック4分を使用します、ダコスタの近くは危ないので多少なりとも離れたい意図もあるでしょう。続く6周目にリーダーのデフリースがアタック2分を使い、ちょうどモルターラが後ろを抑えてたのでギリギリ1位のまま合流。続いて翌周にモルターラもアタックを、と思ったら検知点不通過の空振り、やっちまった!
前でこんなことが起きてるのでベアラインはその気がなくてもダコスタに追いついてしまい、そしてダコスタのアタックモードが切れたら抜こうとするものの鬼ブロックされます。ようやく抜いたのはアタックの時間切れとほぼ同時の9周目でした。しかしダコスタは抜かれてもそのままベアラインの真後ろでウロウロ、明らかに1人だけ消費量が多いためエナジー切れして失格になることを覚悟してるような動きで、11周目のターン16で再びベアラインの内側に飛び込んで前に出ました。なおこのゴタゴタの間にバーナードが3位になっています、ダコスタはベアライン以外は抑えません(笑)
ダコスタからベアラインへの嫌がらせはなかなかのものですがミュラーからエバンスへの嫌がらせも続いており、エバンスは追突により車の鼻先が欠けてます。しかし16周目のターン19でエバンスがとうとう内側に飛び込んで2日越しにミュラー攻略成功、一瞬の隙をついてフェイントをかけた動きを見せ、あとは反撃されないように軽くぶつけました。これで見た目上はエバンス7位、ミュラー8位、なおデニスは打つ手がないため17位でエナジーを貯め込んでいます。
優勝争いはというとマヒンドラは2人を有効活用する構えで、とりあえずさっきアタックを失敗したモルターラを前に出してどこかでデフリースが後ろを抑え、その間に順位の損失なく改めてモルターラにアタックを使わせる作戦。こういうのはさっさとやってしまうものだと思うんですが、意外とモルターラはいつまで経ってもアタックを使わず22周目まで引っ張りました。アタックを使い終わったら順位をデフリースに返します。
これで概ねアタック1回を使ってサイクルが一巡、デフリース、モルターラ、バーナードのトップ3で、4位のダコスタはわざと抑えてるのかマジでエナジーが足りないのか前の3人から離された状態でなおもダコフタ作戦継続中。後ろからはアタックを2回残しているエバンスが追いついてきました。エバンスの後ろにいるのがジャガーカスタマーのブエミと、お友達で昨日も助けてくれたキャシディーだというのがまた何とも。ベアラインからするとチャンピオン争いとしてはまだまだ問題ないんだけど良い気はしない立ち位置、ここからの約10周がモータースポーツ史上稀に見る展開を迎えるとは誰も想像していませんでした。
26周目、エバンスがアタック4分を使用すると、ダコスタはターン19の手前でベアラインの頭を完全に抑え込んで空いた場所からエバンスが前へ。
すると27周目、なおもノロノロ運転のダコスタは絶対抜けない高速右コーナー・ターン15で内側を明らかにゆっくり走って居座るのでベアラインはたまらずターン16に向けてこれを避け外側へ、これが罠でした。
| DAC「ひゃははは、行かせねえよ」 WEH「・・・卑怯なっ!」 BUE「ヨクワカラナイケドミチガアイタネ」 |
空いた内側にブエミが飛び込み、しかもダコスタは明らかにわざとステアリングを切るのを遅らせて外側に膨らんだのでベアラインも接触を避けるためにはターンの大外へ。完全に失速した上になおもダコスタが前に居座る恐ろしい罠で、ベアラインはさらに後続4人に抜かれてたった1周で4位から11位に後退しました。しかもこの抜いていった人の中にはアタックモード中のデニスの姿も。さっきまで入賞すら怪しかったデニスが貯め込んだエナジーでついに攻勢に転じました。
仮にベアラインが無得点だとデニスは7位以上ならチャンピオン、急展開を見せる中でなおもダコスタはゆっくり走って後ろにいるベアラインを標的に定めているようで、あまりのしつこさはまるで死神のようです。すると29周目にダコスタとベアラインは同時に2回目のアタックモード4分に入ると、ほどなく30周目のターン1~2でベアラインが前へ。生放送で見てる時は理解が追いつかなくて後から見直して理解しましたが、今回は型落ちポルシェのマルティーが刺客になってダコスタを邪魔してますね。
抜かれた死神、30周目のターン19でダコスタに突撃をかまそうとしますがベアラインは接触されつつも想定内というような動きで上手く対処。31周目のターン6でも明らかにノーズを突き刺しに来ますが無視して前を追いかけます。前方ではデニスを含め4人が争っている状況でベアラインは1つでも順位を上げたいところですが、ここにエンビジョンのジョエル エリクソンがいたことが事態をさらにややこしくしてしまいました。
ターン16で内側に飛び込もうとしたデニスに対してエリクソンが寄せて行き、完全に閉められたデニスは行き場を失って急減速、そこに死神が追突しました。たぶんこれは撃墜目当てではなく普通に事故です。これでデニスは失速してベアラインが外から並びかけ、ターン17に向けて完全に内側を取りました、これは抜いた!
と思ったらちょっと突っ込みすぎてあろうことかエリクソンに接触しつつデニスとも接触。デニスは壁にぶつかって止まり、そして押されたエリクソンもスピンして道を塞ぎベアライン自らが動けなくなくなる大失態、もう何が何だか・・・2人とも現場を脱出して走行を再開しますが車が壊れており、もはや入賞は絶望的です。2人とも無得点ならベアラインの勝ちですが、万が一エバンスが優勝したらエバンスが大逆転チャンピオン。残り4周、エバンスはアタック4分を残しておりデフリースから約10秒差です。おいおいまさか。
そのデフリースを含む1位争いはあまりの死神の活躍で追いきれない状況になっていますが、デフリース、モルターラ、バーナードが僅差のまま走行を続けていました。このうち27周目にマヒンドラの2人が同時アタック、順位を維持したまま使えたので順位を固めにいけるかと思いましたが、アタックを使っていないバーナードがそんなに離されていません。30周目になってバーナードもアタック4分を使用し、これでマヒンドラ勢に対して約1分30秒の時間差を作った上で相手はわりと目の前にいます。
アタックが切れたマヒンドラ M12 エレクトロはDS E-テンス FE25のカモになり、33周目に入ったところでまずはモルターラが、そしてほぼ1周後にデフリースが抜かれました。レース展開がむちゃくちゃすぎて感動も何もないけどバーナードが残り2周でついに先頭に。アタックを使って4位から奇跡を目指すエバンスですが、まだ9秒も離されているのでこれはもう無理。
バーナードはアタックを使って抜いたところでエナジー残量の余裕がもうなくなっているようで、抜いて以降はずっとデフリースに付きまとわれる展開。ほんの僅かな0.1%の残量差で泣く可能性もある大接戦でしたが、バーナードは最後までリードを守り切ってついにフォーミュラE初優勝を達成、22歳76日での優勝はマキシミリアン グンターが持つ22歳200日を更新する史上最年少優勝でした。グンターはシーズン6・第5戦サンティアゴで記録、当時はBMW i アンドレッティーでした。
2位デフリース、3位モルターラでマヒンドラは大量点、チーム選手権でアンドレッティーを抜いて3位という驚きの成果を上げました。マヒンドラの2人がいずれも表彰台に上がるのはシーズン3・第7戦ベルリンでフェリックス ローゼンクビストが優勝、ニック ハイドフェルドが3位に入って以来約9年ぶりでした。でも勝たなきゃいけなかったですね。
エバンス、ブエミ、キャシディー、ベルニュ、マルティー、ロウランド、ナトーのトップ10。ベアラインは14位でしたが、ABB FIA フォーミュラE世界選手権シーズン12のドライバー選手権を制しました。シーズン10に次いで2季ぶり2度目のチャンピオン獲得、複数回チャンピオンはベルニュに次いで史上2人目ですが、ベルニュは選手権がFIA世界選手権に格上げされる前なのでフォーミュラE『世界王者』を2度取ったのはベアラインが初めてです。おめでとう!君のことはDTM時代からずっと凄いやつだと思っていたよ!誰かが『ウェーレイン』と英語読みで書こうとも当ブログは昔からずっと『ベアライン』だ!(謎)
・死神は最後までさまよっていた
しかしベアラインにとってはチャンピオンを獲った記憶よりもこれが強烈に残りそうです。バーナードが初優勝の雄叫びを上げていたであろう時間、15位を走っていたベアラインの目の前に現れたのは、ダコスタでした。もはや点数も何も関係ない状況のはずなのに、またもやゆっくり下がってきてベアラインの前に居座るダコスタに対し、ベアラインは無線で
「おい見ろよこいつ、まだやろうってのか(笑)マジで頭イカれてんな、3年連続で負けたクセに。」
カスタムハウスシケインから先はお互いににらみあいになっており、ターン19でとうとう沸点を超えてぶつけ合いになりました。レースが終わった後ならともかくまだレース中なんですが険悪なまま屋内に戻ってきて、チャンピオンなので頭上だけでなく側面からも盛大に花火が飛んできました。結果的に死神と一緒に祝ってもらってるみたいになってるので絶対に不本意です(笑)レース後のインタビューでもチャンピオン決定者とは思えないなんというか怒りと恨みの募ったちょっと怖い内容でした。
| こういう撮影にも見える |
なおベアラインにはエリクソンの接触に対して、ダコスタにはデニスとの接触に対してそれぞれ5秒加算のペナルティーが課せられましたが、最後にお互いにやりあったやつは処分無しでした。明らかに遺恨試合なんですけどスチュワードはなんか普通にレースしてる前提で裁いたっぽくてレーシング インシデントらしいです()ただ5秒加算は入賞しなかったので次戦3グリッド降格に振り替えられており、次戦というのは次に出場するレース=普通に行けば来シーズンの開幕戦です、嫌でも4か月後にこのレースを思い出します。
ドライバー選手権はポルシェのベアラインが獲りましたが、チーム選手権はレース前の時点で1位たったジャガー TCS レーシングが結果としてはさらに差を広げた形でシーズン10以来2季ぶりのチャンピオン獲得。マニュファクチャラー選手権は既にレース前の段階でポルシェのチャンピオンが決まっており、ジャガー、ステランティス、マヒンドラの順でした。
いやあ、Gen3Evo最後のレースはもう何をどう言えばいいのやら。実況の菱沼さんはベアラインがチェッカーを受けた直後から感情が完全に脳の需要能力を超えて泣き笑いのような状態でしばらくしゃべっていましたが、これが全てを表してるようにすら感じましたね。もうワケが分からないし何回かレースを見直さないと全てを理解できません、まさに「こんなレース見たことない!」でした。
とりあえず優勝争いに関してはバーナードが上手かったです。マヒンドラは2人で上手く進めたかったはずですが、モルターラの空振りで微妙に計画が狂ってしまったと思います。前に出してやり直すまでの間にかなり先頭を走ったのでエナジーの消耗量が多く、モルターラは1回目のアタックモード中もそれまでと全く変わらない1分12秒台での走行。そして2人で2回目のアタックを使った時も1分11秒台でやはりそれまでと変わらず、アタックは本当に消化するものでした。対するバーナードはアタックを使った時にちゃんと1分9秒台に上げています。
人の後ろを走っていて前の人のペースに合わせながら作戦を考えるのと、前を走って自分たちでどういうペース配分にするのか考えるのでは全くレースのやり方が異なりますが、マヒンドラは本当にアタックも含めて均等割りで綺麗に残量が0になるような計算のイメージでした。途中から4位以下が離れたことを考えるとちょっと意図的に落としてアタック使用時に飛ばす余地を作るとか、何か変化を付けられたらよかったんでしょうが、上位を走る経験が少ないマヒンドラにはそのあたりの引き出しが無かったと思われます。
Gen3Evo、特に今シーズンに入ってのステランティスは速さでも効率でも作戦でも負けている場面が多かったですが、今回はなんか死神が暴れた結果バーナードはとりあえず前に合わせて節約して行ったら勝手にチャンスの方から転がって来てくれた、という感じですが、それでもエナジー的にはけっこうギリギリのところでしたから何か1つ失敗してたら勝てませんでした。DSとして、ひょっとしたらペンスキーとしても最後になるかもしれないレースで結果を出すことができて良かったと思います。
これで今シーズンはエンビジョン以外が全チーム勝っている珍しい事例です。エンビジョンは登録されている車両名がジャガーのカスタマーなのでジャガーワークスと同一ですが、シトロエンとDSはお金を払って登録上はそれぞれ別の名前で出していますので、形式的ではありますが今シーズン参戦している全車両が1度は優勝した、という形にもなります。史上初かもしれません。
ちなみにバーナードはマクラーレンの撤退を受けてペンスキーとの契約で移籍しステランティス側の契約下ではないとみられていますが、ペンスキーの来年が決まらないためおそらく困っています。来季の継続を信じていたら結局撤退して手遅れの可能性もありますが、かといって今からチームを出ようと思っても残ってる契約先があまり多くありません。とある情報サイトは『半分当てずっぽう』と断りを入れた上で、ティクタムとの入れ替えでクープラ キロに移籍ではないかと書いてるんですが、この才能が不在になるのは惜しいですし、まずはできればちゃんとペンスキーに活動を継続してもらえるのが一番ですね。いやでもティクタムがいないのも寂しいからなあ(笑)
・さすがにやりすぎの攻防
そしてポルシェとジャガーの攻防ですが、さすがにやり過ぎでした。既に東京でのブエミから前フリというか、駆け引きが始まってしまった感がありましたが、今回はもう『ちょっと遅く走って抑え込む』程度を超えて完全に『妨害走行』の部類だったと思います。チャンピオンを争う方は接触できないから接触覚悟で来るやつに対して引き下がるしかない、という非対称性を利用すると、相手が引くのでどんだけ荒く走っても規則上は何も起きず合法になってしまうわけですが、いくらなんでも基本中の基本であるスポーツマン精神を無視しすぎです。
罰則を伴う接触行為だったらダメな争いでそうでなければ問題が無い、という話ではありません。よく『規則の抜け穴を衝いてギリギリを攻めるのが競争だからペナルティーが出てなければ問題ない』という言質がみられますが、競技規則と技術規則では話が別物。『競技として罰則を課すかどうか』と『競技としてやって良い行いであるか』は必ずしも一致しません。大差が付いた試合で執拗に内角球を投げて繰り返し死球を与えたらみなさん怒りますよね?大差の試合で主力選手を骨折させても禁止事項じゃないから競技の範囲ですか?そういう話だと思います。
死神と書きましたけどダコスタの動きは途中からもうチームとしての仕事というより単なる私怨に見えましたし、両陣営ともワークス・カスタマー含めて我を忘れすぎてます。もしNASCARだったら今回のレースは少なくともジャガーは減点処分でチームのチャンピオンを取り上げられてるんじゃないかと思いました、最近は意外とこういうの厳しいですからねえ。怪我人が出なくてまだよかったです。
エクセルロンドンで最終戦をやるとこうなるのはある程度分かってるので、そういう意味では運営も知らん顔できる立場ではないと思いますが、このコースではもう開催しないので来シーズンから似たようなことは起こりにくくはなるでしょう。ただその代わり来年の日程では一番狭そうな東京が最終戦になってしまったので、来年も似たような事案が散発的に生じることは覚悟しといた方がよさそうです、特にジャガーとポルシェね。これをエンタメだと思って運営してるなら勘違いも甚だしく、エナジー管理の問題でレースがぐちゃぐちゃになるのとはワケが違うと思います。
最後に、ディグラッシの引退が満足に走れないレースで終わってしまったのがとても残念でした。余ってるGen3車両とか、彼が開発に携わったDGR-ローラとかを使ってもう1回引退興行とかやってあげられないですかね。ローラはGen4の非公式テストでけっこう車が速かったという噂ですが、目の前の信頼性問題を解決できずとても残念でした。
ここからフォーミュラEは約4か月のオフに入り、シーズン13の開幕は12月のジェッダです、、、が今の中東情勢だと無理かもしれません。
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