フォーミュラE 第16戦 ロンドン

ABB FIA Formula E World Championship
2026 Hankook London E-Prix
ExCeL London Circuit 2.077km×38Laps(-0.11km)=78.816km
Race Energy:27kWh+3.85kWh Pit Boost
Reference Time for SC/FCY 2:25
Attack Mode:360 seconds/1 time
winner:Pascal Wehrlein(Porsche Formula E Team/Porsche 99X Electric)

 ABB FIA フォーミュラ E 世界選手権、いよいよシーズン12最後のイベントとなる第16戦・第17戦ロンドンです。4シーズンにわたって使用しフォーミュラEに革新をもたらしたGen3車両とも、この世界でも特異な開催地であったエクセル ロンドンもこれで最後。ピットを含むコースの一部が展示場の内部にあり、展示場から坂を下って屋外に出て外周の道路を走ってまた坂を上って戻って来る、という非常識なコースがいよいよ見納めです。レースと鉄道を一緒に楽しめる稀有な存在だったので残念ですねえ()
 シーズン12のドライバー選手権チャンピオン争いは激戦。前戦でジェイク デニスが1位になりましたが僅か2点差でミッチ エバンスが続き、パスカル ベアラインもすぐ後ろにいます。4位のオリバー ロウランドは14点差でなんとか勝負権がある状態、以降は大混乱でもないとなかなか難しそうです。エクセルロンドンはとにかくコースが低速で抜きにくいのでチームで結託すると抑え込んだりもやりやすいので、醜い争いが起きることもあるかもしれません。

 冗談抜きにターン4から7あたりはちょっとした弾みで多重事故になって手首を骨折したりとかあるので、とにかく怪我だけは無いように、後味の悪い試合にだけはならないように願いたいところです。
 レース設定としては毎年のことながらここはとにかく平均速度が遅くてレースで38.5kWhを使用可能にすると何も起きない全力レースになるため、かなり削減されて第16戦は27kWhとピットブーストになっています。昨年より決勝の周回数が1周増えてるので少し難易度が上がりました。翌日の最終戦も昨年より1周多い34周になっていますが、使用可能エナジーも昨年より1kWh多い28kWhなので逆に僅かながら楽になっています。

・レース前の話題

 来シーズンに向けたドライバーの話題が出てきました。エンビジョン レーシングは現在のドライバー2人、ジョエル エリクソンとセバスチャン ブエミがいずれもチームを離れることを発表し、ブエミに関しては今シーズンをもってフォーミュラEを引退することが発表されました。フォーミュラE初期メンバーの1人でありシーズン2のチャンピオンで通算14勝。これまで開催されたレースはWECとの日程重複以外出場してきた鉄人の1人ですが、とうとうフォーミュラEを去ることにしたようです。

 既にルーカス ディ グラッシも引退を決めているのでシーズン1の初戦から出ていた人は全員いなくなってしまい、初戦の条件を外してシーズン1途中参戦の選手でも残ってるのは第2戦から出て来たアントニオ フェリックス ダ コスタと第3戦から出て来たジャン エリック ベルニュだけになりました。今のところ最多出場記録はディグラッシが持ってますけど来年になればすぐベルニュが更新して最長老になるはずです。
 そして新たにエンビジョンに加入するのは、現在はDSペンスキーにいるマキシミアン グンターと、日本でお馴染みになっているザック オサリバンになるとみられます。グンターは所属するペンスキーが来シーズンも本当に参戦するのか不透明なので移籍を希望した模様で、オサリバンとともに先日行われたGen4車両のテストにエンビジョンから参加していました。

 そのDSブランドがいなくなって、代わりにステランティス勢として新規参入となるオペルGSEはドライバーとしてテオ プルシェーアを起用する見込みになりました。2023年にFIA F2でチャンピオンを取っているプルシェーア、まだF4に参戦していた2019年にザウバーの育成選手となり、今シーズンはステランティスと契約してプジョーからのWECに出場。メルセデスとも開発ドライバー契約を結んでるっぽいですが、F1の道にたどり着けず現実路線に着地した感じです。フェリペ ドルゴビッチと同じですね。
 プルシェーアはどうやらWECとの二刀流ではなくこちらに専念するのではないか、とされています。重複して欠場するレースが出るのは好ましくないし、むちゃくちゃ特殊なレースなのでシミュレーターとかにも多くの時間を割いた方が良いと思うのでその方が良いと私も思います。またチームメイトはまだ正式発表されていませんがジャガーを離れるエバンスとみられます。
 そして日産ではやはりノーマン ナトーの来年の契約がないらしく、後任としてビクトー マルタンスを起用すると報じられています。マルタンスは2022年のFIA F3でチャンピオン、そのままF2に昇格しましたが3シーズン戦って全て1勝ずつ、選手権でも5位、7位、11位となって残念ながらその先に繋がりませんでした。ただかなり運が無かったという指摘があるようです。

 さあそして今回もまた特別スキームが登場、しょっちゅう着せ替えしている感じのあるポルシェは青と白を基調としたいわゆるロスマンズカラーを模したスロウバックで登場しました。ロスマンズって言っちゃうと宣伝になるので名前は自分たちからは言ってません(笑)でもオープン ホイールにこれを着せると私はどうしてもウイリアムズ ルノーの印象ですね。

 そしてルーカスディグラッシは引退レースということでこれまでに彼が使ってきた車の要素が散りばめられた引退記念特別仕様車とでも言うべきものに。よく見ると『シーズン1 優勝:3 表彰台:7 選手権3位』みたいなのがあちこちに書かれています。まあほぼシェフラー/アウディーですね、ロンドンでアウディーというともうアラン マクニッシュが全力疾走してる映像しか浮かんでこんのやけど(笑)なおこれはディグラッシ専用でチームメイトのゼイン マローニーは通常通りのローラ ヤマハ色です。

 そしてDSもブランドとしての参戦はこれが最後になりますので気合が入っていて、なんというか百式みたいな金ぴかになりました。ペンスキーも結果的にこれが最後となる可能性がありますが今のところ表向きはシーズン13も出場予定です。あとマヒンドラも8月15日がインドの独立記念日と言うことで、競技車両ではなくGen4の展示車両の方にインド国旗をイメージした特別な色の車両を用意してSNSで宣伝しています。カッコいいですけどフォースインディアに見えるのが欠点ですね(笑)

・練習走行

 金曜日のFP1ではエバンスが最速の1分8秒175を記録、ニック デ フリース、ベアライン、テイラー バーナード、デニスのトップ5。ただ300kWだとベアライン、ニコ ミュラー、デニス、ロウランド、デフリースの順でエバンスは7位でした。またダニエル ティクタムは開始早々に車に問題が出てしまいFP1で9周しか走行できませんでした。
 土曜日になってFP2ではエドアルド モルターラが1分7秒284で最速、2位のベアラインは0.254秒差でした。3位にミュラーが入ってポルシェ好調、バーナード、エバンス、デニスと続いて顔ぶれはFP1と似た感じ。300kWだとエバンスが最速ですがベアラインとミュラーも4位・5位できっちり走っています。なおFP2ではナトーの車が不調だったらしくガレージにいる時間が少し長め、350kWでの走行を行いませんでした。

・グループ予選

 みんな熱くなりすぎてるのか、予選開始早々のビルド ラップ中にデフリースとデニスが接触。ターン19でデニスが内側に入ろうとしたら閉められてしまい、デニスは明らかに苛立って引き続きビルドラップ中なんですけど明らかに煽り運転しています。この件に関してペナルティーは出ませんでしたが落ち着いてくれ、壊して良いのは明日のレースだ(笑)
 そんなA組最速はベアラインで1分9秒149、0.023秒差でティクタムが2位、0.042秒差でデニスが3位に入りました。デュエルス進出最後の1枠はベルニュですが1位から0.308秒差でけっこう離されています。モルターラはブレーキに問題が出たようでグループ7位に終わってめっちゃ機嫌悪そうに車を降りて行きました。

 B組もまたポルシェのミュラーが最速で1分9秒091、0.137秒差で2位にエバンス。3位はエリクソンで、壁にぶつけて車がまっすぐ走っていないダコスタが気合いで4位に入りました、この走りには自画自賛。2位エバンスから脱落した6位バーナードまでが激戦になっていて0.071秒差しかありませんでした。
 FP2から路面温度が7℃ほど上昇しており、どのドライバーもタイヤをどうやって最適な状態へ持っていくのかすごく苦労しているようですが、ロウランドはA組で走ったナトーの情報も活用しつつ進めたものの、全く前後のバランスが取れていない様子で最後のアタックも後ろがズルズル、上手くいかず7位で敗退しました。大逆転チャンピオンはちょっと遠のいたかも。

・デュエルス

 デュエルスはポルシェの思い通り、A組はベアラインがベルニュ、ティクタムを倒して順当に勝ち進み、B組でも準決勝でミュラーがエバンスを倒しました。これでデュエルス決勝はポルシェ同士の対戦ですから、まあどうなるか見てみようじゃないか()ジャガーはダコスタの車がちゃんと真っ直ぐ走る状態だったらミュラーに勝って準決勝をジャガー対決にできたと思うので、ここはちょっと痛いタラレバだった気がします。もちろんエバンスがミュラーに勝ては何の問題もないのでダコスタが悪い、とは言っちゃいけないですし、ダコスタが快調ならそもそもグループ2位になって1回戦で先に同僚対決になった可能性もありますね。
 デュエルス決勝、先攻のミュラーはセクター2まで快走してさっきの準決勝でのベアラインをも上回るペース!しかし最後の2つのコーナー・ターン19と20でなんかちょーーーっとだけスロットルを踏めなかったのか1秒以上遅れてしまい、後攻のベアラインが1分7秒587でジュリアス ベア ポール ポジションを獲得、3点を手にしました。いや~、ミュラーはあとちょっとでポール取れたのにな~、惜しかったなあ~(棒)

 スタート順位はベアライン、ミュラー、エバンス、ティクタム、デニスのトップ5。エリクソン、ダコスタ、ベルニュ、デフリース、ブエミが続きます。パワートレインという点では上位5人中4人がポルシェでエバンスだけジャガー、ただベアラインとデニスは同じポルシェでも強豪相手です。そのデニスから見て後ろにジャガーとエンビジョンが複数いる状態で、デニスはチームメイトのドルゴビッチが14位スタートなので孤立しています。この辺がお互いに睨み合ったらポールシッター有利なので、これはまさしく助かるベアライン(謎)

・決勝

 ピットブーストは19周目から30周目の間になるだろうというAI予想、現地解説では今回は屋内で煙モクモクになるのを避けるためにフォーメーション ムーブを行わないことになってるそうで、最初から正規グリッドに車が止まっていてスタート順位紹介が終わったらそのままスタートしました、すごい違和感です。J SPORTS放送陣が知らなくて出遅れるのは分かるんですけど、国際映像も明らかにこれを忘れてるようなカメラの振り方で気付いたら信号が点灯していていきなり始まりました、勘弁してよ~。

 やっぱりタイヤを全く動かさずにスタートするせいか、みんないつもよりヨレヨレしながらの発進。どう見ても危なそうだなと思ったんですがかえって慎重になるからか、意外と混乱なく上位5人が変わらないまま1周目まわってきました。そしてベアラインが逃げてミュラーがエバンスを抑え込む明らかなチーム戦略が始まります、チームメイトのおかげでタスカルベアライン。
 エバンスはミュラーを抜きたいけどここは絶対抜けないイギリス・エクセルロンドン、どうやっても抜けずに明らかにイライラしています。6周目にゼイン マローニーが左後ろのサスペンションを壊してコース状に停止しFCYが出ますが、まだピットブーストはできないので大きな影響は無し、マローニーは上海でも同じように突然足が壊れてリタイアしていましたが今回も突然壊れたようです。まあこの車は明日で終わりだからもう原因究明とかはいいか()

 大勢には影響ないもののFCYでちょっと計算が狂ったのはアンドレッティーでした、早々にドルゴビッチはアタックモードを使っていることからデニスを援護するために前に出てくる考えだったと思うんですが、FCYにより途中で終わってしまって10位までしか上がれませんでした。
 その後8周目の途中にFCYが解除されてレース再開、AI予想より早く15周目にはチラホラとピットブースト可能な選手が出始めて16周目になるとほぼ全員になりました。すると16周目にエバンスが上位で真っ先にピットに入りアンダーカットを狙います。そのまま17周目にアタックモードも使ってとにかく飛ばす!
 これに対してポルシェは17周目にベアラインではなくミュラーをピットに呼び、コースに戻ったのはエバンスの目の前。アタック中のエバンスをコーナー数個だけですが抑えました。一方でベアラインは18周目に先にアタックモードを使用、すぐにピットに入って頭を抑えるのではなく先頭の利点を生かして今のうちに飛ばし、とにかく余計な争いに巻き込まれない考えです。この後ミュラーがアタックを使えばエバンスの邪魔をできますから、ベアラインはそれなりの確率で1位を守れるはずです。
ミュラー「おーっと残念でした~」

 すると21周目に信じられない出来事、ディグラッシがターン9であんまり減速できず真っ直ぐ壁に突っ込む単独事故が発生してふたたびFCY導入、これでベアラインをはじめとしたピットに入っていなかった人たちはFCY中にピットブーストできてしまい大幅に得をしました。しかも、ちょうどベアラインがピットを出るあたりでFCYは解除されたので、恩恵を最大限に受けられたのはベアラインただ1人、むっちゃタスカルベアライン。ディグラッシは車の不具合で減速ができなかったようです。
 ピットサイクルを終えるとベアラインが2位に約8秒も差を付ける大量リードで、その2位はダコスタ、ティクタム、デニスの3人による争い。エバンスは実質8位まで落ちておりベアラインから30秒以上も離されていて不運以外の何ものでもありません。この2位争いはデニスが29周目から30周目にかけて上手いこと2人を抜いて2位を確保しそのまま引き離していきました。
 
 36周目、2回のFCYの合計時間から1周だけ追加された39周のレースで確定しますが、この辺りでさっきティクタムを抜いて3位になっていたダコスタが後続に追い立てられはじめます。どうもわざと蓋してエバンスが来るのを待ってる様子で、当たり前ですがこれで後ろが混乱しました。ダコスタさん、東京でそれやってるブエミに文句言ってませんでしたっけ・・・
 今回はそのブエミがダコフタ作戦で追いついて来て、これで被害を受けたのはティクタムでした。ターン1~2でごちゃついた時にモルターラに当てられて7位に後退。この混乱はどこまで続くのか、と思ったらどうもエバンスがあまりに離れてるせいかダコスタはゆっくり走るのをやめた模様で突然普通のペースで走りはじめ、ティクタムからしたら『だったら最初からやるなよ』という気持ちだと思います。マジであの時間は何やったんや(笑)

 そんなゴタゴタの間もベアラインはもちろん無風、ピット後はほぼ消化試合になったベアラインがそのままぶっちぎって今季3勝目・通算11勝目を挙げました。そしてこれでドライバー選手権でデニスを抜いてふたたび1位に浮上です!この下向きの花火は危なくないのか!


 2位は5.777秒差でデニス、3位は22.308秒も離れてダコスタとなりました。着順で5番目だったモルターラにはティクタムとの接触で5秒加算ペナルティーが科せられたので、4位からブエミ、バーナード、ティクタム、モルターラ、エバンス、ニック キャシディー、ロウランドのトップ10でした。デニスは2位で18点獲れたのでチャンピオン争いにきちんと生き残りましたが、エバンスは数字上は権利がありますがかなり難しそうです。

 まあ今回は戦略とか勝因とか何もないレースでした(笑)予選でポルシェが1列目を占めた時点で任務は半分以上終わっており、ミュラーは求められる完璧な仕事をしました。FCYはオマケですけどあれが無くても結果はさほど変わらず、むしろFCYが無ければデニスが2位になれなかった可能性があるので、ベアラインとすればレースには楽に勝てたけどチャンピオン争いでは厄介な方に多くの点を与えてしまったと言えなくもありません。
 ポルシェはエバンスがピットに入った時にベアラインで直接抑えに行かずあくまでミュラーにやらせました。徹底的なリスク管理で、それが結果としてFCY中のピットという王手を生みました。ただこの一手が素晴らしかったかというと実は必ずしもそうとも言い切れませんでした。ディグラッシがクラッシュしたのは電気系の不具合が原因とみられますが、こういう時に何らかの異常が発生して車に触れるのが危険であると検知された場合には赤色の表示灯が点滅する、俗にレッド カーと呼ばれる状態になります。

 レッドカーの場合ドライバーも安易に車外に出てはいけない状態になって救出と車両撤去をすごく慎重に行う必要があるため、場合によってはレッド フラッグが出てレースが中団してしまいます。それも今のレース ディレクター・マレク ハナチェフスキーはわりと決めるのが早いです。ディグラッシが万一レッドカーになっていたら、ベアラインは助かるどころかピットに入れないままピット組が追いついて中断され、逆に大損だったおそれもあります。可能性として高くはないですが、引っ張るリスクもやっぱりあるわけです。とりあえず今回は最初に『助かるベアライン』とかしょうもないことを書いたせいで変な呪いが発動したと思います(。∀゜)

 それとエバンスがミュラーをピットでアンダーカットできなかった要因ですが、このコースはアタックモードのアクティベーションがセクター3に入ってからのコース終盤にあります。ピット→その周にアタックモードというのはアンダーカットのセオリーなんですが、アタックがその周の終盤からしか使えないと当該周回でのタイム向上への寄与度が低くなります。
 予選でも300kWと350kWでセクター3のタイムには0.4秒ぐらいの違いしかありませんので、このコースだと遠回りして失う時間とそこからピット出口まで速く走る利益はほとんど相殺されています。とりあえずトラック ポジションを取るならアタック無しの全開走行の方がひょっとしたらその1周だけなら効き目があったかもしれません。まあそうすると後からアタックをいつ使うかの駆け引きが出てどっかで1回前に出られてしまう可能性が高いので、何を取るのか難しいのは間違いないです。



・ミュラー、『キウイの挟撃』に遭う!?
 
 ベアラインの優勝を予選からずっと助けた必殺仕事人のミュラー、しかし本人は11位になって入賞できませんでしたが、ここにはレース終盤の奇妙な動きがありました。31周目の段階でまだミュラーはエバンスを抑えて8位にいましたが、ここで11位にいたキャシディーが2回目のアタックモードを使用。2秒ほど後方から猛烈に追い上げて来たキャシディーは32周目にこの2人に追いつきます。
 国際映像だとちょうど画面左側に小さいワイプでエバンスの車載が映っていたので映像を持ってる方はもう一度ごらんいただければと思いますが、エバンスはターン19手前でキャシディーに抜かれた、というかほぼ道を譲ります。そして33周目に入ったところでキャシディーはミュラーの左側に並んでおり、たぶんミュラーはこれを抑えず先に行かせるつもりだったと思います。
 ところがキャシディーはターン1に向けてミュラーの左側に並んだまま、そしてターンに向かって切り込まずに直進。内側ががら空きになってそこをエバンスが抜いていきました。キャシディーはミュラーをコース外に押し出したわけでも壁に押し付けたわけでもないですが、譲るために早めに減速したであろう相手に合わせて自分もゆっくり減速し、しかも曲がりはじめないという想定外の動きで合法的にミュラーを封じてしまいました。そしてこの後、まだアタックモードがじゅうぶんあるのにキャシディーはエバンスに追いつけずに9位でレースを終えました。
 キャシディーはシトロエンなのでジャガーとは何の関係もないですが、しかしキャシディーとエバンスは同じニュージーランド出身の友人で昨年までのチームメイト。そしてエバンスは来シーズンになるとシトロエンと同じステランティス勢のオペルGSEに移籍する予定ですから・・・そこに何らかの意図があったと考えるのは自然です。ミュラーはレース後にこの件に関して憤慨していました。いやあ、殺伐としてきましたね^^;


 そんな殺伐とした空気もある中でいよいよ次戦が最終戦となります。エバンス推しとしてはもう毎回のことでこうやってタイトル争いからふるい落とされても何の感情も沸いてこないぐらいの状態ですが、まあ最後まで何が起きるか分かりませんから楽しみにします、キャシディーが突然何かやるかもしれませんし()最終戦は生放送を見る予定なので、レッドフラッグで日付が変わるのはやめてください☆

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