NASCAR 第18戦 ソノマ・事前情報

NASCAR Cup Series
Toyota/Save Mart 350
Sonoma Raceway(Sonoma,California)
1.99miles×110Laps(25/30/55)=218.9miles
Goodyear Racing Eagle Tire Code
D-5242(both sides)
Total Sets:7(5 new race/1 qualifying transfer to race/1 practice)

 NASCARカップシリーズ、コロナド海軍基地での特殊なレースを終えて今週もまたロードコース戦、そして今シーズン最後のロードコースでもあります。第18戦はソノマ レースウェイでのトヨタ/西武百貨店セイブ マート 350。今週からの5戦はTNTが放映権を持つレースとなり、イン-シーズン チャレンジもここから始まります。
 ソノマは1969年に開業したもののレース トラックを中心としたリゾート開発が見事に失敗して早々に廃墟になりそうでしたが、1980年代に入ってようやく新しい投資家さんが経営再建にめどを立て、そして1989年にNASCARが初めて開催されました。以降はCOVID-19の影響で中止になった2020年を除いて毎年開催されており、その多くが6月に開催されてきました。昨年は初めて7月の開催でしたが今年は6月末に戻ってますね。
 複数のレイアウトで走れるように設計されていますが、NASCARはどちらかというと1周が短くて周回数がたくさんある方が好みなので、1998年に『シュート』と呼ばれるショートカットの短い直線が追加されて以降ほぼこちらの約2マイルの短いレイアウトを使用しています。2019年にソノマ30周年記念として一番長いレイアウトに戻して2021年も継続したものの、やっぱりシュートを通って高い縁石でバインバイン跳ねながら走る短いバージョンの方が人気だったので2022年に戻されました。

 コースは高低差がある上に中低速のコーナーが左右にクネクネするので、重たいくせに馬力だけあるストック カーで走るのはけっこう難しく、ターン1~2は坂を上りながら、旋回しながら減速して左右に切り返すので失敗しがち。S字状のターン3・ターン3aはゴリゴリ内側に飛び込む人がいてけっこう接触が起きます。
 その先がショートカット部分でターン4aを抜けると低速のヘアピンであるターン7a、ミサイルが飛んでくることもあるし、やっぱりここもゴリゴリ入って来る人がいます。ここを超えると左右に中速コーナーで切り返す区間が続くので、どっかで1つミスると残りのコーナー全部グダグダに。右の中速コーナー・ターン10を抜けると実質的な最終コーナー・ターン11、ミサイル危険地帯その2です。立ち上がったらフロントストレッチですが、左にまあまあ曲がったターン12で何か間違えるとスタート/フィニッシュあたりで曲がり切れず壁に激突する時があるので気を付けましょう、ここで事故ると即効でコーションが出ます。

 グッドイヤーが持ち込むタイヤは先週と同じロードコース専用タイヤ。戦略はお馴染みステージ間コーション前にピットに入ってステージをフリップするパターンで3ストップを土台にするのが主流だと思いますが、先週リタイアでポイントを稼げなかったギスバーゲンはただ勝つだけでは物足りないのでひょっとしたらステージ1のポイントも狙ってくるかもしれません。
 タイヤは丁寧に使わないと結構厳しく、摩耗してくるとどんどん遅くなって上手い人と遅い人の差が開きがち。一方でここはピットに入った際のロスが比較的小さい形状なので、結果として上位の速い人はステージをフリップしてもステイアウト組より上位で復帰できてしまい、フリップとステージポイントが両立することもあります。ちなみに先週にステージ1でピットに入るよう指示されたギスバーゲンは「ポイント獲らなくていいの?タイヤ行けるよ。」と意見していました。タラレバですがそうしていればあるいは多重事故は起こらず・・・

・ちょっとしたデータ

 2022年以降のソノマ優勝者は順にスアレス、マーティン トゥルーエックス ジュニア、ラーソン、そして昨年はギスバーゲンでした。昨年のレースでは優勝した上にステージ順位も2位、1位と圧倒的でほぼ満点の成績でした。で、実は期間を絞らない通算成績で見ても現役のソノマ勝者はギスバーゲン、スアレス、ラーソンの3人しかいません。大ベテランのハムリン、ケゼロウスキー、ロガーノなどは勝ったことが無く、4勝したトゥルーエックスは引退。2勝したカイル ブッシュが亡くなられたため、優勝経験者がごっそりいなくなっています。

 ギスバーゲンは初ソノマで優勝して平均順位も1なので除外するとして、2022年以降のソノマで平均順位が最も良いのはなんとマクダウル。全てのレースで7位以内、一昨年は2位に入っており平均順位が4.0です。これにエリオット、ブッシャー、チャステイン、アルメンディンガーが続いています。4戦全てトップ10フィニッシュしているのはエリオットとマクダウルのみ。トップ5フィニッシュ3回もマクダウル、エリオット、ブッシャーの3人だけで、たぶんソノマのあのこちゃこちゃしたターンを丁寧な操作で走らせるのが合ってるんでしょうね。タイヤをもたせることができれば作戦の幅も広がるので、とにかく滑らせずにミスなく走れる人がソノマは強い印象です。
 レディックは平均で言うと大したことない数字ですが予選順位は平均4.3と素晴らしく、レース結果も一昨年8位、去年は6位と直近を見れば競争力はありそう。チームメイトのウォーレスはロードコースでも意外と頑張ってたりするんですが、過去4年間で17位が最高位、通算7戦でも最高位は14位でトップ10経験がありません。先週は脱輪で激怒からのまさかの2位でしたが、今週もサプライズはあるでしょうか。

 ちなみに今回は誰も該当しませんが、ソノマでは過去に52人の選手がカップシリーズのデビューを果たしています。その中で決勝の順位が最も良かった選手、わりと有名な選手なんですが、果たして誰でしょうか。せっかくなのでクイズにして答えは記事の最後に(笑)

・レース前の話題

 今シーズンからクラフツマントラックシリーズに復帰したダッジ、カップシリーズへの復帰も当然ながら視野に入っており、当初はさすがにトラックから1年で準備は整わないだろうから2028年が目標だろうと言われていたようですが、ジ アスレティックが関係筋の話として2027年に参戦できる方向性で調整が進んでいると伝えました。なんでもエンジン開発等で開発速度を上げる手法を見つけて急激に準備が整ってるんだそうです。まあまゆつば程度に聞いて楽しみにしておきましょう。
 カップに参戦するなら当然最初に組む相手はトラックシリーズで連携しているコウリッグ レーシングということになりそうです。できればアルメンディンガーに勝てる車を提供してあげたいですね。なおコウリッグといえばトラックシリーズ第15戦・ノースウィルクスボロではなんとライアン ニューマンがラム 1500のドライバーを務めることも発表されています。引退してたおっさんが何人も戻って来るラムちゃん面白い(笑)

 次に、NASCARはショート トラックでの前後バンパーに関する規定を変更し、衝撃吸収部材の使用を禁止し、内部の支柱部分も変更すると発表しました。Gen7車両は従来の鉄製ではなく炭素繊維複合材を使用しているために強度が高く、それゆえ壊れにくいのは良いんですが固すぎて強烈な衝撃が中にいる人間に伝わってしまい、最悪の場合は脳震盪を引き起こすためたびたび問題になっていました。
 これまでにも段階的に様々な部材の強度を意図的に下げる方向にする調整をして脳震盪の危険性を減らす対策が行われてきましたが、今回の変更でショートトラックで多い前後のゴツゴツとした接触の衝撃からドライバーをある程度守ることに寄与する見込みです。一方で壊れやすい構造になりますからうかつにゴツーンとやったらバンパーが壊れますので、注意して走らないと修復作業で順位を落とすことにも繋がります。

・ARCA Menard Series West General Tire 150

 ARCA メナーズ シリーズ ウエストの第7戦。いつもならあるはずの公式ハイライト動画がまだ見当たらないんですが、18歳のサム コリーがポールスタートから1周もリードを奪われることなくARCAシリーズ初優勝。元々はインディーカーの登竜門であるUSF ジュニア選手権に参戦していたフォーミュラ畑の人でロードコースには自信があったようです。昨年からストックカーに転向してARCAに少しずつ参戦していました。

 2位はコリーのチームメイトで19歳の女性ドライバー・ミア ラベル。中国生まれですが生後7か月間は孤児院で過ごし、その後に現在の両親に引き取られてアメリカに渡ったという経歴の持ち主です。元々はスケートボードで活動していましたが、COVID-19で大会が無くなってできることが無くなった際にたまたま父親がきっかけでレースに興味を持ってしまい、馬力ゼロの4輪車からこっちに乗り換えて今に至るそうです。

・O'Reilly Auto Parts Series Pit Boss/FoodMaxx 250

 オライリーシリーズもほぼ独走劇。ポールシッターのギスバーゲンが79周中66周をリード、ステージをフリップした時に順位を下げた程度でした。最大のライバルであるジリッシュが予選時にタイヤをパンクさせて交換したため後方スタートとなり、その後ピット速度違反でもう1回最後尾に落ちたので全く対戦相手に登場せず。ジリッシュはそれでもトラック上で挽回し、最終的にはギスバーゲンから1.324秒差の2位でした。

 3位はクルーズ、4位にアンソニー アルフレード、5位はパーカーレツラフ。アルフレードとレツラフは予選と同じ順位でのフィニッシュで非常によく戦ったと思います。

・カップシリーズ予選

 ブッシュライトポール賞はなんとタイギブスが獲得しました、今シーズン初で通算3度目、ロードコースでは初めてです。2位は僅か0.025秒差でホースバー、3位ラーソン、4位マクダウル、5位チャステイン。ギスバーゲンは2つに分けられたグループのA組の中では最速でしたが全体では6位という結果、ギブスに対して0.085秒届きませんでした。ハンドリングに納得していないようで、予選ではスピンも喫しました。
 7位からチェイス ブリスコー、アルメンディンガー、ハムリン、ロガーノのトップ10。レディック、ヒル、バイロン、ベルが続きます。左手首の骨折が心配なベルですが今回のレースを完走する気満々。本人によると痛みは先週から既に無くて、ただ手首を固定しているせいで素早い操作ができないことと、コロナドはさすがにコンクリート壁に囲まれていて事故の際の危険性が高いので安全に行かざるを得なかっただけだ、とのこと。このコースも何か所かヤバいところがあるんですが大丈夫でしょうか。。。
 ブッシャーが15位、ジリッシュは17位、エリオットが18位、スアレスは21位。最近上り調子でドライバー選手権14位まで上げてきてたエリック ジョーンズですが今回は練習走行で派手にスピン、予選も32位と振るいませんでした。またウォーレスは予選26位でしたがさらなる記録更新を目指していてうっかりクラッシュしてしまい、修理のために決勝は最後尾スタートになります。


☆クイズの答え ヤン マグヌッセン

 マグヌッセンは2010年のソノマで自身初にして唯一のカップシリーズ出場となり、予選は32位でしたが決勝はなんと12位でした。ちなみに10位はファン パブロ モントーヤ。2008年はマルコス アンブローズが同じくソノマでデビューして予選7位でしたが、決勝ではトランスミッションが壊れてリタイアしました。まさか今週もマグヌッセンの名前を聞くとは思いませんでしたね。おしまい。

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