NASCAR Cup Series
Anduril 250 Race the Base
Qualcomm Circuit 3.4miles×75Laps(20/20/35)=255miles
さあとうとう来たぞ、アメリカ合衆国建国250周年記念だからって海軍基地の中に市街地コースを作ってしまう非常識なレース・アンドゥリル 250。ニミッツ級航空母艦 3番艦・カール ビンソンぐらいなら名前はニュースで見るから知ってるぞ。あと日本でも色んな意味で名の知れたV-22型ティルトローター機っぽいのもいましたね。え?知らない?だいたい報道では『オスプレイ』という愛称で呼ばれがちですね。
ショートカット防止用のタイヤが動きましたが、レース進行に影響ないせいかコーションは出ずにそのままタイヤ放置。そしてあまりにタイヤの消耗が激しいのでステージ残り3周でフリップする、なんて言ってられず8周目あたりからタイヤを交換する人が出始めました。リーダーのブレイニーも一時は2位を3秒以上引き離していましたが、急激にウォーレスに追い上げられる中で10周目にピットへ。
この混乱で3位と4位以下に大差が付くことになり、リーダーのジリッシュにとっては後続がほぼいなくなった超ラッキーな展開になりましたが、30周目にクルーズの乗る20号車が駆動系の破損からたぶん回転数が上がりすぎてエンジンが壊れた様子、3回目のコーションとなりました。車が壊れた不運なのか、変速の操作に問題があって壊してしまったのかは分かりませんが、少しでもベルのためにポイントを持ち帰り、自身も経験を積むはずがあっという間にレースが終わってしまいました。その話とは別に、たぶん中古タイヤで走らされて動くシケインみたいになってたのは気の毒でしたけど^^;
バケモノマスタングも気になりますが、ラーソンより1周だけ古いタイヤを使っているハイムが55周目あたりからどんどん差を詰めて、元々5秒以上の差があったものが59周目のうちに真後ろにまで追いつきました。そしてこの状態で2人同時にピットへ飛び込み、ほとんど同じ差でピットを出て行きます。
レディックがハイムに当ててしまい、埃だらけの外側に追い出されたハイムは完全に失速して軽く壁にゴツン。一番見たくなかった結末になった、と思った直後。なんとレディックは減速してハイムが立て直すのを待ち、順位を譲ってから加速を再開しました。我々がグランツーリスモでよくやるフェアプレイ(またの名を見知らぬ人とレースする上での処世術)をレディックはNASCAR最高峰の舞台で見せ、とうとうハイムがリーダーになりました。
レディックを応援している人はここからまたフェアプレイでレディックが抜き返す姿を期待。ハイムがタイヤを使いすぎて突然失速するかもしれないので当然起こり得る展開。あと2周、まだまだ分からないぞ・・・あれ?レディックが急に消えた・・・?
左前輪がパンクしてターン4の壁に突っ込んでいました。ハイムとは右側しか接触していないので、単に酷使しすぎたか何かを踏んだか。レディックはフェアプレイでも2位を守れればまあまあ、というところがこれで半周以上ゆっくり走らされての緊急ピットを余儀なくされました。結局このレースを25位で終え、ドライバー選手権で引き離せるはずだったハムリンとの差がむしろまた縮まってしまいました(´・ω・`)
Anduril 250 Race the Base
Qualcomm Circuit 3.4miles×75Laps(20/20/35)=255miles
winner:Corey Heim(23XI Racing/Mobil 1/O'Reilly Auto Parts Toyota Camry XSE)
さあとうとう来たぞ、アメリカ合衆国建国250周年記念だからって海軍基地の中に市街地コースを作ってしまう非常識なレース・アンドゥリル 250。ニミッツ級航空母艦 3番艦・カール ビンソンぐらいなら名前はニュースで見るから知ってるぞ。あと日本でも色んな意味で名の知れたV-22型ティルトローター機っぽいのもいましたね。え?知らない?だいたい報道では『オスプレイ』という愛称で呼ばれがちですね。
普通はニュースでも『CH-47型ヘリコプター』とか『C130型輸送機』とか『F35型ステルス戦闘機』とか呼ぶのに、なぜかV-22だけは『オスプレイ』呼称が普通になっています。でもこれってCH-47を『チヌーク』、C130を『ハーキュリーズ』って呼ぶようなものなので実は変なんですよね。普通は兵器の愛称なんていちいち知らないのが普通なのに、V-22だけは特殊な形状ゆえに『オスプレイ』という愛称がまるで固有の機体名のように広まっちゃったというちょっと変な事例です。あ、スタート ユア エンジンズ!
・ステージ1
やらかすとヤバいことをみんな理解しているためか比較的落ち着いたスタート、記念すべき1周目のリードをSVGが取ってホースバー、ブレイニーのトップ3。ただSVGはスタート前の取材に「先頭を走るとどのぐらい飛ばして良いのかが分からない。」ことを懸念していたそうで、その通りになったのかホースバーが3周目のターン7で一旦SVGをかわしました。
ここはホースバーがタイヤを使いすぎたようですぐにSVGが抜き返してホースバーがグダグダになりますが、お次は4周目のターン6でブレイニーに抜かれると今度は反撃できず、さらにプリースにも抜かれて3位後退。この出入りのハゲしさはタダでは済まなさそうなレースになりそうです、とか言ってるそばから5周目にシケインでジョンソンがクラッシュ。
ショートカット防止用のタイヤが動きましたが、レース進行に影響ないせいかコーションは出ずにそのままタイヤ放置。そしてあまりにタイヤの消耗が激しいのでステージ残り3周でフリップする、なんて言ってられず8周目あたりからタイヤを交換する人が出始めました。リーダーのブレイニーも一時は2位を3秒以上引き離していましたが、急激にウォーレスに追い上げられる中で10周目にピットへ。
ここからできるだけ引っ張る人とタイヤを換えまくる人の戦略が分かれて面白くなりそうでしたが、12周目に突然ステンハウスの車がトラックのど真ん中で動かなくなってしまったのでコーション発生、ステージ終盤まで粘ってフリップを目論んでいたであろう上位陣は計画が狂います。ちなみにステンハウスは最初「ガス欠した。」と無線でぼやいてた模様、実際は電圧が落ちていてバッテリー系の不具合でした。
このコーションでベルは車を降りてクルーズと交替。トラック上ではどうせもうすぐステージ1が終わるので上位勢がそのままステイ アウトして15周目にリスタートしました。つい数周前にタイヤを換えているブレイニーが有利なのは明白で翌周にはリーダーとなりますが、SVGたちステイアウト組はステージをフリップするため残り3周でどっちみちピットに入るので、ここは直接の順位争いという感じではありませんでした。
そしてこの後に残念な事件、さっきタイヤを交換したウォーレスの右前輪が外れてしまってコーション発生となりステージ1は事実上終了となりました。ステージ1の勝者はブレイニーで、プリース、ラーソン、ギブス、アルメンディンガー、ギリランド、ホースバー、ジョーイ ロガーノ、ジリッシュ、バイロンのトップ10となりました。ウォーレスはトラック上で脱輪したので2周ペナルティーの重罰を受け、無線で「ふざけんなよ!」と激怒。普通に走って1周に2分15秒以上かかるコースなので、コーションで2周待つとむちゃくちゃ長い待ち時間になりました。休日昼間の大阪環状線・野田駅ぐらい待ち時間が長かったのでは(謎)
・ステージ2
ステージ間コーションで多くのリードラップ選手がピットに入りますが、ステージ1中盤でタイヤを交換してここでは入らない人もいて作戦バラバラ。ステージ2はプリース/ジリッシュの1列目で23周目にリスタートしました。ステージ1フリップ組は4列目あたり、今ピットに入った人は9列目あたりからのリスタートとなっています。
まずはジリッシュがリードして迎えた24周目、ターン5で4位争いをしていたブッシャーがギスバーゲンに押されてスピン。ちょっと突っ込みすぎたブッシャーがかなり速度を落として外れたラインから戻って来ようとしたところ、普通に曲がっていたギスバーゲンが普通に押しました(笑)SVGって同格の相手と鎬を削るとむっちゃフェアーでナイスガイですけど、曲がるのが下手で旋回速度が遅かった人に対してはわりと容赦なく押す癖があるような気が。
問題は接触後で、幅の狭い部分でブッシャーが横を向き、これが左右のどっちに行くか読めなかったギスバーゲンも急ブレーキを踏んでほぼ停車。2人はぶつからずに済んだものの道路がほぼ通せんぼ状態になりました。後続大渋滞が頭をよぎりますが、なんと全員の素早い反応によって誰もぶつからず、ブッシャーが立て直して問題は解決。結果としてギスバーゲンは当ててしまったブッシャーを待ってあげた、みたいになってこの後に自力で抜き直すことになりました。
後ろの2階建てバスに乗ってるのはターン5で待ち構えるスポッターさんたちで、放送席は『スポッターが迅速に反応してドライバーに状況を伝え事故を未然に防いだはず』と彼らを称賛しました。そういうかゆいところに手が届く解説が良いですね。ハービックとボイヤーだとたぶんゲラゲラ笑ってるだけでしょう(笑)
この混乱で3位と4位以下に大差が付くことになり、リーダーのジリッシュにとっては後続がほぼいなくなった超ラッキーな展開になりましたが、30周目にクルーズの乗る20号車が駆動系の破損からたぶん回転数が上がりすぎてエンジンが壊れた様子、3回目のコーションとなりました。車が壊れた不運なのか、変速の操作に問題があって壊してしまったのかは分かりませんが、少しでもベルのためにポイントを持ち帰り、自身も経験を積むはずがあっという間にレースが終わってしまいました。その話とは別に、たぶん中古タイヤで走らされて動くシケインみたいになってたのは気の毒でしたけど^^;
ここでは2位のプリース、さっきスピンしてタイヤを溶かしたであろうブッシャー、そして後方の人がピットに入り、リーダーのジリッシュを含め半数ほどはステイアウト。私の脳内計算でもここはステイアウトしてステージフリップが得策に思えました。しかし作戦だけを見て語れないのがNASCAR、32周目のリスタート直後でした。2列目リスタートのSVGが抜群の加速でスタート/フィニッシュ地点でもう外に並びかけて3ワイド!?いや、さすがに危ないから引いたか。。。あ!これは危ない!
SVGが引いてヒルとジリッシュだけが並んでターン1に飛び込みましたが、ヒルはブレーキをロックさせて全然曲がれておらずジリッシュが追いやられて壁へ。そこに普通にターン1へ飛び込んだSVGが突っ込んで、あとはもうぐっちゃぐちゃ。昨日のオライリーと同レベルの多重事故発生となりました。SVG、ジリッシュ、ヒルは全員リタイア。壁の修理に時間がかかるため10分ほどレッドフラッグとなり、レッドを含む4回目のコーション全体はかなりの待ち時間となりました。
正直ターン1へ入るヒルの挙動を見た瞬間に終わったと思いましたが、SVGも前に釣られてちょっと突っ込みすぎてるように見えるので失敗した感じは見受けられます。3ワイドに並んで、引いて、という流れでターン1に抑え気味に入ってラインを交差させたら抜けられた可能性は感じますね。もっとも、後ろにも山ほど相手がいるので丁寧にターン1に入ろうとしたら後ろからぶつけられて結局事故現場一直線になった可能性もありますが。なおこのコーションでウォーレスが2連続となるフリー パスを獲得、2周ペナ帳消しでリードラップ復帰です。
上位陣が大量に事故ったので34周目のリスタートはライリー ハーブスト/ラーソンの1列目、2人ともなんかリスタート後にもたもたしていてゼインスミスがあっさりとリードを奪いますが、ちょっと落ち着いたらしいラーソンが37周目にこれを抜き返しました。抜かれたスミスはこの周を終えてピットへ、ステージをフリップ。
リーダーのラーソンも残り2周でピットに入って同じくフリップ作戦、結果としてステージ2の勝者はさっきのコーションでタイヤを交換して飛ばしまくっていたプリースになりました。2位はステージ1終了後にタイヤを換えてそのまま走り続けていたハーブスト。3位からブッシャー、アルメンディンガー、ブレイニー、ホースバー、スアレス、ロス チャステイン、ギリランド、ロガーノでした。
ところでラーソン陣営のピットにはお客さんとしてパトリック マホームズがいますね。カンザスシティー チーフスのクオーターバックとして活躍しており、2020年の第54回スーパーボウルではチーフス50年ぶりの優勝に貢献してスーパーボウルのMVPを史上最年少で獲得。父親はかつてプロ野球・横浜ベイスターに所属していたこともあるパット マホームズです。
・ファイナル ステージ
コロナド海軍基地祭りもいよいよ終盤、ステージ間コーションでプリースはステイアウトを選択しました。周回数で言えばタイヤはまだ新しい部類ですが、かなり攻めまくってるので摩耗はそれなりに進んでると思うので予定の周回数までもつんでしょうか。たぶんここからどのドライバーもあと1回のタイヤ交換でどうにか終わらせたい流れだと思われます。
43周目/残り33周でリスタート、ターン2でコール カスターとベリーが絡む事故があり、ベリーの車はグリルあたりがぐっしゃぐしゃに潰れたので破片が落ちて翌周にコーション。このコーション前にプリースを抜いていたブッシャーが46周目のリスタートではすぐに後続を引き離しにかかりますが、48周目には同じタイヤ履歴のブレイニーに掴まってリードチェンジ。しかし彼らより新しいタイヤを履くラーソンが既にすぐそこにおり、49周目のシケイン入り口でラーソンがリーダーになりました。プリースは順位爆下げ、ああやっぱり。
しかしレースに落ち着く時間はなく、51周目/残り25周から逆転を狙う人たちがピットに入りはじめました。基本はこれで最後まで走る予定で今すぐコーションが出たらラッキー。アンダーカットを狙いつつ、もしタイヤが潰れたらもう別に2ピットでいいや、という割り切った考え方です。一方でリーダーのラーソンはもう少し均等割りに近い堅実な手法を選択、新しいタイヤを履いた周回遅れのベリーが途中から後ろに付いてきました。タイヤさえ元気なら車がボロボロでも問題なし(笑)
| バケモノマスタング |
バケモノマスタングも気になりますが、ラーソンより1周だけ古いタイヤを使っているハイムが55周目あたりからどんどん差を詰めて、元々5秒以上の差があったものが59周目のうちに真後ろにまで追いつきました。そしてこの状態で2人同時にピットへ飛び込み、ほとんど同じ差でピットを出て行きます。
これで最後のピットサイクルが概ね終了し、実質的なリーダーは51周目にタイヤを交換してアンダーカットしているブッシャー、2位は同じ作戦のZ.スミス。ラーソンはブッシャーから8秒ほど後方でタイヤの履歴差は8周という状況なので追いつくのは時間の問題っぽいですが、ここでステンハウスがターン1の壁にぶつけてしまい何かの液体を噴きながらターン2先の退避路へ自主避難。オイルで滑ったら危ないので本日7回目のコーションが出て、ラーソンもハイムも追いかける時間が不要になりました。
ところがラーソン以上に得をした人がいました。まだピットに入っていなかったホースバーとレディックがコーション発生時にちょうどピット内にいたので幸運を引き当てる形になって上位陣に割り込み成功。タイヤの古いブッシャーとスミスはこのままリスタートしたって負け戦になりそうなのでコーション中にピットに入ることになり、結果としてトラック上は概ねみんな似たタイヤ履歴の車で揃いました。64周目/残り12周、ホースバーとラーソンの1列目でリスタートします。
好リスタートを見せたホースバー、ラーソンはなんとか抜こうとしますが逆に23XIの3人衆・レディック、ハイム、ウォーレスに襲い掛かられて5位に後退しました。方や勢いに乗る3人衆はさらに進撃、ちょっと攻めすぎてとっちらかるホースバーをターン12Bでレディックがかわし、さらにシケインでハイムも真後ろに。ここでハイムはちょっと距離を詰めすぎてホースバーにぶつけてしまいました。ハイムは現場を立ち去って2位浮上、回されたホースバーはスピンして後方へ。ハイムはフル参戦する前から遺恨を作りましたね(笑)
レディックとハイムはここから長いような短いようなタイヤ消耗持久レース、3位のウォーレスがあんまりペースは上がらないもののラーソンを抑えてくれてるので完全にこの2人だけのレースになりました。ハイムは先ほどラーソンを追いかけた時と同様にきちんとタイヤをもたせているようでレディックの0.7秒ほど後方を常に保って追走。そして残り5周あたりからスイッチが入った様子で少しレディックとの距離を詰めていきます。
すると残り3周、後輩に煽られた影響かレディックがターン2のブレーキングで不安定になってしまい、すかさずハイムが立ち上がりで並ぼうとしますが焦って自分もトラクションをかけられずにズルズル。そのままターン3へと向かいハイムはちょっと遠い位置から内側に飛び込もうとします。やばい、チームメイト同士で当たる!と思ったらレディックはきちんと内側を空ける大人の対応を見せて完全に横並びの状態に。
そのままターン4を並走、立ち上がりでハイムが僅かに先行してターン5の内側を取れる、と思ったらレディックがラインを変えて右から左へ後ろから回り込むようにして位置取りを変え、ターン5に飛び込んで、ああ!汚れたラインで突っ込みすぎだ!
レディックがハイムに当ててしまい、埃だらけの外側に追い出されたハイムは完全に失速して軽く壁にゴツン。一番見たくなかった結末になった、と思った直後。なんとレディックは減速してハイムが立て直すのを待ち、順位を譲ってから加速を再開しました。我々がグランツーリスモでよくやるフェアプレイ(またの名を見知らぬ人とレースする上での処世術)をレディックはNASCAR最高峰の舞台で見せ、とうとうハイムがリーダーになりました。
レディックを応援している人はここからまたフェアプレイでレディックが抜き返す姿を期待。ハイムがタイヤを使いすぎて突然失速するかもしれないので当然起こり得る展開。あと2周、まだまだ分からないぞ・・・あれ?レディックが急に消えた・・・?
左前輪がパンクしてターン4の壁に突っ込んでいました。ハイムとは右側しか接触していないので、単に酷使しすぎたか何かを踏んだか。レディックはフェアプレイでも2位を守れればまあまあ、というところがこれで半周以上ゆっくり走らされての緊急ピットを余儀なくされました。結局このレースを25位で終え、ドライバー選手権で引き離せるはずだったハムリンとの差がむしろまた縮まってしまいました(´・ω・`)
ハイムはレディックの脱落で圧倒的に楽な展開、2位争いに変わったウォーレスとラーソンの争いは一旦ラーソンが抜いていたのにウォーレスが再逆転し、争ったおかげでハイムから10秒も後方になっていました。「200車身差だぞ~」と無線で落ち着かせてもらいながら最後の1周を丁寧に、でもなくけっこう残ったタイヤで車をブリブリ振り回しながらハイム帰還。コリー デイビッド ハイム、7月5日に24歳になるトヨタ陣営期待の若手がカップシリーズ通算13戦目でまさかの初勝利。3時間36分50秒に及んだ歴史的レースでNASCAR史に新たな名前を刻みました。
トレバー ベイン「コリー ハイム選手、見事なレース運びで一日を通してミスなく走り抜きました。コリー、ちょっと待ちましょう、道具を外しているところですね。(ハイムがヘルメットを脱いで帽子を受け取るまで待つ)今の気分はいかがですか?」
ハイム「何も言えないです。13位スタートから20位あたりまで順位が落っこちて、予選で使った中古タイヤに履き替えた時も苦戦しました。アジャストをしたのかどうかは分かってないんですけど、クルー チーフのブティー バーカーがずっと『この2セットは一番状態の悪いタイヤだから大丈夫だ』って言い聞かせてくれて。実際、その通りでした。別のセットに履き替えたら信じられないぐらい調子良くなって。壁に何度か当たったり上手く乗れてなかったりして、どうなることかと思ってたんですけど。ステージ2が終わった後に一度深呼吸をして気持ちを切り替えました。このレースには大きな期待をしてたんですよ、自分のような若手ドライバーが珍しく対等な条件で戦えるチャンスでしたから。それで一度落ち着いてリセットして、攻めの姿勢で挑んだんです。有力選手がクラッシュする幸運もあったんですけど、過程よりも結果の世界ですからね。」
ベイン「コリー、私はこの3、4年間トヨタのプログラムでどれほどの努力を重ねてこのチャンスを掴んだか知っているだけに、あなたの走りを見ていて鳥肌が立ちました。あの強力なタイラー レディック選手を追い上げて、互角に渡り合う姿を目の当たりにできました。彼とのバトルについてですけども、タイヤを温存しながらペースを保って、そして抜きにかかった後にタイヤカスに乗ってしまいました。」
ハイム「いやあ、トレバーさん、あなたにも本当に助けられましたから、本当にありがとうございました。そうですね、しばらくの間は彼に遊ばれているような感覚があったんですけど、先頭を走る彼がペースをコントロールしていて、こっちはなんとか食らいついていけました。タイヤを壊さないように走れて、残り5周になったところでプレッシャーをかけてミスを誘おうとしたら、本当にミスをしてくれました。何かのトラブルだったのか詳しいことは分かんなかったですけど、でも彼には本当に頭が下がります。
ターン5でドア トゥー ドアの接触があったんですけど、彼は順位を譲ってくれました。いっつも言ってるんですけど素晴らしいチームメイトだと思います。本当に信じられないですしまるで夢のようです。この夢から覚めたくないですね。もうとにかく、23XI、モービル ワン、そしてトヨタには感謝しかありません。パートタイム参戦のシーズンで勝てるとは思ってなかったんで本当に驚いてます。本当に信じられない思いです。あまりに凄すぎて、まだ実感が湧いてきません。そのうち湧いてくると思うんですけど、今はまだ飲み込めていない感じですね。」
ベイン「コリー選手、この瞬間をしっかりと噛みしめてください。これは本当に大きな勝利、ここコロナド海軍基地で開催されたレースの中でも最高の瞬間でした。この67号車トヨタチームにとっても素晴らしいレースになりました。放送席のアダムにお返しします。」
※ベインは2022年からオライリーシリーズでジョー ギブス レーシングとスポット参戦契約でレースに出ていたので、その頃ちょうどトヨタの同門として何かしら関わりがあったと思われる。
映像で見て残り5周で攻撃モードになったと感じてたら、本人も残り5周だと言ってたのでニヤッとしました()2位には10.365秒差でウォーレスが入り23XIレーシングが1-2 フィニッシュ、2周ペナルティーは帳消しですが罰金とクルーの出場停止は帳消しにできません。3位からラーソン、スミス、アルメンディンガー、ブッシャー、チャステイン、ハーブスト、ブレイニー、マクダウルのトップ10でした。レディックがパンクせず残っていれば23XIは1-2-3フィニッシュと、ハーブストを含めたチーム4人が全て1桁順位という滅多にお目にかかれない偉業を達成するはずでしたが、幻になってしまいました。
レースを各所で沸かせてくれたプリースは11位、ステージ ポイントを含めて45点を獲得しており、これはアルメンディンガーと並んでこのレース最多。おかげでドライバー選手権で19位から16位に飛びあがりました。逆に、ここで大量に稼ぐはずだったギスバーゲンはステージポイントを捨てる作戦だったので1点のみの獲得、17位とプレイオフ圏外に落ちています。これはかなりキツイ。
オライリーのハイライト動画を見た時点でまあ普通には終わらんレースになるだろうと覚悟はしていましたが、まさかハイムが勝つとは1%たりとも想像していませんでした。レギュラー シーズンのチャンピオンを争っているチームメイトの先輩がリーダーで、それを追いかけてたらそんなにむちゃはしないだろう、という予想を見事に裏切る攻めに対し、無茶して台無しにはしたくないレディックが大人の対応を見せた、と思ったらそうでもなくがむしゃらに突っ込んで大失敗して、どれもこれも予想外すぎます。
そしてレディックが見せたフェアプレイ精神は見習いたいもので、そのまま2位で終えていたら偉大な敗者として記憶に刻まれるはずでしたが、パンクしてそれも消えました。最初にターン2で失敗した時点から既にブレーキもタイヤもかなり厳しかったんだろうとは思いますが、タイヤが壊れるほどの負担があったのかどうなのかは不明です。ただ1つ上げておくと、事前情報ページでギスバーゲンの予選タイムが2分14秒788だったと書きましたが、決勝の終盤にかけては路面状況がかなり良くなったのか、全体のペースが速くなっていました。
予選ではギスバーゲンですら2分14秒台、他は15秒から16秒、もっと遅い人も大勢いましたが、国際映像に表示された51周目~52周目のタイムはリーダーのラーソンを筆頭に上位勢が2分15秒台中盤あたり。レース中の燃料が詰まれた中古タイヤのタイムで、ファステスト ラップで見たらたぶんほとんどのドライバーは予選よりも速く走っていたと思います。最初に練習走行を行った際には「シミュレーターより8秒以上遅くて驚いた」と話した人がいたらしいので思った以上に路面が悪くてみんな困ったと思いますが、走ってるうちに速くなってそれもそれで困らされたはず。ひょっとしたらレース終盤は想定よりブレーキが必要になって、設定した冷却口の大きさでは冷却不足だったとか細かい部分があったかもしれません。
・マグヌッセン、最速ラップも・・・
ケビンマグヌッセンのNASCAR初挑戦は27位でした。かつてのキミ ライコネンのように部分的に光るものが見えることもありませんでしたが、2分12秒485のエクスフィニティー ファステスト ラップを記録してレースの記録に1つだけ名前を刻んでいきました。中継映像としては38周目にグレッグソンと接触し、これでグレッグソンがけっこう車を派手に壊してリタイアした映像だけが印象に残りましたが、この1件がレース後になって大きな出来事であることが分かり、結果としてレースが終わってから大きな注目を集めてしまいました。
というのもグレッグソンとマグヌッセンはレースの序盤から近い位置を走っていて、どうやら最初にマグヌッセンがグレッグソンにぶつけてしまったら、グレッグソンが腹を立てて執拗に前後を走るマグヌッセンに抵抗。進路を変更しながらブロックを繰り返し、抜かれてもぶつけて抜き返し、あまりのしつこさにキレたマグヌッセンがさらに応戦して泥沼化しました。さらにSVGの大クラッシュがあった後のコーション中、グレッグソンは本来の順位を外れてわざわざマグヌッセンの前までやってきて中指を立てる大暴れ。リスタート後もさらにやり合いが続いた挙げ句、最後にマグヌッセンがKOパンチを見舞ったようです。
しかしレース後もまだ終わりません。クラッシュでリタイアしたグレッグソンは服を着替えてからレースを完走したマグヌッセンを律義に待ち構え、お互いに放送自粛用語を使って罵り合う泥仕合。後にラジオ番組に出演したグレッグソンによると、ぶん殴ってやろうと思っていたけど実行すると仕事に重大な支障が出ると警告されたのでやめた、とのことで、車で見舞われたKOパンチに物理的にカウンターパンチを見舞う寸前だったようです。
正直レース全体の流れが分からないし車載映像ではその前方の車群の様子も見えないので、接触の部分だけを切り取った動画ではどちらに非があるのかからしてよく分かりません。たしかに、年間36戦を戦う選手と観光気分でスポット参戦するゲスト選手では立場が違い、スポット参戦選手は一定の配慮をするのはマナーだと思いますが、一方でグレッグソンはまさにその36戦を戦う選手としてあまりに短絡的だったようにも思います。
ペースとしてはぶっちゃけマグヌッセンの方が速かったみたいなので、ゴツゴツ来るならさっさと前に出して付いて行けば何の問題もなくポイントを持ち帰れたのに、相手に対抗することに執着した結果レース順位は二の次になって挙げ句の果てに報復されてリタイアになりました。チームと契約しスポンサーから多くの支援を得た選手の振る舞いとしてそれが妥当だったのかと問われると、グレッグソンはこの醜い争いの敗者だったようにも思います。
クルーチーフやスポッターはそういう冷静な判断を促す役割も担うはずですが、ひょっとしたらグレッグソンと一緒になって『何がF1だこの野郎』ぐらいなノリで一緒になって熱くなってしまったのかなあという気もしますし、チームとしてここはちゃんと反省しておかないといけない気がします。まあフロント ロウ モータースポーツは財政的にも厳しい零細チームなので、何か事件があった方がむしろ得なのかもしれませんが・・・^^;
さて、次戦もまたロードコース戦で海軍基地とは違ってNASCAR伝統と言えるソノマです。今回はマグヌッセンはいないのでグレッグソンも安心してレースが出来ます()
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