NASCAR 第14戦 ナッシュビル・事前情報

NASCAR Cup Series
Cracker Barrel 400
Nashville Superspeedway(Lebanon, Tennessee)
1.333miles×300Laps(90/95/115)=399.9miles
Goodyear Racing Eagle Tire Code
Left:D-5284 , Right:D-5290
Total Sets:11(9 new race/1 qualifying transfer to race/1 practice)

 NASCARカップシリーズ、レギュラーシーズンが折り返して後半戦に入る第14戦はナッシュビス スーパースピードウェイから。ナッシュビルは1周が1.333マイルと中途半端な大きさのD シェイプ オーバルでコンクリート舗装、NASCARの開催トラックではコンクリート舗装として最も1周の距離が長いトラックです。1.5マイルよりはちょっと小さいのでブレーキもそこそこ酷使され、でも速度域は高いから空力も大事で、それでいてコンクリート舗装独特の難しさがあるのでけっこう"クセツヨ"です。加えて決勝開始時刻は19時20分ごろに予定されており、20時ごろに日没を迎えるナイト レースでもあります。
 なお、一応紹介文としては"NASCARとしては"と書いてあるんですが、たぶんNASCAR非開催トラックを含めてもコンクリート舗装で1周1.333マイルは最長で、全面コンクリート舗装で1周2.1km以上あるロードコースなんてのも聞いたことが無いのでたぶん『世界最長の全面コンクリート舗装レーストラック』だと思います。AIにしつこく聞いても出てきませんでした(笑)
 テネシー州の州都・ナッシュビルから東へ車で40分ほど走ったレバノンが所在地、ナッシュビル国際空港がちょうどナッシュビル中心地の東にあるので空港から直接向かうと早そうです。アメリカって地図でこうやって空港を見つけても、調べたら軍用機専用とか殆ど稼働してないとかけっこうあるんですけど、この空港はけっこうデカいみたいですね。
 2001年に開場したナッシュビルSSWはNASCAR/NTT インディーカー シリーズの双方を開催すべく作られて、初期はNASCARではオライリーシリーズとトラックシリーズ、そしてインディーカーも開催されていましたがインディーカーは契約がまとまらず2008年で終了。NASCARもカップシリーズを呼ぶことなく2011年で終わってしまってトラックは一旦閉鎖されました。
 その後は経営権をどうするかでごたごたしたり、またナッシュビルにはもっと中心部に近い位置にナッシュビル フェアグラウンド スピードウェイという歴史あるショートトラックが存在していたので、どうせナッシュビルでレースをやるならこっちが良いという声も多かったので紆余曲折がありましたが、結果的にはトラック所有者のドーバー モータースポーツをスピードウェイ モータースポーツが買収する形で再開へ向けて動き、2021年に復活して初のカップシリーズ開催に至りました。
 ナッシュビルはカントリー音楽の聖地と言われていて『ミュージック シティー』の愛称を持つため、ギターで有名なギブソンが特別に製作するギターがトロフィーとして授与されるのも有名。ギター好き垂涎、ドライバーの家族もすごく欲しがるであろう代物ですが、2009年のオライリーシリーズでは優勝したカイルが受け取ったばかりのギターを地面に叩きつけてぶっ壊しました。チームのみんなでトロフィーを分け合うためだった、と釈明したロックンロールな(?)振る舞いはギターへの侮辱かどうかで論争になりました。2021年にふたたびオライリーで優勝した時にはさすがに破壊はしませんでした。
 ファンの中にはふたたびこのレースでカイルが優勝し、手にしたギターを破壊するその姿を待ち望んだ人もいたんじゃないかと思いますが、それが叶うことは無くカイルは2週間前に突如として旅立ちました。ひょっとしたら今週の中継映像でまたその姿が映し出されるかもしれませんが、そういう話の流れなので知らない方は驚かないでください。さすがにカイルへのオマージュで今週末の優勝者がギターを壊す、ということは無いと思いますが・・・

 昨年のレースではブレイニーが巧みなレース戦略を披露。周回を重ねてもあまりペースが落ちない車の仕上がりを活かし、ステージ1ではアンダーカット作戦に出る主流派の動きに背を向けて燃料がある限り引っ張りまくり、これを利用してステージ1終了後のステージ間コーションで2輪しか交換しないという変則的な作戦でクリーンエアーをゲッツ!ここから先は逆にクリーンエアーを失わないようにレースを組み立てて優勝を手にしました。
 今回グッドイヤーが持ち込んだタイヤは先週のシャーロットと全く同じものですが、何せ路面の特性が全然違いますのである程度の予想はできても実際に走ってみないと分からないことは多々ありそうです。練習走行でいかに情報を集められるかは大事でしょうね。また昨年より決勝で使用できるタイヤが1セット増えています。

・ちょっとしたデータ

 これまでに5回開催されているナッシュビル、歴代勝者は2021年から順にラーソン、エリオット、チャステイン、ロガーノ、ブレイニー。まだトヨタの選手は1勝もしていません。Gen7車両で開催された過去4年に絞って統計数字を見ると、この4戦を全てトップ10フィニッシュしている唯一の選手がラーソン、2021年は優勝してるわけですから今のところトップ10フィニッシュ率100%を継続中。一方トップ5フィニッシュは2回が最多でラーソン以外にハムリン、ロガーノ、エリオット、ブレイニー、チャステインが記録しています。時々ある『優勝したけど他のレースは全部ダメです』ではなくみなさんそれなりの成績です。

 平均順位で言えば3位を2度記録しているハムリンが未勝利ながらも平均6.0で最良、ハムリンは2022年、2024年と2度ポールポジションを獲得しています。2022年は雨で予選Q2だけ中止になったんですけどね。これにラーソン、ロガーノ、エリオット、ウォーレス、ブリスコーが続いています。また、ナッシュビルには過去2年しか出場していないので数字からは除外しましたが、Z.スミスは一昨年、カーソン ホースバーは昨年のここで2位となっているので、平均をとったらこの猛者たちの間に割り込んでいます。これがたまたまの結果か相性が良いのかはちょっと見ものですね。
 逆に相性がよろしくないのはボウマン、まだナッシュビルでのトップ10フィニッシュ経験が無く最高位は一昨年の14位。同じコンクリート舗装でもドーバーはむっちゃ得意なんですが、ナッシュビルとは仲良くなれず。ブリスコーも昨年は予選でポールを獲りましたが決勝は17位、これがナッシュビルの自己最上位です。

 ところでナッシュビルと言えば2024年はオーバータイムが5回も繰り返されて300周のはずのレースが331周まで伸び、ロガーノが燃費レースで優勝しました。この時は前週のシャーロットが雨天で早々にレースが終わっており、まるでその穴を埋めるかのような史上最多オーバータイムでちょっとした笑い話でしたが、今年は30周ほど短くなったシャーロットの後ですので、、、またちょっと伸びるかもしれません(笑)

・レース前の話題

 まずは第11戦テキサスでプリースがギブスにわざとぶつけてペナルティーを食らった問題。RFKレーシングは裁定を不服として控訴していましたが、全米モータースポーツ控訴委員会はNASCAR側の裁定を支持してプリースのペナルティーは覆りませんでした。同委員会によると、双方の主張とも客観的に合理性のある根拠を明確に示すことはできなかったものの、無線のやり取りなどからプリースが故意に接触行為を起こしたという相当程度の根拠があると判断されました。

 次にこれまたペナルティー関係、NASCARはシャーロットでのペナルティーに関する通知を公表、レッグがレース中にトラック上で脱輪したためリブ ファスト モータースポーツにペナルティーが課せられるのは当然として、23XIレーシングの従業員・エバンナ ハウエルに行動規定違反による無期限出場停止という情報が記載されていたことが話題になりました。
 その人誰ですか?という話ですが、23XIのシニア アカウント マネージャーという役職を務めている35歳の女性のようで、現地当局の記録によれば決勝前日の5月23日にシャーロットの敷地内でゴルフカートを使って77歳の男性を故意に轢いた疑いがあるということです。既に保釈金を支払っており、今後再び裁判所に出廷する必要があるとされています。現時点でこの件に関しチームからの声明はないとのことです。

 そんな23XIですが、コリー ハイムが来シーズンからフル参戦して35号車に乗ることを正式に発表しました。おそらく居場所を失うであろう現35号車のライリー ハーブストはレガシー モーター クラブへ移籍するのではないかという噂です。なんか変なタイミングでの正式発表になっちゃいましたね。

 最後に、現時点で3台体制で運営されているものの、来年に使用できるチャーターが現状で2つしか準備できていないRFKレーシング。ひょっとしたら1台減ってしまうのではないか、という見方もある中でチーム社長のチップ バワーズは来年の3台体制を明言。あくまで長期的な価値から3つ目のチャーター取得を重要視はしているものの、仮にチャーターが無い場合でもオープン チームとして3台体制を維持するとしました。
 チャーターが無ければレースに出場しても得られる分配金が雀の涙になってしまい、デイトナ500のように予選落ちが発生するレースでは決勝進出が保証されないことでスポンサー営業にも悪影響が出ます。その年の方式や規定次第ですがオールスターにも呼んでもらえない可能性もありますね。一方でフェンウェイ スポーツ グループという大型資本とケゼロウスキーという共同オーナーに支えられ、現状ではプレイオフを狙える程度のチーム力も有しているために、チームはオープンでもそれなりの活動は可能であると考えているようです。

・Craftsman Truck Series Allegiance 200

 トラックシリーズ第11戦、先週シャーロットで優勝したリッグスがこのレースも好調で、ステージ2終了までの90周で一度もリードを譲りませんでした。ところがこのコーションで戦略が分かれてリッグスは集団に埋まり苦戦、なかなか順位を戻せなくなりました。その後残り26周、新品タイヤを履いて7列目からリスタートしたリッグスは時々前に詰まりながらも少しずつ這い上がり、そしてついに最終周に入ろうかというところでラジャ カルースを抜いてリーダーになりました。
 レインリッグスが2連勝で今季3勝目、カルース、チャンドラー スミスのトップ3。今週もスイカ色したトラックで登場のチャステインが4位、タイラー アンクラムは今季最上位の5位でした。一方で先週までドライバー選手権で1位だったハニーカットはファイナル ステージで電気系の不具合により車を止めてしまいこのレース27位。ドライバー選手権1位の座をリッグスに奪われました。

・O'Reilly Auto Parts Series Sports Illustrated Resorts 250

 スポーツ イラストレーティッド リゾーツなんてものがあるのを初めて知りましたが、それはさておきレースはラブが絶好調。ステージ1を圧勝、ステージ2ではジャスティン オールガイアーとの激戦でステージ勝利を取られたものの、ファイナルステージではまた圧倒していました。しかし走行からほどなくして右後輪に違和感を感じてペース鈍化、ナットが緩んでいたのでピットに入るしかなくなって勝負権を失いました。
 これでリーダーとなったのは18歳のブレント クルーズ、オールガイアーに対して2秒以上の差を付けておりいよいよ初優勝か!?と思ったら、アンダー グリーンでのピットを終えて以降のレース終盤にベテランが本領を発揮。オールガイアーはじわじわとクルーズを追い詰めて行くと5周以上にわたる近い激しい争いの末に残り13周で完全にクルーズを退けてリードを奪い、そのまま逃げ切って今季4勝目・通算32勝目を挙げました。なおオールガイアーは今シーズン限りでの引退を視野に入れており、故郷のイリノイ州に家を購入したらしいんですが、現役続行の可能性もあってまだ決まっていないそうです。


 2位クルーズ、3位ウイリアム サワーリッチとJGRの若手が並びました。サム メイヤー、ブレンダン ジョーンズ、コリー デイ、カーソン クワポーと続き、やたらとドリフトしまくってハイライト動画で目立っていたラーソンが8位。テイラー グレイ、サミー スミスのトップ10でした。

・カップシリーズ予選

 カップシリーズは練習走行は行えたものの、予選は雨により中止になってしまいました。これで2戦連続の指数予選方式採用で、ポールポジションはハムリンでした。レディック、スアレス、ベル、ラーソン、ギブス、ブレイニー、バイロン、ロガーノ、ギスバーゲンのトップ10。ホースバーは17位、祝・フル参戦決定のハイムが24位、エリオットは先週のリタイアが響いて29位から。チャステインは35位です。練習走行ではベルが最速でチャステイン、ハムリン、ギブス、レディックというトップ5で多い人は50周以上走り込むことが出来ました。決勝とは時間帯が違いますが、それでもそこそこ走り込んだのは収穫です。

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