NASCAR Cup Series
中団でこの多重事故。続く残り4周でのリスタートもキャルッセルの先でさっき後方送りになったチャステインが後ろから引っかけられてクラッシュ。さらに先頭リスタートだったジオ ルジェーロがリスタート違反を取られてこれまた後方送りになりました。ルジェーロは気が早い後ろの人から押されたので、ついそれに反応してリスタートゾーン手前でスロットルを踏んでしまった、という何割か不運なやつでした。
なんとジリッシュがちょっとミスって芝生の餌食に。右前のスプリッターを壊し、この後最終コーナーでもよろけて壁に当たったのでダメかと思ったら、段々慣れて来たのかラブよりも少し早いペースでそのまま追いかけて行って、ちょうど良い具合に面白い戦いになってしまいました。
ラブ、テイラー グレイ、チャステイン、ブレンダン ジョーンズのトップ5。ギスバーゲンはステージ2でジリッシュと争っていましたが、コーション中のピットでなんとそのジリッシュと接触して車体の一部を破損。さらにアンダー グリーンでの最後のピット作業がむちゃくちゃ遅くて挽回できず8位でした。
Go Bowling at the Glen
Watkins Glen International(Watkins Glen,New York)
2.45miles×100Laps(20/30/50)=245miles
Goodyear Racing Eagle Tire Code
D-5242
Total Sets:7(5 new race/1 qualifying transfer to race/1 practice)
NASCARカップシリーズ第12戦、オールスター前の最後のレースはロード コースのワトキンズ グレン インターナショナル、古くは1957年にカップシリーズが開催されており今回が通算で43回目。カップシリーズとしては1958年~1988年まで48回開催されたリバーサイド インターナショナル レースウェイに次ぐ2番目の開催数を誇るロードコースです。ただ、過去のグレンは大半が8月、他も7月か9月に開催されており5月の開催は史上初となりました。でも現地報道だと来年は9月のプレイオフ序盤戦に戻るようです。
NASCARではコースの一部が省略された1周2.45マイルのレイアウトを使用、ターンにけっこうバンク角が付いていたりNASCARルールで外側は舗装されている限り使い放題だったりするので中速か高速のコーナーが続きますが、今回はちょっとした仕掛けが用意されました。ターン1の外側に複数のタイヤ パックが並べられて過度な逸脱走行を抑止
キャルッセルの出口にもながーーい壁が設置されており、従来のように膨らみ放題とはいかなくなりました。争ったりミスったりしてこれにぶつかるとけっこう危なそうです。
また、1986年以降ずっと90周だったレース距離が、いっつもあっという間に終わってしまうからだと思いますが10周追加されて初めての100周のレースになりました。ステージ周回数で言えばステージ2とファイナルがそれぞれ5周ずつ追加された形です。それでも245マイルとそれほど長いわけではなく、航続距離だけで言えば2回の給油で完走可能。実際はステージ制レースなので、定石としてはステージ1・2それぞれの終了前にピットに入り、最終ステージで75周目あたりに最後のピットに向かう3ストップが基本でしょうか。
使用するタイヤは昨年からロードコースでずっと使用されているもの。もちろん今年のサーキット オブ ジ アメリカズでも使用されています。最初に書いた通りグレンは昨年までずっと夏の暑い時期に開催されていましたから5月のほどほど気候での走行は初めて。普通に考えるとタイヤの摩耗は減る方向になりますが、今年は低ダウンフォースの750馬力仕様に車の仕様変更がありますからズルズル滑らないように要注意。
・ちょっとしたデータ
ロードコースと言えばもちろんギスバーゲン。昨年は開催されたロードコース6戦中5戦で優勝しておりもちろん昨年のこのレース優勝者です。一昨年はオーバータイムの激戦でブッシャーに敗れましたが2位、今回も当然優勝候補です。優勝=プレイオフではない上にロードコース戦が減った今年の制度ではギスバーゲンただ勝つだけではなく、できればステージポイントも稼いで55点以上を持ち帰りたいところ。ステージを取るとレースで勝つのは簡単ではないんですが、ステージ1だけ走り切ってステージ間コーションでピットに入り、ステージ2以降は定石に戻して80周の間に先頭まで頑張って戻る、というような作戦があっても不思議ではないかなと思います。
そんなSVGの対抗馬になりそうなのが一昨年の勝者・ブッシャー。Gen7で開催されたグレンのレースで全ドライバー中唯一全てトップ10フィニッシュしており、またGen7で開催されたロードコース戦に14戦以上出場した選手の中では平均順位が最も良い9.67を記録しています。ロードで勝ちまくってるわけではないですが常に上位で走り切る安定感と速さを持っており、現在3戦連続トップ10フィニッシュと好調でもあるので打倒SVGの有力候補と言えます。
2022年はラーソンが優勝、2023年はバイロンが1時間58分でレースを終わらせて優勝しましたが、ヘンドリックの中堅勢よりも注目を集めているのは新人のコナー ジリッシュ。カップではグレン初レースですがオライリーでは昨年まで2連勝中で、そもそも2023年にARCAシリーズのデビューを果たしたのもここでした。その際はいきなり予選2位からレースの大半でレースをリードするも、オーバータイムの最終ターンでジェシー ラブにゴリゴリ押されて逆転された、という色んな意味の衝撃デビューでした。翌2024年はARCAでも優勝、既にグレンで3回優勝した実績があります。ただ昨年のオライリーではレース後に車の屋根の上から転落して大怪我した、といういや~~~な記憶もあります・・・
昨年のこのレースで2位だったベル、CoTAでギスバーゲンを破ったレディックはいずれもロードコースでも強くて有力候補、一方でGen6時代にロードコースで圧倒的だったエリオットは2022年こそ3位でしたが以降は32位、19位、26位。もうロードで速かったというのは過去の話になってるぐらい最近は平凡な成績です。2008年・2013年にグレンで優勝したカイルブッシュにとってはもっと過去の話で、Gen7でのグレンは全て14位以下、この期間のグレン平均順位24.5は全ドライバー中ほぼビリの数字。Gen6時代は16戦中13戦でトップ10フィニッシュでしたから急落です。
・レース前の話題
まずは契約の話題、チーム ペンスキーはライアン ブレイニー、および主要スポンサーであるメナーズと長期の契約延長を締結したと発表しました。詳細は不明ですが2030年ごろまでの延長ではないかと見られているようです。ブレイニーは声明で
「ロジャーが私と私のキャリアに注いでくれた献身は、レーシングドライバーなら誰もが夢見るようなものでした。そもそもチャンスを与えてくれただけでなく、10年以上にわたって良い時も悪い時もずっと支えてくれました。」
「今もなおチームペンスキーの一員として勝利やチャンピオンシップ、そしてチームの人々と共にロジャーとチーム全体の揺るぎないサポートを受けながらキャリアを積み重ねていけることは一生に一度のチャンスです。ジョン メナードとメナード家の支援を受けながら勝利とチャンピオンシップを目指して努力を続けられることは本当に光栄です。」
としました。余談ですが、日本からチームペンスキーの公式サイトにアクセスすると、どうも変なリダイレクトが設定されてるみたいでペンスキーのサイトに行けずkpアウトレットとかいうなんか怪しげな通販サイトに転送されてしまいます。もう軽く1年以上はそんな状態で直らないので、ペンスキーの公式サイトにはアクセスしない方が良いと思います。
続いては裁判の話題、ジョー ギブス レーシングとクリス ゲイブハート/スパイアー モータースポーツによる機密情報持ち出し訴訟問題、裁判官は裁判を来年の1月に実施すると決定しました。JGRは機密情報漏洩の被害は今まさに起きているため早期の開催を求めて今年の11月を、逆にスパイアーはシーズン中に様々な聞き取り調査などを並行して実施するのは負担が大きいとして来年の5月を求めていたようですが、その間ぐらいになりました。
最後にトラックシリーズの話題、コウリッグ レーシングは第10戦シャーロットでトラビス パストラーナを起用すると発表しました。モトクロスやラリーの世界では超有名人、2013年にはオライリーシリーズにフル参戦経験もあるパストラーナ、今年もトラックシリーズの開幕戦にニース モータースポーツから出場して15位、今季2度目の出場です。パストラーナはオライリー時代にシャーロットを3回走っていますがトラックでは初です。
・ARCA Menards Series General Tire 100 at the Glen
現在トラックシリーズでドライバー選手権1位・ケイデン ハニーカットがスポット参戦し、雨で予選が無かったのでスタートこそ15位でしたが13周目にはリーダーに。格の違いを見せつけるようにそのまま41周のレースを走り切ってARCAシリーズ初勝利を挙げました。ハニーカットはここまでの経歴でARCA全国シリーズをほとんど経験してないんですね。そしてちょっと休んだらすぐに本職のトラックシリーズ決勝が始まります。
・Craftsman Truck Series Bully Hill Vineyards 176 at the Glen
地元ニューヨーク州のワイナリーがスポンサーのトラックシリーズ、複数のカップシリーズ選手も出場しましたがレース終盤にちょっとしたお騒がせになりました。残り11周のリスタート、5位のホースバーがちょっと滑ってしまい、後ろにいたアルメンディンガーが避けられずコツンと押してスピン。さらにこのリスタートで先頭だったチャステインがリスタート ゾーンより手前で加速したとして反則を取られて最後尾送りとなります。これでリーダーはジリッシュとなって残り8周でリスタートしたものの
中団でこの多重事故。続く残り4周でのリスタートもキャルッセルの先でさっき後方送りになったチャステインが後ろから引っかけられてクラッシュ。さらに先頭リスタートだったジオ ルジェーロがリスタート違反を取られてこれまた後方送りになりました。ルジェーロは気が早い後ろの人から押されたので、ついそれに反応してリスタートゾーン手前でスロットルを踏んでしまった、という何割か不運なやつでした。
ついにオーバータイムとなり、ジリッシュはふたたび先頭でリスタートしましたが内側からハニーカットに飛び込まれました。ターン1の先で完全に前に出たハニーカットがそのまま逃げ切ってトラックシリーズ通算67戦目での初優勝、優勝インタビュー後はフロントストレッチで豪快に缶ビールを飲み干して放送席がバカウケしていました。2位ジリッシュ、3位ギスバーゲン。アルメンディンガーも6位に入りました。
オライリーシリーズは午前中に雨が降っていたので予選が中止。決勝のころには晴れていますがコース外の芝生にはまだ水分がたっぷり残っており、ファイナルステージでうっかりはみ出したコール カスターは
一発で車がぶっ壊れました(。∀゜)グレンの芝生はトラックシリーズでも1台破壊しておりこの週末の脅威です。レースはこの後ジリッシュが優勢、最後のピットを終えてピット組で先頭でしたが、見た目上はまだピットに入っていないラブがリーダーでした。彼はさっきカスターが吹き飛んだ47周目のコーションでピットに入ってそのまま走り続けており、燃料を節約してなんとか最後まで走り切る戦略に賭けました。
とはいえ距離はまだ長いしタイヤもきついしジリッシュがどんどん追いついてくるのでこりゃあ無理だろう、と思った残り6周なんとジリッシュがちょっとミスって芝生の餌食に。右前のスプリッターを壊し、この後最終コーナーでもよろけて壁に当たったのでダメかと思ったら、段々慣れて来たのかラブよりも少し早いペースでそのまま追いかけて行って、ちょうど良い具合に面白い戦いになってしまいました。
とうとう最終周に追いついたジリッシュ、必死で堪えるラブ。最終のターン7までなんとかたどり着きましたが、背後のジリッシュが気になったかブレーキを踏んだら左前輪がロック。全然曲がらなくてがら空きになった内側からジリッシュが楽々と前に出て、まるで3年前のARCAのレースを反転させたかのような結末でジリッシュがオライリーのグレン3年連続優勝を達成しました。
ラブ、テイラー グレイ、チャステイン、ブレンダン ジョーンズのトップ5。ギスバーゲンはステージ2でジリッシュと争っていましたが、コーション中のピットでなんとそのジリッシュと接触して車体の一部を破損。さらにアンダー グリーンでの最後のピット作業がむちゃくちゃ遅くて挽回できず8位でした。
・カップシリーズ予選
カップの予選にも雨が影響し、通常と異なる35分間の全員出走方式になりました。でも方式がどうなろうと速かったのはやっぱりギスバーゲン、2位に0.259秒差という大差で通算5回目のブッシュライトポール賞です。2位はロードコースに強いおじさん・マイケル マクダウル、今回の大会スポンサーであるゴー ボーリングが付いています。3位からオースティン シンドリック、チャステイン、ジリッシュ、ロガーノ、ブレイニー、ベル、ブリスコー、ギブスのトップ10。
アルメンディンガーが11位、ブッシャーが14位、ギスバーゲンが優勝候補ではないかと睨んでいたライバル・レディックは15位から。20位にハムリン、21位カイル、ラーソンは23位、エリオットはなんと27位。久々にスポット参戦でキャサリン レッグが登場しましたが、ギスバーゲンから5.3秒遅れの最下位でした。
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