NASCAR Cup Series
Cook Out 400
Cook Out 400
Martinsville Speedway 0.526miles×400Laps(80/100/220)=210.4miles
winner:Chase Elliott(Hendrick Motorsports/UniFirst Chevrolet Camaro ZL1)
9歳の少年・ルー リーブス。どなた?というとクックアウトの最高経営責任者・ジェレミー リーブスの息子さん、であるだけではなくNASCARのユース シリーズという若年層向けのシリーズで既に2度チャンピオンを獲得しています。兄のマックス リーブスも現在16歳でJGRからARCA メナーズ シリーズに参戦中。あと会場放送では『クックアウトのシェイクのテスター』とも紹介されてましたね、お店の新商品の味見してるんでしょうか。気温17℃、路面温度30℃、ホットドッグを食べながら見るにはちょうど良い気候。スタート ユア エンジンズ!
・ステージ1
ブギティブギティブギティ!あ、今週はいないのか(´・ω・`)スタートからハムリンがかっ飛ばしてバイロンを0.6秒ほど引き離すと、すぐに安定性重視の走りに移行して4速固定の丁寧な走りを見せます。35周ほどそのまま走りますが当然ながらここから周回遅れ御一行様登場。ハムリンは絵に描いたように見事にジョン ハンター ネメチェックに道を遮られ、40周目にバイロンに一発で抜かれました。前も誰かネメチェックが邪魔になってる人がいたような^^;
しかし邪魔がいなくなったらハムリンはすぐバイロンを煽りはじめ、これを見たバイロンは無用な争いと考えたか45周目に道を譲ってあっさりとハムリン復権。ちょうどこのあたりでカイル ブッシュも周回遅れになりますが、レース前の取材に対しては「30~40周でコーションが欲しい、でないとその頃にはタイヤがトーストになってるんだ。」とタイヤの厳しさを語っていたとのこと。もう諦めの境地ですな・・・
その後はハムリン独走であっという間にステージは残り3周、ハムリンの数台前方で周回遅れ同士の玉突き事故が起きてコディー ウェアーが弾き飛ばされてスピンしコーション、ステージ1はこれで事実上終了しました。ハムリンがステージ勝利、バイロン、ベリー、ギブス、シンドリック、ギスバーゲン、ロガーノ、ブレイニー、レディック、そして17位スタートからかなり良い走りで10位はプリース。なおウェアーを弾き飛ばしたのはジョンハンターでした、なんか今日は危ないぞ(笑)
・ステージ2
ステージ間コーションでリードラップ選手がピットに入りますが、みんな出て行った跡地には取り残された車輪がコロコロ。カイルのクルーがきちんとタイヤを扱いきれず、カイルが発進時にこれを跳ね飛ばし、並走したコナー ジリッシュの車に乗り上げるようにして高い位置まで持ち上げられてしまい、そこから転がって跳ねて危うくNASCAR運営者に当たるところでした。ピット ウォールを超えずにうまく跳ね返ったのは幸運でしたがむちゃくちゃ危ないです。
96周目にリスタート、バイロンはちょっとタイトなのか7周で5位まで後退してしまい、ハムリン、ギブス、シンドリックのトップ3。中団は3ワイドもある大混戦状態で、104周目にノア グレッグソンが押されてスピンしコーション。さすがに10周もしてないのでここでは下位の一部を除いてステイアウトです。
113周目にリスタート、マーティンズビルでは外側リスタートのリスクが大きいのでリーダーは内側を選ぶのが基本戦略ですが、チームメイトが1列目に並んだ場合ならリーダーが外、僚友が内側を選び、すぐにリーダーが外から被せるチーム戦が有効。そのセオリー通りにギブス君がきちんと仕事をしてJGRが理想的な1-2体制を作りました。ピットからの情報によると、練習走行でハムリンはタイヤを温存した走り方を、ギブスは飛ばせるだけ飛ばしてどのぐらいでタイヤが劣化するかを試していたとのこと、これはチームで役割分担してる可能性ありますね、さすがは強豪。
結局このあと特に何も起こらずステージ2もそのままハムリンが制し、ここまでバイロンに取られた6周を除いて全周リードのほぼ完ぺきな展開。1秒差で2位にギブス、そこから3秒以上離れて3位にロガーノ。4位からブレイニー、バイロン、シンドリック、レディック、ギスバーゲンのトップ8。さっきのコーションで何か起こすべくタイヤを換えてみたラーソンが9位、10位にベリーでした。
ちなみにコーションが少ないのであんまり今日はまだあんまり出番がないですが、今週のリスタート ゾーンのスポンサーはポエット(POET)、アメリカ最大のバイオ エタノール製造企業で今季からNASCARの公式バイオエタノール企業になっています。スノコの燃料に技術提携という形で参画していると思われます。
・ファイナル ステージ
リードラップ選手がピットへ、バイロンは左側のタイヤ交換で手間取って8つも順位を下げました。194周目にリスタートしハムリン、ギブスの体制変わらず。これにペンスキーの3人が続いています。放送席では最近安定して上位を走るギブス君について、優勝は時間の問題になってきてあとはいつ勝つかの段階に来ている、とみんな高評価してる様子。
しかしまあ少なくとも今日はハムリンを突き飛ばしでもしない限り順番は回ってこなさそうだなとか思うわけですが、ハムリン以外にも強力なもう1人の職人が登場。258周目にブレイニーがギブスを抜いて2位まで到達しハムリンにとっておそらく最も嫌な相手です。ただ現状では2秒以上の差で周回遅れを挟みつつほとんどその差は平行移動。今日のハムリンはそうとう調子が良い様子。
このファイナルステージは給油必須ですが、後続可能距離が150周近くあるのでそこだけを考えると戦略にはかなり大きな幅があります。ということで260周目あたりから普通に走っててもしゃあない少数の人が一発逆転を狙ってピットに入り始めました。ただトラック上に車がちらばって周回遅れだろうがなんだろうか抜きにくいためアンダーカットの効き目がそこまで強くなく、コーションが出た際の損失も大きいのであまりに早く動くのは少数派でした。そもそもここで入ったらもう1回タイヤ交換しないと無理じゃないか疑惑もあります。
主流のピット サイクルはやはりステージの均等割りから少し手前、285周目あたりから。ハムリンも290周目にピットに入り、これだけ完璧な車に見えても右のウエッジにアジャストを行っています、映像的にどっちに回したのか分かりにくいけど。ただピットを出たハムリンは実質1位、というわけではなくむちゃくちゃ早いタイミングでタイヤを交換していたエリオットとギスバーゲンが前にいました。とはいえ既に30周近く使ったタイヤなのでハムリンより明確に遅いです。
サイクルがズレたアンダーカット組が一時的に大きく順位を上げた状態ですので『今コーションが出たら厄介』と下書きしようと思ったんですが、その矢先の300周目にタイ ディロンが右前タイヤのパンクで大外をノロノロ運転。なかなかピットに入れずちょっと破片まで撒き散らしており、どうもブレーキが爆散したっぽい雰囲気です。マジでコーション出るじゃねえか、と思ったら意外なことに運営はコーションを出さずそのまま続行し、弟ディロンは最後にはブレーキから出火しつつようやくピットに入りました、あー絶対ブレーキだ。
助かったハムリンは309周目にエリオットを抜いて再びリーダーに、タイヤ履歴差がありすぎるのでエリオットも全く防御しようという姿勢が見えませんでした。すると311周目になってさっきディロンがバラ撒いた破片が原因でコーション発生、ブレーキ関係のわりとゴツイ残骸が落ちており、何ですぐにコーションを出さなかったのかという気はします。ともあれエリオットは順位を爆上げした状態で他の人と作戦が揃ってタイヤの差が無くなるチャンス到来。
これでリードラップ選手がピットに入り、誰か2輪交換で勝負するかと思ったら全員が普通に4輪交換してハムリン、エリオット、ギブス、ブレイニーの順でピットを出て行きました。エリオットは猛烈アンダーカットの賭けが結果としては成功、元々ピットサイクル前は9位でステージ2終了時は13位でしたから大儲けです。ただ、リードラップ選手で唯一ピットに入らなかった人がいました。
マーティンズビルの壁は友達、怖くない、でお馴染みチャステイン。323周目にリスタートすると、なんとハムリンが出遅れてしまってチャステインがそのままリードを守りました。さらに翌周に中団でなかなかの多重事故発生。ターン1入り口でウォーレスがホースバーにけっこうな勢いで追突すると、ターンの真ん中でも前が詰まってるのにウォーレスが加速してまた追突。これでホースバーが回ってぐっちゃぐちゃになりました。
この接触の前、ホースバーはウォーレスの内側にねじ込んで3ワイドにし、ちょっと強引に抜いて行きました。ウォーレスの動きはこれに対する報復のようにも見えるもの。レース後のウォーレスは「ライン取りを間違えた。スピンさせるつもりではなかった。」としましたが、故意では無くても少なくとも苛立って暴れたと見られても仕方のない雑な走りでした。やっぱりこういうことやってるといつまで経っても今のレベルから上には行けない気がしますね。結果としてウォーレスは自分の車を潰して36位、ホースバーは車はボロボロでしたがきちんと走り切って17位でレースを終えています。
さきほど出遅れたハムリンはコーション時点で僅かにエリオットの後ろだったため、332周目のリスタートはチャステイン/エリオットの1列目。3周ほどかけてエリオットがチャステインをかわしますが、ハムリンもその3周後にはチャステインを抜いて逃がさず。一方でもう1人の優勝候補者だったブレイニーはリスタート後の争いでハムリンと接触し、トー リンクが折れてないか心配なレベルで壁に当たって失速したので8位へ後退しました。
これでほぼ植毛グリーンなエリオットと、ボンネット以外ほぼ植毛グリーンなハムリンによる優勝争い。ここまでの流れだとハムリンが圧倒的に速いと思われましたが、なんと無線で「ブレーキの時に車の後ろの方でなんかおかしい。」と何かしら不調。チェイス植毛がデニー植毛を1秒ほど引き離してしばらくそのまま推移しました。
ここから残り30周あたりで周回遅れが出てくると一気に接近しハムリンにとって絶好の機会、のはずだったんですが動きを見ると立ち上がりで車がタイトな様子。周回遅れが内側を空けてくれていても、立ち上がりで外にまだ車がいる状態だと道幅が足りずになかなかスロットルを踏めていません。加速で距離を詰められずエリオットとの0.4秒差が残ったままになり、残り周回数だけが減っていきます。
エリオット、ハムリン、マーティンズビル、という組み合わせで思い出すのは2017年。カップシリーズ初勝利に向けて残り4周でリスタートしたエリオットをハムリンが突き飛ばして台無しにし、ハムリンが毎回のように大ブーイングを受けるきっかけになったレースがありました。まさか今のハムリンが無茶なことをするとは思えない、とは思いつつもこういう宿縁って何かの拍子に再演されることも多いので怖さ半分・期待半分。
しかしどうにも調子の上がらないハムリンは最後までエリオットよりも自分の車との戦いという感じでした。エリオットが60周以上延々と続いた持久戦でハムリンから逃げ切ってチェッカード フラッグを受け今季初勝利。通算22勝目でマーティンズビルでは2020年秋以来5年半ぶりの2勝目でした。シボレーにとってもやっと今季初勝利、またチェイスは過去の21勝のうち16勝がそのシーズンの第17戦以降で挙げており、開幕から10戦以内に優勝したのはこれが3度目。第7戦での勝利は自身最速でした。
リーガン スミス「2026年、ヘンドリック モータースポーツの車が初めて勝利を収めました。マーティンズビルでのヘンドリックモータースポーツの勝利は31回目です、チェイス。でも、今回はチーム全員の努力の賜物でしたね。アラン ガスタフソンが素晴らしいピット コールでトラック ポジションを確保してくれましたね。さらに最後はデニー ハムリンを抑えなければなりませんでした。どのようにして勝利を手繰り寄せたんでしょうか?」
チェイス「ええ、間違いなくチーム全員の努力の賜物でした。マジで、すごいでしょ?最高でしたよ。今までシーズン序盤で優勝したことはなかったので、本当に素晴らしいチームワークでした。アランとユニファースト チームの全員を誇りに思います。みんな素晴らしい仕事をしてくれました。知っての通り僕らは賭けに出ていて、最後のステージで2ストップ戦略を取るつもりでした。どちらにしても良い結果になるとは思っていましたね。とにかく、彼らを誇りに思います。彼らは多くのことを我慢してくれました。そしていつも僕のわがままに付き合ってくれました。だから、みんなが僕を支えてくれたことに本当に感謝しています。今日みたいな日は本当に楽しいですね。本当に感謝しています。ヘンドリックモータースポーツ、シボレー、みんなありがとう。ボス、言ってた通り、僕らは大丈夫ですよ。ここまでの結果を出せるかまでは分かりませんでしたけど。いつもながらチャンスをくれてありがとう。ここにいてくれたらよかったけど、また次回会いましょう。それと家にいるお母さん、素敵な夜を過ごしてね。」
リーガン「そしてコーションが出ました、一気に順位を上げた状況で、ひょっとするとロング ランではあまり調子が良くないかもしれない車で、80周も彼らを抑え続けなければならないと分かった時、どんなことを考えましたか?」
チェイス「そうですね、あの状況全体が本当に複雑な状況だったわけですけど、えっとレースの半分か4分の3くらいのところで彼に言ったんですが、自分のバランスはそんなに悪くないな、ただもう少し走りをコントロールできたらいいな、って思ったんですね。そして、幸運なことに最後のリスタートからすごくいいペースに乗れたんです。十分だったと思います。もうちょっと速ければ最高の形でしたけどね。でも本当に僅差で、最後の周回遅れをうまく切り抜けることができて。本当にこういうことがうまくいくとすごく嬉しいですね。レースに勝つのは本当に難しいですから。だから、いつも通り、この機会を与えてくれたことに本当に感謝しています。決して当たり前だとは思っていません。任せてもらって、これは私にとって夢が叶った瞬間なんです。今日は来てくださった皆さん、本当にありがとうございました。感謝しています。皆さんは最高です。応援ありがとうございました。皆さんに楽しんでいただけたなら幸いです。」
リーガン「チェイスエリオットがマーティンズビルで2度目のグランドファーザー クロックを手にしました。」
やたらしゃべるエリオットでした。発言から察するに、まず第一に今年はヘンドリック自体がここまで勝てずにリック ヘンドリックもちょっと気を揉んでいてとにかくチームとして早く勝ちたかったんだろうなと思います。そして、いくら人気ナンバーワン選手とはいえチーム内ではラーソン、バイロンに次ぐ3番手の立ち位置がすっかり定着してしまい、チャンピオン争いをするにはちょっと足りていないここ数年の自身の状況をすごく客観的に理解して、焦る部分もありつつ謙虚に取り組んでるんだろうなとも思いました。この業界では俗に『"いいヤツ"は勝てない』なんてことも言われたりしますが・・・
ペースが良いわりに埋まってしまって順位が上がらない、という状態だったようなのでガスタフソンが仕掛けた2ストップ作戦はある程度の自信があり、仮にコーションが出ないままだったとしても元居たトップ10圏内で終えるぐらいはできるだろう、という危機管理はある程度計算が立っていたと思われます。唯一管理できないのはピット後の周回遅れの時間帯にコーションが出ることで、実際彼らのピット後にオースティン ヒルが脱輪寸前で危ない状態だったので、わりと紙一重でした。踏ん張ってくれたヒルの右前輪に感謝しましょう(笑)
2位のハムリンはリスタート失敗を悔やむとともに、感覚的にはナットが緩んでいるような違和感があったのでレース後に調べる、とのこと。3位は先週のダーリントンでの悲惨な結果からすぐ立て直したロガーノ、4位のタイギブスはこれで5戦連続の6位以内で現在ドライバー選手権でも6位です。5位からバイロン、ブレイニー、ベル、シンドリック、ラーソン、ベリーのトップ10でした。9位まで全てJGR・ヘンドリック・ペンスキーの3チームで占められて10位もペンスキーと提携するウッド ブラザーズ レーシングですね。ちなみに今回のベリーのペイント スキーム
メイン スポンサーはDEXということになっていますが、ボンネットにはSHARPの文字。なんか見覚えのあるロゴですが、これは日本の電気機器企業であるシャープの法人向け事業を行う関連会社・シャープ ビジネス システムズです。調べたら2017年の段階でラウシュ イェイツ エンジンズとの技術提携が発表されてるので、そのあたりの関連で繋がりがあるんだろうと思いますが、現地法人とはいえ見慣れたロゴが目に入るとちょっと気になりますね。
11位がギスバーゲン、今日はステージ ポイントも多く獲得して合計34点を獲り現時点で選手権14位とプレイオフ圏内で健闘中。ただ終始トップ10圏を走行しながらリスタートで順位を下げて11位で終えたのは悔しかったようです。12位プリース、通算600戦出場だったケゼロウスキーが13位。一時は周回遅れになって2度もフリー パスを受けたチェイス ブリスコーが巻き返して14位、チャステインは中古タイヤで順位を下げて行って最終的に16位でしたが、元々19位だったので損したというわけでもありませんでした。
コーション5回、ウォーレス以外はみんなわりと落ち着いたレースでした。ハムリンの違和感がルース ウィールなのか分かりませんが、ブレイニーを壁に挟んだ時に右後部がまあまあ絡んでるのでそこで多少アライメントなどが狂った可能性もあり、遡るとリスタートの失敗から始まっていて、それは先頭でリスタートできなかったところにも原因がありますからステイアウトしたチャステインが最大の敵だったことになりますね、スイカの皮が置いてあったんでしょう(笑)
エリオットは終盤の走りを見ると偶然ではなく調子自体はそれなりに良くて、単に予選順位から上げられなくて停滞してたことがある程度想像できますが、そこでリスクを取ったガスタフソンの判断も含めて彼の言う通りチーム力が光りました。この優勝で選手権4位に浮上、ここまで7戦・1838周を全て走っている4人のうちの1人であり、今年の選手権で求められる地味な安定感は彼の得意とするところだと思います。チャンピオン争いに役者が加わってくれたなという印象です、彼が勝たないと盛り上がらないですしね。
大人気ドライバーの優勝で場が温まったところではありますが、4月最初はイースターでカップシリーズの開催が無い週末となっており、1週間のお休みを挟んで4月12日のブリストルからシーズンが再開されます。オライリーとトラックはロッキングハムでレースが開催されます。
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