NASCAR Cup Series
「最も素晴らしかったのは路面の状態がとても良かったことです。つまり、十分にこなれていてトラック全体を使える状態でした。」「タイヤの摩耗はかなり激しくなるでしょう。特に夏に戻ってくるとそうなるはずです。トラック全体を使えるのは良いことですし、幅の広い1.5マイルだとなおさら良いですね。ここは本当に素晴らしいレースが繰り広げられる場所だと記憶していますし、曲がった形状のバックストレッチは独特ですが、このトラックには楽しい思い出がたくさんあります。」
Jack Link's 500
Talladega Superspeedway(Lincorn,Alabama)
2.66miles×188Laps(98/45/45)=500.08miles
Goodyear Racing Eagle Tire Code
Left:D-5142 , Right:D-5218
Total Sets:7(6 new race/1 qualifying transfer to race)
NASCARカップシリーズ、第10戦は泣く子も泣きじゃくるシリーズ最大サイズで最大にヤバい危険地帯・タラデガ スーパースピードウェイ。デイトナ、アトランタに次ぐ今季3度目のドラフティング トラックで説明不要の疑似直線レースですね。
今回のレース最大の特徴はステージ周回数で、近年のドラフティングトラックはとにかく最終ステージの最後のピット作業で給油時間を削減することから逆算して燃費を稼ぐことに重点が置かれていたため、これを制度上で阻止して全開で戦ってもらうためにステージ1を長く設定しました。ステージ1は98周なので給油必須ですがステージ2とファイナルは45周、実質はそれよりもさらに短いので給油の必要が無く走りはじめたら全開でそのまま走り切ることが出来ます。まあ厳密に言えば先頭走者としてスロットルを踏み続けたら40周と持たず燃料は切れますけど。
逆にステージ1の98周は均等割りした49周ずつというのが割と航続距離がギリギリの数字なのでここは燃費走行が必要になりますが、開き直ってかっ飛ばして2回給油した方が速い可能性も無いとは言えない微妙な距離。まあみんなケチケチ行くんだろうとは思いますけど、まあ何せ今までとはレースのやり方が変わります。
タイヤの方はデイトナと同じタイヤで、ここはタイヤの摩耗でレースをどうにかする場所ではなく信頼性が大事ですから元々グッドイヤーも変な手心を加えようとはしていません。それでもタイヤは新しいにこしたことはないのでレースの最後の最後、コーション次第ではタイヤの新旧が勝敗を分ける時もありますが、基本このレースは変更されたステージ距離に対してどういうレースが行われるのかを中心に観戦すればそれでいいだろうと思います。ステージ1はどうせ準備運動みたいなものなのでコーヒーでも淹れながら見てたらいいんじゃないですか(てきとー)
・ちょっとしたデータ
1969年にカップシリーズ初開催、翌年からずっと年間2回開催のタラデガは今回が114回目。過去113回のうちポール トゥー ウインが15回あって直近は2020年秋のハムリン。2位からの優勝はこれより多い21回で昨年秋のブリスコーが該当します。1列目からスタートした勝率が31.8%、予選上位5位以内の勝率が50%と予選上位が順当に速そうなデータ。ところがGen7での8戦に限ると、うち5戦は予選16位以下からの優勝となっており、逆にトップ5から優勝したのはさきほどのブリスコーだけ。どっちを信用すればいいのやら。
現役最多勝はケゼロウスキーの6勝ですが最後に勝ったのは2021年、Gen7車両では2度の2位が最高位です。Gen7で開催された8戦ではチャステイン、エリオット、カイルブッシュ、ブレイニー、レディック、リッキー ステンハウス ジュニア、シンドリック、ブリスコーと全て異なる優勝者になっており、先ほど挙げた2020年秋のハムリン以降タラデガの勝者は全て異なる人が11人続いています。
というわけで今回もまた勝ってない人から勝者が出るだろうと思ったらうってつけの存在がバイロン。Gen7のタラデガで平均順位9.3と唯一の1ケタ台を記録し8戦中5戦で7位以内に入っています。デイトナで3勝、アトランタで2勝していてタラデガで勝てないわけがない、というところからたぶんそろそろ順番が回って来るんじゃないでしょうか(てきとー)
バイロンに次いで平均順位が良いのはなんとトッド ギリランド、フロント ロウ モータースポーツの車がドラフティングトラックでやたら速いこともあって平均13.1を記録。というかこんな数字で2番目なところにもうタラデガのヤバさが詰まっていますし、1桁で収まってるバイロンは何回か車が透明化して事故をすり抜けてる疑惑すらあります(笑)
また、昨年のタラデガ2戦をいずれもトップ10フィニッシュしたのはウォーレスとホースバーの2人だけ。独自指標で選手を評価してレース毎に順位付けをするスピード ランキング平均順位ではステンハウスが5.5を記録してぶっちぎりの1位。チャステイン、エリック ジョーンズ、ウォーレス、ノア グレッグソンがこれに続いており、こういうのがアテになるのかどうかもちょっと楽しみにしときましょう。どうせ最後の20周までは見る方は暇です。
一方で透明化できず困っているっぽいのはロガーノ、なんとGen7のタラデガではまだ一度もトップ10フィニッシュしたことが無く平均順位が27.5、あのコディー ウェアーよりも悪い。フォードは単独で速くてレース中盤に上位で固まってる印象ですが、固まった状態で自爆することも多いせいかブッシャー、プリースのRFK勢2人も平均順位が30、31番手と下から数えた方が早い位置になっています。
・レース前の話題
JGR・ゲイブハート訴訟問題に進展、裁判所はゲイブハートに対して『JGRから持ち出した機密情報の保持、譲渡、使用、複製をただちに中止』『同機密情報の開示をただちに中止』『同機密情報のJGRへの返還』『スパイアーにおいてJGR時代と同様の職務に就くことを禁止』の4点を求める仮処分を下しました。基本的には元々出されていた接近禁止命令的なものと同じだそうですが、裁判所はゲイブハートが機密情報を持ち出したという方向で話を進めているようなので、この点についてJGRに勝訴の見込みがある様子です。一方で機密情報持ち出しがスパイアーとの共謀によって行われているとするだけの証拠は見つかっていないと見られ、今回の仮処分でもチーム側への制限は課されませんでした。
次にNASCARのお偉方に関する情報、NASCAR創業家一族で2018年から最高経営責任者を務めていたジム フランスが職を退き、後任に社長を務めていたスティーブ オドネルが就任することが発表されました。フランス家以外の人物がCEOを務めるのはNASCAR初の出来事です。ただし81歳のジムフランスおじいちゃんは会長として社内にとどまり、NASCARの株式の54%をフランス家が保有する経営体制にも変わりはありません。
また最高執行責任者にはこれまで執行副社長兼最高会場・レース革新責任者、という和訳したら意味の分からんことになる職務を担っていたベン ケネディーが昇格しました。ケネディーは元ドライバーで2019年からNASCARの運営側に入り、LAコロシアムやシカゴ市街地でのレース実現など日程関係の仕事で責任を務めていてシリーズの日程も彼が編成しています。
ただちょっとややこしいんですが、ケネディーのお母さんはレサ フランス ケネディーという人。ん?フランス?そう、彼女もフランス家の人でNASCAR創始者・ビル フランスの孫。ケネディーはその息子ですから彼から見てNASCAR創始者は母方の曽祖父にあたります。レサフランスもNASCAR執行副会長を務めていてその職にとどまることになっており、見ようによってはフランス家の次期当主がNASCARを経営できるようになるまでの繋ぎ人事に見えなくもないので、これはたぶん評価が割れそうなやつです。
アメリカのフランスの話をした後はちょっと日本に関係ある話、農機具メーカー・クボタのアメリカ法人であるクボタ トラクター コーポレーションはNASCARと複数年の契約を結んで公式スポンサーとなりました。世界一速いスイカ農家・チャステインへの支援を通じてNASCARで名前を見かける機会も多いクボタですが、今回の契約を機にさらにNASCARを通じたブランド力向上を目指しています。
最後に、先週のカンザスを終えた後の現地4月21日と22日、シカゴランド スピードウェイで久しぶりのレース開催に向けたグッドイヤーのタイヤ評価テストが実施され、カップシリーズからはブレイニー、ラーソン、ハムリンの3人が走行しました。2019年以来となるカップ車両の走行でブレイニーは
一方ラーソンは
「あの頃から今日まで山ほどレースをしてきたのでトラックのことはほとんど記憶になくて、ターン1の大きなバンプとターン3・4のいくらかのバンプぐらいですけど、それはまだそのまま残ってましたね。」「とにかく素晴らしい、すごく速いですね。以前の車で走っていた時よりもずっと速いペースで、かなりスロットルを踏み込んだんですけど、以前ここに来た時ほど暑くはないので。次に来る時は暑くなるでしょうからペースは落ち着くんじゃないですかね。」
と、ブレイニーほどは以前のシカゴランドを覚えてないみたいです(笑)まあとりあえず舗装状態は良好なようでよかったです、そうそうバックストレッチもびみょーーに曲がってるんですよね。
・ARCA Menards Series Alabama Manufactured Housing 200
参加人数40人のARCAメナーズシリーズ、日本的に言えば自動車系ユーチューバーとして有名なクリータス マクファーランドが優勝争いに絡んでにわかに放送席が盛り上がりました。レースは残り7周のターン4で多重事故が発生し、残り1周でリスタート。1周だと車が本格的な速度に乗る前に決着を付けないといけないからなかなか大変な気がしますが、ターン4の先で先行したのはクリータス。
ここから並走するガス ディーンを鬼ブロックしてなんとか逃げ切ろうとしましたがタラデガのスタート/フィニッシュ ラインはトライ オーバルの頂点よりさらに奥のターン1側。さすがに逃げ切るのは無理でディーンに並びかけられると、その外から3番手にいた71番がすーーっと抜け出して最初にフィニッシュラインを通過しました。『アンディージェイ』ことアンドリュー ジャコウィアックが通算48度目のARCAシリーズ出場で初優勝。細々と活動してきた38歳に勝利の女神が微笑みました。
・O'Reilly Auto Parts Series Ag-Pro 300
いきなり1周目のバックストレッチでパトリック スタロポリがスピンしてコーションが出たものの、以降は事故なく激しい争いが延々と展開されていったオライリーシリーズ。結局1周目以外はステージ間コーションだけでレースはホワイト フラッグまで走り続ける大激戦となりシェルドン クリード、コリー デイ、サム メイヤーの3人が3ワイドで最終周へ。
ターン1でクリードはやや失速、バックストレッチの終盤ではメイヤーが後ろから引っかけられてスピンしデイだけが生き残り。ただ誰も押す人がいなくて孤立したデイはそのまま行ったら明らかに不利な状況、だったんですがターン3でさらに多重事故が発生してさすがにコーションが出ました。これで助かったデイがシリーズ通算22戦目で初優勝。2位はブレントクルーズ、3位にはクリードが入ってダッシュフォーキャッシュの賞金10万ドルを獲得しました。4位にサミー スミス、5位は41歳のジェレミー クレメンツが2022年第23戦デイトナ以来約3年半ぶりのトップ5フィニッシュでした。
・カップシリーズ 予選
カップの予選は雨で中止になったので指数予選で決定されました。ポールポジションは今回ロックスターエナジーがスポンサーのレディック、2位からラーソン、ハムリン、ウォーレス、ブリスコー、ケゼロウスキー、バイロン、エリオット、タイギブス、ブッシャーのトップ10です。ステンハウスは22位、前戦で悲惨な結果だったカイルはそれが指数にモロに響いて34位。タラデガは元々練習走行が設定されていないレースなので、予選すら走れなかったからみんな決勝がぶっつけ本番になります。
また今回は参戦希望が41台だったので1人予選落ちが発生する条件になりましたが、指数予選だと走ることも無く結果が決まってしまい、不運にもビアード モータースポーツ・ケイシー メアーズが予選落ちです。通算500戦出場に向けた計画は練り直さないといけませんね・・・他のオープン勢も下位スタートは確定で、37位からリチャード チルドレス レーシング・ジェシー ラブ、ガレージ 66・チャド フィンチャム、NY レーシング チーム・ジョーイ ゲイズ、そして40位がリブ ファスト モータースポーツ・ダニエル ダイとなっています。
不適切発言で一時は無期限出場停止処分を受けてトラック シリーズのコウリッグ レーシングを去ったダイですが、ARCAシリーズでとりあえず復帰していて4月20日にリブファストからのカップシリーズ4戦の出場も発表されました。このレースがカップシリーズのデビュー戦となるわけですが、なんかよく分からん流れで結局カップにデビューしてて複雑^^;
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