NASCAR Cup Series
Cook Out 400
そんな展開にも動じずオールガイアーはベテランらしい走りを見せて先週のダーリントンから2戦連続、早くも今季3勝目を挙げました。通算31勝目でマーティンズビルでは2勝目です。
2位はヘンドリックのコリー デイ、3位にJRMのサミー スミス。4位がハース ファクトリー レーシングのシェルドン クリードとなり、多重事故の起点になってしまったポリアムが5位でした。ポリアムはこのレースがオライリーシリーズ初出場、これまでいわゆるウイークリー シリーズ、現在の正式名称だとNASCAR ローカル レーシング シリーズ パワード バイ オライリー オート パーツで4度の全国チャンピオンを獲得している地方シリーズの強豪選手。
Cook Out 400
Martinsville Speedway(Ridgeway, Virginia)
0.526miles×400Laps(80/100/220)=210.4miles
Goodyear Racing Eagle Tire CodeLeft:D-5262 , Right:D-5256
Total sets 10(8 new race /1 qualifying transfer to race/1 practice)
NASCAR カップ シリーズ、イースター休暇前となる第7戦は最小トラックのマーティンズビル。バージニア州リッジウェイにあります。1周0.526マイル、コンクリート舗装されているギリギリ車3台分ぐらいの幅だけ最大12°のバンク角があるというある意味無茶苦茶なトラックです。コンクリート舗装部分を外れたら平坦な道路で曲がらない上に、そもそもタイヤカスが散らばりすぎててお話になりません。フロントストレッチ/バックストレッチの長さは800フィートらしいので243mぐらい、むっちゃ短いです。
カップシリーズ初開催はなんと1949年、現シリーズの初期形態となるストリックリー ストック シリーズの元年で当時は200周のレースでした。15人が出場して優勝したのはレッド バイロン、ストリックリーシリーズの初代チャンピオンに輝くことになったNASCAR創成期の歴史に名を残す選手です。そこから数えて今回がマーティンズビルでのカップシリーズ通算155度目の開催。その期間の大半で500周のレースが行われてきましたが、2022年以降は春のレースだけ400周に短縮されています。タイパの波がNASCARにも押し寄せました(笑)
とにかく加減速の連続ですからタイヤにもブレーキにも負担が大きく、不必要な争いを避けて相手に順位を譲る場面がけっこうあるのがマーティンズビルの特徴、長いレースを上手く組み立てないといけません。ぶっちぎったところですぐに周回遅れに追いついてしまい、抜けない間に後続に追いつかれて気づいたらタイヤを使いすぎてズタボロ、なんてことは日常茶飯事です。もちろんここもショート トラック仕様で750馬力のエンジンが使用されますから昨年以上にタイヤを大事に使わないといけません。
そのタイヤに関しては昨年秋のマーティンズビルと同じものが使用されます。右側のD-5256に関しては2024年から使用されていてけっこう長いこと使われている仕様のようですね。タイヤ側のデータはそれなりに豊富なので、エンジニア陣は今週の状況や高出力化したエンジンとタイヤ負担との兼ね合いにある程度集中してセッティングを詰められそうです。また、ショートトラックですので雨に備えてウエット ウエザー タイヤも最大4セット供給されます。
とにかく内側をガチガチに固めてしまえばそうそう抜けないマーティンズビル、トラック ポジションこそ正義!ちょっとコーションが出たぐらいじゃピットには入らん!という感じでしたが、レースを盛り上げたいNASCARがどんどん柔らかいタイヤをグッドイヤーに作らせて来たのでずいぶん摩耗するタイヤになりました。今回は400周レースなのでステージ1・2は何も無ければたぶんノーピット、最終ステージだけは給油とともに最低1回のタイヤ交換となりそうです。
ただ使い込んだタイヤはそこそこ性能が落ちてしまうので、昨年の傾向では30周以上走ったタイヤでコーションが出たら交換するのが主流の選択でした。履歴差があるとそれなりに抜ける手段が出てきてるわけですね。でも抜きにくいトラックですので自分だけ入って他がステイ アウトならさすがに集団に埋まったまま帰って来れません。周囲の人が入るのか入らないのか、タイヤに優しい走りができるのかでクルー チーフのみなさんは頭を悩ませることになります。
タイヤの負担を考えるとターンの半径に綺麗に合わせてU字で曲がるのではなく、多少なりとも直線的に減速してボトム スピードが多少犠牲になっても鋭角に向きを変えて真っ直ぐ立ち上がる、というV字ラインが有効になる場合もあるので、単独走行になっている人でもライン取りを気にしつつ観戦すると発見があるかもしれません。
・ちょっとしたデータ
Gen7車両が導入された2022年以降のマーティンズビル勝者は計5人。ウイリアム バイロンが3勝しており、ライアン ブレイニーも2勝、あとはクリストファー ベル、カイル ラーソン、デニー ハムリンです。特にブレイニーの相性はNASCARでは異常とも言えるレベルで、8戦中6戦でトップ5フィニッシュ、最も悪い成績が昨年のこのレースで11位。平均順位4.3となっており、それでいて予選平均は18.0と極端。予選31位以下が3回もあっていかにレースで強い車になっているかが分かります。ただそのせいか2勝はいずれも500周の秋のレースとなっており、春の400周では2022年の4位が最上位となっています。
そして平均順位で言えばブレイニーに続いているのがラーソン、ジョーイ ロガーノ、チェイス エリオット、ロス チャステインとなっていてバイロンは3勝してるけど平均順位は6番目。ロガーノは勝ってないですが、全ドライバー中唯一Gen7のマーティンズビル8戦全てでトップ10フィニッシュしており、チーム ペンスキーはチームとしてこのトラックで明らかに何かを発見しています。
マーティンズビルでの現役最多勝利はハムリンの6勝、昨年春のレースを制している直近の優勝者です。ハムリンは2009年秋のレースからマーティンズビル3連勝も記録していますね。かなり特殊な開催地なので得手不得手が出やすいと見られ、マーティンズビルでの歴代最多勝利はリチャード ペティーの15勝。単一開催地の優勝回数としては同じくペティーが15勝しているノースウィルクスボロと並んで最多記録です。15勝って勝ち続けても8シーズンかかりますからね・・・またペティーはマーティンズビルの最年少優勝記録・22歳9ヶ月8日という記録も持っています。
じゃあ不得手な人って誰なんだろうというと、その1人がタイラー レディック。過去8戦のマーティンズビルで最高位は2024年春の8位でこれが唯一のトップ10フィニッシュ。チームメイトのバッバ ウォーレスが意外と4回もトップ10を記録して平均順位10.9なのに対し、レディックは20.9で全体21位です。逆から言えばここの苦手すら克服してしまうようだと、もはや他の選手には付け入る隙がありませんね、今週ぐらい休んでもらいましょう()
また昨年のマーティンズビル2戦に絞ると、いずれのレースでもトップ5フィニッシュしているのはラーソンとエリオットの2人だけ。トップ10に範囲を広げると、ここにベル、チャステイン、ライアン プリース、ロガーノ、トッド ギリランドが加わります。最近ずっと推しになっているプリースですが、開幕前のザ クラッシュで0.25マイルのボウマン グレイ スタジアムを力強く走りましたので、今週も懲りずに推してみようかと思います。結局あと30回ずっと同じこと言い続けてたりして(笑)
・レース前の話題
マーティンズビル苦手病のレディックですが、共同オーナーのハムリン自らが23XI レーシングとの契約延長合意が間近になっていると話した、とジ アスレティックが伝えました。詳細は不明ですが、今の成績は大型契約締結には最高の材料となりそうですね。4年契約ぐらい結ぶんでしょうか。
そんなハムリンにとっても多少は気になるかもしれないのが、ジョー ギブス レーシングがスパイアー モータースポーツ、および元従業員であるクリス ゲイブハートを訴えている裁判。JGR側はゲイブハートとスパイアーが共謀し、ゲイブハートがJGR退職前に競争力に大きく影響する機密情報を持ち出してスパイアーに加入しており、法的に問題があるとしてゲイブハートの職務停止を求める申し立てを行っています。しかし裁判所は木曜日に開いた審理で結論を出しませんでした。より慎重に判断するためとみられます。
話だけ聞いたらゲイブハートとスパイアーの結託は素人目には言い逃れでき無さそうなレベルに見えるんですが、裁判となると実際にそれを証明できるだけの証拠が必要です。しかし決定的な証拠となるものが無いというのはJGR自身が認めてしまっている状態で、それ以外の状況証拠からとにかく一刻も早くゲイブハートがスパイアーで上級職として働くことを止めてもらって本格的な審理に入りたいと考えており、話はそう簡単に進んでいません。
・O'Reilly Auto Parts Series NFPA 250
オライリーシリーズ第7戦、冠スポンサーのNFPAは全米防火協会という非営利団体です。予選の途中で雨が降ってきたため指数で予選順位が決まってジャスティン オールガイアーがポールからスタート。とにかくJR モータースポーツ/ヘンドリック モータースポーツが圧倒的に強くてレースの大半で誰かしらが先頭を走りました。オールガイアーはステージ1終了後のピット作業で失敗して一旦は順位を下げたもののステージ2終盤には挽回。
14回もコーションが出るやたらと荒れたレースでとりわけ強烈だったのは234周目のリスタート、外側の1列目からリスタートしたリー ポリアムが上手く加速できずに後続が全員詰まって19人が巻き込まれる多重事故発生。26分間のレッド フラッグを呼ぶ大惨事になりました。
2位はヘンドリックのコリー デイ、3位にJRMのサミー スミス。4位がハース ファクトリー レーシングのシェルドン クリードとなり、多重事故の起点になってしまったポリアムが5位でした。ポリアムはこのレースがオライリーシリーズ初出場、これまでいわゆるウイークリー シリーズ、現在の正式名称だとNASCAR ローカル レーシング シリーズ パワード バイ オライリー オート パーツで4度の全国チャンピオンを獲得している地方シリーズの強豪選手。
もうすぐ38歳になるベテランは今回が初めての全国シリーズ出場でしたがその力を発揮し、40周のリードを記録して優勝争いにも絡みました。しかしタイヤが古くなってくる終盤のリスタートで上手くトラクションがかけられないのかたびたび加速が上手く行かず、そして大失敗して多重事故になってしまいました。中断中にオーナーのデイル アーンハート ジュニアが無線で励ましてあげていたそうです。
・Whelen Modified Tour Virginia is for Racing Lovers 200
NASCARで唯一のオープン ホイール選手権として知られるウィーレン モディファイド ツアー、本当は金曜日夜の予定が大雨により土曜日の夜、オライリーシリーズの後に回りました。ポールシッターのパトリック エマリングが序盤から圧倒的な速さを見せていましたが、2回目のコーションの際にピットでのコミットメント ライン バイオレーションをやってしまって最後尾へ。結局上位まで巻き返しはしたもののあと一歩届かず5位に終わります。
エマリングの脱落後はシリーズ通算279戦目で30勝しているベテラン・ロン シルクと、これがまだ23戦目のスティーブン コプシックが優勝争いを展開しました。2人は最後までテール トゥー ノーズの争いでしたがコプシックが先行。シルクも手荒な真似はせず正々堂々と渡り合い、結果コプシックがモディファイドツアー初勝利を挙げました。
カップシリーズの予選は天候に問題なし。ブッシュ ライト ポール賞はハムリンが獲得しました、通算49回目でマーティンズビルでは5回目。ハムリンは過去4度のマーティンズビルポールスタートのうち、2010年秋のレースでは優勝しています。他も3位、4位、7位という結果がでています。
2位はバイロン、3位にはジョッシュ ベリー、4位が今季ここまで好調なタイ ギブスです。5位はブレーキを多用するオーバルならちょっとだけ得意なシェイン バン ギスバーゲン、6位からオースティン シンドリック、カーソン ホースバー、レディック、ロガーノ、エリオットのトップ10でした。ベルが11位、ブレイニーはいつも通りな12位、13位にラーソンが続いています。プリースは17位、チャステインは18位、宿敵(?)ダニエル スアレスは2列後ろの22位でした。今回も出るか、ブレイニーマジック。
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