NASCAR 第2戦 アトランタ・事前情報

NASCAR Cup Series
Autotrader 400
EchoPark Speedway(Hampton,Georgia)
1.54miles×260Laps(60/100/100)=400.4miles
Goodyear Racing Eagle Tire Code:
D-5174(L),D-5268(R)


 一度始まったら休みを知らないNASCAR、カップシリーズ第2戦はアトランタ。昨年からトラックに命名権で企業名が付いたエコーパーク スピードウェイです。開幕から2戦連続のドラフティングトラックということで、なんというかコース料理を頼んだら最初に主菜のウナギのかば焼きが出てきて、たらふく堪能したら次はアナゴのかば焼きが出て来た、みたいな感じなのでなるべく間を空けて開催してもらいたい気はします、ケプッ。
 トラックはジョージア州のハンプトンという場所にありますが、州都アトランタから南に30マイルほど行ったところにあり車だと45分ぐらいだそうです。トラックのすぐ北側に『アトランタ スピードウェイ空港』というのが隣接しており貸し切り便の飛行機が行き来してるみたいですね。お金があったら小型飛行機借りて空港に直行する人もいたりするんでしょうか。ちなみに名前にアトランタスピードウェイと付いてますがレーストラックの所有物ではなく、何度か名称変更される中で知名度の高いスピードウェイの名前を名乗ることにしたようです。

 最大バンク角28°、510馬力のドラフティングトラック仕様を適用するため単独走行する分には1周丸々ずっと全開。ただレースになって内側のラインを走るとさすがに旋回半径が小さすぎてちょっと戻すなり、軽くブレーキを引きずってスプリッターを地面に近寄らせるなりして向きを変える手助けをしてあげないと曲がり切れません。デイトナ/タラデガが疑似直線レースなら、アトランタは言うなれば疑似・疑似直線レースです。モノマネしてる人のモノマネ、みたいな感じ。
 大して道幅が広くないしずっと集団でレースすることになるので、普通にターン4の先で減速してピットに入ろうとすると大事故に繋がるためここはバックストレッチ終端部分・ターン3の内側からピットの入り口が始まって動線が重ならない特殊な設定になっています。速度制限はターン部分と、その先の本格的なピット部分で2段階に分かれた独特の構造で、とにかくピット ロードの全長が長いですから時間がかかり確実に周回遅れになります。
 デイトナ以上にここはトラック上での追い抜きが難しいのでレースの基本は燃料節約になると思われます。ステージ1は給油不要、ステージ2・3はいずれも1回の給油が必要だと思いますが、デイトナで65周も走ってしまった非常識な人がいたことを考えると、単純に航続距離で計算したらアトランタ100周って走れなくもない数字になってるんですよね。デイトナより加減速が起きるしターンでの走行抵抗も多いので効率が悪くてさすがに無理だろうとは思うんですが、タイヤ摩耗次第ではけっこう走ってしまう人が出てきそうです。

 そのタイヤですが、今回グッドイヤーは右側のタイヤだけ新しいものを投入、説明によるとより摩耗を促進する方向となっており構造をドラフティングトラック用ではなく他の1.5マイルと同様の構造に変えて来たとのこと。さすがに普通に走ってて明確に全開で走れなくなるほど摩耗するようなタイヤではないと思うんですが、レース終盤にタイヤを換えてない人と換えた人でラインの自由度が変わる、みたいなことが起きると思わぬ逆転に繋がるかもしれません。

 なお今週末もカップシリーズ以外にオライリーオートパーツ、クラフツマントラックの両方が併催されますが、通常と違って土曜日の昼間にトラック、夜になったらオライリーという同日開催になっています。お客さんは同じ日に色々レースが見れてお得ですが、やってる方はカップの予選もあるのでマジで忙しいと思います。


・ちょっとしたデータ

 2022年にドラフティングトラック化されて以来8回のカップシリーズが開催されましたが、以降のレースでバイロン、エリオット、ロガーノがそれぞれ2勝ずつを挙げています。残りは昨年春のベルと、一昨年春のダニエル スアレスでいずれもオーバータイムのレースでした。8戦中5戦はコーションが10回以上発生しており、まあ数回は何かデッカイことが起きるのを覚悟した方が良いでしょう。
 この8戦で平均順位が最も良いのはエリオット、次いで優勝はしていないものの8戦でトップ10フィニッシュ6度と高値安定のブレイニー。これにカイル、スアレスが続きます。また、昨年のアトランタ2戦を両方トップ10フィニッシュした唯一の選手はステンハウスでした。逆に苦手にしているのはラーソンとブリスコー。そもそも何か巻き込まれ癖でもあるのかドラフティングトラックでの成績があまり良くないラーソンですが、アトランタ過去8戦は昨年春に3位だった以外全て13位以下。さらに悪いのはブリスコーで過去8戦全て15位以下となっています。

 通算成績で見てもアトランタで3勝以上している現役選手はおらず2勝が最多。たいがいどこ行っても優勝してるハムリンもアトランタは通算31戦で2012年に挙げたのが唯一の優勝となっており、通算32戦出場のカイルは2勝していますが最後に勝ったのが2013年です。


・レース前の話題

 また訴訟です(笑)2024年まで6年間ハムリンのクルーチーフを担当し、昨年はジョー ギブス レーシングの競技ディレクターを担当していたクリス ゲイブハート。昨年末ごろにチームを退職していたようですが、このほどスパイアーモータースポーツに転職して最高モータースポーツ責任者に就任したことが発表されました。で、ゲイブハートが退職前に機密情報を持ち出した、としてJGRから訴えられました。一般企業でもよくあるやつ^^;
 ゲイブハートは当然ながら真っ向からこの件を否定、虚偽の主張によって起こされた訴訟だとし、裁判所で潔白を証明するのが楽しみだ、としています。

 景気の良い話題も1つ、FOXによると先週のデイトナ500のテレビ視聴者数は平均748万9000人で、前年比約11%の増加と発表しました。ピーク時の視聴者数は915万4000人だったとのこと。またトラックシリーズも138万7000人で前年比約37%の増加でした。ただ、どうやら昨年の9月ごろから調査会社が視聴率測定に用いる手法を変更しているみたいで、統計数字として直接現在の数字と昨年9月以前の数字を比較することはできないみたいです。

・Craftsman Truck Series Fr8 Racing 208

 せっかく予定を詰め込んだ土曜日の天気が今一つ。カップシリーズの予選が雨で中止となり、雨が止んで路面を一生懸命乾かして約1時間遅れでトラックシリーズ開催。後ろにオライリーシリーズも控えているので『16時20分になったらホワイトフラッグが振られて終了』というNASCARでは珍しい時間制レースになりました。
 ステージ2ではベン ローズが主導権を握り約3年ぶりの優勝に期待が持たれましたがなんとステージ残り2周でガス欠。最終ステージに入るとカイルが主導権を握り、制限時間0で迎えた最終周はチームメイト・ホースバーの助けもあってスチュワート フリーズンとの争いを制しました。カイルがトラックシリーズ通算68勝目、アトランタ通算9勝目を挙げました。最終的には本来予定した周回数に10周足りませんでした。


・O'Reilly Auto Parts Series Bennett Transportation & Logistics 250

 オライリーはアトランタでの最多記録となる24回のリード チェンジが起きる大混戦となりました。レース終盤にリードしていたのはスポット参戦のチャステインでしたが、残り2周でヒルが逆転。アトランタ通算5勝、しかも大会スポンサーでもあるベネットから支援を受けるヒル、最終周のバックストレッチまでリードしてこれはもう決まりでしょ、と思ったらターン3の入り口で接触。チャステインが後ろから押して回してしまい、その隙に3位にいたシェルドン クリードが走り去りました。
 これまで通算137戦に出場して一度も優勝せず15度の2位を記録してきたミスター準優勝が、とうとう138戦目で初優勝を手にしました。

 当然ながらヒルはチャステインが接触したことに不快感を示し「わざとぶつかってきたように見えた。」と納得いかない様子。チャステインの方はヒルをスピンさせたことは間違いないし、同じシボレーの車と接触はしたくなかった、と反省の弁を並べました。正直ヒルのターン3での外から内への曲がりながらのライン変更は、ブロックしたつもりなんでしょうけど逆に接触する状況を生んであんまり良い動きで内容には見えましたけど、車載映像が無いと外からの状況だけでははっきりしませんね。

・カップシリーズ 予選

 先ほども書いた通りカップの予選は雨で中止になり指数予選方式となりました。これによりだいたい先週のレース結果と似たようなスタート順位になり、予選1位はレディックが獲得。2位からロガーノ、ステンハウス、エリオット、ケゼロウスキー、スミス、ブッシャー、ハーブスト、ウォーレス、ベリーのトップ10。デイトナで事故って結果が出なかった人は下位になるのでハムリンが29位、ベルが32位、ブリスコーは34位、ボウマンは36位。デイトナに続いてイェリーとマクラウドが参戦していますが、当初参戦予定だったメアーズはデイトナでの車の破損の影響で参戦を取りやめています。

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