ABB FIA Formula E World Championship
2026 Miami E-Prix
エナジーがギリギリの残量になりましたが2位にミュラー、そこから5秒ほど離れて3位にベアライン。11位スタートから早めに前の集団に出ておく作戦で成功して3位に入り、ポルシェは表彰台を2つ獲得しました。そこからさらに3.5秒離れて4位が自己最高位のエリクソン、さらに4秒離れて5位デフリース。モルターラが6位に入ってマヒンドラがそこそこ点数を稼ぎ、決勝のターン4までは悲惨な状態だったブエミが決勝は上手いこと順位を取り返して7位でした。ただチームが計算を間違えたらしくて2回目のアタックモードは使い切れずちょっと損しました、去年ならペナルティー食らってたやつ。
2026 Miami E-Prix
Miami International Autodrome 2.32km×39Laps(-0.138km)=90.342km
※Race extended to 41 Laps
Reference Lap Time for FCY/SC=2:40
Race Energy=38.5kWh
winner:Mitch Evans(Jaguar TCS Racing/Jaguar I-type 7)
ABB フォーミュラ E、第3戦はマイアミです。マイアミでのレース開催はシーズン1、シーズン11、そして今年=シーズン12の3回目となりますが、初回はビスケイン湾の沿岸にある直角コーナーだけのすごく単純な設計のコースでした。昨年は対照的にホームステッド-マイアミ スピードウェイが使用され、そして今回はF1でも使用されるマイアミ インターナショナル オートドローム、を縮めた1周2.32kmのコースです。昨年に宣伝イベントとして著名人も走行した『エボ セッション』で使用されており、F1と違って高速道路の下をくぐるクネクネした部分はありません。
1周2.32kmのコースを決勝は39周で約90km、低速コーナーが少ないため平均速度はホームステッドよりちょっと遅いぐらい、サンパウロ市街地とほぼ同じ145km/hぐらいです。フォーミュラEとしては高速の部類に入るレイアウトなので決勝ではエナジー管理がけっこう大変になりそうに見えます。
ちなみにマイアミオートドロームは今回のものを含めて何パターンかレイアウトを組むことが可能になっていて、来年からのGen4車両で車が速くなったらそれに合わせて距離を伸ばしたよりF1に近い形態にして開催することも視野に入っているそうです。
・レース前の話題
この2週間ほどで大きな枠組みに関する話題が出てきました。まずアンドレッティ フォーミュラ Eは今シーズン限りでポルシェとのパワートレイン供給契約が終了し、来シーズンから日産を使用する見込みだとザ レースが伝えました。マクラーレンが消滅して2台になってしまった日産とすると、Gen4初年度からカスタマーが復活し、しかもチャンピオン経験のある強豪チームを取り込んだ4台体制には恩恵がありそうです。また、ザレースは日産がグループ内の別ブランドの名称を使用する可能性があることも報じています。
なおアンドレッティーはこれまで赤/黒の車体色でしたが、このレースから黄/黒の車両に一新されました。これはアンドレッティーの親会社であるTWGモータースポーツ、のさらに親玉である複合企業・TWG グローバルの人工知能関連子会社・TWG AIと提携を結んだ、というかグループ内のAI部門を宣伝することにしたためで、同社の企業色である黄色になりました。NTT インディーカーシリーズも同様で、ウィル パワーの新しい黄色い車両が披露されています。
次に、ローラはアプトとの契約を今季限りで終了し、来シーズンからはフォーミュラE活動をイギリスの本社に集約すると発表しました。シーズン11から参戦したローラはパワートレイン製造ではヤマハと提携し、チーム運営はフォーミュラEで実績があってパワートレインを持っていないアプトと契約して動かしていましたが、今後はいわば『ローラ ワークス』になります。ザレースによるとアプトの従業員さんもフォーミュラE活動を継続したい意向があれば、いくらかはローラに転職してそのまま仕事を続けられる見込みだと伝えています。
ローラとすればより全てを自分たちで管理下に置きたい、という意図があるでしょうし最低限レースのやり方を身に付けるまでの準備期間として最初からアプトとの関係は2年間だけと考えていたのかもしれません。ローラはイギリス、アプトはドイツの組織なのでやっぱり今の時代でも拠点が離れてるというのは意外と影響したります。またアプト スポーツラインはアウディーをはじめフォルクス ワーゲンの自動車ブランドと繋がりの深い組織ですから、ヤマハという全く外側にいる、しかもちょびっとトヨタが関係している会社と組み続けるというのも壁の1つだったかもしれません。
一方のアプトですが、フォーミュラEはアウディーと組んで初年度から活躍し、アウディー撤退後に1年休んだもののマヒンドラのカスタマーとしてかなり悲惨な2年を過ごし、そしてローラヤマハとの提携でした。これでまたパワートレインが無いし、参戦枠も所有権はローラが持っているのでこのままだと撤退になります。またどこかのチームと契約して長年の経験を活かすのか、フォーミュラEはここまでにするのか、流浪のアプトの動向も注目です。
最後に、フォーミュラEの運営会社が『B コーポレーション』認証を受けたと発表されました。Bコープはアメリカの非営利団体が実施している取り組みで、社会や環境に配慮した公益性の高い企業だと団体が認めた場合に認証を受けることができます。フェアトレード認証、とかと似たようなもんで、有名どころだとアウトドア用品のパタゴニアなどがBコープ企業として知られています。フォーミュラEはモータースポーツ競技団体初、どころかスポーツ競技団体として世界初の認証企業になりました。
Bコープ認証を受けると専用ロゴの使用が可能になり、その企業がザックリ言えば『自分のことだけ、利益のことだけ考えてるんじゃなくて従業員にも環境にも取引先にも配慮してる優良企業ですよ』と宣伝することができます。Bコープ企業同士の『横のつながり』にも期待できるため、将来的に新たなスポンサーや顧客層の獲得に寄与する可能性もありそうです。
・新人テスト
さて話題をコース上へ、この週末はFP1の前に新人さんテストが実施されました、『FP0』という俗称もあります。最速はエンビジョンに乗ったザック オサリバンで55秒810、昨年のSUPER GTでも大活躍でしたね。2位はシトロエンに乗った2023年のFIA F2チャンピオン・テオ プルシェールで55秒903。公式結果によるとオサリバンだけは最速記録が300kWで記録されていて、それで350kWのプルシェールより速いことになってるんですが、後の予選結果を見てもどう考えてもこれが300kWのタイムというのはあり得ないのでたぶんシステムの誤認だと思います。
また、フォーミュラEは新人の定義について『初めてレースに出場したシーズンが満了するまで』と定義づけているため、昨年まで一度もレースに出場していない状態で今季からフル参戦するペペ マルティーは新人として扱われる、というちょっとした抜け穴がありました。そのためクープラ キロは新人テストでもなんでもなくマルティーが参加して1人だけ練習走行機会を1回余分にこなすことに成功、4位に付けました。
日産は全チームで唯一2人のドライバーを起用しており、カスタマーがいない中で少しでもデータを集める意図も含まれているようにみられました。2024年にFIA F3で年間2位の実力者・ガブリエーレ ミニが4位、女性専用テストでもお馴染みの2024年F1 アカデミー チャンピオン・アビー プリングが11位でした。
・練習走行
FP1ではこのところ運営に対する不満が爆発しているダニエル ティクタムが300kW、350kWの両方で最速を記録して幸先の良い滑り出し。ただ決勝当日のFP2では11位/9位とそこそこに落ち着きます。このFP2ではテイラー バーナードが全体の最速で、300kWでも3位に入りました。300kWの最速はアントニオ フェリックス ダ コスタ、2位はバーナードのチームメイト・マキシミリアン グンターでステランティスは比較的上位に並んでいます。
そんな中でオリバー ロウランドはFP2でなんだか調子が上がらず一旦ピットへ。何やら作業して最後にせめて350kWで予選練習を、と思ったらルーカス ディ グラッシがミッチ エバンスにうっかり体当たりをかます接触事故が発生、ディグラッシの車が止まってしまったのでレッド フラッグとなり、そのままセッション終了でロウランドはちゃんと走れませんでした。
・グループ予選
A組に入ったロウランド、悪い流れを変えられず6位で敗退となりますがチームメイトのノーマン ナトーが56秒765を記録して1位通過します。2位ニック キャシディー、3位ニック デ フリース、4位ニコ ミュラー。なんということでしょう、全員名前が『N』から始まります。たくさん走行機会のあったマルティーですが7位でした。ちなみにキャシディーは前戦で『もし優勝したら坊主になる』的な賭けをしていたようで、頭が丸く刈り取られた新しいリバリーでした(笑)
一方B組はバーナードが引き続き好調でグループ予選最速の56秒562を記録、2位がダコスタ、3位ジョエル エリクソン、4位にフェリペ ドルゴビッチが入って初のデュエルス進出となりました。ドルゴビッチはフル参戦1年目なんですが、マルティーと違って昨年にスポット参戦経験があるので既に規則上の新人扱いでは無くなっています。
・デュエルス
今回は両組とも下剋上、A組は準々決勝でナトーが痛恨の最終コーナーはみ出し、記録無しになってミュラーが勝ちあがると、準決勝でデフリースも下しました。B組でもドルゴビッチが大本命とみられたバーナードを0.001秒差で下す劇的な争いを見せると、準決勝は高速コーナーのターン11でほぼ完ぺきに見えるラインを取って55秒393という異次元の記録を叩き出しダコスタも破りました。
俄然ドルゴビッチの快進撃に注目が集まりましたが、デュエルス決勝ではセクター2でさっきとほぼ同じタイムでやっぱり非常に速かった一方セクター1と3は少しずつ取りこぼしてさすがに2回続けて完璧な1周とはならず。対するミュラーは全セクターを確実にまとめて55秒455を記録、準々決勝から0.18秒ほど上積みした尻上がりの走りで通算65戦目にして初のジュリアス ベア ポール ポジションを獲得しました。
スタート順位はミュラー、ドルゴビッチ、ダコスタ、デフリース、バーナード、エリクソン、キャシディー、ナトーの順となりました。パスカル ベアラインは11位、ロウランドは14位、前戦でポールを獲っていたセバスチャン ブエミはグループ予選で2人の選手に対する進路妨害を取られてしまい、5グリッド降格+3グリッド降格で最後尾スタートになりました(´・ω・`)
・決勝
予選後に雨が降ってしまって気温16℃・路面温度21℃前後とマイアミのイメージからするとだいぶ涼しくてどんよりした天候です。雨はほとんど降っていない様子ですが路面には水があるので決勝はSCスタート、まずはコース上の確認という感じですがターン4で最後尾のブエミがスピン。他の選手もどうやら最初はタイヤが全然機能していないようでSCに付いていくのが大変だったようです。溝の入った全天候タイヤなので雨でも晴れでも走れますが、溝があっても晴れで走って壊れない=雨で走るには固すぎるのでこうなっちゃうんですねえ。
4周の先導走行を終えて5周目にスタンディングでリスタート、この時点でSCが5分20秒以上滞在しているためとりあえず2周のレース追加は確定しました。スタート直後からミュラーとドルゴビッチが競り合いを演じた、かと思ったらドルゴビッチはいきなりターン4外側のアタック モード起動ゾーンへ。翌周にはミュラーも対抗してアタックを使用し、序盤はここにデフリース、ダコスタ、エリクソンあたりが早めのアタックで上位を争いました。
雨のレースは速く走れないので必然的にエナジー消費量は少なくて済み、極端に意図して節約をする必要が無いので序盤からある程度順位を意識して走っている様子が伺えます。競り合いは言ってみれば『無駄な走り方』なので、それをやるということはあまり節約を意識していない証拠です。一方で雨だと荒れやすいのでSCが出てしまったらせっかくアタックを使って築いた差も全部台無し。おそらくその辺を考えていると見られる中団勢は少し距離を空けて徐々に第2集団という感じになっていつもの20人全部第1集団、みたいな展開ではなくなりました。
そんな中で少し違う動きを見せたのはジャガーのダコスタとエバンス。ダコスタは序盤は第2集団の先頭という感じでアタックを使わず前方から3秒以上離れたところにいましたが、上位勢にペースの上げ下げがあるところを自分は1分8秒台を並びていたので12周目あたりから自然と追いついていき、前の集団を捕まえた15周目にようやく1回目のアタックを使ってそのまま先頭へ。エバンスも基本は同様で19周目に1回目のアタック、たった2分のアタックで7位から3位まで浮上しました。これでジャガーが1回目のサイクルを終えて1位-3位。
ちょうどこの時間帯は雨量が増えて水煙が多くなってくる時間帯にもなり、みんなレース序盤からずっとツルッツルのフラッフラなところにまた悪条件が追加されました。この頃には上位7人がアタックを1回使って第1集団、8位以下はまだ1回も使わず第2集団ですが前方から10秒以上離されており、日産はというとロウランドもナトーも異様に後方に下がっていました。作戦?トラブル?
それでも期待(?)のSCが入るような波乱はなくレースは後半戦の26周目に到達。ミュラー、エバンス、ダコスタの並びになって次の展開を待っているところでしたが、
なんとターン13でミスったドルゴビッチがダコスタに物理的アタックモード発動()これでドルゴビッチはウイングを壊してそのままピットへ。ダコスタはレースを続行しますが後部がちょっと壊れています、まあウイングなんてただの飾りで、しかも今日は特に必要性が薄いので走行性能としてはどうにかなりそうですが、またも不運に見舞われたダコスタは6位に後退しました。
ドルゴビッチは何回かここで突っ込みすぎてる場面はあったのでとうとうやっちまった、という感じ。フォーミュラEはブレーキの仕組みが独特だし重量配分もかなり変なので、こういう条件だと元々止めるのが難しくて新人さんには難易度がより高いので洗礼を浴びました。10秒加算ペナルティーを受けて1周遅れの18位でこのレースを終えましたが予選からここまで記憶には強く残ったレースとなりました。
ダコスタは不運でしたがエバンスの方は続く27周目、同じターン13でブロックに動いたミュラーの走りを冷静に見極めてラインを交差させ、お手本のように立ち上がりで逆転して9位スタートからとうとう先頭へ。フォーミュラEでアタックモードもなく、スロットルを戻す位置の差でもなく本当にブレーキングから立ち上がりの争いで1位争いが入れ替わる、というのは珍しい場面なので個人的に非常に盛り上がる場面になりました。ブレーキングでエバンスは内側に行くと見せかけて外に振り直したので、その過程で追突事故の一歩手前だったようにも見えるんですけどね^^;
前に出たエバンスはここからの3周でミュラーを1.6秒ほど引き離す快走、ミュラーの方は抜かれる前の時点で「あいつ速ええ」とぼやいていたようで、エナジー残量がどうとかいう話ではなく今この条件でエバンスが純粋に車を速く走らせている状態です。
徐々に引き離されたミュラー、35周目に2回目のアタックを使って距離を詰めには行きますが、翌周にエバンスもアタックを使って1位のまま合流。こうなるともうミュラーには打てる手が無く、そして予想外に何も起きないままレースは終盤へ。2周の追加で確定して合計41周。エバンスは最終的にミュラーを3.1秒もぶっちぎってチェッカーを受け、マイアミオートドロームの初代優勝者になりました。通算15勝目はブエミを抜いてフォーミュラE史上最多記録です。
ダコスタは不運で8位、しかも決勝前のグリッド上での作業中に『メカニックが腕章をはっきり見える形で装着していなかった』としてチームに1500ユーロの罰金が発生しました。9位にマルティー、今週はむちゃくちゃ影が薄かったジェイク デニスが10位で辛うじて1点を手にしました。デニスは規則で義務付けられている公式写真撮影に来なかったためレース後に500ユーロの罰金を食らって財布が傷み、同様の罰金はディグラッシも受けたと公式記録に書いてあります。どうしたんでしょうね?
・『ちょい濡れ』の難しさ
今回はウェット コンディションでのフォーミュラE独特の難しさが出たと思います。まず、途中にも書いた通りウェットは速く走れないので必然的に1周に使用する電力量は減少し、普段ほど節約をする必要が無くなります。ただ、これが土砂降りなら必死に走るだけで良いんですが、あんまり雨は降ってないから段々乾いてペースが上がる、となるとペース配分が難しくなります。段々乾くのなら最初から飛ばしすぎたら足りなくなるし、攻めようとして空転しまくると当たり前ですが貴重な電力が摩擦熱に消えて行きます。
乾いた路面でどういうペース配分にすれば良いのかはシミュレートでほぼ計算できているでしょうが、雨になると臨機応変に計算して対応する必要が出るのでよりチーム側の計算力が問われることになります。
戦略面では、ドルゴビッチがやったように最初からアタックで攻めるのは理屈としては有効です。仮に全力で走ったとしてアタックモードの有無で生じるタイム差はこのコースだと1.5秒ぐらいですが、滑りやすい路面は四輪駆動の性能がより差を生むため『2WD vs 4WD』の観点から1.5秒どころではない差になります。レースは決められた距離をより早く走れば良いわけですから、2WDが相対的に不利な時間に4WDで走って稼いだ方が理論上早くゴールできます。
上位勢は理論を優先して走ったと言えますが、一方で不安定な状況はSCも出やすいので早めに使うとせっかく築いた差が台無しになるおそれがあるのと、序盤だとエナジーをどのぐらい使って良いのか計算に難しさがあります。特に共通部品のフロントMGUは効率が悪いので、有利だからと最初から4WDを使いまくって走るとエナジーが全然足りずに困る可能性があり、ある程度の見通しが立ってからアタックモードを使うこともまた重要となります。『見通せないから追い抜きだけに使おう』と慎重に走るとアタックモードの魅力が薄れます。
中段~後方の人は1回ぐらいSCが入る可能性も考慮に入れ、その間に路面が乾いたら完全に後半勝負になるので温存しつつ様子見をしていた可能性がありますが、結果としては先に使った陣営が正解となり、その中で序盤は無理せず一定のペースで効率運転した後に中盤でアタックの速さをしっかりと活かしたジャガーの作戦が最も効率的だったと思われます。ダコスタも追突されてなければたぶん2位だったでしょうね。
そしてここにタイヤの要素が絡みます。予選後のミュラーのインタビューで『雨になるとタイヤ内圧が難しい』的なことを語っていましたが、レースが雨だとある程度内圧を上げて接地圧を上げた方が速く走れます。内圧が低いと滑りやすい路面では面圧が逃げてしまう他、べしゃっとゴムが潰れると溝が変形したり埋まったりするので排水性能が落ちてしまうためです。一方で内圧が高いまま路面が乾いてしまうと今度は接地面が小さいので不利になります。普通の乾いた路面では基本はみんなタイヤが壊れない範囲で内圧を下げれるだけ下げようとして、だから規定内圧を下回って違反が発生します。
ジャガーはおそらくタイヤの内圧設定でも非常に適切な数字を選んだと考えられ、なおかつレースの序盤は無理な争いをしなかったので変な温度上昇や摩耗も抑えることができていたと思われます。ミュラーはレースの中盤に後ろのグリップ力が低下していることを無線で伝えていたので、競り合いをやってる間に滑ったり擦ったりして表面温度が上がりすぎたかもしれません。
方や大失敗したのが日産、ステランティスといった陣営でした。ザレースによると彼らは路面が乾いていくと予想してタイヤ内圧を他の陣営より下げたようでこれが大失敗。ロウランドは後方をポツンと走って30秒以上離された12位でレースを終えましたがこれはまだマシな方で、あまりに遅くてキャシディー、ナトーは周回遅れ、マキシミリアン グンターは2周遅れ、ティクタムはあまりにまともに走れないので途中でレースを諦めてしまいました。
クープラ キロはマルティーが入賞してるので作戦を分けてティクタムがハズレを引いたんじゃないかと思いますが、日産、DS ペンスキー、シトロエンは予報に自信があったのか作戦を分けなかったようで共倒れしてしまいました。こういう話は元々よほど知識があるか情報を自分で調べて初めて見えてくる部分なので、お客さんにはなかなか細かすぎて伝わらず難しいところですね。興味を持って調べると「なるほど!」となってそれはそれで面白いんですが、エンタメとしてはやや悪材料です。
マイアミのコース自体は、おそらく今年だけでなく来年以降が考慮に入っていると思います。Gen4になると車が速くなりすぎてせせこましい市街地や展示場ではもうレースできないのでは?より常設サーキット寄りになるのでは?と言われていますから、次戦のジェッダもそうですがF1規格の『市街地っぽい専用サーキット』というような開催地は市街地開催というこのシリーズの存在価値を守りつつも車を速くしていく現実解と考えられます。このレイアウトで出力が600kWになったらどうなるんだろう?という期待感込みで考えると、たぶん開催されるであろう来年が楽しみですね。次戦は2月13日・14日にジェッダ2連戦。今年初めてのピットブーストがたぶん登場します!
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