NASCAR Cup Series
・ステージ1
まずはハムリンが快調な出足、バイロンと0.9秒ほどの差で維持して30周を走行しました。ただここから先でバイロンが少しずつ距離を詰め始め15周ほどでハムリンの背後に到達。53周目のターン2で外から仕掛けてハムリンを攻略すると、その後は一方的に差を広げてステージ1を制しました。2位はロングランでするすると上がってきたブレイニー、ハムリンは3位となって要アジャストな感じ。シンドリック、ラーソン、ホースバー、ボウマン、ロガーノ、ブッシャー、ブリスコーのトップ10でした。特に何もない60周なので文章はたった1段落で終了!
ドッグレッグを突っ切ってなんとかしたいハムリンですが、ラーソンとは4車身ほど離れていて打つ手なし。焦りすぎたかまたターン1で突っ込みすぎてしまい失速、最後まで勝負を続けることさえできませんでした。ラーソンはバックストレッチでケゼロウスキーに詰まったので思いっきり押してあげ、そのままターン3・4を抜けてプレイオフ選手で最初にチェッカーを受けました。この瞬間、カイル ミヤタ ラーソンが2021年以来2度目のカップシリーズチャンピオンを手にしました。
ラーソンとハムリンに意識が集中しすぎてマジで誰が優勝したか見落としたんですが、ターン4を立ち上がるまではケゼロウスキーが前にいたものの、最後の最後でタイヤが食わないぶんだけブレイニーが早く立ち上がって大逆転。僅か0.097秒差で今季4勝目・通算17勝目を挙げました。チャンピオンを獲った2023年の最終戦はチャステインが優勝を持って行ったので自身は2位、フェニックスでの初勝利でした。
キム クーン「これまでフェニックスでは4度の2位がありました。ついにビクトリー レーンですが、道のりは簡単ではありませんでしたね。オーバータイムのリスタート、どのように潜り抜けてケゼロウスキーとの争いを制したんでしょうか?」
と引退すら示唆するような発言。さすがに今のところ本当にやめてしまうとは思われていないようですが、元同僚でもあるカール エドワーズは2016年にチャンピオンを逃し、これで精神的に燃え尽きたように約2か月後に突然引退を表明してNASCARを去りました。普段から観客や運営に悪態ついてるから因果応報だ、なんて軽口を叩けるようなレベルではなくけっこうシャレにならん精神的ダメージではないかと思います。
対峙したラーソン、レース後にトロフィー授与式などを映した公式動画にブレイニーと軽く言葉を交わしている様子が入ってるんですが、その中で「2タイヤ行かないとは思わなかったよ。いやハムリンのことな。後ろで捕まってるのが見えた時に『ウゲ、マジかよ』と思った。」と話しており、ゲイルも後から振り返ったらやはり2輪交換が良かったんじゃないか、とは感じているようです。ただハムリンはその件についてゲイルを責めたりしていませんし、もしコーションが出て2回目のオーバータイムになったら、と考えると4輪交換は強いので、これはもう結果論でしかありません。
NASCAR Cup Series Championship Race
Phoenix Raceway 1mile×312Laps(60/125/127)=312miles
※Race extended to 319 Laps due to NASCAR overtime
winner:Ryan Blaney(Team Penske/Menards Dutch Boy Ford Mustang Dark Horse)
約8か月半・35戦に渡る戦いを経てNASCAR カップ シリーズはついに2025年の最終戦です。舞台はフェニックス レースウェイ、1周1マイル、バンク角こそそこまで高くはないものの、旋回半径が大きくて比較的高速なトラック。312マイルのレース距離なのでわりとあっという間に終わってしまいます。NASCARが多額の費用をかけて改修し2020年から最終戦の開催地になっていましたが、来年は最終戦がホームステッドに移動するのでひとまずその役割を明け渡すことになります。たぶんローテーション制だろうし、11月にレースできる温暖で天候が安定した地域は限られてるので数年おきに順番は回ってきそうな気はします。
スタート/フィニッシュ ラインを超えたらいきなり広大なドッグ レッグが広がり、下手したら大外から壁スレスレの内側まで10台ぐらい並べるんじゃないかという争いがリスタートの度に起きるので、特に終盤のリスタートは目が離せません。古いタイヤで前からリスタートしても新しいタイヤの人がバンク角のない平坦な内側から平然とゴボウ抜きする、という他所では起こりえないことが度々起きる特殊なトラックです。即座に内側に飛び込めるがゆえに、焦りすぎてスタートライン通過前に隊列からラインを動かしてしまって反則を取られやすいのは注意点です。
ウイリアム バイロン、カイル ラーソン、デニー ハムリン、チェイス ブリスコー、プレイオフを勝ち抜いたこの4人がポイント5000点にリセットされ、このレースではプレイオフ ポイントは無効でステージ ポイントも無し。エクスフィニティー ファステスト ラップのボーナス1点もたぶんないはずです。つまり、一応ポイントで順位表記はされるけど単純に『このレースで4人のうち最上位だったヤツの勝ち』です。分かりやすい。もちろんこの週末はクラフツマン トラック シリーズ、エクスフィニティー シリーズのいずれも最終戦となっており、全米3シリーズ全てで今シーズンのチャンピオンが決まります。
・ちょっとしたデータ
プレイオフ選手4人は全員がフェニックスでの優勝経験者。このうちGen7車両のレースでは2022年春にブリスコー、2023年春にバイロンが勝っています。特にバイロンは7戦中5戦で6位以内、平均順位8.0でライアン ブレイニーに次ぐ高成績。ラーソンも4位と3位を2回ずつ記録しており『速いんだけど優勝した人よりはちょびっとレース ペースで劣ってる』という展開が多い印象です。
一方ハムリンは今年の春のレースで2位ですがGen7の7戦は平均順位10.8で飛びぬけた数字ではありません。ただ彼は今回がキャリア41回目のフェニックスで、これまでの40戦で2勝を含め平均順位10.6、これは通算成績で見れば現役選手最良です。なんと通算で7勝しているポコノーよりもフェニックスの方が平均順位が高い。勝ってない理由の5%ぐらいはケビン ハービックがフェニックスで勝ちまくってましたからでしょう・・・(笑)
ブリスコーは今年JGRに移籍してきたばかり、4人の中で唯一チャンピオンシップ4は初出場で立ち位置とすれば一番下馬評が低そう、なんですが、今シーズン35戦全体の平均順位で比較するとブリスコーの決勝平均順位は12.5。これはクリストファー ベルに次ぐ全体2番目でプレイオフ選手最良です。もっとも無名だからと安易に彼を優勝予想から外してはいけませんね。
そして気になるのはタイヤ、春のレースではNASCARが2スペック制を採用していました。今回は通常通りのレースですが春とは違うタイヤを使うことになるので、ここでのデータ量がやや少ないのは各陣営の技術者さんを悩ませるところです。左 D-5254/右 D-5256 の組み合わせはリッチモンドやニューハンプシャーなどで既に使用されており、柔らかくて摩耗が進みやすいのはおそらく皆さん織り込み済み。アンダーカット戦略は当然のこと、リスタート直後の争いではタイヤが新しいほどラインの自由度が大きいので、クルー チーフは最後の最後までタイヤ戦略に神経を注ぎ続けることになりそうです。
・レース前の話題
NASCARと23XI レーシング/フロント ロウ モータースポーツとの裁判。12月にもこの訴訟の核心部分の判決が出るのではないかとされる中、夏場以降はNASCAR有利の判断が複数出されて優勢かと思われました。ところが、一連の訴訟の中でNASCAR側が両チームに対してザックリ言うと『むしろ本来ならチームごとに個別に交渉すべきもんをお前らが結託してかかってくるからこっちが損害被った被害者じゃ』と反訴した事案について、裁判所が『いやいや、お前らが主張してるような証拠ないよ。損なんかしてへんよ、はっきり言うて。(ザックリ)』とこの反訴を棄却しました。
NASCAR側が日本で言う独占禁止法に違反しているか、という核心部分の判決では無いですが、ジ アスレティックは匿名の情報筋の話として、NASCAR側が両チームとの和解協議を進め、この騒動を終わらせるために働きかけていると伝えています。ただ当事者でもある23XI共同オーナー・ハムリンは和解による解決を否定しています。
また、この係争の副産物として裁判所は関連資料の一部を開示、その結果なんと謎に包まれている部分も多かったレース結果における賞金配分やチャーター保有チームにオーナー ポイントに従って配分される賞金の計算方式の詳細が判明してしまいました。例えば今週のフェニックスではレースの賞金総額は1239万4135ドルと発表されており、これ自体は毎週末ちゃんと公表されてるんですが、配分は分かりませんでした。
しかし今回の資料によれば、優勝するとこのうち5.16%が配分されて今回のレースに当てはめると63万9537ドル、40位でも10万9812ドルとなります。優勝なら日本円にして9800万円あまり、最下位でも1500万円あまりとなります。レース毎に総額は異なり、最終戦はちょっと高額になってるので他のレースだともうちょっと賞金は少な目です。また、チャーター保有チームが1戦毎に14万1000ドルの配分を受けていることも分かりました。
チャーター保有チームのオーナーポイント順位に応じてシーズン後に配分されるボーナス的賞金の額もあり、直近2シーズンのオーナー順位(前年順位は 1/2 として扱い、2年分の平均値)に基づいて計算されて今年の場合総額337万ドルの賞金総額から1位の車両には8.423%=約284万ドルが与えられます。2位は配分比率が1.3ポイントほど下がった7.138%=約240万ドルとなりますが、これ以下は25位まで概ね1順位あたり0.3ポイントずつ減少する傾斜配分、ざっくり1つ順位が下がると10万ドル減少する計算。26位以下はしょっぱい数字です。
25位だと9万6000ドルですが、これがプレイオフ最下位に相当する16位だと101万1100ドルになります。元々10位やそこらで戦うチームにとっては1つの順位変動が与える影響はそこまで大きく無いですが、普通にやったら25位以下のチームが1勝してプレイオフに進むと16位以内が確定するので、これがもたらす賞金の差はかなりのもの。また、一応インフレ対応で総額は毎年数%ずつ増えるんですが、現状は物価上昇率の方が高いのでおそらく実質マイナス状態です。
カネの話ばっかりじゃなく明るいやつも行きましょう(笑)来年からトラックシリーズにラムとともに参戦するコウリッグ レーシング、新たにダニエル ダイとジャスティン ヘイリーが加わることを発表しました。ダイは今シーズンコウリッグからエクスフィニティーにフル参戦しており、ヘイリーは2019年から5年間コウリッグでお世話になっていました。また、コウリッグはトラックシリーズ参戦に伴ってエクスフィニティーの活動を休止するとも発表しました。さすがにそんなには無理ですわな。
そしてNASCARはカップシリーズの選手が他の全国シリーズに出場できるレース数の上限規定を緩和、カップシリーズに3年以上フル参戦経験がある選手がエクスフィニティー改めオライリー オート パーツ シリーズに出場できるのは年間5戦の上限が10戦に引き上げられ、クラフツマントラックシリーズも5戦→8戦に緩和されます。レギュラー シーズン最終戦とプレイオフに出場できない規定は維持されます。
・Craftsman Truck Series NASCAR Craftsman Truck Series Championship Race
プレイオフ選手最上位・予選5位のケイデン ハニーカット、いきなりスタートでラインを変えるのが早すぎてペナルティーを食らう大失敗。失った順位を戻すのにまるまる2ステージ費やすも、最終ステージで戦線に戻ります。結果、コリー ハイム、タイ マジェスキーとの3つ巴のチャンピオン争いとなりますが、規定違反により最後尾からスタートしていたレイン リッグスが猛追、コーション時に異なるタイヤ戦略を採用して残り24周でリードを奪います。
リッグスはチャンピオンシップ4では無いので放っておいても問題なく、ハイムは2位を固めてチャンピオンに王手をかけていましたが、残り3周でクラッシュが発生して6回目のコーションとなりまさかのオーバータイム。ハイムはピットに入って4輪を交換しますが、マジェスキーもハニーカットも2輪交換。ハイムは5列目リスタートになりました。
オーバータイム、ハイムは即座に内側に下りて、なんなら照明もあんまり当たってない壁スレスレの内側で8台抜きしてターン2で2位に浮上。後続の多重事故でオーバータイムは2回目に進みますが、こうなればハイムの方が圧倒的優位。リスタートでマジェスキーを仕留めてチェッカーを受け、前人未到のシーズン12勝目で初のトラックシリーズ王者を獲得しました。
なお、このレースをもってフル参戦から引退する3度のトラックシリーズ王者・マット クラフトンは13位でした。これが通算592戦目、通算15勝はハイムが1年に12勝もしたら霞んでしまいますが、トラックシリーズを支えた鉄人に大きな拍手を!
・Xfinity Series NASCAR Xfinity Series Championship Race
エクスフィニティーの名を冠した最後のレース、コナー ジリッチ、ジャスティン オールガイアー、ジェシー ラブのチャンピオン候補者が時間とともに順位を入れ替えつつも接戦を続けました。ステージ2まではオールガイアーのロング ランでのペースが冴え、逆にジリッチはロングランでやや課題が見えました。ところが最終ステージ、アジャストに失敗したのかオールガイアーはズルズルのルースになりラブが接近。いよいよ逆転か、という残り49周でクラッシュが発生してコーションとなります。
ここでオールガイアーのクルーは右後輪の交換に手間取って順位を下げてしまいラブ、ジリッチのワンツーに。さらに残り42周でリスタートすると、この3人の争いにオーナー選手権でのチャンピオンが懸かっているエリック アルミローラが割り込みました。ジリッチの後ろで3人がやり合ってくれたのでジリッチが有利な雰囲気になります。
ところがジリッチのロングラン遅い問題は解決できず差を広げられませんでした。ようやくアルミローラを抜いたラブが残り25周でジリッチを逆転。オーバータイムのような波乱もなくラブがチェッカーを受けて2025年のエクスフィニティーシリーズチャンピオンとなりました。勝ったのは開幕戦・デイトナと最終戦・フェニックス、なんというかアタック25的なチャンピオンです(謎)
リチャード チルドレス レーシングの2番はオーナー選手権でのプレイオフから脱落しているのでこちらではチャンピオンの可能性があったジリッチでしたが、これも残り9周でアルミローラに抜かれて達成ならず。アルミローラが乗るジョー ギブス レーシングの19番がオーナー選手権でチャンピオンを獲得しました。ジリッチは年間10勝を挙げながらチャンピオンを手に出来ず、レース後は車の横に座り込んで手で顔を覆いました。オールガイアーは5位、候補者の中でちょっと存在感が薄かったカーソン クワポーは13位でした。
なおカーソン君は以前の発表の中で来年は車両をジリッチと共有することが発表されていたため「え、今年出てきたばっかりなのにフル参戦させてもらえないの?」とけっこうな人が感じたと思われますが、チームは彼が来年も全戦に出場すると発表しました。おそらく1番にジリッチが乗る時は何かしら他の車から出場するように予定が組まれることになります。
・カップシリーズ 予選
いつも通り前置きが長いですがカップの予選です。ブッシュ ライト ポール賞はハムリンが獲得しました。今季5度目・通算48度目。最近の優勝インタビューからお父さんの体調が良くないことと話しぶりからかなり深刻であることが感じられましたが、この週末のAP通信の取材でハムリンはお父さんに残された時間があまり無いことを口にし「これが父にこの瞬間を見せられる本当に最後の機会だと思います。父がこの世を去って、この瞬間を2度と見られないなんてことには本当になりたくないんです。」と話しました。彼の父・デニスは私財を投げ売って息子のレース活動を支えてくれた最愛の家族です。
2位バイロン、3位ラーソンと候補者が綺麗にトップ3。4位からオースティン シンドリック、ライアン ブレイニー、カーソン ホースバー、ジョッシュ ベリー、アレックス ボウマン、クリス ブッシャー、ジョーイ ロガーノのトップ10。チャンピオンシップ4に誰も送り込めなかったペンスキー勢が名を連ねましたね。ブリスコーは12位ですが、2020年には予選後車検に引っかかって最後尾からスタートしたチェイス エリオットが優勝してチャンピオンを獲ってるぐらいなのでまだまだ分かりません(統計数字上は予選1位から優勝と表記される)
まずはハムリンが快調な出足、バイロンと0.9秒ほどの差で維持して30周を走行しました。ただここから先でバイロンが少しずつ距離を詰め始め15周ほどでハムリンの背後に到達。53周目のターン2で外から仕掛けてハムリンを攻略すると、その後は一方的に差を広げてステージ1を制しました。2位はロングランでするすると上がってきたブレイニー、ハムリンは3位となって要アジャストな感じ。シンドリック、ラーソン、ホースバー、ボウマン、ロガーノ、ブッシャー、ブリスコーのトップ10でした。特に何もない60周なので文章はたった1段落で終了!
・ステージ2
この週末を通じて1番ピットは妙にトラクションがかからない様子なので、夜間にJGRのクルーがゴミを一生懸命掃除したからここだけやたらと舗装が白い、というお話。ステージ間コーションで全員ピットに入り、ブレイニー、バイロン、ハムリン、ラーソンの順で出て行きました。ハムリンは「クラッチの感触がおかしい。」とまたしても機械的な故障の兆候を伝えます。実は金曜日の練習走行からクラッチの違和感を訴えており、チームは確認作業をして「ヨシ!」としてたんですが、良くないかもしれません。
70周目にリスタート、ハムリンが瞬発力を活かしてバイロンをかわしブレイニーにも襲い掛かっていましたが、2周後にジョン ハンター ネメチェックのクラッシュによりコーション発生。続く80周目のリスタートでハムリンが今度こそ前に出てリードを奪い返します。ブレイニーは明らかに寝起きの悪いセットの様子で5位に後退、オーダーはハムリン、ラーソン、バイロンの順に。
ハムリンは明らかに戦略的にかっ飛ばしており、リスタートからの7周でラーソンを2秒もぶっちぎり、105周目には3.3秒差まで広げます。このあたりでラーソンとのペースが均衡し始めていたのでロングランでのペースを見たかったんですが、まさにそのタイミング・106周目にシェイン バン ギスバーゲンがスピンしてコーションが発生、そしてなぜかそれとほぼ同時にブリスコーの右後輪がパンクしました。
おそらくこの2件に関係は無いと思われますが、せっかく5位まで追い上げてたブリスコーはリードラップ最後尾からやり直し。前向きに考えれば、もしSVGも回っていなければコーションは出ていなかった可能性があり、そうするとブリスコーは周回遅れでしたから命拾いしたとも言えます。まだレースは200周残っています。
リードラップ選手はピットへ、クラッチが不安なハムリンですがリードを維持して116周目にリスタート。ハムリンはここも単独で抜け出しますが、ステージがちょうど残り70周ですからステージ1よりもさらに長い距離が残っています。ブリスコーの方は32位からのリスタートですが、タイヤ交換してちゃんとナットを締めても振動が起きているとのこと。ステージ1でも既に振動を訴えていたので、なんか車の初期設定に問題あり?
ハムリンはここも20周でラーソンを2.5秒引き離し、このあたりでラーソンとペースが同等になりました。3位にはバイロンを抜いたブレイニー、リスタート直後の動きがさっきより明らかに良かったので何かしらアジャストしてきた様子です。145周目にはラーソンも抜いてしまい2位浮上、もし先週ブレイニーが勝ってたら・・・ライバルにとって最も手ごわい相手だったのではないかと想像します。
で、ここからロングランでの速さを、と思ったら149周目に今度はA.J.アルメンディンガーがクラッシュしてコーションが出るデジャブのような展開。AJは金曜日の練習走行でもパンクで車を壊しており、バックアップ車両で出場しましたが同じ憂き目に遭いリタイア、38位でした。リードラップ選手がピットに入り上位4人に変動なし。ハムリンはクラッチのペダルがえらく奥まで踏めてしまっているようで、油圧が抜けるとかそういう問題が起きている模様。クルー チーフ・クリス ゲイルからは「コーション中も車を冷やすな。」という指示が出ています。
156周目/ステージ残り30周でリスタート。もちろんハムリンがかっ飛ばしますが今回は黄色いマスタングが付いてきました。ブレイニーはターン2で完全にバンクの無いエイプロンまで降りて右側のタイヤを黄色い線に引っかける、かつてのハービックのようなライン取りでハムリンを煽ります。
ハムリンも遅くて追われてるわけじゃないのでそんなに慌てている様子ではなく2人による争いが続いていましたが、ステージ2終了を目前にした180周目にオースティン ディロンがタイヤのパンクでピットに入ると、その3周後にはタイ ディロンがスピンしてクラッシュしコーションとなりました、兄弟同時トラブル。今日は見事に30~40周おきにコーションが出ていて、先行逃げ切り狙いのハムリンにとって展開はありがたい一方、ピットの回数が増えるとクラッチの不具合が常に心配です。
ステージ2はコーション下で終了しハムリン、ブレイニー、バイロン、ラーソン、ベル、ロス チャステイン、ブリスコー、ロガーノ、ホースバー、チェイス エリオットのトップ10でした。ブリスコーはなんとか争いに手が届きそうな場所まで戻りましたね。
ところでパンクの原因って、新投入のタイヤが柔らかい設計なのにロング ランを改善するためみんな推奨値以下まで内圧を下げ、その状態でリスタート直後にドッグレッグに突っ込んで行ったり、黄色い線にタイヤを引っかけて走ったりして負担をかけてるせいもあるんじゃないかと思いますね。内圧が低くてぐにゃぐにゃしてる時に段差を超えたりすると、側面に傷がついて亀裂になったりして後々バーストの原因になると考えられます。でもそれをやらないと抜かれるので、危険を承知でやらざるを得ない感じだとは思いますが。
・ファイナル ステージ
ハムリン「俺のタイヤパンクしてる気がするけど。」
ブレイニー「なあ、あいつの左リア、パンクしとるで。」
ルーク ランバート(ハムリンのスポッター)「ブレイニーがちょうどそう言うてたわ。」
なんとハムリンの左後輪がパンクしていることが判明、リードラップ選手がピットに入りますが、パンクして車高が下がってるとジャッキが入りにくいのでハムリン陣営は長時間ピットが確実です。するとJGRのクルーはジャッキを2個使って可能な限り迅速に車を持ち上げ、ハムリンはリードを失ったものの11番手までの後退で済みました。一方でラーソン陣営では外したナットがレンチのソケットから外れて転がって行ってしまい、予備を取り付けたために時間がかかって18番手です、なんてこった。
ちなみに、競技規則ではピット作業の際に使用できるジャッキは『1つ』と制限されています。ここだけを読むとハムリンの作業は違反に見えるんですが、例外的にジャッキが落ちてしまって動けなかったり故障した場合には、1つ目のジャッキを手助けする目的として2つ目の使用が許可されています。ハムリン陣営はちょっとした規則の抜け穴を衝いて、違反にならないように気を付けて2本を巧みに使いました。あ、ジャッキを投げるのは例外なく違反です(笑)
194周目にリスタート、リーダーはブレイニーでしたが外からバイロンが先行し、さらにチャステインがこれに続きました。ハムリンとラーソンの後退によりブリスコーがプレイオフ選手で2番手の位置に付けています、謎の振動は解決したんでしょうか。ラーソンはそもそもレース序盤から右リアのグリップがどうやっても得られない、と車の仕上がりに自信が持てておらず、ちょっと追い上げは厳しそう。
この中でブリスコーはまずブレイニーを早い段階でかわすと、207周目にチャステインをわりと力業でかわして2位に到達。ブレイニーとは正反対にブリスコーのライン取りはターン2で壁沿いまで使った独特の大外ラインです。
しかしここでまたしてもこのレースの主役がお目見え、215周目にラーソンの右前輪がパンクすると、さらに信じられないことにブリスコーも217周目に右後輪がパンクしました。さっきは5位まで追い上げたタイミング、今度はリーダーのバイロンを視界に捉えた矢先の出来事です。バイロン以外のタイヤにパンクの嵐が襲来、結局この後ホースバーの右前輪もパンクして破片だらけになったので220周目にコーションが発生しました。タイヤが柔らかすぎるのか悪いのか、内圧を下げすぎた人たちの自業自得か・・・
リードラップ選手がピットへ、最初にピットを出たのはコーション時点で3位にいたエリオットでした。ブレイニー、バイロン、ハムリンが続き、ラーソンとブリスコーは当然ここでウエイブ アラウンドを受けてリードラップ最後尾に戻ります。ピット前はバイロンもそこまで気にするほどではないけど振動が出ていた、という話で、クルー チーフは安全のため内圧を上げるか、競争力のために低い内圧を維持して事故らないよう祈るか、決断を迫られています。
227周目にリスタート、エリオット、バイロン、ブレイニー、ハムリンというこの4人がチャンピオンシップ4でも全然違和感がないトップ4になります。今日の展開から考えて90周走り切るとは思えないので、残りを半分に割って270周目あたりにピットに入ってタイヤを換えるのが基本線ですが、アンダーカットを狙うのか、誰かがやらかしてコーションが出るまで待つのか、これまたクルーチーフは頭の痛い問題です。
不安をあおる事態は続き、244周目に11位走行のアレックス ボウマンが、248周目には20位を走っていたノア グレッグソンがいずれも右前タイヤをパンクさせてピットへ向かいます。めっちゃ不安な中で優勝争いは1位バイロン、2位ハムリンとなっていましたが、259周目にオースティン シンドリックがけっこうひどいクラッシュを喫してコーション発生、きっかけはやはりパンクの様子でした。リスタートから33周、やっぱこのぐらいしかもちませんねえ。
リードラップ選手がピットへ、ひょっとすると今年最後もしれないピット競争を制したのはバイロンで、エリオット、ハムリンと続きました。これでヘンドリックは1列目を抑えてハムリンの防御陣形を、と思ったらエリオットがまさかのピット速度違反、ハムリンが2位ゲット。小林くんなにしてんね~ん。
267周目にリスタートすると仁義なきリーダー争いという感じですが、3周ほどかけてハムリンがバイロンをかわしました。しかしこれで終わるほど甘い世界ではなく、279周目にJ.J.イェリーのクラッシュでコーション、本日8回目。右前輪のパンクかと思ったらこれは先に何か壊れたせいでパンクした可能性もあって断言はできなさそうです。イェリーはサスペンションが曲がってるようにも見えたのでリタイアしたかと思ったら、普通に完走していて2周遅れの32位でした。
リードラップ選手がピットに入りますが、今日のレースは新品タイヤ7セット+予選持ち越しの計8セット。チームによっては新品タイヤが在庫切れのため予選で使った中古が再利用される頃合いです。ピット入り口側にいるブリスコーとラーソンがいずれも2輪交換で勝負に出ますが、これを見てから作業できるハムリンとバイロンはいずれもきちんと4輪を交換しました。結果的に2輪交換はこの2人だけなので集団に埋まることもありませんでした。
285周目/残り28周でリスタート、ラーソンは最初から少し出遅れてしまい、これがきっかけで上位3人がターン4で3ワイドの争い、になってる隙に開いた内側からバイロンがするっと前に出ました。バイロンがごっつぁんリードでチャンピオンに片手をかける、かと思ったらハムリンは極めて冷静に相手の動きを見極め、ターン2からバックストレッチにかけてラインを交差させあっさりと抜き返しました。ハムリン、ステージ2と同様に後続をぶっちぎりにかかります。
傍から見ていて「もうあと20周そこそこなんだからそこまで攻めなくても・・・」と心配になるレベルでハムリンは独走し、残り7周で2位のバイロンに3秒の大差。しかもバイロンはブレイニーに攻められていて追いかけるどころか抜かれそうです。もう何も起こらないでくれ、と願うハムリン、クルー、ジョー ギブス。あとは駆動系が壊れたりパンクが起きたりしないよう祈るだけで、見てるこっちも1周1周緊張します。
(っ ◠‿:;...,
とうとうバイロンにパンクの魔の手、何もこんな時に起こらなくても。残り4周でバイロンがパンクした上に壁にぶつけてしまったのでコーション発生、オーバータイム確定です。リードラップ選手がピットに入りますが2輪交換多数、そしてブラッド ケゼロウスキー、ライアン プリース、ボウマンの3人はさらに思い切ってステイ アウトを選択しました。普通にやっても勝てないし、そもそもたぶんピットに新品タイヤが残ってない可能性ありますね。
プレイオフ選手ではラーソンが2輪交換で5位、ハムリンとブリスコーはいずれも4輪交換で10位と15位です。ハムリンは勝てなくてもラーソンに届きさえすれば良いわけですが、誰かに引っかかったら終わりです。トラックシリーズではハイムが5列目リスタートから壁スレスレまで突っ込んで8台抜きしていましたから、一瞬で前に出ることはじゅうぶん期待できそうです。
オーバータイム、ケゼロウスキー/プリースの1列目でリスタート。ハムリンは5列目内側からすぐにドッグレッグに下りて2人ほど抜いたように見え、ターン1への飛び込みでさらにゴボウ抜きするかと思いましたが、ちょっとブレーキを奥に詰めすぎたか旋回速度が落ちている様子。目の前のロガーノを抜けず後ろに付かざるを得なくなり、ターン2を出て8~9位あたりまでしか上がっていません。これはマズい。
一方優勝争いはターン1へのブレーキでタイヤの古いケゼロウスキーは減速が早く、ボウマンはこれに詰まりました。その真後ろにいたラーソンは最初から外をすり抜けるつもりだったようなライン取り、ボウマンに詰まらず間一髪ですり抜けることに成功。これで外を走ったまま2番手に付けて最終周に入りました。
| 詰まるハムリン、抜けるラーソン |
ドッグレッグを突っ切ってなんとかしたいハムリンですが、ラーソンとは4車身ほど離れていて打つ手なし。焦りすぎたかまたターン1で突っ込みすぎてしまい失速、最後まで勝負を続けることさえできませんでした。ラーソンはバックストレッチでケゼロウスキーに詰まったので思いっきり押してあげ、そのままターン3・4を抜けてプレイオフ選手で最初にチェッカーを受けました。この瞬間、カイル ミヤタ ラーソンが2021年以来2度目のカップシリーズチャンピオンを手にしました。
ラーソンとハムリンに意識が集中しすぎてマジで誰が優勝したか見落としたんですが、ターン4を立ち上がるまではケゼロウスキーが前にいたものの、最後の最後でタイヤが食わないぶんだけブレイニーが早く立ち上がって大逆転。僅か0.097秒差で今季4勝目・通算17勝目を挙げました。チャンピオンを獲った2023年の最終戦はチャステインが優勝を持って行ったので自身は2位、フェニックスでの初勝利でした。
ブレイニー「そうですね、一日中車の調子はすごく良かったですね。ただリスタートがあんまり速くなくて、僕より速い人が何人かいました。だから道を譲るような感じで、逆転のチャンスを伺うしかなかったんですね。ただ最後のリスタートではジョナサン ハスラーが良い判断をしてくれて2輪交換にしてくれたんです。とにかくターン3で内側を取って、そうしたらブラッドを抜くだけの力はありました。最高の週末でしたね。
もちろんチャンピオンシップを争ってたら良かったんですけど、もう僕らの今週末の目標はレースに勝つことだけでしたので、最善を尽くして良い形で終えられて。このチームの成し遂げたことを誇りに思いますし、シーズンの締めくくりでメナーズをビクトリーレーンに導くことができてよかったです。フォード レーシング、フォード モーター カンパニー、ラウシュ-イェイツ エンジンズ、デックス イメイジング、ボディー アーマー、ビュルト グループ、デント ウィザード、ディスカウント タイヤ、アドバンス オート パーツ、みなさんのおかげです。
ロジャー ペンスキーも来てまして、ロジャーと一緒にお祝い出来てよかったです。それと、カイル ラーソンと5番のチーム、チャンピオン獲得おめでとう。1年間ずっと強力でしたし、もちろん、コーションが出るまでは11番が勝ってましたから本当に残念だったと思いますけど、5番のチームは素晴らしいプレイオフをともに戦って最高のシーズンでしたので、改めて祝福します。ひとまずは冬休みですね。」
キム「短くもう1つだけ、すごく重要な点として、シーズンを終えると冬休みには父親になるわけですがいかがでしょうか?」※ブレイニー夫妻は12月にジアンナさんが第1子を出産予定
ブレイニー「そりゃあもう、もちろんみんなシーズンを良い形で終えたいと思ってますからね、たとえチャンピオンシップを争っていなくても、とにかくレースに勝つために戦って、幸運にも今日こうして勝って締めくくることができましたんで、家に帰ってジアンナに会うのが楽しみですし、子供を迎え入れる準備もできてます。レースだけじゃなくて個人としても本当に幸運に恵まれてると思いますし、1年を通じて支えていただいたみなさんへの感謝でいっぱいです。ご覧いただいてるみなさんもありがとうございます、またデイトナでお会いしましょう。」
ラーソン「そうだと思いますね。僕たちはできる限りのことをしました。ブレスレットはオーウェンが僕にくれたものなんですけど、いやあ、信じられない…正直、信じられないです。今日は1周もリードできなかったのに。どういうわけかチャンピオンシップを勝ち取ったんです。というか、ちょっとすいません。」(飲み物を飲む)
マーティー「大丈夫ですよ、息を整えてからどうぞ。」
ラーソン「本当に言葉になりません。信じられない。せいぜい平均点レベルの車だったんですよ。右フロントがパンクして周回遅れになって、コーションのおかげで助かって、ウエイブアラウンドしたんですけど、あのランは本当にひどかったです。2輪交換したんですけど、『マジか、また最後尾に落ちる。』と思いました。
予想以上にグリップは高かったんですよ。だから最後のコーションは幸運でした。また2輪交換で行けると思いました。というのも、あのリスタートでターン1・2は思いっきり行けることは学んだので、もしもう1回リスタートがあるなら同じように行けると思ったんですね。それでまあ、本当に信じられないです。ヘンドリック モータースポーツ チームにとって本当に素晴らしい1年でした。クリフ ダニエルズをはじめチーム全員、彼の完璧なリーダーシップがレース全体を通じて発揮されてました。そして、チーム全員のモチベーションを高く保ってくれました。常に計画を立てていて、そういうこと全てが僕らのシーズンのストーリーでした。だから、もう一度言いますが、本当に信じられないですよ、信じられない。ヤバいっすね。」
レース結果はブレイニー、ケゼロウスキー、ラーソン、ロガーノ、カイルのトップ5、なんと全員がチャンピオン経験者で揃いました。ラーソンはインタビューで語っていた通りこのレース1周のリードも奪えず。運に見放されて6位に終わったハムリン、さすがにレース後は放心状態といった感じで、ピットでのインタビュー中も観客席は静まり返っていました。2日後の表彰式で取材を受けた際、ハムリンは
「契約はありますけど、現時点ではそんなこと考えられないですね。今はレース カーのことなんて考えてないです。とにかくこの件には時間が必要だと思ってます。」
| 目が死んでる・・・ |
対峙したラーソン、レース後にトロフィー授与式などを映した公式動画にブレイニーと軽く言葉を交わしている様子が入ってるんですが、その中で「2タイヤ行かないとは思わなかったよ。いやハムリンのことな。後ろで捕まってるのが見えた時に『ウゲ、マジかよ』と思った。」と話しており、ゲイルも後から振り返ったらやはり2輪交換が良かったんじゃないか、とは感じているようです。ただハムリンはその件についてゲイルを責めたりしていませんし、もしコーションが出て2回目のオーバータイムになったら、と考えると4輪交換は強いので、これはもう結果論でしかありません。
しいて言えば、ハムリンはターン2でおそらく後方乱気流の影響で思ったほど止まれずに失速して順位を上げられませんでした。多くの時間で先頭を走っていてリスタートで集団を走った時どこまで行けるのかが分かっていませんでしたから、ほんの僅かな詰めの部分でドライバーの腕が足りなかった、という解釈もできます。不運以外の何ものでもない出来事でしたが、ラーソンが外側をギリギリで抜けたこととハムリンが突っ込みすぎたこと、ほんの僅かでも状況が違えば結果は異なっていたでしょう。運だけが悪かったわけでもないし、ゲイルの作戦だけが悪かったわけでもないし、ハムリンの腕だけが悪かったわけでもない、気持ちの行き場が無いのは本人もチームもファンも同じでしょうね。さすがに私も今回はハムリンに勝ってほしかったのでかなり応えました。
あ、今回投稿がえらく遅かったのはショックを受けたからではなく、単に仕事が忙しすぎたせいです。明らかな人手不足の中で針の穴に糸を通すような管理の仕事が何か月も続き、『もうさすがにこんな高い集中力はいつまでも維持できない』と思ってなお数か月踏ん張った結果とうとう失敗したので、こっちはこっちで自分のミスなんだろうけどミスるなという方がはっきり言って無理な環境で、気持ちの行き場が無くてちょっと疲弊してるんです^^;
私の仕事はどうでも良いですが、今年の最終戦は歴史に残る激闘だったと思います。明らかに有利だったのはハムリンで、多発したパンクも彼は幸いコーション中で損失が最小限。クラッチがおかしい状態ではありつつも展開は彼の方を向いていて勝ったも同然でしたから、バイロンのパンクでラーソンがひっくり返す、という展開はさすがに誰が見てもあり得ないものでした。ゆえにちょっと陰謀論めいたことを言ってる人も向こうではいるようですけど、バイロンも自分のパンクでハムリンの運命を変えてしまったのは不本意だったと思います。
一方で視点を変えると、ラーソンは最後は運でしたがポイントを単純積算した『非プレイオフ選手権』でも前戦終了時点で1位だったバイロンをこのレースで逆転しており仮想チャンピオン。トップ5フィニッシュ15回、トップ10フィニッシュ22回はいずれも全ドライバーで最多タイです。浮気してインディー500に出たあたりから疲労の影響もあるのか一時期えらく調子を落として、結局第13戦以降は1勝もしてないんですがまあなんやかんや常に上位にはいましたから、なんというか2003年のマット ケンゼス的な勝ち方だったとも言えます。要所で勝って年間成績は悪かった昨年のロガーノとは対照的です。
そもそもケンゼスが僅か1勝でチャンピオンになったことに異論があり、シリーズの在り方をひっくり返すために作られたのがプレイオフ制度で時間とともに優勝の価値に重きを置くような制度設計にしていったのに、その制度で安定感を武器にしたラーソンが勝たずにチャンピオン、というのはちょっと皮肉な構図でもありますね。たぶん24戦連続未勝利状態でチャンピオンを獲った選手ってケンゼス以降にいないんじゃないでしょうか。
そう考えると、なぜ彼が最後においしいところを持って行けたのか、というのも理由がちゃんとあるように思えてきます。ということで、私は気持ちの落としどころを数字に見つけました(笑)ラーソンもチャンピオンにふさわしいシーズンを過ごした、ふさわしい選手ですね。
決着がほぼタイヤ爆発に左右されたのがどうなのか、というのも議論を呼びそうではありますね。壊れないように安全な内圧にするかどうか考えることも競争者には試されている、と考えるとありですが、さすがにチャンピオン争いに関わるレースで関係ない選手がパカパカタイヤを壊してレースを止めてたら興ざめでさすがに無しやろ、と言われたら返答しようもないレベルで壊れてはいました。
個人的には、壊れるのは確かに好ましくないけど、かといって安全ガチガチが興行としてどうかと言われると盛り上がらないのはある程度想像が付くので、ある程度タイヤでギャンブル要素が出てくるのはこの競技に関しては良しとしておくべきなんだろうなあと思う現実派です。これがF1だったり、NASCARでもさすがに2スペック制にしたらちょっと違うなとは思いますけどね。そもそもワンメイクのタイヤでこんなにレース毎に違うタイヤをシーズン中もどんどん入れてくるようなシリーズってたぶんNASCARしかないので、ワンメイクのくせに頭がおかしいんです(笑)
というわけで2025年のカップシリーズは以上でございます。既に来年に向けて色々と情報が出てきていますので、またちょこちょこと追っかけて行こうと思います。36戦を全部見届けたみなさんもお疲れさまでした!
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コメント
コメントカップシリーズ全戦リードラップフィニッシュおめでとうございます!ハムリンは自分のことだけならまだしも、本当にお父さんのためにもなんとか、という思いでそれが実現する寸前でしたから、もう怒る気力すら湧いてこないという感じでしょうね。しばらくは家でゆっくり家族の時間を過ごして欲しいなと思いますが、仮に突然引退しても全く驚かないです。
ところでコメントに出てきたジョンソンですけど今週末のスーパー耐久最終戦でNASCARのデモ走行があって来日するみたいですね。ジョンハンターがGen7カムリ走らせるそうです。
来年はどのシリーズに参戦するのかはまだ不明ですが、23XIとの育成ドライバーとしての複数年契約があるのを考えれば、67号車でのカップシリーズスポット参戦もあるのかなと思っています。
トラックシリーズの鉄人クラフトンもお疲れ様でした。
20年以上もの長い間見る事が出来た黄色いメナードのスキームは、カップシリーズで御曹司のポールメナードやチーム・ペンスキーが走らせている物より個人的には印象深いです。
ジリッシュは2度の怪我がありながらも年間10勝はとんでもないポテンシャルがあると思わされますね。
こちらはほぼシーズンを圧倒してもチャンピオン取れなかった事は残念でしょうが、カップシリーズに本格的に上がってくるのが楽しみです。
ラブは来年もエクスフィニィティーの継続参戦が決まっているのなら、来年はオーナーズチャンピオンシップも含めての連覇に期待したいです。
ペンスキーが今年まさか1台もチャンピオンシップ4に送り出せなかったのは驚きですが、それでもブレイニーの年間4勝は自己最多記録ですし、来年こそはといった感じでしょう。
ハムリンは今回のポール獲得などで1番アレに近づいたと感じるだけに、本当に辛いでしょうね。
お父さんの事や第三子の誕生、23XIの問題など色々なことを背負って臨んだシーズンがこれで報われるかと思ったら、いくら契約がまだ残っているとしても本当にカールの様に気持ちが切れてしまって引退してもおかしくない程だと思います。
フェデックスが離れても活躍出来るのは今シーズンで充分証明できただけに、自分もショックです。
一方ラーソンの方も、何回かコメントに書きましたが飛行機事故で亡くなったオーナーの息子、リッキーの現役時代のスキームで走っているのを見ると、こちらもチームを背負っている部分があると考えられなくはないですし、ラーソンがこのスキームで2度もチャンピオンに輝いた事は天国でリッキーも喜んで見ていてくれていると思います。
ちなみに先週トヨタのNASCARをテーマにしたイベントでJJやカナウス、ネメチェック息子や福山さんが富士スピードウェイに来た様ですが、自分も行きたかったなと思っています。
NASCARやARCAマシンまで持って来てくれた事は滅多に生で見られない機会でしょうし、日本でもNASCARの文化が広まればと思っています。
今年も仕事がお忙しい中細かい情報まで伝えてくれて、本当にありがとうございました。
来年はサンディエゴ開催、ドーバーでのオールスターレース、ノースウィルクスボロやシカゴランドでのカップ公式戦復帰、最終戦がホームステッドに戻るなど楽しみな事も多いですね。
そして、SVGのロードコース連勝記録を止めるのはジリッシュなのかそれ以外なのかも見て行きたいです。
1年間様々な情報ありがとうございました^^ アベマの放送に加えて突然富士にデモ走行がやってきたので何かしら次の展開を期待したくなる11月ですが、まあ未だにハムリンがチャンピオンでないのは信じられないというのが正直なところです。
トラックシリーズのラムだったりサンディエゴだったりエンジン出力増加だったり新人ドライバーだったり、来年も新しい要素は多くあるのと、なんか一部共通部品の規則を緩和して限定的に自由度を与える話まで湧き出してるので、来年も想像の斜め上だったり斜め下だったりの出来事が起こるでしょうね。とりあえずハムリンがデイトナに無事に来てくれることを願いつつ・・・
まだまだ歴が浅いから彼がカップシリーズ19勝の実績があるとは知らなかったです…
亡くなられた方々に哀悼の意を捧げます
これを見てまさかと思って調べたら本当だったのでショックでした。ラウシュの低迷もあったしピークも過ぎたのかGen6車両になる頃にはすごく地味~な存在になってましたけど、2005年はスチュワートに次ぐ選手権2位でしたからね。
2019年に突然トラックシリーズに出場して優勝したり、今年もARCA西シリーズにスポット参戦してたりとなんやかんやレース界とはずっと繋がってた人なので、本当に言葉が無いです。