NASCAR Cup Series
マジェスキーは序盤の貰い事故から巻き返して3位に入り、リッグスもなんかちょっとトーが狂ってる気がする車で5位。一方でエンフィンガーはクラッシュでリタイア第1号となり、事実上次戦での優勝がチャンピオンシップ進出の必須条件となりました。なお、このレースに出場した73歳のノーム ベニングは32位を走行していた65周目に車両から出火。ベニングは車を安全にエイプロンへ退避させると車外へ脱出し難を逃れました。
・ステージ1
142周目、隊列の前方にいたライリー ハーブストがいきなりエンジン関係と思しき不具合で失速しましたが、バックストレッチの見えやすい場所だったこともあって幸い全員がうまいこと回避。残りが30周を切るとロガーノの隣には色がよく似ているトッド ギリランドが押し上げられて並び、おそらくここからピットサイクルまでの15周ほどは大きな動きは無さそうな雰囲気です。うーん、そう思って聞くからかもしれないけどロガーノの車載映像の音は高周波の雑音が多い気がする、駆動系の摩擦が増えて擦れてます?
ふなっしースピン。バイロンがさらに後方から勢いよく押されており、ブッシャーはやや斜めに勢いよく押されて一瞬で荷重が抜けました。先頭が回ったにもかかわらず巻き添え無しの単独事故、レースはオーバータイムとなりブレイニーやロガーノは燃料が残り少ないためピットに入りました。なおバイロンを押したのはホースバーの模様。
ラーソン-バイロンで固める内側に対し、ウォーレス-ブリスコー-ギブスでこちらもトヨタ勢が占める外ライン。大外ではカイルが3列目を作ろう、として明らかに不発だったのでもはやこの2列の中での勝負となりました。バックストレッチでもまだ互角の争い、バイロンを押してる3人目のホースバーが無鉄砲だから怖いんだよなあ、ん?
ラーソン、バックストレッチで突然失速。クルーチーフは「オーバータイム1回はじゅうぶん行ける、もう1回コーション出たらピットな。」と言ってたんですが、実際はOT1回分を走る燃料もなかったようでガス欠しました。。。これでバイロンは突然引っ張ってくれる相棒が消え、そして前ががら空きになったのでこの隙にブリスコーが内側に下りました。ブリスコーにはギブス君がセットで付いて行っていよいよ最後の勝負へ。
ギブスはきちんと仕事を果たしてブリスコーを押し続け、ギブスの後ろでなんとかしたかったバイロンはホースバーに押されすぎてトライ オーバルで回ってしまいました、やっぱホースバーあぶねえ(笑)ブリスコーが逃げ切って今季3勝目を挙げ、先週のハムリンに続いてJGRのドライバーが2戦連続でチャンピオンシップ4進出を決めました。なおタラデガで予選6位以内からスタートしたドライバーが優勝したのは2020年秋にポール トゥー ウインを達成したハムリン以来5年ぶりです。
はっきりと上下で分かれてしまい、下位4人はもうポイントでの逆転は不可能という感じです。ただ、ベルもラーソンも当然次戦のマーティンズビルで誰かが勝って1枠奪っていくことを前提に考えているでしょうから、そうするとこの2人はたった1点差なので当落線から離れているからと言って安心できる材料は一切ありません。ラーソンはガス欠しなければあと20点は獲れていた可能性が高いので、かなり痛い失速でした。
YellaWood 500
Talladega Superspeedway 2.66miles×188Laps(60/60/68)=500.08miles
※Race extended to 193 Laps due to NASCAR overtime
winner:Chase Briscoe(Joe Gibbs Racing/Bass Pro Shops Toyota Camry XSE)
NASCARカップシリーズプレイオフ・ラウンドオブ8の2戦目はタラデガ。今季最後のドラフティングトラックであり、チャンピオン争いの運命をもてあそぶ最もヤバいレースです。1969年初開催、翌年からずっと年間2回開催されており今回が113回目のカップシリーズ開催。2004年のプレイオフ制度導入から常にプレイオフのレースが開催され、とりわけ脱落方式になって以降はその危険度で参加者を震え上がらせるわけですが、ラウンドオブ8で開催されるのは初めてです。まあシーズンもここまで来たら今さらドラフティングとは何ぞや、というのは必要ないですね(笑)
・ちょっとしたデータ
ただ、ヤバいよヤバいよと書きながら実は過去4戦のタラデガはいずれもコーションが4回しか出ていません。特にステージ2は過去6戦に渡ってコーションなく終了しており平和です。春のタラデガはオースティン シンドリックが勝者でしたが、最後の最後にいつもの大波乱があるかと思いきや、ちょうど前方に周回遅れがいたのでドラフティングを拾えてしまい、後ろからタコ殴りにされることなく逃げ切ってしまうというある意味で予想外の結末でした。
また、タラデガの過去10戦は全て異なる選手が優勝しており、この10戦での勝者のうち現在勝ち残っているプレイオフ選手はハムリン、エリオット、ブレイニーの3人です。ブレイニーは2019年秋、2020年春を連勝し、2023年のプレイオフでも勝っていて通算3勝。ロガーノも通算3勝ですが最後の勝ったのは2018年春とちょっと間が空いています。現役最多のタラデガ6勝を挙げているのはケゼロウスキーで最後に勝ったのは2021年の春。
疑似直線レースとはいえチーム力や車両メーカーはある程度競争力に影響することが統計値にも表れているようで、Gen7導入以降の過去7戦のタラデガで最も平均順位が良いのはバイロン。これにエリオット、ボウマン、ラーソンが続いておりヘンドリックが平均で見ると好成績です。バイロンは現在タラデガで5戦連続7位以内を記録、通算の平均順位でも現役選手最良なんですが、まだタラデガで勝ったことがありません。
まあ何せ、過去9回のタラデガで優勝者のラップ リード周回数はいずれも19周以下。最多ラップリードを記録した選手は過去10回のタラデガで誰も優勝しておらず、過去7戦のタラデガではポールシッターは一度も優勝したことがないどころか全てレース結果が17位以下。過去11回のタラデガのうち7回は最終周に順位が逆転して優勝者が決まっています。予選順位や途中経過だけを見ても何も見通せません。
最終周に最良の位置取り・最良の仲間を引き連れた状態で入ることが重要であり、そのためにはその前の数周で欲しい順位になれるように攻める必要があり、そのためには残り20周あたりで勝負できる位置にいる必要があり、そのためには最後のピット作業を終えた段階で前方にいる必要があり、そのためには最後の給油時間を短くできるように・・・という逆算が極端な話レースをスタートした瞬間から始まっているわけです。見る側も俯瞰して戦局を眺め、選手はクルーチーフの思考を想像しながら観戦するのがおススメです。
・レース前の話題
今期末で契約切れとなるスノコとの燃料供給契約。同社が契約を延長するか不透明ということが以前に報じられていましたが、ひとまず契約が延長される見通しだとスポーツ ビジネス ジャーナルが伝えました。ただ、契約期間が短期にとどまり、NASCARが数年後にまた企業探しをする可能性があるようです。
次にドライバーの話を3つ。スパイアー モータースポーツはジャスティン ヘイリーと来シーズンの契約を結ばないことを発表しました。2024年のシーズン終盤にコリー ラジョーイとの交換トレードのような形で加入したばかりのヘイリーですが、同じく鳴り物入りで加入したクルーチーフ・ロドニー チルダースが早々に離脱するなど体制が不安定で、今季ここまでトップ10フィニッシュ僅か2回と成績も低迷。チームメイトのマイケル マクダウル、カーソン ホースバーのいずれにも大きく見劣りしていました。
続いてクラフツマン トラック シリーズ、来シーズンからラムを使用して参戦するコウリッグ レーシングが、最初のドライバーとしてブレンダン クイーンの起用を発表しました。バタービーン クイーンの愛称で呼ばれるバージニア州出身の27歳は今年初めてARCA メナーズ シリーズにフル参戦。8勝を挙げてチャンピオンを獲得し、既にコウリッグはエクスフィニティーにクイーンを起用して経験を積ませていました。カンザスでは9位に入っています。
最後はエクスフィニティーから、las vegasさんは読んでるでしょうか、バイキング モータースポーツはシリーズの残る3戦についてマット ディベネデトーに代わってコナー モザックを起用すると発表しました。Matt Dは入院する子供たちを支援するためのチャリティー活動として、1口40ドルで車体に寄付者の名前を掲載してレースで走る取り組みの募集をかけている最中でしたが、まさかの解雇となりました。
ちなみにこのページに掲載されている車両の写真、一瞬見ただけでは素通りしてしまいますが、マスタングとカマロとカムリが混ざった架空のノンブランド車両になっています。グリル部分の車名も『CAMMRH』みたいな謎の名称ですね(笑)
・Craftsman Truck Series Love's RV Stop 225
開始早々4周目、プレイオフ選手のグラント エンフィンガーが後ろから押されてスピンしクラッシュ、これにタイ マジェスキーも巻き込まれる波乱の幕開け。11周目にはこれまたプレイオフ選手のレイン リッグスがスピンしそうになりますが、ギリギリで耐えて軽い壁接触で切り抜け、代わりに(?)モザックがスピンしました。
レースはポールシッター・ジオ ルジェーロを軸に展開され、オーバータイムとなった89周目のリスタートからはチームメイト・コリー ハイムが熱烈支援。ハイムは既に前戦の勝利でチャンピオンシップ出場を決めていることもあり、変に裏切ることなくそのままルジェーロを押し続け、トライコン ガレージが1-2フィニッシュ。ルジェーロが通算23戦目でトラックシリーズ初勝利を挙げました。ジオはジョバンニの略です。念のため。
マジェスキーは序盤の貰い事故から巻き返して3位に入り、リッグスもなんかちょっとトーが狂ってる気がする車で5位。一方でエンフィンガーはクラッシュでリタイア第1号となり、事実上次戦での優勝がチャンピオンシップ進出の必須条件となりました。なお、このレースに出場した73歳のノーム ベニングは32位を走行していた65周目に車両から出火。ベニングは車を安全にエイプロンへ退避させると車外へ脱出し難を逃れました。
本人によるとエンジンは7万5000ドルしてまだ2戦しか使っていなかったそうですが、来週のマーティンズビルには別の個体のトラックで出場予定、そしてこの炎上したトラックはエンジンを積み替えて、修理して来年のデイトナに持って行くそうです。おじいちゃんV8エンジン並にパワフル。
・Xfinity Series United Rentals 250
こちらも開始早々15周目の多重事故でプレイオフ選手のシェルドン クリードとサム メイヤーがリタイアしハース ファクトリー レーシングはしょんぼり、ブレンダン ジョーンズも巻き込まれました。さらに45周目の多重事故ではジリッチも巻き込まれてこのレースを3周遅れの23位で終えることとなります。モザックも巻き込まれてリタイア。
そんな中、ドラフティングトラック通算9勝のオースティン ヒルがステージ1・2を連勝して今日も速さを見せつけると、オーバータイムとなった99周目のリスタートから後続の動きを読み切って付け入るスキを与えず、第11戦タラデガ以来の今季4勝目・通算14勝目を挙げました。ヒルはこれで3年連続での4勝に到達、またドライバーとしてはプレイオフから脱落しているものの、オーナー選手権としてはカーナンバー21は生き残っており、これでチャンピオンシップ4進出が決まりました。先週はJGRのカーナンバー19もオーナーでのみの進出を決めており、エクスフィニティーはドライバーとオーナーの選手権がだいぶ異なる状態になっています。
・カップシリーズ 予選
ブッシュライトポールはマクダウルが獲りました、今季2度目・通算8度目です。フロント ロウ モータースポーツでなくてもポール獲れるんすね(;・∀・)2位にプレイオフ選手最上位のブリスコー、トヨタは単独でやや遅いというのがドラフティングトラックのパターンですが、今回は予選ラウンド2の10人中5人がトヨタというちょっと意外な予選でした。
3位からカイル、シンドリック、プリース、ベリー、ベル、ブレイニー、ライリー ハーブスト、バッバ ウォーレスのトップ10。プレイオフ選手では13位にバイロン、16位ロガーノ、17位ハムリン、19位ラーソン、最も下位なのがエリオットで25位でした。また、今回は久々にスポット参戦がいて40台の大入り満員となり、ユナイテッド レンタルズの支援でこっちにもスポット参戦のヒルが33位、ビアード モータースポーツのアンソニー アルフレードが38位、リブファスト モータースポーツ・B.J.マクラウドが39位、ガレージ66・ケイシー メアーズが最下位の40位でした。アルフレードがんばれ~(←単にこのチームが好きな人)
ーーー以下 10月24日更新分ーーー
2周目から早くも3ワイドになり、それが一部で崩れて4ワイドになったり、なぜか隊列が前後で分断されたり、1列に集約されたりと形を変えつつ進んで行きました。これが28周目あたりからピットに向けた多数派工作が始まり、10周ほどかけてほぼ準備完了。43周目からピットサイクルになって順次給油となります。
ブリスコーやカイルなど複数人が速度違反したり、ハムリンが大外ラインからピットに入ろうとして事故を起こしかけたりしましたがまあ順調にサイクルは一巡しました。最も危ない隊列再合流の時間帯も潜り抜け、ステージは残り9周となりますが、
突然の大惨事。外側の先頭にいたノア グレッグソンがターンでエリック ジョーンズに押されたら耐えられずスピンし、内側の先頭だったアルメンディンガーに接触してここから多重事故に発展。8人が絡む事故となりプレイオフ選手ではエリオットがフロント大破、修復できずリタイアとなってしまいます。そして心配されたのはアルメンディンガーで、ぶつかったのは壁への1回だけでしたが衝撃が大きくてオイルが漏れたのか車両前部から出火。AJは車を安全な場所へ運ぶと車外へ転がり出し、しばらくその場で苦しそうにしていました。危ないので呼吸を止めて煙を吸わないようにし、その結果息苦しかったようですが幸い大事には至りませんでした。これはマジで見てて怖かった。
このコーションでの戦略はピットとステイアウトが半々という感じ、ステージ残り2周でリスタートしてなぜか最後はモンスター エナジーのスキームが綺麗に横並び。宣伝映像に使えそうな終わり方でステージ1をギブスが制して2位にレディック。ジョン ハンター ネメチェック、ブレイニー、ウォーレス、ロガーノ、ゼイン スミス、マクダウル、ホースバー、ベルのトップ10でした。
・ステージ2
ステージ間コーションで作戦バラバラ、67周目にリスタート。推しのアルフレードが前を走る時間もありつつ平和な時間で進行します。ただプレイオフ選手ではロガーノにギア オイルの温度上昇という問題が起きているようで、チームメイトのブレイニーは無線が不調です。ペンスキーに謎の呪い発動中。
ステージ1と同様に3ワイドになったり、仲間集めに転じたりしながら106周目からピットサイクル。しかし111周目に入った15人ほどの大集団の中からギスバーゲンがピット入り口でスピン。ちょっとベルの後部に当たりながらフロントストレッチの芝生上で止まり、朝に雨が降って濡れている芝生から脱出が出来ませんでした、変なタイミングでコーション発生です。「水に乗った。」とギスバーゲン、確かに舗装の割れ目には乾ききっていない雨が沁み出しており、踏んだ瞬間に滑ったことが映像から確認できます。最初は言い訳だと思ってちょっとバカにしてしまいました、すまないSVG。
この時点でまだ給油していなかった人はコーション中のピットで隊列後方に回ることが確定、しゃあないのでステージ2終了後の予定を前倒しする形で4輪交換と給油を行いました。次のステージ間コーションを給油だけにしたら順位はいくらか取り返せますね。
117周目、ステージ残り4周でリスタート。先頭リスタートのブリスコーが右に左に動きまくって後続を抑え、最後はホースバーに押してもらってステージ2を制しました。ブリスコー、ラーソン、ホースバー、バイロン、ベル、ギブス、トッド ギリランド、ブレイニー、ネメチェック、ボウマンのトップ10。ブレイニーは同じフォードの選手が支援してくれなかったので無線でちょっと怒っています。そういえば春のタラデガでもロガーノが同じ理由でむっちゃキレて嫌味を言いまくってましたね^^;
・ファイナル ステージ
127周目にリスタートして残りが62周、大事なのはこの次の最後の給油を終えた時点で隊列の前方にきちんと居場所を見つけることです。そんな中、プレイオフ選手ではありませんがベリーがロガーノと同じギアオイル高温問題で一時的にガレージに入り、オイルを追加して3周遅れで合流。同じペンスキー連合の車両ですし、ロガーノの方も症状は直っていなくてオイル臭いみたいなので、走り切れるのか不安が募ります。
そんなロガーノですがブレイニーに押してもらって隊列の前方へ。集団の中にいるよりは風が当たるのでいくらか温度の問題はマシになりそうです。Gen7になってからというもの、フォードがうまく隊列を組んで内側にいると全く抜かれないことも多いので、この位置取りでそのままピットサイクルまで行けるかもしれません。
142周目、隊列の前方にいたライリー ハーブストがいきなりエンジン関係と思しき不具合で失速しましたが、バックストレッチの見えやすい場所だったこともあって幸い全員がうまいこと回避。残りが30周を切るとロガーノの隣には色がよく似ているトッド ギリランドが押し上げられて並び、おそらくここからピットサイクルまでの15周ほどは大きな動きは無さそうな雰囲気です。うーん、そう思って聞くからかもしれないけどロガーノの車載映像の音は高周波の雑音が多い気がする、駆動系の摩擦が増えて擦れてます?
ピットサイクルが迫ってきた残り23周、各陣営が緊張していたと思いますがなんとコディー ウェアーのスピンでコーションが発生、エンジン関係の不具合でエイプロンを低速走行していたら、自分の車から出たオイルを自分で踏んで回ったようです。今回はピットサイクル前のコーションですから何も考えずみんなピットに向かうだけ、引き続きペンスキー勢が上位でした。でもハムリンはスロットルが20%ほどで引っかかって全閉できないという不具合が起きているようで、最近不具合が多すぎるしこの不具合はカンザスでも起きたので無線で大変お怒りな様子。当然ピットに入ったらクルーはフードを開けて原因調査、結局ハムリンはこのレース24位でした。
大半の選手は給油のみでピットを出て残り17周でリスタート、1列目がブレイニー/ギリランド、2列目はロガーノ/ラーソン、ロガーノの後ろにはケゼロウスキーもいてフォードの主戦級が集合という感じです。リスタート直後に先行したのはギリランドでしたがすぐに内側に動いてブレイニーの前へ、フォードに援軍が加わってこれで主導権を握るかと思われました。
しかし4周後にラーソンはうまくタイミングを合わせてギリランドの前を抑え込み、同時に外側には3列目が作られて猛烈に押し寄せてきました。ここから先は一瞬目を離すと顔ぶれが変わる激しい位置取りの争いとなり、徐々にバンプは強烈になり、サイド ドラフトも積極的に使い始めて前後左右の車間距離が縮まります。
そして迎えた残り2周、バックストレッチでリーダーのブッシャーをバイロンが追い回し、外に動いたバイロンに対してブッシャーも急いで外に動いてブロック。そしてその直後
| ぶしゃー! |
ふなっしースピン。バイロンがさらに後方から勢いよく押されており、ブッシャーはやや斜めに勢いよく押されて一瞬で荷重が抜けました。先頭が回ったにもかかわらず巻き添え無しの単独事故、レースはオーバータイムとなりブレイニーやロガーノは燃料が残り少ないためピットに入りました。なおバイロンを押したのはホースバーの模様。
オーバータイム、ラーソン/バイロンの1列目でリスタート。ラーソンがどう思っているかは別にして、チームとすれば点数の少ないバイロンが勝ってラーソンが2位になってくれれば、ラーソンもほぼポイントでの勝ち抜けが決まって最高の結末になりそうです。リスタートから両ドライバーとも後ろから押されまくって互角の状態でしたが、ちょうど1周回ったところでウォーレスから勢いを貰ってラーソンが内側へ降りヘンドリック1-2体制、ホワイト フラッグを受けました。
K.Larson:さようなラーソン! K.Larsonさんが退室しました W.Byron:ちょっとまって。すごいレースでした! |
ラーソン、バックストレッチで突然失速。クルーチーフは「オーバータイム1回はじゅうぶん行ける、もう1回コーション出たらピットな。」と言ってたんですが、実際はOT1回分を走る燃料もなかったようでガス欠しました。。。これでバイロンは突然引っ張ってくれる相棒が消え、そして前ががら空きになったのでこの隙にブリスコーが内側に下りました。ブリスコーにはギブス君がセットで付いて行っていよいよ最後の勝負へ。
ギブスはきちんと仕事を果たしてブリスコーを押し続け、ギブスの後ろでなんとかしたかったバイロンはホースバーに押されすぎてトライ オーバルで回ってしまいました、やっぱホースバーあぶねえ(笑)ブリスコーが逃げ切って今季3勝目を挙げ、先週のハムリンに続いてJGRのドライバーが2戦連続でチャンピオンシップ4進出を決めました。なおタラデガで予選6位以内からスタートしたドライバーが優勝したのは2020年秋にポール トゥー ウインを達成したハムリン以来5年ぶりです。
ブリスコー「タイギブスは本当に素晴らしいチームメイトでしたよ。正直タイがいなかったらこのレースに勝ってなかったと思います。本当に素晴らしいチームワークでした。スーパースピードウェイのレースで勝てるなんてほんとびっくりで、そもそも、どのカテゴリーでも勝ったことないんですよ。本当にありがとうございます。タラデガは毎回お客さんが満員で、この雰囲気は最高ですね。ここで勝てたなんて信じられないです。バス プロ ショップスのジョニー モリスが来てるんですけど、まだ実感がないですね。フェニックス行きますよ。」
マーティー「エクスフィニティーシリーズではチャンピオンシップ4を戦いました。今回はジョーギブスの下でご自身にとってカップでは初のチャンピオンシップ4進出です。夢が叶った気分ですか?」
ブリスコー「ええ、まさにその通りですね。神様が私を祝福し、扉を開いてくれたこと、そして時には扉を閉ざすこともありますが、それも含めて本当に感謝しています。でも今回はジョーギブスレーシングという本当に素晴らしい扉を開いてくださいました。神様は本当に素晴らしいですね。いつも言っていますが、今日も本当に穏やかな気持ちでした。普段ならタラデガは死ぬほど怖くて神経が張り詰めてしまうんですけど、今日はどんな結果になっても神様が何らかの形で栄光のために使ってくださるという、そんな気がしていたんですが。それがビクトリー レーンで終われるなんて、本当に最高ですね。」
神への感謝が多めなブリスコーでした。2位からギリランド、ギブス、ウォーレスのトップ5。6位は全然姿を見た気はしないのにコール カスターで、レディック、ベル、スミス、ケゼロウスキーが続きました。オーバータイム前にピットに入ったらオーバータイム1回では取り返せるわけもなくロガーノは16位、ブレイニーは23位。バイロンとラーソンはリードラップ最後尾の25位・26位でした。なお推しのアルフレードは21位でした。この結果プレイオフ争いは
はっきりと上下で分かれてしまい、下位4人はもうポイントでの逆転は不可能という感じです。ただ、ベルもラーソンも当然次戦のマーティンズビルで誰かが勝って1枠奪っていくことを前提に考えているでしょうから、そうするとこの2人はたった1点差なので当落線から離れているからと言って安心できる材料は一切ありません。ラーソンはガス欠しなければあと20点は獲れていた可能性が高いので、かなり痛い失速でした。
ブレイニーもレース後は不満が爆発、レース後の無線で
「意味分からん。レースを支配してたのに見す見す取りこぼすなんてな、ありえんわ。」
残り17周のリスタートからフォード勢は内側を固めていましたが、まず第1に本来なら自分とロガーノで主導権を握るはずがギリランドが前に出ていくぶん自由度が減少。さらに自分がギリランドを前方に放り投げ、本来ならそこで後ろからの支援で自分もまた前に行くはずが、ロガーノが付いて来ないしロガーノを押す人もいないので、結果として放り投げたギリランドが失速して落ちてきた隙にラーソンに頭を抑えられました。その後にコーションが出てリセットされたとはいえ、燃料を節約できず給油する遠因ともいえるので、噛み合わないレースが納得いかなかったようです。
どうもロガーノはギアオイルの問題が影響してるのかドラフトに入ってるのにあまり前に近寄れていなかったので、そもそも彼が支援役になっている時点で競争力が無かったのかなあと思うわけですが、結果オーバータイムは特に何もできず終了。ドライバーとして3時間も走った末に言ってみれば中身が空っぽ、みたいなことなので愚痴の1つも言いたくなるのは仕方ないでしょう。もはやペンスキーは2人をチャンピオンシップ4に送り込む可能性がほぼゼロ、ヘンドリックは2人入る可能性もあるけど、逆にゼロになってラーソンすら落ちる可能性がそれなりにあって難局です。
順番が逆になりましたけど、ブリスコーはステージ1で速度違反をやらかしたものの、最後の場面まで常に落ち着いたレース運びをしているように見えました。神のおかげかどうかは知りませんが、なんというか走りにあまり変な欲がないような、とにかく流れに乗って車なりに走って押したり押されたりしてればいいや、というぐらいの自然体の姿勢に見え、それがギブス君にただ綺麗に押してもらうという結果にもつながった気がします。
もちろんその展開を作ってしまったのはラーソン、というかクルーチーフのクリフ ダニエルズで、ターン1と2の間ぐらいで警告灯が点いて燃料が足りないと悟ったそうですが、いきなり先頭が消えたのでリーダーのウォーレスと内側の先頭になってしまったバイロンの間には車3台分以上の差がいきなり生じてしまいました。外を走っていた人は内側に下りるための空間が見事に開き、しかもブリスコーが1人降りるだけならまだしも3番手のギブスも余裕で一緒に動けてしまったため、もうバイロンはこの時点でほぼ詰みました。ウォーレスも偶然かもしれませんが外ラインの抑え役として機能しましたし、不発だったフォード勢とは対照的に転がり込んだ幸運で一丸となってブリスコーをビクトリーレーンに送り出したと思いました。
次戦はいよいよチャンピオンシップ4最後の進出者を決めるシーズンの第35戦・マーティンズビルです。いや~ブレイニー勝ってほしいな~。
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