2025 AUTOBACS SUPER GT Round3
Q1でのノックアウト台数が限られているとはいえ、au TOM'S GR Supra(36kg/-2)・坪井 翔/山下 健太は予選8位。ざっくり言って7000rmp以上の領域では通常時より燃料が5%少なくしか入って来ないので、600馬力近く出る領域とすると単純計算で20~30馬力は落ちていることになるんですけど一体どうなってるんでしょうか^^;
空力アップデートの効果があるような気がしてくるグリーンブレイブ、野中は野村を9秒ほど引き離して25周を終えたところでピットに入りました。ところが左前輪を交換しようとしたらナットがすんごい勢いで転がって行ってしまい、クルーが全力疾走して追いかけて回収して帰ってくるので20秒近くかかってしまいました。翌周にアップガレージもピットに入り、きちんと作業をこなしたらもちろん大逆転。アップガレージ・小林はグリーンブレイブ・吉田 広樹に10秒以上の差を付けた実質1位です。
SUPER GT Malaysia Festival 2025
Petronas Sepang International Circuit 5.543km×55Laps=304.865km
GT500 class winner:Deloitte TOM'S GR Supra 笹原 右京/Giuliano Alesi
(TGR Team Deloitte TOM'S/Toyota GR Supra GT500)
GT300 class winner:UPGARAGE AMG GT3 小林 崇志/野村 勇斗
(TEAM UPGARAGE/Mercedes AMG GT3)
ちょっと開催から時間が経ってしまいましたが、オートバックス スーパー GT 選手権 第3戦はマレーシアのペトロナス セパン国際サーキットで開催されました。SGTの海外戦はCOVID-19の影響で2020年以降は開催されていなかったので6年ぶり、マレーシアでの開催は2013年以来12年ぶりとなっています。もう皆さん記憶の彼方かもしれませんが、元々2020年がまともな世界であったなら、タイとマレーシアで連戦を行う日程が発表されていました。
というのも2020年はまともな世界なら東京オリンピックが開催されており、自転車競技の会場として富士スピードウェイが使用されるため夏場は使用が不可能。その代わりに夏場に海外を転戦する考えだったためです。中でもマレーシアは夜間レースが検討されており、この年にNSX-GTのステアリングのボタン類の背後にLEDが導入されて光るようになったのも夜間レース対策でした。5年越しにようやく復活した今回のマレーシアは結局夕方からスタートする『トワイライト レース』になって夜間走行は見送られました。
セパンと言えば『赤道直下の灼熱地獄!』というのが売り文句みたいになっていて、熱中症でヘロヘロになったり顔を真っ赤にして子供用ビニールプールに駆け込む姿が取り上げられる、という現代の価値観で言うとアウトな存在でした。ただあれから10年も経ってもはや暑さでは日本も大差なくなった気がしますね。実際この週末も仮に鈴鹿でレースしてたらあんまり変わらん暑さだったと思います。
昔話をすると、セパンで初めてGTが開催されたのは2000年まで遡ります。第3戦と4戦の間の期間に非選手権として開催され、海外遠征はお金がかかるのでGT500は17台が参加した一方でGT300は7台だけでした。2回の特別戦開催を経て2002年からは公式戦に組み込まれ、2003年を除いて2013年まで開催されていました。2003年に開催されなかったのはSARS(重症急性呼吸器症候群)のため、そして2020年に開催できなかったのはCOVID-19(新型コロナウイルス感染症)によるもの。海外を飛び回るのは簡単ではありませんね。
最後に開催された2013年はGT500クラスがいわゆる09規定最終年で、優勝したのはカルソニック IMPUL GT-R(松田 次夫/ジョアン パオロ デ オリベイラ)。ホンダはHSV-010GT、トヨタはレクサスSC430の時代です。一方GT300クラスはいわば第1世代と呼べるGT3車両と魔改造JAF-GT車両が競った時代で、このレースではARTA CR-Z GT(高木 真一/小林 崇志)が優勝、MUGEN CR-Z GTも2位で続いてワンツーでした。短いホイールベースでぴょこぴょこ跳ねてたのが懐かしいですねえ。
また2007年には、関係者が誰も知らなかったけど路面が再舗装されていて現地に行ったら路面が真っ黒!という衝撃の事件もありました。路面温度は上がりまくるし攻撃性は高いしでデータも無ければ持ち込んだタイヤも全く合わず、一体何回タイヤ交換したらいいんだという大惨事。そんな中でヨコハマタイヤは現地の地方レースへの供給実績などから多少は路面への理解があったとかいう話で、GT500はWOODONE ADVAN Clarion Z(JPオリベイラ/荒 聖治)が優勝、コンドーレーシングが悲願の初勝利を挙げて翌年も大会2連覇を達成。なんとなく『海外レースのヨコハマ』というイメージが出来上がってしまいました。
コンドーレーシングと言えば今年のドライバーが松田 次夫/名取 鉄平、次夫選手は初開催の2002年もラルフ ファーマンとのコンビでMobil1 NSXに乗って優勝しており、2010年にも勝っていてセパンで通算3勝。これは来ましたね(何がだ)
J SPORTSも昔は今ほど組織が大きくなかったため海外レースを生中継するだけの体制がなく、初開催の2002年は録画放送。このレースだけ現地放送局が制作を主導してJスポのスタッフは支援する形になり、テロップも数年間は現地仕様を採用したので普段と見た目が全然違うというのもありました。フロア ディレクターさんの腕前なのか、とにかくカメラの切り替えが今一つで映すべき場所を逃しまくっており、後年に解説の由良 拓也が「ずいぶん上手くなりましたね」と放送の腕を褒めていたのも印象的です。あの時は私も全く同じことを思っていたので「そこに気づく由良さんさすが」と思いました(笑)
また2002年のセパンは日産を応援している人にとっては節目だったレースで、スカイラインGT-RはこのレースをもってRB26DETT型エンジンの仕様を終了し、次戦からはVQ30DETエンジンへと換装されました。これはGT-Rオタクの次夫選手には簡単なクイズでしょうかね、まあ当時はライバルのNSXに乗ってたわけですが。
そんな昔のセパンと今のセパン、基本は変わらないんですが2016年の路面再舗装に伴って排水の関係で微妙に路面の傾斜角が変わった部分があり、特に最終のターン15は明らかに内側の方が盛り上がっていて外側が低い逆バンク形状です。そのためアウトインアウトで走ったら遅くなり、当然内側に飛び込んで抜くのも難易度が高くなっています。このあたりは当時のF1を見ていた方はご存じかと思います。それと地味な変更点としては、2013年以前のレースは54周・299kmだったレースが今回は55周・304kmになっています。
・参戦台数
GT500クラスはいつも通りの顔ぶれがそろっていますが、GT300はやはりお金がかかるので普段より少ない17台の参加にとどまっています、脱毛とかもいません。チャンピオンを争う有力どころは休むわけにいかないですが、小規模チームはちとキツイんでしょう。その代わりと言いますか、スポットで現地チームのEBM ギガ レーシングが911 GT3Rとヴァンテージ GT3を使用して2台で参戦。このチームを率いるのは耐久レースでお馴染みのアール バンバー、EBM=アールバンバーモータースポーツですね。しかしEBMの911を見てみると
これがどうにも植毛グリーンに見えて仕方ない(笑)というわけで勝手に私はこの車を植毛ポルシェとして応援することに。本当に脱毛の代わりになってしまった^^;
GT300クラスはQ1でEBM GIGA 911 GT3・ドリアン ボコラッチがいきなり最速を記録して驚かされましたが、車の不具合でQ2は計測できず終了し一瞬の夢になってしまいます。ポール ポジションはUPGARAGE AMG GT3で、Q1B組を2013年のセパン勝者・小林が2位で通過し、Q2では野村 勇斗が2位を0.365秒も突き放しました。2位はGTA車両の埼玉Green Brave GR Supra GT、両者とも今季まだ得点がなくてサクセスウエイト無しです。
・予選
サクセスウエイトと言えば、昨年のGT300クラスは車の高速化に歯止めをかけるためにBoPによるバラストとは別に『追加重量』も乗っており、あまりに重いのでサクセスウエイト上限が開幕時点での80kgからシーズン途中で50kgに引き下げられていました。今年は追加重量が無くなって上限は100kgに戻っていたんですが、実際にバラストとして載せるのは50kgまでで以降は給油装置の流量を制限してピット作業時間を長くするという謎の性能調整が行われます。今回LEON PYRAMID AMG GT(72kg)がこれに初めて該当することになりました。
一方GT500クラスはWedsSport ADVAN GR Supraがポール。Q1は国本 雄資が1分50秒856で2位に0.221秒差、Q2の阪口 晴南は1分49秒748と大幅に更新して2位に0.602秒の大差を付けました、これぞ坂東パターン。そんな突き放された2位はARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GT#8(12kg)、3位はModulo CIVIC TYPE R-GT(4kg)で、上位3台はヨコハマ、ブリヂストン、ダンロップと綺麗に分かれました。元ミシュランのニスモは5位にNiterra MOTUL Z(4kg)が入っています。
一方GT500クラスはWedsSport ADVAN GR Supraがポール。Q1は国本 雄資が1分50秒856で2位に0.221秒差、Q2の阪口 晴南は1分49秒748と大幅に更新して2位に0.602秒の大差を付けました、これぞ坂東パターン。そんな突き放された2位はARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GT#8(12kg)、3位はModulo CIVIC TYPE R-GT(4kg)で、上位3台はヨコハマ、ブリヂストン、ダンロップと綺麗に分かれました。元ミシュランのニスモは5位にNiterra MOTUL Z(4kg)が入っています。
Q1でのノックアウト台数が限られているとはいえ、au TOM'S GR Supra(36kg/-2)・坪井 翔/山下 健太は予選8位。ざっくり言って7000rmp以上の領域では通常時より燃料が5%少なくしか入って来ないので、600馬力近く出る領域とすると単純計算で20~30馬力は落ちていることになるんですけど一体どうなってるんでしょうか^^;
ただちょっと心配だったのは、このQ2でDENSO KOBELCO SARD GR Supraにターボ関係と思しき不具合が出たこと。GRスープラに搭載されているエンジンは昨シーズンからRI4BGという新しい設計のエンジンになっていますが、昨シーズンの後半に投入した新しい部品に信頼性の問題があり、実は昨シーズンの最終戦/今年の開幕戦においても戻せる部品は旧型部品に戻して性能より信頼性に重点を置いていました。今年の第2戦になって確認が取れたということで"本来の"2025年仕様のエンジンになっていたんですが、そうした経緯を知った上で見てみると『ひょっとすると何かまだ対処しきれていない問題が残っているのではないか』という不安を多少感じてしまいます。
・決勝
GT500クラス、お馴染み隙間だらけローリング スタートでしたがターン2でなんとデンソーサード・関口 雄飛が突っ込みすぎて前にいたauトムス・坪井に当ててしまいました。これで坪井はスピンして最後尾、SUPER GT+KYOJOで放送された車載映像を見ると関口選手は当たった直後に手で「ごめん!」ってやってる気がしたのでひたすらごめんなさいな案件だったと思われます。もちろん関口にはペナルティー発行、しかもドライブスルーです。さらにこれとは別件でスタート前の速度制限違反でも関口は10秒加算されました。
優勝争いはウエッズスポーツ・国本とARTA8号車・松下 信治の一騎打ちという雰囲気。ヨコハマはタイヤの目覚めが悪いということもなく序盤は良い走りでしたがやがて松下が優勢の雰囲気となり、GT300クラスとの混戦を活かして9周目のターン9で松下が前へ。この後は順調にレースを進め、20周目にピットに入ったウエッズスポーツに対して翌周に対応する定石の作戦。作業に大きな問題も見られず順調に優勝、と思ったらそうなりませんでした(´・ω・`)
4位スタートでピット サイクル前には6秒ほど離れた3位を走っていたDeloitte TOM'S GR Supra・笹原 右京がなんとレースの半分を通り過ぎて32周目にやっとピットに入る逆張り作戦を投入。こんだけ引っ張ってもタイムはタイヤ交換を終えた人たちとそん色が無かったらしく、ピットでも給油時間が短かったのでなんとオーバーカットに成功。ARTAの後半担当・野尻 智紀はタイヤが温まる前に抜こうと攻撃に出ますがジュリアーノ アレジがなんとか耐え、その後はタイヤの履歴差で一方的に差が広がっていきました。
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最大のピンチ |
最終的にアレジは野尻に19秒の大差を付けて昨年の第6戦SUGO以来の優勝となりました。これでGRスープラは開幕から3連勝、またGT500のトヨタ車は過去にセパンの公式戦で1回しか勝ったことがなく、2004年のデンソーサードスープラGT・ジェレミー デュフォア/アンドレ クート以来21年ぶりでした。そうそう、私このレースでJGTC公式サイトの順位予想クイズ。GToto(ジートット)に正解して公式ビデオをプレゼントしてもらったんですよ、懐かしいなあ(なおもうビデオテープを再生できる機械が無い模様)。
ちなみに今はチーム監督になっているミハエル クルム、特別戦だった2000年のセパンでカストロールニスモGT-Rを駆って優勝した『セパン初レース優勝者』で、クルムさんと組んでいたのは片山 右京でした。そう、25年の時を経て『セパンでクルムと右京が優勝』したことになるわけです。さすがにこんな無理なこじつけを持ち出してくる人はそんなに多くないだろう(笑)
2位はARTA、そして見た目上の3位はSTANLEY CIVIC TYPE R-GT(38kg)・山本 尚貴/牧野 任祐でしたが、道中に他者をコース外に押し出したことで10秒加算ペナルティーを受けており正式結果は6位。少しでも加算後の順位が良くなるように必死で攻めて抜きまくった、のかと思ったら牧野選手は無線が聞こえなくてペナルティーを知らなかったとのこと。自身の担当でコース上で5人を抜いてうち3人には抜き返されたわけですが、7位のauトムスはなんとか0.8秒差で退けて選手権最大の難敵に余分な得点を与えずには済みました。
スタンレーの繰り下げで3位はTRS IMPUL with SDG Z(16kg)・平峰 一貴/ベルトラン バゲット。表彰台はトヨタ、ホンダ、日産で分け合いました、めでたしめでたし。ポールシッターのウエッズは5位、モデューロ中嶋もなんとか10位で1点は獲得しました。というかスピンしてビリになったトムスがしれっと7位、チームメイトと同様に空いた場所で引っ張って31周目にピット作業を行い、人と戦わない戦略で山下 健太を良い順位で送り出してそのまま帰ってきました。1周目に当てられた瞬間には、さすがに今回は連続入賞記録が途絶えたと思ったんですけどバケモノですね・・・
そしてGT300クラス、こちらも予選トップ2の一騎打ち。1周目のうちにアップガレージ・野村をグリーンブレイブ・野中 誠太が抜いて順調に差を広げて行きました。グリーンブレイブのGRスープラは今年の規定で前輪の幅が細くなって前後のバランスが変わってしまったのでほとんどイチから再設計みたいなことになっており、現在も開発途上の状態です。この第3戦から新しいリア ウイングとミラーが持ち込まれており、ウイングはよく分からないんですけどミラーははっきりと変更されているのが分かります。
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今回投入の『ウイング ミラー』 |
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前戦は普通の形のミラー |
空力アップデートの効果があるような気がしてくるグリーンブレイブ、野中は野村を9秒ほど引き離して25周を終えたところでピットに入りました。ところが左前輪を交換しようとしたらナットがすんごい勢いで転がって行ってしまい、クルーが全力疾走して追いかけて回収して帰ってくるので20秒近くかかってしまいました。翌周にアップガレージもピットに入り、きちんと作業をこなしたらもちろん大逆転。アップガレージ・小林はグリーンブレイブ・吉田 広樹に10秒以上の差を付けた実質1位です。
さらに運が悪いことに、吉田はピットを出てタイヤが温まるまでの間に周回遅れだったEBM 911・ボコラッチに抜かれてしまいました。タイヤに熱が入ったら抜き返したいけど何せQ1でむっちゃ速かった人と車なのでなかなか抜くことができずずっと付いていくことになり、しばらくグリーンブレイブとアールバンバーの車両はセットで画面に映り続けました。ここは譲ってあげてくれ植毛よ。
終盤にかけて吉田は小林を追い上げて背後にまで迫りましたが届かず、0.933秒差でアップガレージが今季初勝利、小林は12年越しでセパン2連勝となり、19歳の大学生・野村はGT初勝利となりました。アップガレージはナットが転がって行ったことが敗因で、なおかつ周回遅れに抑えられなければナット飛ばしがあってもなお追いつけそうでしたが何を言ってもタラレバ。ただグリーンブレイブは埼玉トヨペットのディーラー社員を起用していますから、こうした課題があるのも承知の上のチームではあります。
3位は8番手スタートだったグッドスマイル 初音ミク AMG(42kg)。今回はいつものベテラン2人がスパ24時間に参戦するため欠場で、中山 友貴/奥本 隼士という普段は無い組み合わせでしたが見事な結果でした、たぶんチームとしたら望んでいた最上位じゃないかと思います。奥本選手は子供の頃からカートで、という選手ではなく大学卒業までレース経験が無い異色系選手。本格的なレース活動からまだ4年ほどしか経っていません。なんでもラジコンの経験が活きている他、アスリートとしては400m/400mハードルで全国大会レベルと非常に高い運動能力を持つことが急成長の素地だそうです。すごいですね・・・
今年は苦戦気味のVenteny Lamborghini GT3(14kg)・小暮 卓史/元嶋 佑弥が4位、給油に時間がかかるはずのレオンAMGは14位スタートから7位でした。給油時間が長いのでたぶん集団で走っている時にはかなり節約しながら走ったと思いますが、どうハンデを付けても上位に来ますから効果を測るのも容易ではないですね(笑)
今回はとりあえず無事に海外レースが復活出来て何よりでした。20年近くマレーシア・タイで続けてきたとはいえ間が空いていますし、今回のレースのプロモーターはまた新しい会社なので不透明な要素もいくらかあったと思うんですが、結果としてはそのプロモーターさんによると2日間で計75977人の観客が入ったということである程度上手くいったのではないかと思います。
そしてレースの方ですがGT500はまたトムスの戦略がハマりました。みんながSC導入を警戒して早めに入ってしまうので、裏をかいて理論上最速の作戦にすることで順位を上げているという話はこれまでも何度も書いていましたが、今回はレース距離の半分を超えてなお引っ張るという一見するとさすがに待ちすぎに見える作戦での勝利、見事でした。
デロイトトムスに関してはぶっちゃけアレジの速さがあんまり信用されていないから速い笹原で長く行く、という感じがずっと見てとれるんですが、それにしてもオーバーカットするほどに速いというのは驚きでした。レース後にタイムの一覧が公開されていたらどのぐらいの速さだったのかが検証出来てありがたいんですが、それができないのがちと残念です。早めの給油には重い状態の車で走る時間が長いという欠点があるので、トムスはその点軽い車である程度タイヤの落ち幅を相殺できていたんだろうと思います。
ちなみにですが、よく『引っ張った方が残りレース距離が短いから給油量が少なくて済む』という話がありますが、1回給油するだけの300kmレースだとこれはあまり正確ではないと思います。なぜなら、例えば2km/Lで300kmを走ると必要な燃料は150L、最初に100L積んでいたら給油するのは足りない50Lで、これは何周目に給油しようが変わりません。距離が長く残るほど振れ幅を考慮して余分に詰む燃料が必要にはなりますがGT500レベルだとかなり厳格に管理されていると思われるので、そこまでの差にはならないと思います。
実際は『残りレース距離が少なくなるまで引っ張り続けた=タイヤとともに燃料消費量も気を付けて丁寧に走っていた』ことが要因で『そもそも使った量が少ない』から給油量が少なくなったと考えるのが妥当だと思います。もしくは初期搭載量に既に違いがある場合も考えられますが、今のGT500でわざわざ少ない燃料でスタートする陣営はあまりいないと思います。残りの距離が少ないから給油量が少ない、というのはどちらかというと何回も何回も給油と消費を繰り返している長距離耐久レースで成り立つ説明だと私は思っています。
トムスはauトムスも相変わらずレースの全体的なタイムが安定しており、集団だと直線が遅いからどうしようもないけど単独になったら見えないところで稼ぐ力があります。肝と思われるタイヤに優しいサスペンションのセッティングは高温環境でたぶん活きますね。逆に日産陣営はニスモが全然詰め切れていないのか2台とも入賞できず、未だにブリヂストンのタイヤと車の動かし方の理屈を合わせられないままでいる印象を受けました。ハマると速いんだけどどうやったらハマるのかという解を見つけられていなさそうです。
一方GT300ですが、グリーンブレイブは上にも書いた通り失敗と不運の連鎖で勝利を逃しました。ただ規定変更に対してある程度対応して競争力を得られるところへ戻れた感じは見受けられるので、今回は勝てませんでしたがこの先のレースは期待が持てそうです、まあサクセスウエイト乗るけどさ。
また、優勝したアップガレージも3位のグッドスマイルもAMG GT×ヨコハマの組み合わせですが、ちょうどオートスポーツNo.1610に掲載されていた記事によると、グッドスマイルはここ数年苦戦してきたタイヤとセッティングの方向性がようやく見えてきたとのこと。AMGは前輪のタイヤ幅がGT-RやRC Fと違って後輪より狭い設定で、開発が激化してどんどん尖っていくタイヤ性能の中でなかなか性能を引き出すのが難しく苦労していたようです。
それが、DTMがGT3車両のレースになってAMG本体側で車両のセッティングに関する解析がさらに進み、そうした知見を派遣してもらっているエンジニアから受け取っていく中で新しいものが見えてきたことで今季の活躍に繋がっているとしています。GT3は開発ができませんからセッティングとタイヤが全てで、そのセッティングもダウンフォースを考えると車高を低く維持してベンチュリー効果を生み出して床下でダウンフォースを稼ぎたい、けどそのためにどこまで足を固めて、前後の姿勢はどうなって、その荷重の乗り方に対してタイヤはこうで、いやこのタイヤを使いたいから逆に姿勢はこうなって、、、という無限の組み合わせを試し続ける戦いになります。
グッドスマイルと完全に同じでは無くてもアップガレージもある程度色んなデータは入って来ているしタイヤも同じメーカーなので、AMGを使うチーム全体がすごく底上げされているのかなと思いました。
さて、次戦は8月2日・3日の富士スピードウェイなんですが、なんと普段のセミ耐久ではなくそれぞれの日に予選と決勝が短距離で行われる新しい試みです。2003年に中止になったセパンの代替レースとして行われたのが公式戦唯一の2ヒート制レースだったと思いますがこれは緊急的なもの。最初から予定されている2ヒート制レースは初めてです。しかも短距離戦という事情を考慮してサクセスウエイトが存在しません、トムスの力開放( ゚Д゚)
いつだったか当ブログのコメント欄でスイカ男さんが2ヒート制について言及されていた記憶があるんですが、それとは別にたぶんかなり古い時代の記事だと思いますが、トヨタガズーレーシングのサイトにも一般の方からの意見としてこういうものがアーカイブで残っていました。書いてる内容、今回のイベントでほとんどそのまま採用されている気がします。いや、まさかこのニックネーム・たにへいさんがスイカ男さん!?(笑)
酷暑で選手も従業員も観客も長時間拘束させないためのある種実験的な試みだと思いますし、日曜日はGT500とGT300が混走せず別レースなのでわりと常に意見が上がるGT300分離論に対する実験でもあるのかなと思います。長距離レースも結局規則で作戦をがんじがらめになってますし、SCなどの不確定要素でひっくり返らないとただ速い人が逃げて終わることも多いので、長距離の方向性を捨てつつ300kmにはしない、という中で生み出したとも考えられます。批判をいとわず色々やってみる爆走坂東会長ですが、とりあえず大失敗だけはしてほしくないからみんな頼んだ、とは思っていらっしゃるんじゃないかと^^;
コメント
ほぇ〜( •ㅿ• )と思いましたが記事の車両を見る辺り登場中学か高校生...。1000パーセント私では無いですが私自身むちゃくちゃな事を言ってなくて安心。
当時はCART(チャンプカー)がなくなり、F1もトヨタがいなくなり...。確かにWTCCに熱中してたなぁw。JTCCラブ( ˶ˆ꒳ˆ˵ )。
TC1規定が発表された日に あ、これカテゴリー無くなるねw って思った一般人でした。(オモロいレース返せ!)
他のレースとの兼ね合いもあるので厳しいでしょうが世界最速の箱車言うならスーパーGTも年間10レースはやらないと...。
でもセミ耐久だけだとスパイス不足。距離増やすじゃなくて減らして、その分2レースはハナマル!。motoGPも土曜スプリントで集客力上げたので。(フリー走行の時間分をレースに振替えた。走る時間は同じだ!っていう運営好きw)
その頃の少年はNASCAR研修へ向けて人生一の勉強(オイッ)をして ロスチャスティンと出会う日が来るなんてまだ知る由もなかった。
さすがに別人でしたか(;・∀・)GTのレース数の少なさは子供のころから思ってますね~、次のレースまで間が空きすぎて忘れちゃうことがよくありましたよ、後で知ってめっちゃ後悔したことが何度あったか。
ただ現実は、他国がトップフォーミュラと箱車は全然違う人たちがやっていることが多いのに対して、日本はSFとGTを同じチーム/ドライバーが数多く回していて今でも既に予定がカツカツになってる、というのがあるのも理解できます。これはもう業界の裾野の広さの問題に起因するからどうしようもないかなあとか諦めてる部分なんですけど、何か画期的なアイデアないですかねえ・・・