NASCAR 第21戦 ドーバー

NASCAR Cup Series
Autotrader EchoPark Automotive 400
Dover Motor Speedway 1mile×400Laps(120/130/150)=400miles
competition caution around Lap 35
※Race extended to 407 Laps due to NASCAR overtime
winner:Denny Hamilin(Joe Gibbs Racing/Progressive Toyota Camry XSE)

 NASCAR カップ シリーズ、レギュラー シーズンはあと6戦となりました。第21戦はモンスター マイルの愛称を持つドーバー モーター スピードウェイ、ターンのバンク角が24度もある高速のコンクリート舗装トラックです。狭くて高速ゆえに一発クラッシュのリタイアが起こりやすく、フロントストレッチも9度のバンク角があるので事故った車が外から内へとトラックを横断しやすいのも巻き添えを増やしやすい要因となっています。
 ドーバーは1969年に初開催、1971年から2020年までは年間2回開催されており今回が通算107回目の開催。ただその大半は5月/6月と9月の組み合わせで開催されてきており、7月のドーバーで開催されるのは初開催の1969年以来史上2度目です(自分調べ)。舗装がコンクリートになったのは1995年、以降再舗装は行われておらず現在のカップシリーズ開催オーバルでは最も古い路面になっています。全くの余談ですが1969年の初開催での優勝はリチャード ペティー、コンクリート舗装初レースの1995年優勝者は息子のカイル ペティーでした。

・ちょっとしたデータ

 Gen7で開催されたドーバーのレース、優勝者は2022年から順にチェイス エリオット、マーティン トゥルーエックス ジュニア、デニー ハムリンの3人。3戦ともトップ10フィニッシュしている選手は誰もおらず、3戦中2戦でトップ5フィニッシュしたのは上記3人とロス チャステインです。チャステインはこの3戦を3位、2位、12位と健闘し平均順位5.7はこの3戦の成績としてチェイスと並んで最良。
 2019年以降の直近8戦に範囲を広げた場合、平均順位が最も良いのはアレックス ボウマン。彼は2023年のレースを欠場したものの、7戦で6回のトップ10フィニッシュを記録、2021年には優勝しています。また、この8戦での優勝者はヘンドリック モータースポーツから3人、ジョー ギブス レーシングから4人で、他のチームの優勝者は2020年のケビン ハービック(スチュワート-ハース レーシング)しかありません。ヘンドリックはドーバー通算で22勝を挙げています。
 一方過去3回のドーバーで成績が悪かったのはジョーイ ロガーノ、唯一のリード ラップ フィニッシュが昨年の16位で、平均順位25.3と苦戦。彼が通算で20回以上出走した計16か所のトラックの中で優勝経験が無いのはドーバーのみです。チーム ペンスキー自体も2012年のブラッド ケゼロウスキー以来優勝したドライバーがいません、ということはGen7どころかGen6でも一度も勝ってないわけですね。ロガーノは今回がカップシリーズ通算600戦目の出場で、これは史上6人目で歴代最年少での到達。記念すべきレースでドーバー初勝利となるでしょうか。

 なお、今回グッドイヤーは今までに使用したことが無い新しいタイヤを投入しています。今年のこの先のレースでも使用する予定がないということでドーバー専用タイヤの予定になっていますが、目的はコンクリート路面に対してよりラバーが乗りやすくすることだそうです。変な問題が起きなければ良いですけど(笑)

・レース前の話題

 シカゴ市街地でのレースが来年は開催されないことが発表されました。声明では2027年により良い形で戻ってくるために2026年を休止する、としています。一方で最近の噂では2019年以来開催されていないシカゴランド スピードウェイでレースが復活するのではないか、というものと、それとは別にカリフォルニア州サンディエゴの市街地でレースを開催する契約が合意間近である、とするものが飛び交っています。
 
 次に、前回の記事でも書いた通り23XI レーシングとフロント ロウ モータースポーツはNASCARとの一連の裁判の過程で『結審するまでの間はチャーター チームとしての権利を有して参戦できるようにする仮差し止め命令』が撤回され、今週のレースからオープン チームの立場となっています。両チームはひとまず来週のインディアナポリスまでオープンチームで参加することを発表。NASCAR側も次戦のインディアナポリスで参戦台数を40台までとすることを裁判所に対して示しており、両チームは収益がチャーターチームの1/3ほどになるものの予選落ちはせず活動ができる状態となっています。
 一方、レガシー モーター クラブとリック ウェアー レーシングがチャーターの売買を巡って裁判で争っている問題。こちらは第16戦アトランタの記事内で書いた通り、スパイアー モータースポーツの設立メンバーだったT.J.プーチャーという人がRWRの買収を考えていると報じられ、既に契約に合意したとも伝えられました。私は記事内で『もめている2人のところに3人目が現れてさらに話がややこしくなっていますが』と書きましたがやっぱりその通りだったみたいで、この裁判にプーチャーも混ざることになりました。
 レガシーMCは『プーチャーはレガシーMCがRWRのチャーターを購入する試みを妨害している』と主張。実はプーチャーは運営しているコンサルティング会社・ルーカスを通じてレガシーMCとこの買収交渉に関して一緒に仕事をしており、言ってみれば買収を手伝ってくれる味方の存在だったはずでした。ところが実際はその仕事仲間が抜け駆けして自分で買収に走ったわけで、レガシーからすると『裏切られた』形となります。
 レガシー側の主張によれば、コンサルティング会社はレガシーの様々な機密情報に触れることができる立場であり、本来ならレガシーの利益を損なう行動を取らないことが大前提であるはずで、そうした情報を有しながら抜け駆けして自身がRWRの買収者となるのは不当な行為である、ということになります。その話だけ聞くと、買収のために雇ったコンサルタントが顧客を出し抜いて自分で買収、ってそうとうヤバい案件に聞こえるんですけど・・・(笑)

・ARCA Menards Series General Tire 150

 ARCA メナーズ シリーズはポールシッターのブレンダン クイーンがなんと150周の決勝レースを全周リードで制覇、今シーズン4勝目を挙げました。今季10戦で8回のトップ5フィニッシュ、4勝と圧倒的な結果を残しています。なおアベマの解説でお馴染み古賀 琢麻は13周遅れの15位、またなんと15年ぶりにARCAシリーズに出場したらしいティミー ヒルが6位でした。今週の古賀さんはアメリカにいますので当然アベマの解説ではありません。

・Xfinity Series BetRivers 200

 エクスフィニティー シリーズはステージ2終了あたりで雨が降って来るかもしれん、ということでみんな急ぎ気味。ステージ1はポールシッターのテイラー グレイが制したもののステージ間コーションのピット作業で失敗して大きく後退します。するとステージ2ではコナー ジリッチがリードを奪い、ステージ2を制して最終ステージもリード。ジリッチはその後1度もリードを失わないまま132周目にとうとう雨によりコーション、そのままレッド フラッグとなってレースは再開されませんでした。ジリッチが今季4勝目を挙げて現時点の最多勝ドライバーとなりました、恐ろしい子。

・カップシリーズ
 予選

 カップの練習走行と予選は雨のために中止となり、スタート順位は指数予選方式となりました。これによりポール ポジションはチェイス エリオットが獲得。チェイス ブリスコー、クリストファー ベル、タイラー レディック、ウイリアム バイロン、シェイン バン ギスバーゲン、マイケル マクダウル、ロガーノ、タイ ギブス、カイル ブッシュのトップ10となりました。ハムリンは13位、ボウマンは16位、チャステインは19位からのスタート。イン-シーズン チャレンジで時の人となっているタイ ディロンは21位、対戦相手のジョン ハンター ネメチェックは28位スタートです。

・ステージ1

 雨で予選も練習も無かったので、ものすごく久しぶりにコンペティション コーションが35周目に設定されました。自分のブログに『コンペティション』で検索をかけて調べたら、たぶん昨年の第7戦リッチモンド以来。ただこの時は濡れた路面でスタートしてスリックにタイヤ交換するためのもので、雨上がりを理由にしたものは2023年第23戦ミシガン以来ではないかと思います。雑調べなので間違えてていても責任は取りません(笑)
 スタート前にトラック脇で花火を打ち上げるもんだからちょっと煙たい中でスタートし、まずはブリスコーが先行。しかし10周もするとチェイスEが盛り返し13周目にはリードを奪い返しました。放送席ではラバーの乗っていない路面と30℃を超える気温からとにかくタイヤの摩耗について話題が出ており、おそらく各陣営ともかなりタイヤを気にしつつ35周経過でコンプコーション。

 もちろんみんなピットに入って43周目にリスタート、燃料で言えばステージ1を最後まで走れる距離ですが、まあだいたいその前にタイヤが壊れて事故る人が出てくるでしょう。チェイスEはリスタートから10周でブリスコーを2.5秒も引き離して独走、その後ベルが2位となりますが差は開き続け、チェイスが本格的に周回遅れに遭遇してペースが落ちるまで流れは変わりませんでした。
 チェイスは周回遅れのダニエル スアレスに20周近く抑え込まれて貯金を吐き出してしまったものの、リードは明け渡さずにステージ1を制しました。2位からベル、ハムリン、バイロン、ボウマン、ブリスコー、ギブス、カイル、ロガーノ、カイル ラーソンのトップ10。顔ぶれがほぼジョー ギブス レーシングとヘンドリック モータースポーツで各4人・計8人全員がトップ10入りです。ステージ終盤にはコディー ウェアー、エリック ジョーンズ、A.J.アルメンディンガーに相次いでタイヤの問題らしきものがあり、けっこうギリギリのところで戦っていたことが伺えます。

・ステージ2

 当然みなさんステージ間コーションで4輪交換、129周目にリスタートしてチェイスがリード、これにベルがそん色ない速さで続きます。35周もすると周回遅れに追いついてここからが本当の勝負という感じ、ステージ距離は約120周で航続距離は約100周なので、必ず1度は給油が必要です。ステージを半分に割るとしてここから25周ほど頑張ったらピット サイクルが訪れてある程度ばらけてくれるのでリーダーからすると暫くは我慢の時間でしょうし、追いかける側は抜けなくてもピットサイクルまで近くを走っていればアンダーカットのチャンスが出てきます。

 そのまま183周目あたりからピットサイクル到来、上位ではまず3位のハムリンが184周目にピットに入り翌周にチェイスとベルが反応。ところがチェイス陣営、ここでジャッキの扱いがちょっと荒っぽかったか左側のタイヤ交換中に落としてしまい、痛恨の失敗でリードを失いました。これでハムリンはベルをアンダーカットして実質のリーダーとなりますが、いきなりタイヤを酷使することは避けているのか193周目にベルにわりと簡単に抜かれました。
 ただハムリンにとって大誤算だったのは周回遅れの弟ディロンでした。思った以上に抜くのに手間取ってしまい、気付いた時にはベルとの差が3秒以上と遥か彼方の状態で無線でお怒り。ベルを追うどころかディロンでタイヤと時間を使わされたことにより、後ろから来るボウマンの接近を許してステージ残り7周というところで抜かれてしまいました。ステージ2はベルが独走で制し、ボウマン、ハムリン、チェイス、ラーソン、バイロン、ブリスコー、ギブス、ライアン ブレイニー、バッバ ウォーレスのトップ10。JGRとHMSにその他2人という構図は変わらず。

・ファイナル ステージ

 ステージ間コーションでリードラップ選手がピットに入ると今回はチェイスのクルーが汚名返上、迅速な作業で彼を2位で送り出しました。ベル/チェイスの1列目で260周目にリスタートしチェイスが好リスタート。サイド バイ サイドでターン3に入りますが、

 ちょっと攻めすぎたかベルが単独スピンしました。どこにもぶつけず誰もぶつからなかったのは幸運でしたがひとまずベルは後退です。これでチェイスがリーダーとなって266周目にリスタート、チームメイトのボウマンを引き離して独走しステージ1のようなパターン。しかし、見た目は非常に日差しが強そうなんですがひょっとしたら通り雨があるかもしれない、という情報で天候も少し気になります。
 314周目あたりから高い位置にあるカメラに僅かに水滴が付着するのが見えたため雨がそれなりに近い模様。あと10周もするとピットサイクルになりますが、入った直後に雨でレースが止まると大損するのでチームはよーーーーく雨雲の様子を見ていると思われます。そんな中でボウマンを抜いて2位となっていたハムリンは3.5秒あったチェイスとの差を2秒以下まで削り取ってチェイス追撃モード。
 そして324周目あたりからピットサイクルとなり、327周目にチェイスとハムリンは同時にピットへ、これだと逆転はできませんがハムリンは1秒ほどチェイスとの差を詰めて約1秒差とします。情報サイトの情報と目視を組み合わせると、ハムリン陣営は作業時間で0.5秒ほど稼ぎ、さらに速度制限区間までのブレーキングでも0.5秒ぐらい稼いでいるように見えます。ところがハムリン、ピットを出たらまたタイディロンに阻まれます、なんか恨みでも買ったんでしょうか(笑)

 さすがに雨が降るまで待ち続けるのはあまりに無謀と考えられたようでほぼ全てのドライバーはピットに入りましたが、信じる者は救われました。337周目にとうとう雨が降ってコーション発生、この時点でベルとオースティン ディロンはまだ我慢し続けており大幅に得をしました。ベルは直前にピットに呼ばれていましたが「雨降ってきた!ステイアウトする!」とギリギリの自己判断で残っていたようです。コーション時点でリードラップにいたのは6位のボウマンまで、7位のバイロンがフリーパス。このコーションでハムリン以外のリードラップ選手はピットへ、入ってもほとんど順位は下がりません。大量のウエイブ アラウンド発生。

 というわけで344周目、ハムリン/ベルの1列目でリスタート。この2人は逃げますがチェイスは兄ディロンとかなり争ってしまい、完全に前に出るまでの間に2秒ほどハムリンから離されてしまいました。チェイスは先ほどのコーションで2輪しか交換しなかったので、4輪交換のディロン兄ちゃんに踏ん張られる要因になった気がします、他の人は全員4輪だったから時短する意味はあまり無いように思えたのですが・・・これで当面はハムリン対ベルの優勝争い、実質10周ぐらいハムリンの方が古いタイヤですがベルにダーティー エアーを巧みに浴びせてリードを守ります、ベテランの技。なおハムリン、クール スーツを着ない派なので酷暑対策が乏しく、その上でどうやら飲み物が冷えなくなっているようです。

 また次の雨雲がトラックに接近している、という情報の中でハムリンとベルのキャット&マウス ゲーム。ハムリンは364周目にスアレスに引っかかったために抜かれそうになりましたが、ギリギリで耐えました。やがてベルのタイヤも優位性が薄れて来たかハムリンのペースでレースが進んでいるような雰囲気で、そのまま残り18周まで進みましたがここで6回目のコーション発生。雨、ではなくチャステインのクラッシュが原因でした。チャステインはここでリタイアしてこのレース33位でした。
 雨はすぐ近くまで来ており、場合によっては雨天終了も視野に入れてピットに入るかどうかの判断をする必要がありましたが、実際はチャステインの車の撤去作業に少し時間がかかったので、その間に本格的に降って来てピットが開くより前にレッド フラッグになりました。これなら迷う必要はありませんね。
モンスター、一時避難

 まさに局地的な大雨という感じで土砂降りを経てすぐに青空。あまりの豪雨なので優勝トロフィーが一時避難する珍しい場面もありました。ここからは必死に路面を乾燥させ、56分のレッドフラッグでコーションへと戻りました。いや、厳密にはピットから車を追い出してピット上の路面の乾燥があるので各車はトラックを半周ほどしてまたしばらく待ちました。これを終えるとようやく本格的に隊列走行再開、ピットが開くと上位勢を含む8人がステイアウトし、9位のレディック以下16位までが2輪交換、以降が4輪交換となりました。
 ちなみにハムリンですが、雨なので車両にカバーをかけたら途端に車内が灼熱地獄と化したため車から一目散に飛び出して土砂降りの中を駆け出していき、さすがにクールスーツに着替えて戻ってきたそうです。
モンスター、台車で帰還

 残り8周、タイヤはフレッシュじゃないけど人間はいくらかリフレッシュされたハムリン/ベルの1列目でリスタート。ハムリンの動き出しは今一つでサイドバイサイドの争いとなって、ベルから見るとちょうど260周目のリスタートと立場が入れ替わった形になりました。じゃあ今度は外側のハムリンがスピンか?なんて思ってたんですが

 あ~またベル~~~~~~~!内でも外でも攻めすぎて回ってしまったベル、今回もほとんど無傷なんですがさすがに挽回する時間はもうなさそうです。また、これを避けようとした後続者数人も貰い事故となりバイロンとノア グレッグソンがクラッシュでリタイアしました。ベルはこの後ピットでタイヤ交換し、慌てる必要が無いのになぜか速度違反。最終的に18位でレースを終えました。
 これでNASCARオーバータイムへ、ハムリン/ラーソンの1列目で2列目はチェイスB/チェイスEです。いずれもチームメイトの後ろに付いたのでリスタートでの押し具合も大事になりそう、そしてブリスコーはさっき右側のタイヤだけ交換していてこの4人の中で最も状態が良い車です。400周目にリスタート、上手く押したのはブリスコーの方でハムリンが単独で先行、これで勝負あり、かと思ったらバックストレッチで中団に接触事故、コーション発生で2回目のオーバータイムへ。ハムリンには全くいらない展開。

 今度はハムリン/ブリスコーの1列目となり、こうなるとハムリンは味方に押してもらえないし、相手は右側だけとはいえ新しいタイヤです。リスタートでタイミングをズラしにかかったハムリンですがブリスコーにサイド ドラフトを使われているようで伸びきらずサイドバイサイド、一瞬ブリスコーが前に出るかと思いましたが、ハムリンが外ラインをぶん回して抜き返しました。そのまま単独で先行してホワイト フラッグを受け、クリーン エアーを失ったブリスコーももはやこれまで。
 ハムリンが第15戦ミシガン以来の今季4勝目、通算58勝目を挙げました。これで歴代10位・通算60勝のケビン ハービックまであと2勝。また年間4勝はそのハービックと激しく争って7勝した2020年以来5年ぶり、通算6度目です。今日はちょっと観客席からのブーイングは少な目?

「雨が降る前は順調だったね。その後、何度かリスタートを耐えないといけなかったけど、いや、本当に大変だった。彼らは間違いなく僕に食らいついてきた。プログレッシブ トヨタのチーム全体が素晴らしい仕事をしてくれたよ。シェディー レイズ、ジョーダン ブランド、コカ-コーラ、スポート クリップス、このチーム全体が素晴らしい仕事をしてくれた。ドーバーでの勝利は僕にとって本当に特別なことさ。ここはキャリア前半はあまり得意ではなかったんだ。ここで連勝できるなんて本当にすごいよ。」

 ドーバーを攻略するカギはドーバーを得意とする選手の研究だったと言います。

「ここの偉大な選手たち数人を研究したんだ。マーティン トゥルーエックスをチームメイトに持てたことは幸運だったよ。ジミー ジョンソンはここで10回も優勝した。偉大な選手たちから学び、それに合わせて自分のプレーを変えることでこのような成功を収めることができたんだ。」

 ハムリンは以前に通算60勝を目標に挙げていたそうで、その点について今でも目標か、それとも通過点か聞かれると

「まだまださ。」

 2位は「正直に言って勝てると思っていた。」「彼が60勝近くしているのには理由がある。」とベテランの業に脱帽という感じだったブリスコー。3位からボウマン、ラーソン、ギブス、チェイス、ウォーレス、ブレイニー、クリス ブッシャー、ブラッド ケゼロウスキーのトップ10。カイルは11位、ロガーノは14位でしたがGen7のドーバーでは自身最高位です、途中速度違反のペナルティーがあったのでこれがなければもう少し行けたかもしれません。コーションで幸運を拾ったA.ディロンは15位、不運な貰い事故で31位に終わったバイロンはレギュラーシーズン1位の座をとうとう失い、チェイスがポイント リーダーとなりました。

・In-Season Challenge presented by DraftKings Sportsbook

 ハムリンと同じぐらいレース後に喜んでいた人がもう1人、タイディロンでした。インシーズンチャレンジ準決勝、対戦相手のネメチェックとレース終盤に周回遅れながら近いところを走っていたので何が起きてもおかしくないと思っていましたが、なんと1回目のオーバータイムで発生したコーションでディロンがフリー パスを獲得。これで2回目のリスタートでまたコーションが出ていたら話は振り出しに戻ったかもしれませんが、そのままチェッカーを迎えたので決定打はフリーパスでした。第32シードのディロンがまさかの決勝進出、対戦相手はレディックを破ったギブスです。第5シードvs第32シード、誰が想像したでしょうか。滑ったかに思われたこの企画ですが、弟ディロンのせいでそれなりにウケてる気がします(笑)


 公式動画の尺が5時間を超えていたのでどうなるのかと思いましたが、2回のオーバータイムで最後まで何が起きるか分からない面白いレースでした。ドーバーは比較的オーバータイムの頻度は少なくてこれが通算で5回目だったと思います。ハムリンは最も古いタイヤでのステイアウトを選んだ、というかそれしか選びようが無かったなかなか厳しい立場での終盤の争いでしたが、立ち回りの上手さが見事でした。
 レース序盤からタイヤの使い方、相手にクリーンエアーを与えないいや~~なライン取りなど老獪な技術が随所に見えて「これはさすがベテランやなあ。」と画面の前で唸る場面が何度かありました。中古タイヤでもクリーンエアーでリードを守れるところを見ると、今回初めて使用されたタイヤの摩耗はきちんと使ってあげればそこまで顕著ではなかったんでしょうかね、そういえばタイヤがズタボロになった悪夢のブリストルでも平気で走ってたのがハムリンでした。ハムリンとしてはタイディロンへの対処だけが唯一例外的に上手く行かなかった点かもしれません(。∀°)
 逆にチェイスは勝てそうな展開だったのになんかもったいなかったなあというのが率直な感想。ピットの作業ミスは仕方ないし作戦もタラレバなので言っても仕方ないとは思いつつ、何でジャッキ落としちゃうかなあ、何で2輪だけ交換するかなあ、と思ってしまったのは私だけではないでしょう。ヘンドリックはラーソンがインディー500との掛け持ち以降低迷していたところからやっと戻り始めた一方でバイロンはここ4戦で3度のリタイア。不思議なことにチームとして何かは常に足りていない感じです。まあ全員速くて盤石だとつまんないので見ている側はその方が良いでしょうけど(笑)

 ちなみにハムリンがクールスーツ着ない派を今後も貫くのかは分かりませんが、さすがに危ないのでできれば着た方が良いんじゃないかと思いますね。今回J.J.イェリーはレースを30周ほど残してリタイアし、詳細は不明ですが『疲労』と発表されていてひょっとすると熱中症かもしれません。また我々が見るYouTubeの公式動画は国際映像仕様なので関係ないですが、TNTの中継ではスターティング オーダー紹介のテロップでギスバーゲンの顔写真が間違ってイェリーの写真になっていたそうです( ゚Д゚)

 次戦はそんなおっちょこちょいなTNTが担当する最後のレース、インディアナポリスです。インシーズンチャレンジで勝って賞金を手にするのはギブスとディロン、どちらのタイなのか!タイだけに引き分けで山分けってのはどうでしょう(。∀゜)

コメント

日日不穏日記 さんの投稿…
スアレスがエリオットの壁になっていたので、F1バブル期のルネ・アルヌーの「妖怪通せんぼ爺」(古舘伊知郎)と思わず書いてしまったんですが、後は普通に譲ってましたね。スアレスは爺じゃないですがw。アベマは、約3時間57分で、公式は5時間2分。実際確認したら、レッドの部分はサクッとカットしてました。レッドの間は全部観てましたが、1960年のチャンピオン、レッド・バイロンが95歳で亡くなったそうで、それ以前のチャンピオンの存命者はいないので、次は61、65年チャンピオンのネッド・ジャレッド。さらに64年のリチャード・ペティと続きます。インシーズン・チャレンジはドライバーが絞られ、残っていた4人のポジションが近かったので、そこそこ興味が持てました。レッドの時間にギブスを除く3人のインタヴューも流してましたし。シカゴは、ロケーションが良いだけに残念ですが、公道を封鎖してのレースは厳しいんでしょう。1930年代から開催されているモナコやシンガポールなどとは事情が違いますから。オーバルより、ストリートでの開催に期待したいところです。
SCfromLA さんの投稿…
>日日不穏日記さん

 市街地はマジでお金かかりますからね、どっかの記事で具体的な金額を読みましたけど忘れました(笑)インシーズンチャレンジがシード順位の波乱ない展開だったらどの程度注目されたんだろうか、と思いますが結果としてこれなら来年も継続されるんじゃないかと思います。ただ今年のディロンを見て下位シードが荒らしまくらないかはちょっとばかし不安ですけど。
アールグレイ さんの投稿…
ジリッシュは欠場をものともしない勢いで活躍していますね。
JRモータースポーツの先輩だったチェイスやバイロンに次いで、ルーキーイヤーでのエクスフィニティーチャンピオンも見えてきたと思います。
ただこの2人はジリッシュと違ってスポット参戦の経験すら無くいきなり1年目でエクスフィニティーチャンピオンを取っているのが今考えると驚きです。

ハムリンは3人目誕生後初勝利を挙げられてまずは良かったです。
やっぱり難しいトラックコンディションはベテランの経験が活きますし、それに驕らずハムリンが他のドライバーから学んでいる事も長く活躍出来る理由なんでしょうね。
JGRと複数年契約での残留も決まった以上、オーナー業との両立も大変だとは思いますが後は阪神共々アレに向かって突き進むだけです。
SCfromLA さんの投稿…
>アールグレイさん

 JRモータースポーツが強力な体制だとは言ってもこんだけいきなり勝てるのは大したものだし、しかもオールガイアーという物差しがチームメイトにいる中での結果なので周囲の期待は膨らむでしょうね。逆から言えばJRMで走っていてオールガイアーに及ばず数年で切られちゃった人たちは、まあ確かにその段階の選手だったのかな、と厳しい現実も感じます。
 ハムリンはえらく早いこと延長が決まったなとちょっと驚きましたけど、今年はお客の煽り方とかを見てもなんかちょっと去年よりゆとりがありそうな、うまいことコントロールしてる印象を受けるので浮き沈みなくプレイオフで戦ってもらいたいなと思いますね。デロリアンで未来を見てきたカイルはハムリンがチャンピオンを獲れていたか名言してなかったので、今年獲っていても全く問題ありませんし(笑)