NASCAR 第15戦 ミシガン

NASCAR Cup Series
FireKeepers Casino 400
Michigan International Speedway 2miles×200Laps(45/75/80)=400miles
winner:Denny Hamlin(Jor Gibbs Racing/Yahoo Toyota Camry XSE)

 NASCAR カップ シリーズ・第15戦はミシガン、日テレG+とアベマではブルックリンと表記しますが、当ブログではミシガンと表記します。シーズンで唯一の1周2マイルのトラック、G+での放送がまだ行われていた時代にはもう一つの2マイルトラック・オート クラブ スピードウェイがありましたが、こちらは2023年のレース終了後に大幅なリニューアル工事を行うため閉鎖となっています。土地の大部分は売却されており、残った土地を使用して0.5マイル程度のショート トラックを作成する予定でしたが、所有者のNASCARからすると非常に改修費用が高額になってしまう上、他にレースを開催したいトラックもたくさんあるため優先順位が低くて、今のところ再開のめどは立っていません。
 さて、ミシガンですが1周2マイルでターンのバンク角が18度、旋回半径が大きい上にバンク角も比較的高いので、タイヤが新しい状態であれば全開のまま抜けることすらできてしまいます。そのため、ダーティー エアーに入ってダウンフォースが抜けてしまうと圧倒的に不利、御多分に漏れずクリーン エアーを得ることが非常に重要です。直線も長いのでドラフトを使いやすく、争ってサイド ドラフトをお互いに浴びせ合って失速したところを後ろにいた人が抜く、ということが比較的起こりやすいですね。また、全開で曲がれてしまうぐらいの旋回速度なのでタイヤへの負担が比較的小さく、戦略的に少し幅があるのも特徴です。
 2019年以前は年間2レースが開催されており、通例は6月と8月でした。2020年はCOVID-19の影響で8月に2日連続開催という特殊な日程でしたが、翌2021年以降は年間1回開催となっています。1回開催になって以降は8月に行われていたので、6月に行われるミシガンは2019年以来6年ぶりです。通算としてはこれがミシガンでの108回目のカップシリーズ戦となっています。

・ちょっとしたデータ

 ミシガンでは2018年以降、フォードが9連勝していましたが、昨シーズンにトヨタのタイラー レディックが優勝したので、フォードの連勝がようやく止まりました。Gen7での3戦で優勝しているドライバーは古い順にケビン ハービック、クリス ブッシャー、レディック。この3戦で最も平均順位が高いのはデニー ハムリンで5.0、唯一3戦全てトップ10フィニッシュを記録しています。一応ミシガンで2勝してるんですが2010年・2011年とかなり古い話です。ハムリンと言えば婚約者・ジョーダン フィッシュが第3子を出産間近であるというのが先週の話題でしたが、予定日を過ぎてもまだ生まれておらず今週も急きょ出産立会のため欠場する可能性があります。もちろんその場合の代役はライアン トゥルーエックス。
 ミシガンの通算勝利数ではカイル ラーソンとジョーイ ロガーノがいずれも3勝していますが、ラーソンは2016年~2017年に3連勝とまとまっていて以降は勝利なし。ロガーノは2013、2016、2019の3回ですが、いずれもポール トゥー ウインでした。ミシガンでのポールシッターの勝率は20%とそこそこ高いですが、最後にポールから勝ったのがその2019年のロガーノ。確率論から言ったらそろそろポールの人が勝つ頃ですね(暴論)
 タイ ギブスはミシガンの3戦を全て11位以内で終えており数字上は好成績、エリック ジョーンズも悪くない数字を残しています。逆にミシガンと妙に相性が悪いのはクリストファー ベルで、過去3戦を全て3位以内でスタートしながら2戦はクラッシュでリタイア、一度もトップ10フィニッシュがありません。それ以前を含めた通算6戦でもミシガンではまだトップ10フィニッシュが一度もなく、閉鎖されたオートクラブでも通算3戦でトップ10無しと彼はカップシリーズの2マイルで一度もトップ10を記録していません。オールラウンダーのベルとしては珍しく、この2か所以外でトップ10フィニッシュが無いのはシカゴ市街地だけ、今回初めてのトップ10フィニッシュとなるでしょうか。

 なお、今回使用するグッドイヤー イーグルのタイヤですが、右側は昨年のミシガンと同じでデイトナ・タラデガでも使用されるD-5218、左側はシャーロットで初採用されたD-5284だそうです。

・レース前の話題

 ミシガンのレース開始前のアメリカ東部時間時間6月8日、NASCARは『NASCAR主要パートナー発表』というものを行いました。事前情報だけ先に公開した段階ではまだ発表前でしたが、結果としては現地で既に流れていた情報の通り、ステランティス傘下のブランド・ラムのクラフツマン トラック シリーズへの復帰が発表されました。

 次に、今月末に今シーズン2回目のレースが開催されるアトランタ モーター スピードウェイですが、エコパークが命名権契約を結んで名称がエコパーク スピードウェイに改称されることが発表されました。中古車販売事業を行っているエコパーク、既にカップシリーズでのいくつかのレースで冠スポンサーを務めており、今シーズンは複数のレースでリスタート ゾーンのスポンサー契約も結ぶなどNASCARを通じた広告宣伝に力を入れています。

・ARCA Menards Series Henry Ford Health 200

 ポールシッターのブレンダン クイーンが快走。途中リスタートでジオ ルジェーロに先行される場面があったものの、2回目のリスタート後にリードを奪い返し、迫るコリー ハイムの重圧をしのいで今季3勝目を挙げました。何でハイムがここにいるかというと、ジェイク フィンチが体調不良で欠場して急な代役だったようです。

・Craftsman Truck Series DQS Solutions & Staffing 250

 トラックシリーズの第13戦、7位スタートのハイムがステージ1・2を連勝、これが早くも今季4度目。しかし最終ステージの争いはもつれまくり、終盤はグラント エンフィンガー、ロス チャステイン、カーソン ホースバー、レイン リッグス、ハイムによる5つ巴の争いに。この中でリッグスが壁に接触したことでタイヤがパンク、破片が転がってコーションとなり作戦が分岐、残り5周でのリスタートですが、


何でこうなった(。∀°) リスタートのタイミングを遅らせてズラそうとしたのは外側の先頭でリーダーのルジェーロ。隣が加速しないのなら内側の1列目・チャステインも加速はできませんが、2列目の選手は見切り発車で加速したために押されまくった前列の2人がいずれもスピン、後続を巻き込む大混乱になりました。この後オーバータイムもコーションが続いてトリプル オーバータイムまで突入、最後はスチュワート フリーズンがエンフィンガーをかわして勝利を手にしました。2022年の第9戦テキサス以来3年ぶりの優勝で通算4勝目でした。

・カップシリーズ
 予選

 ブッシュ ライト ポール賞は練習走行から最速だったチェイス ブリスコーが獲得しました、これでなんと3戦連続。2位は0.027秒差でカイル ブッシュ、第3子を待ちわびるハムリンが3位。ウイリアム バイロン、ラーソン、ブッシャー、ジョッシュ ベリー、ギブス、バッバ ウォーレス、ゼイン スミスのトップ10。レディックは12位、ライアン ブレイニーは13位、先週惜しかったホースバーが14位です。
 なお練習走行のロング ランでは予選で前に出てクリーンエアーを取ることが重要なせいかあんまり15周以上を連続走行した人がおらず、人数の多い10周平均だとギブスが1位。ギブスは数少ない25周以上の連続走行も行っているので、練習を少しでも経験値に充てているのかなという印象です。


・ステージ1

 今週の実況解説は野村 達也/古賀 琢麻コンビ。アベマなら火曜日から見れるぜ!と思ってたらどうやら生放送中の18時から23時の間は基本ライブ配信のみ、最初から見ることができるのはプレミアム会員に入っている必要があるようで、無料で最初から見れるタイミングというのは18時の放送開始を逃してしまうとその先は生放送終了後の火曜日23時=普段のYouTubeの標準的なアップロード時間まで待つしか無かったんですね。18時とか無理やわ(笑)
 まずはブリスコー、バイロン、ハムリンのトップ3。せっかく2位スタートのカイルでしたが、ブリスコーをかわそうとして前に出ることができなかった後はダーティー エアーの影響を受けて5番手まで後退しました。リスタートで内側から前を狙った人が仕留め損ねて後続に食われるパターンはこの後も続くことになります。
 レースは12周目にバイロンがブリスコーをかわしますが、意外なことにこれに食い下がったブッシャーが10周近く時間をかけて34周目にリードを奪い、そのままステージ1を制しました。バイロン、ハムリン、ブリスコー、 ベリー、ブレイニー、ラーソン、ウォーレス、カイル、ホースバーのトップ10でした。基本的にステージ1はノーピットでしたが、その中でダニエル スアレスはタイヤに問題が発生して予定外のピット作業を強いられた様子。外されたタイヤは一部が壊れていました。来週は母国レースなんですけどねえ。


・ステージ2

 ステージ間コーションで全員ピットへ、タイヤ交換の時間よりも給油の方が時間が長いため、給油時間の差がピット作業時間の差という感じになります。しかしブッシャーは隣のピットの車が邪魔で上手く出ることができず順位を下げてしまい、最初にピット出たのはベリーでした。2番手でピットを出たハムリンですが、給油缶が上手く抜けずに引っかかって隣のピットに飛び出てしまう寸前、もうちょっとでペナルティーだったということで無線で反省会です。古賀さんが解説しててそういえばそうだなと思いましたが、車が動き始めてもクルーが歩いて移動しながらまだ給油してるって日欧のレースじゃあり得ないですね、だから抜き損ねてこういうことが起きやすいんだ、見慣れすぎて考えたことなかった(笑)


 53周目にリスタートしてブレイニーがイチ抜け、2番手以降は混戦となる中でなんと翌周にチェイスが2番手に飛び出してきました。3列目の外側からのリスタートでしたがサイドドラフトをかけあっているハムリン/ホースバーをゴボウ抜き。チェイスは別のタイヤを履いているのかと思うぐらいの勢いで57周目にブレイニーもかわしてリーダーとなります。
 全体的にステージ1と比べると争いが激しくて各所で2ワイドの争いが発生していましたが、 60周目にジョン ハンター ネメチェックがスピンして、後ろにいたノア グレッグソンもびっくりスピン、本日初のアクシデントによるコーションとなります 。リスタートから7周ほどしか走っていないので上位勢はステイ アウト。
 66周目にリスタートしますが、翌周に後方で多重事故が発生。誰が悪いというわけでもない接触事故によってアレックス ボウマン、スアレス、ブリスコー、コール カスターがクラッシュし3回目のコーション。ボウマンの車が結構派手にウォールにぶつかってしまい、車両はちょっとオイルを撒きながら中破、自走不能でボウマンも車を降りてしまったため、車両撤去に時間と場所が必要になってレッド フラッグとなりました。複数台が動かない場面ではなく、1台の処理のためにレッドというのは比較的珍しいですが、結局11分ほど中断していたそうです。ボウマンはレース人生でもけっこう上位に来る衝撃だったとのこと。

 これでステージが残り50周ほどとなったため多くのドライバーはピットへ、入らなかったのはリーダーのチェイスと先ほどのコーションでピットに入った人だけです、ということはチェイスだけ残っている燃料がかなり少ないことになりますが私はこの作戦がちょっと不思議でした。ピットに入った中でもタイヤ交換の有無など作戦がばらけており、順位は先ほどまでとガラッと変わってぐちゃぐちゃになりました。
 71周目、ちょうどステージ2が残り50周でリスタート、チェイスが引き続きリードしていましたが、2周後にまたもやネメチェックがスピンしたためコーション発生、ここでリーダーのチェイスはピットに入りました。条件的に給油していない自分だけが明らかに不利な状況になってしまったしピットに入ったのは少数=どうせ後方リスタートなので開き直って4輪交換とたっぷりの給油です。

 これで1列目からリスタートするのはベルとマイケル マクダウル、さっきまで見たことない名前のふたりが先頭で78周目にリスタートしました。2人のうち前に出たほうが主導権を握るのかと思ったら、並走しているそのがら空きの内側から2列目リスタートのバイロンがあっさりと前へ。最後にピットに入ったのはバイロンが3回目のコーション、ベルは2回目のコーションだったので、結局ベルはステージ2を最後まで走るだけの燃料がなく106周目にピットに入って4輪交換と給油を行いました。
 ところがそのわずか2周後、ターン4でブレイニーが単独スピンして5回目のコーションが発生、このコーションでバイロンをはじめ多くのドライバーはピットへ。ステージは残り10周を切っているわけですが、別の見方をするとレース全体が残り90周ほどになっていますので、計算上はあと1回給油すればレースを走りきることができます。たぶんこういう作戦の解説はまだアベマでは展開されていないと思いますが、分かるようになるとNASCARは面白くなります。
 114周目、ステイアウトしたシンドリックを先頭にリスタート、ステイアウトしたのは3人だけだったのでシンドリックはさっさと捕まると思いましたが予想外にうまく立ち回ってバイロンの行く手を阻みます。ステージ残り2周までシンドリックはリードを守りましたが、最後は自力に勝るバイロンがかわしてステージ2を制しました。シンドリックは2位で9点獲得してまあ上々な結果、 3位からホースバー、レディック、チャステイン、ライアン プリース、ウォーレス、ハムリン、タイ ディロン、エリック ジョーンズのトップ10でした。


・ファイナル ステージ

 予想通りステージ間コーションでステイアウトする人は多く、ファイナルステージはバイロン/ホースバーの1列目でリスタート。127周目にリスタートしたので残りは74周、ピット ストップの目安は155周目あたりとなりそうです。リスタート直後こそ比較的出入りの激しいレースになったものの、20周も走る頃には全体的に1列の落ち着いた展開。バイロン、ホースバーのトップ2でそろそろ最後のピットストップが見えてきていましたが、146周目にトッド ギリランドが単独クラッシュしてコーションが発生 。残りが50周ほどなので基本的にはここで給油して最後まで走る燃費レースの雰囲気です。
 ただ、お腹いっぱいに給油すると燃料は安心だけど順位が下がり、コーションが連発する展開では不利になります。かといってギリギリを攻めるとコーション頼みになるおそれもあり、どのリスクを取るのかクルー チーフの決断力と度胸が試される場面です。いざピットが開くと全員もちろん入りますがやはり作戦はバラバラ。最初にピットを出たのはスミスで、ホースバー、マクダウルが続きました。先ほどまでリーダーだったバイロンは3列目からのリスタート、誰が何をやったのか1回では確認できませんでしたが、スミスはピット前にトップ10圏外だったので2輪交換の可能性が高そう、ピットからの情報が無いからこの辺の情報整理が全部事後になっちゃうんですよねえ。
 またせっかくピット前は3位にいたレディックでしたが、隣にいたブラッド ケゼロウスキーが邪魔になってピットをうまく出ることができず、大幅に順位を下げてしまいました。ケゼロウスキー自身が前後関係の問題でボックスの浅い位置に斜め停車になっているので、正直レディックは作業を終える前の段階から出れそうもない角度と位置関係でした。

・・・・(+_+)

 152周目、残り49周でリスタート、スミスは全然勝負にならなくてホースバーはリスタートからうまく抜け出すことに成功し、バイロンも3列目から数周で2位に浮上しました、やはり優勝を争うのはこの2人でしょうか。リスタートから10周ほどするとリーダーのホースバーに対してバイロン、ラーソンが後ろに付きます。ホースバーはさっきのピットで4輪交換はしていましたが給油時間はそこまで長くなかったと思うので最後まで燃料が足りるのか微妙ですが、とりあえず後ろの2人には完全に風よけにされている雰囲気です。バイロンとラーソンも足りるのかと言われると微妙な様子、コーションが出ないと足りないという話をしているような気が。

 残りが30周を切ってくると、リーダーのホースバーは燃料が4周足りない状態という無線、ラーソンも最後まで走るとなると節約走行を20周以上続けなければ足りないという話で、とりあえずトラック ポジションを重視しようと言われています。ラーソンにとって幸いなのは前に2人の風よけがいるからけっこう節約できることで、ここに来るとホースバーもかなり燃料を節約して走っているのでだんだんと4位のギブスも追いついてきました。
 残り20周まで来ると5位のハムリンもこの燃料節約ゲームの参加者となりますが、ここで思わぬ脱落者が発生。残り19周でホースバーが急失速、え?もう燃料切れっすか?と思ったら左後輪がパンクしていました。ペースを落としながら走っていたにもかかわらずタイヤが燃料より先に力尽きてこの争いから脱落、ホースバーはこのレース29位でした。若いドライバーとしてはこういう燃費レースの経験も手に入れなかったところなので、走り切れたかは別にして最後まで戦いたかったですね。

 さあこれでちょっと困ったのがバイロンです、もうちょっと長いことホースバーを風よけに使いたかったのに自分が風よけの当番になってしまいました。さらに残り16周、なんか燃料を持ってそうな雰囲気のハムリンが少し動きを見せて一気に2位まで移動しバイロンの背後へ。バイロンはリフト&コーストに近い状態で走り始めており、燃費レースはいよいよ終盤のサバイバルになってきました。
 ハムリンは抜こうと思えばいつでも抜けそうですがギリギリまでバイロンを風よけにして確実に勝つ構え、待ってる間にうっかりコーションが出たら「ああ、さっさと抜いておけば・・・」となるのでこればっかりはいつ動くのか正解が無いですが、結局は残り6周で仕留めにいきました。バイロンもサイドドラフトをかけて抵抗していますが、なんかこれはさらに燃料を消費して問題を大きくしているような雰囲気。結局1周以上かけてようやくハムリンがしつこいバイロンを振り切ってリードを奪います。
 そのままホワイト フラッグが振られて最終周に入りますが、バイロンはホワイトフラッグを横目に燃料切れでとうとうピットへ、1周分足りませんでした。このレースをリードラップ最後尾の28位で終えたバイロン、まあ優勝してプレイオフ ポイントを稼ぐことに重きを置いた結果だと思うので作戦を責められないでしょう。
 ハムリンは最後はブッシャーが迫ってきたもののきちんと燃料を残しており、1.099秒差を付けてチェッカーを受けました。今季3勝目・通算57勝目。ハムリンはこれで3シーズン連続での年間3勝です。もう1つ勝って4勝すると2020年以来になりますね、ミシガンでも2011年以来となる通算3勝目でした。

 バーンナウトが得意ではない先週のブレイニーとは対照的に、古賀さん曰く「煙の中から車が出てくる上手いバーンナウト」のハムリン、ちゃんと燃料が残っています。いつも通りブーイングしてくるお客さんをちょっと煽り気味ですが、野村さんがG+で実況してたころは確かにここまでブーイングされてなかった気がしますね(笑)

ーチームからは1/4周から1/2周ほど余裕があると聞いていたのに、バイロンと最後まで戦い抜きましたね。そのバトル中、燃料切れを心配した瞬間はありましたか?

「いや、特には。リードを取りたかったんだ。彼が素晴らしい守備をしていたのは明らかだよ。お父さん、ごめんね、あなたのお気に入りのドライバーに勝っちゃったよ。」

ーそれは誰ですか?

「全員だよ(笑)」

ーここ数週間を振り返ってみてください。シャーロットでは燃料が足りなかったせいでレースに負けたと言ってもいいでしょう。お子さんや23XIのこともあります。ここ数週間の中で優勝できたのはどれほど満足感がありますか?

「素晴らしいよ、クリス ゲイルをはじめ、チーム全員が素晴らしい仕事をしてくれた。シーズンを通してずっと速かったんだ。ただ、何らかの理由で優勝できなかっただけさ。長年優勝に迫ってきたミシガンで勝てて嬉しいよ。トヨタ、ヤフー、スポート クリップス、シェイディー レイズ、ジョーダン ブランド、みんなのために勝利を掴むことができました。11番手か12番手くらいからリスタートしてトップまで駆け抜けることができて、本当に嬉しい。」

※シェイディーレイズはサングラスの会社

ーリスタート後、燃料を節約するためにどれくらい自制心が必要でしたか?

「ほぼずっと全力で走っていたよ。先頭に立った瞬間から節約を始めたんだ。彼は何度も「いいぞ」と言ってくれた。みんなを追い抜くには100%の力が必要だと分かっていた。とにかく一人ずつ攻めていったんだ。」

 ハムリンは最後のコーションでピットに入った際に、少し左後輪の交換に手間取って順位を下げていました。その瞬間は「あー!」と思っていましたが、後から振り返るとここで1~2秒余分に給油していたことはレース展開として大きかったのではないかと思います。ハムリンはそんなに燃料を気にせず走っていたということですから、結果とすればトラックポジションを極端に考えるよりも、ちゃんと航続距離を考えてきちんと燃料を入れた方が正解だったレースでした。
 
 2位は「優勝のチャンスはあったけど自分の力が足りなかった」と、速さへの手ごたえと勝てなかった悔しさを語ったブッシャー、3位はギブスで「優勝したかったけど燃料の都合で勝てなかった」とやはり燃料不足で終盤に追い込めませんでした。4位からウォーレス、ラーソン、チャステイン、スミス、カイル、プリース、ケゼロウスキーのトップ10でした。スミスは2輪しか交換しておらず当然給油も最小限だったのに、4輪交換勢と渡り合いつつ7位で凌いでいたので驚かされました。去年の燃費サバイバルナッシュビルでも2位でしたけど、なんか燃料使わず走れるタイプの選手なんでしょうかね?
 ケゼロウスキーに引っかかったレディックは13位、ステージ1での後退から帰って来てスアレスが14位、15位にチェイス、ベルは16位でまたトップ10に入れず。バイロン以外にひっそりと残り5周という早い段階で燃料が切れていたマクダウルは30位でした。

 
 全体としては動きの少ない静かなレースだったと思いますが、結局ステージ1から最後まで45~50周を給油せず走るという常時燃費レースとなりました。燃費レースと言えば、なロガーノが特に目立つことなく22位で普通に遅かったですが、ハムリンのレース巧者ぶりとちょっとした運が光りましたね。
 ホースバーは昨年よりも柔らかくなった左側のタイヤ摩耗に泣き、おそらくギリランドも同じタイヤが原因でスピンしたとみられます。そしてホースバーがパンクしたせいでバイロンは風よけが無くなって燃料不足が絶望的状況に陥りましたので、NASCARとグッドイヤーの思惑はちょっと奇妙な形ではありますがレースに決定的な影響力を与えたと言えます(笑)初心者向け放送を重視するアベマは戦略の考察が重要な燃費レースを見るには明らかに情報不足でしたが、まあとりあえず見ている方が面白いレース展開だったのなら幸いです。

 さあ、次戦はいよいよメキシコのエルマノス ロドリゲス サーキットで開催される海外戦です、物流とか色々大変だ!

コメント

日日不穏日記 さんの投稿…
ハムリンはレース運びの巧みさと、運。観客を煽るなど、今年は逞しさを感じます。今年はチャンピオンを取れるのでは・・・と言う期待感があったり。ハムリンにブーイングが出るようになったきっかけは、エリオットを押し出して口論になった時じゃないでしょうか。ショートトラックのどこだったか忘れましたが。それ以降、あちこちでのトラブルで加速していったような気が。2018年が唯一の未勝利で、マイク・ウィーラーとのコンビが不発だったんでしょうか。ここで一つでも勝っていれば、20年連続勝利だったのに勿体ないなぁ、と。アベマのコメントでハムリンのお子さんがどうかとは言う話が出てますが、メキシコシティのレースは、ライアン・トゥレックスがエントリー。67年ぶりの国外のレースだし、間違いなく欠場ですね。その面でもここで勝ったのは大きいでしょう。ヤフーで勝ったのも、スポンサーに優しいしw。ファイナルラップ前のガス欠ピットは、いつぞやのスチュワート・ハーストレインのタラデガでのハーヴィックを思い出します。カートもファイナルラップでガス欠。アルミローラ、ボウヤーの1-2だった筈。野村さんは落ち着いていましたが、ザイン・スミス?が気になったりします。
SCfromLA さんの投稿…
>日日不穏日記さん

 ハムリンはチェイスとの接触をきっかけにブーイングを受けた後、なんかよく分からんうちに気づいたら全方位からブーイングが来るようになってて、今となってはもう最初のチェイスとの件に関係なくみんなやってるから乗っかってブーイングしてる人が多いんじゃないかとも思いますね。それに対する煽り芸までがもはや1セットで大したものです。
 野村さんは久々でも変わらないトーンの実況でしたけどやっぱり久々なので苗字と名前が合ってない場面はありましたね。ザインスミスはスタッフさんの側で原稿を変えてほしい(笑)
アールグレイ さんの投稿…
ラムのシリーズ復帰は嬉しいですね。
2013年でファクトリーサポートが終わっても、エクスフィニティーのチャレンジャーと同じく、2018年までは一部のチームが使ってたので下位チームの助けになっていた感じがあります。
これでダッジのエクスフィニティーやカップシリーズの復帰にも期待したいです。

燃費レースになるとハムリンのようなベテランの経験が物を言う中、元々燃料が間に合わなかった事やトラブルを差し引いても前戦に続き上位を走っていたホースバーの成長は恐ろしい物です。
バイロンも惜しかったですがプレーオフポイントでカバー出来た部分は良かったです。

ハムリンは家族に最高の報告が出来ますね。
メキシコ戦の欠場はエクスフィニティーでの勝利経験があることを考えるとちょっと残念ですが、国外だと直ぐに立ち会えないと思いますし、免除申請も通ったので得意のポコノ戦からカップ戦に復帰してアレを目指していってほしいです。

米ヤフーはヤフージャパンとロゴが違うのは知っていましたが、法人関係も今は無い事を考えると全然違うサービスだなと感じます。
SCfromLA さんの投稿…
>アールグレイさん

 完全に見落としてましたm(_ _)m 北米ヤフーって会社名としては一時期消滅したぐらいなんですけど、なんやかんやサービスとしてそれなりの規模で続いてて、私も検索をかけるとどこかしらのメディアからの転載記事という形でけっこう引っかかってきますね~。そこを起点に一次情報サイトに行ったりするので意外とお世話になってるかもしれません。
 ハムリンのアレ、私は今年のお客さんに対する煽り方の進化からちょっと昨年までとの違いを感じて期待感は持ってます。まあ毎年そんなことを言い続けて達成できてないんですけど(笑)