Formula 1 Pirelli Grand Prix du Canada 2025
Cuircuit Gilles-Villeneuve 4.361km×70Laps=305.27km
winner:George Russell(Mercedes-AMG Petronas F1 Team/Mercedes F1 W16)
F1世界選手権、第10戦はカナダ。ひと昔前は年間が16戦ほどでしたから2週間連続でレースを開催している方が珍しかったですが、今や年間24戦もあるので連続ではないレースを探す方が難しいような状況。今週のカナダはそんな中で前後の週末がいずれもお休みになっている貴重な単独開催レースです。たぶん今年同じ要件を満たすのってマイアミ、カナダ、アゼルバイジャン、シンガポール、ブラジルの5イベントですね。試しに2005年を見てみたら19戦中7戦が独立したイベントでした、って思ったより少ないな(雑調べ)
昨年のカナダはどんな感じだったかと自分のブログ記事を読んでみたら、ちょうど伯備線撮り鉄旅に出かけていた週末でした。予選でジョージ ラッセルとマックス フェルスタッペンが1分12秒000という完全同タイムになる珍事が発生してラッセルがピレリ ポール ポジションを獲ったものの、決勝は雨になってしまった上にラッセルはタイヤのもちも悪くて苦戦。雨でバタバタのレースを結局フェルスタッペンが制していました。
それと昨年のカナダ前のタイミングでレッド ブルはセルヒオ ペレスとの2年間の契約延長を発表していたんですね。その時に『プロ野球の監督と同じぐらいにこのチームの契約年数はあって無いようなもの』と書いてましたが結果はご存じの通り(。∀゜)第10戦ぐらいで出てくる契約情報を信用してはいけません(笑)
・レース前の話題
2026年の暫定日程が発表され、開幕は3月6日~8日のオーストラリア。そこから中国、日本と経てバーレーン、サウジアラビア、マイアミ、カナダと全くヨーロッパに戻らない流れです。カナダがインディアナポリス500と重なる日程となり、モナコは6月最初の週末へ。9月の第16戦にマドリードが新規開催され、イモラはFIAが求める基準の改修が完了できないという理由で日程から外れました。全24戦に変化は無く最終戦は12月のアブダビです。
次に、ハースは今回がチームとして200戦目のイベント、ということで特別スキームを採用しチーム初年度となる2016年を模したものになりました。普段より灰色と黒の要素が強くなりますが、なんかどっちかというとボーダフォン時代のマクラーレンっぽく見えますね、私だけ?(笑)
なお、前戦スペインを急遽古傷の痛みにより欠場したランス ストロールですが、母国レースですのできちんと参戦しています、よかったよかった。
・練習走行
FP1、序盤でシャルル ルクレールがクラッシュして左前部をけっこう壊してしまい、これでFP2も走ることができませんでした。そんなFP1の最速はフェルスタッペン、FP2はラッセルと去年の予選での主役が初日は上に来ました。土曜日のFP3はランド ノリス、ルクレール、ラッセルのトップ3。マクラーレンは今週末に持ち込んだいくつかのアップデートの1つがフロントのサスペンションで、今年の車との相性があまりよろしくないノリスに向けた装備だともされているようです。現にオスカー ピアストリはお好みではないようで従来仕様で予選に臨んだ模様。
・予選
今週末はまたもやC6~C4のタイヤ設定ですが、C6ソフトの使い勝手が悪いと考える陣営が多かったようで、通常は4~5セット残すソフトをなんと最小で2セットしか持っていないドライバーもいるというかなり珍しい状況で予選が始まりました。
Q1残り6分ほど、アレクサンダー アルボンの車両のエンジン カバーがいきなり吹っ飛ぶ事件発生。これでレッド フラッグとなって中断してしまったので最後のアタックが大混雑です。アルボン自身はチームの素早い対処で新しいカバーを装着、ギリギリ1周の計測ができて無事にQ1を突破しました。
Q3、1回目のアタックでフェルスタッペンは1分11秒248を記録し、ピアストリが僅か0.025秒差の2位。ノリスは最終シケインで完全に失敗して飛び出してしまい、仕方ないので同じタイヤでもう1回計測して約0.4秒遅れ、満足行く保険の記録出すことができませんでした。
そして2回目のアタック、ピアストリが1分11秒120でフェルスタッペンを上回って暫定1位になったものの、ミディアムを投入したフェルスタッペンがこれを0.061秒上回って再逆転。これで勝負は決した、と思ったらなんとその後ろからこれまたミディアムを履いたラッセルが衝撃の1分10秒899で唯一の11秒切り。なぜかメルセデスのピットは無反応のサイレント トリートメントでしたが、昨年に続くカナダでの2年連続ピレリポールです。カナダでは常時上手く走らっせる。
スタート順位はラッセル、フェルスタッペン、ピアストリ、アンドレア キミ アントネッリ、ルイス ハミルトン、フェルナンド アロンソ、ノリス、シャルル ルクレールのトップ8。ノリスは2回目のアタックも失敗してしまいました(っ ◠‿:;...,
なおアイザック ハジャーは予選9位でしたが、Q1でチームからの情報が誤っていたせいでカルロス サインツを妨害してしまい3グリッド降格。また角田 裕毅もFP3でレッドフラッグが出た際に他者の追い越しをしたので10グリッド降格、予選11位からの10グリッド降格で最後尾になるところですが、2人がPU交換の関係でピット レーン スタートなので正式には18番グリッドとなっています。
・決勝
快晴のモントリオール、上位6人はミディアムを選択しましたが全体ではハードとほぼ半々の選択、スタートではメルセデスが2人とも好発進でラッセルは危なげなくリードを守り、アントネッリもピアストリを抜いて3位に上がりました。
アントネッリが早々に2秒以上離れたのでまずは上位2人のサシの勝負、フェルスタッペンのは最初の5周ほどずっとDRSを使ってラッセルを狙っていましたが、さすがに抜けはせずにその後は1.5秒ほど離れました。路面温度が50度を超えておりタイヤの摩耗という点でモントリオールはやや耐久レース的です。
フェルスタッペンが意図的に離れたのかついて行けないのかがまずは関心事でしたが、12周目に彼はタイヤについて「あんまり良くない、脆いわ。」と言っており、アントネッリが真後ろに接近。どうやら苦戦していてラッセルについて行けない、というのが妥当な理由のようで、むしろアントネッリの方が速そう。DRSを使って抜かれそうになったので、抜かれる前にピットに直行しました。これを見てラッセルもアンダーカット回避のため翌周にタイヤを交換、ここから1回目のピット サイクルとなりました。
上位のミディアムスタート勢は16周目までにピットに入ってハードへ交換、これでハードでスタートしたノリスが見た目上の1位、ルクレールが2位という状況。2人ともなかなか良いペースで走れていますが、それでも外からの映像でグレイニングらしき黒い筋が見えているのでハードだから楽だということでも無さそう。こんだけ見事に映像でタイヤの黒い筋が見えるのはけっこう久しぶりかもしれません、わりと『よーく見たらたしかにあるか・・・』ぐらいのやつが多いですね。
26周目、タイヤを換えたラッセルが換えていないルクレールをかわして2位浮上、ルクレールは28周目にピットに入ってハードからハードへ交換しましたが「これを選んだ理由が分からへん。」「何でピット入ったんや。」と愚痴をこぼします。いつものことと言えばいつものことなんですけど、ピット前もプランBにするのかCにするのか無線でやり取りしており、ルクレールはC希望でしたが、結局チームはBを採用。意見が未だに合わずに納得いかないまま走っているようです。余計なことに気を取られてまた事故らないでね。
ルクレールが動いたので翌周にノリスもピットに入ってこちらはハードからミディアムへ。これで別戦略の人も一旦順位整理されて順位はラッセル、フェルスタッペン、アントネッリ、ピアストリ、ノリスのトップ5になりました、結局上位4人は1周目から何も動いてませんね。ただこの第2スティントでもメルセデスの2人はフェルスタッペンよりロング ランで強み。結局ここもフェルスタッペンはアントネッリが1秒差になった37周目に先にピットに飛び込む策を選びました、序盤と同じ話の繰り返しです。ここから2回目のピットサイクルになりましたが、やっぱり順位変動は無し。
ここから先はフェルスタッペン、アントネッリ、ピアストリによる2位〜4位、にそのうち作戦違いでタイヤの新しいノリスが追いついてくるであろう争い。アントネッリとすると史上年少3番目となる初表彰台がかかっているのでピアストリには抜かれたくないですが、仮に抜かれてもフェルスタッペンを抜いたら3位に入れます。フェルスタッペンからすると劣勢ですが先にアントネッリとピアストリが争ってくれたらその間に逃げられるかもしれません。これはなかなか興味深いぞ。
周回遅れが挟まったので各者の間隔は縮まったり広がったりしていましたが、残り10周でノリスがピアストリを捕まえてまずは4位での争いが始まりました。こうなるとピアストリもDRSがほしいので一生懸命アントネッリを追いかけて1秒以内に入りました。さあもうこれで抜けないぞ。
ところが66周目、抜けない展開で一瞬の隙をつくようにノリスはターン10のヘアピンでピアストリの内側に飛び込みました。ラインが交差して並走しながらそのままバックストレートへ。ノリスは外を走っていたので前を走るアントネッリのスリップストリームが効いてちょっと最高速が伸びてはいましたが、やはり内側を固めるピアストリに対して無理はできないのでノリスが引きました。
ただしピアストリは防御のためにブレーキ位置を奥にしたので最終コーナーの脱出が遅く、これを使ってノリスはもう一度ターン1に向けて勝負を仕掛ける、はずでした。
画面の前で「ぅぁあああああ!」みたいな声が出てしまいましたが、まさかの追突事故。状況判断を誤ったらしいノリスが自分からピアストリに当たりに行ってしまい、ピアストリとピットの壁に立て続けに当たったノリス車は中破。これでSC導入となり、残り周回数が少ないのでそのままレースはSC状態でのチェッカーとなりました。ラッセルが今季初、通算4勝目。メルセデスにとってはカナダでの5度目の優勝ですが、過去4回は全てハミルトンによるものでハミルトン以外のメルセデス選手による初勝利でした。
またカナダがSC状態で終了するのは1999年、2014年に次ぐ3度目の出来事だそうです。2014年といえばダニエル リカードが初優勝、ニコ ロズベルグはMGU-Kが壊れたせいでリカードには抜かれたけど、なんとかペレスをDRS検知点で1秒以内に入れずに走って2位を死守したレースでしたね。リカードは後年モナコでMGU-Kが壊れたまま優勝するわけで妙な縁があります。
2位はフェルスタッペン、3位はアントネッリで18歳294日という史上3番目の年少表彰台記録を作りました。最年少はフェルスタッペンで2番目はストロールです。またイタリア人選手の表彰台は2009年のヤルノ トゥルーリ以来16年ぶりでした。ピアストリは接触でパンクした可能性がありましたが幸い5位と大きな差が合ったので順位を下げずにタイヤだけ交換し4位のままチェッカー、被害は最小限でした。
![]() |
| ゲーム・パンチアウトのモノマネ(大嘘) |
5位は結局ずっとエンジニアと揉めていたっぽいルクレール、本人は1ストップが良いと確信していてチーム側はそう思っていないので話が平行線でしたが、結局のところFP1で車を壊し、予選でもQ3最後のアタックで失敗したことがそもそものきっかけなので素直に自分が原因だと認めたようです。ハミルトンは6位でしたがこっちもレース中にフロアを縁石かどこかで壊したようで、ダウンフォースが出ないのでどうしようもなかった模様。7位アロンソ、そして8位には今週もまた出ましたニコ ヒュルケンベルグ。9位にハースのエステバン オコン、10位はサインツでした。角田は12位、ストロールは17位でした。
・マクラーレンの悲劇ふたたび・・・
まあF1を見てる人は100人中150人がいつかはこうなると思っていたでしょうが、チームメイト同士でぶつかりました。ノリスにとって分が悪いのは、もうどっちもどっち、お互い様の状態だったり、あるいは言葉は悪いですが、とりあえず1回は相手が事故って自分が得をした状況になるのでもなく、単純に自分の失敗で自分が突っ込んで自分だけ大損してしまったこと。接触があった以上はチームとして今後は何か明確な指示を出していくしかなく、ノリスは完全敗北という感じです。
なぜ当たってしまったのかを想像すると、カナダは最終コーナーも1コーナーも左コーナーだけど、ホームストレート終盤に僅かに右に曲がっている構造なのでずっと右端を走る設計ではない、というのは影響したと思います。ターン1で直線的にブレーキを踏もうと思うと一旦ストレートでは左に寄って緩い右をアウト イン インの形で入りたいので、レコード ラインを走っていても自然と直線を斜めに走る形になります。
このコースではこの緩い右キンクの前後での接触が過去にも散見され、さらに言えば直線がちょっと曲がっている場所ならモナコなど他の場所でもたまにある接触のパターンだったと思います。レコードラインを走る先行者がゆーっくりと壁に向かって斜向するのに対して、抜きたい側が同じ方向に動いて行き場が無くなって挟まる、当たる。素人が見てると「広い右側に行けばよかったのに・・・」と思ってしまいますが、手前のコーナーを出た後、自分の車両の前端が相手の車両の後端に届く直前の閃きで間違って行き場の無い側に舵を切ることはたまにあります、これが真っ直ぐ走る直線ならなかなか当たらないんですが、こういう構造だと壁が近すぎてそのまま突っ込んでしまいます、グランツーリスモでもたまにやります。
「あ、違った右だ。」と思った時に既に真後ろに接近していれば、今から進路変更しても真後ろに追突します、ということは進路変更=抜くのを諦めることになるので、冷静にそれができれば良いんですが争って熱くなっているとスロットルを自分から戻すなんて考えがどこかへ行ってしまうので当たってしまうんですね。相手が良心的だったり360度の視野を持っていたりすると急いで場所を開けてくれる場合もありますが、直線の幅寄せでも何でもないので開けてあげる義務は無く、今回ピアストリは見えていなかったのか引いてくれると思ったのか詳細は不明ですが、ノリスの入る場所はありませんでした。
ノリスにとって唯一の救いだったのは、事故直後に無線ですぐ全面的に自分の責任だと言えたことだったと思います。あそこで「オスカー××××!!!!!」なんて言ってたらチームは誰も味方になってくれなかったかもしれません。今回の位置関係や接近する際の速度差を見ると、なぜ左から行ってターン1で内側を取ろうと考えたのかは正直不思議で、たぶん彼自身が事故直後に自分でも謎選択だったと思ったから謝罪の言葉が出たのかなと思いますが、雰囲気からするとかつてロズベルグがハミルトン打倒に固執しすぎて失敗していたのが頭に浮かんできました。
予選の失敗をきっかけにした焦りが焦りを呼んでいる感じで、せっかく作ってもらったサスペンション壊しちゃいましたし、まあちょうど来週はレース無くて良かったなと他人事ながら思います。仕事でも些細な失敗が頭に引っかかって気づいたらもう別の失敗して酷く後悔することありますよね・・・
一方ラッセルは完勝と言うべき内容でした。アントネッリも速かったですしメルセデスがこの週末最速だったと言えそうです。ここの車はツボにはまったレースが速いと思ったら次の開催地に行くとグダグダだったりするので、アップデートの効果が局地的なのか全体的なのか数戦経過しないと分かりにくいんですが、路面温度が高い条件で良いペースで走り続けられたという点ではちょっと今までと違う手ごたえがあるかもしれません。次戦はオーストリア、ここもストップ&ゴーで暑くなることも多いので同じような勢力図になるのか、メルセデスを応援する方は楽しみでしょうかね。
.png)
.png)
.png)
.png)
.png)
.png)
.png)
.png)
.png)
.png)
.png)
コメント