NASCAR 第13戦 シャーロット

NASCAR Cup Series
Coca-Cola 600
Charlotte Motor Speedway 1.5miles×400Laps(100/100/100/100)=600miles
winner:Ross Chastain(Trackhouse Racing/Jockey × Folds of Honor Chevrolet Camaro ZL1)

 NASCARはオールスターが終わって再び選手権レースへ、第13戦はメモリアル デイ(戦没者追悼記念日)の週末恒例、シーズン最長距離のシャーロット600。1985年からずっとコカコーラがスポンサーを担当し続けているので、デイトナ 500などと同じように『コカコーラ600』が通称として通っています。レースがステージ制となってからは唯一の4ステージ制が採用されており100周×4ステージという分かりやすい設計。何も起きなければステージを均等割りしてそれぞれを1ピットで走ることになります。
 シャーロット モーター スピードウェイは1周1.5マイルのクワッド オーバル、ターンのバンク角は24度で非常に高速、道幅がちょっと狭いので見た目のスピード感だとなおさらです。開場は1960年、NASCARがインディー500に対抗するレースを同じ週末に開こうとしたことがきっかけで誕生し、1960年に開催された最初のレースから距離は600マイルでした。ただこのレースは工事の遅れで5月に間に合わず6月に開催されています。
 インディー500はこの当時決勝レースを日曜日に開催していなかったためドライバーはその気になれば両方を掛け持ちすることが可能でしたが、1974年にインディー500も日曜日の開催になったので開催時刻が重複して掛け持ちは不可能になりました。ところがコカコーラ600はシャーロットに夜間照明が整備されて、クソ暑い昼間を避けて夕方から夜に向けてのレースへと繰り下げられたことで同日でありながら同時出場の道が僅かに開かれ、1994年以降に稀に両方のレースに出場するドライバーが登場、『ダブル デューティー』と呼ばれます。
 それでも移動時間がかなりギリギリなので、インディー500が長引いたり天候が悪かったりすると移動できずに片方を諦めることとなります。もちろんどちらか片方だけでもきちんとリードラップで完走するには高い競争力が必要なので簡単ではなく、ダブルデューティーに挑戦した上で両レースとも全周回を走破して1100マイルを走り切ったのは2001年のトニー スチュワートのみ。今年はここに、昨年に続いてラーソンが2年連続で挑戦します。昨年は天気が悪くてインディー500の開始が遅れ、そのせいでコカコーラ600の開始に間に合わずオールガイアーに代走を頼み、ようやくシャーロットにたどり着いたと思ったら雨でレースが終了して本職のNASCARを1周もできませんでした。今年はきちんと両方走れるでしょうか。

・簡単なデータ

 コカコーラ600は直近の8回が全て異なる優勝者となっており、現役で複数回の優勝経験があるのは今回スポット参戦しているジミー ジョンソンのみ。以前開催されていた秋の500マイルを含めてもシャーロットで複数回勝っている現役がジョンソンとケゼロウスキーの2人しかおらず、標準的な1.5マイルだけに実力が接近している時代にはなかなか飛びぬけた成績を残せる選手はいなさそうです。
 Gen7で開催されたレースは3回だけ、かつ昨年は途中終了ですが、ここだけを切り出すと優勝経験者は2022年からハムリン、ブレイニー、ベルの3人。最も平均順位が高いのはレディックの5.0で、3戦全てトップ10フィニッシュしている唯一のドライバーです。しかし今シーズンはここまでヘンドリック モータースポーツとラーソンが圧倒的、ラーソンは個人として全周回のうち24.5%をリードしており、2015年のケビン ハービック以来となる高い数字を記録。ヘンドリックのチームとしても41.6%をリードしています。ラーソンはダブルデューティーで100%の力を出すのはさすがに難しい気もしますが、キャリアで最も好調といえる最高の状態で今回の挑戦を迎えたと言えますね。
 また、昨年は途中で終わったのでコーションは7回だけでしたが、2022年は18回、一昨年も16回コーションが出ています。今回グッドイヤーは左側のタイヤだけ3月のテスト結果に基づいて新しい種類のタイヤを持ち込んでおり、これを上手く使う必要があるでしょう。データが少ない中で内圧を攻めすぎるとバースト祭りになります。

・レース前の話題

 2018年のコカコーラ600勝者・カイル ブッシュ、リチャード チルドレス レーシングと1年の契約延長で合意したと発表されました。来年41歳となるカイルですが、チャンピオンを獲った2019年の最終戦後、ケゼロウスキーが作ったデロリアンで未来に行ってホームステッドで最終戦が開催される世界を見て帰って来たので、来年までは現役を続けていないとタイム パラドックスが起こりますからね(え)
 
 また、バイロンもヘンドリックモータースポーツとさらに4年間の契約延長で合意したと発表しました。2016年8月にヘンドリックと契約、2018年からカップシリーズにフル参戦していますが、これで12年間にわたってヘンドリックからカップに参戦し続けることが確定しました。なお4年経ってもバイロンはまだ31歳です。
 
 最後に、トム クルーズがNASCARを題材にした映画『デイズ オブ サンダー』の続編について仄めかす発言をしたようです。これまでにもそうした話題は出ていたようですが、最近新作映画『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』の宣伝のためにあちこちメディア露出が増える中で、より具体的に言及しました。といっても「取り組んでいる」と言っているに過ぎないので、取り組んだってできないことはあるでしょうけどね。トムクルーズはもうすぐ63歳ですか。

・ARCA Menards Series General Tire 150

 ARCAシリーズはレース中盤に先頭に立った24歳のオースティン グリーンがクリーン エアーを受けてそのまま逃げ切り、5年ぶり2度目のARCAシリーズ出場で初勝利を挙げました。2位はトラックシリーズのベテラン・グラント エンフィンガーが入りましたが、これは本来のドライバーであるジェイソン キッツミラーが娘さんの卒業式に出席するためレースを欠場する代役だったそうです。キッツミラー51歳、エンフィンガー40歳。

・Craftsman Truck Series North Carolina Education Lottery 200

 トラックシリーズは今週もハイムが速すぎ。ステージ間コーションのピット作業で順位を下げる場面はあったものの他を寄せ付けず、134周中98周をリードして3ステージ制覇で今季4勝目・通算15勝目を挙げました。2位はチャステイン、3位はこれが自己最上位となったケイデン ハニーカット、4位リッグス、5位にカイル、6位は昼間のARCAに続いて立て続けでレースに出ていたエンフィンガーでした。


・Xfinity Series BETMGM 300

 契約延長でスッキリしたバイロンがエクスフィニティーにも出場、ステージ1・2を連勝して強さを見せますが、あまりに速すぎてステージ間コーションで速度違反。以降のレースはジャスティン オールガイアーが優勢に進めましたが、179周目に発生したコーションでステイアウトしたオールガイアーに対してバイロンはタイヤを交換。この後さらに3回のコーションが出てオーバータイムとなったことがバイロンに有利となりオールガイアーを仕留めました。バイロンはエクスフィニティーにフル参戦していた2017年以来となる通算5勝目でした。

・カップシリーズ
 予選

 ブッシュ ライト ポール賞はブリスコーが獲得しました、今季初で通算4回目です。2位は0.02秒差でラーソンでした。バイロン、ブッシャー、A.J.アルメンディンガー、ネメチェック、ギブス、グレッグソン、ボウマン、ベルのトップ10。レディックは12位、通算700戦目の出場となるジョンソンは17位でした。練習走行で最速だったホースバーは予選でスピンして39位、チャステインは練習走行で平均タイムが速かったものの、タイヤがパンクしてクラッシュし予選不出走で最下位でした。

・ラーソン無事到着

 インディー500は予定通り開始、ラーソンは18位あたりを走っていた92周目にクラッシュしてリタイアとなり、不本意ながらスタート前のドライバー イントロダクションに余裕を持って間に合いました。これで降格ペナルティーを受けることなく予選順位通りに2位からスタートします。なおインディー500は過去4年で3度のチャンピオンを獲得している現役最強選手・アレックス パロウが6度目のインディー500出場で悲願の初優勝を果たしました。これがパロウにとってのオーバル初優勝でもありました。

・ステージ1

 YouTube公式動画が来ないので今回はAbemaでGO、おそらく放映権が今週からプライムビデオになったので、競合する配信サービスをNASCAR側で行うことができない契約なんだと思いますが、アマプラのNASCARって日本からは見れるんですかね?見れないのなら地域分けして競合しない場所は除外してもらいたいんですけど。まあそんなボヤキもこぼしつつスタート直後の争いを制したのはバイロン。ただとりあえず速いのはラーソンらしく、9周目にバイロンをかわしてリーダーに。チームメイト同士なのでそんなに無理せずやってる感じですね。
 インディーのうっ憤を晴らす快走が期待されるラーソン、当面の1位は安泰かと思ったらターン3でまともに滑って壁にぶつけており、ちょっと気になっていたら42周目のターン4でなんと単独スピン。さっきぶつけてアライメントが狂っている様子で、スピンではどこにもぶつけなかったのが幸いですがこの後コーションのたびに少しずつ修理作業を繰り返すことになります。インディーカーの感覚で踏みすぎた、わけではないと思いたいですが・・・


 既にこのコーション直前からピットサイクルが始まっていたので動いた人はちょっと損、ラーソンが抜けてリーダーとなっていたバイロンがピットを先頭で出ました。ポールシッターだったブリスコーはピット前の時点で4位まで落ちていましたが、クルーがとっ散らかってペナルティー。さらに50周目にリスタートしようとしたらジョッシュ ビリッキーの右後輪が脱輪してリスタートが延期されました。52周目に出直しリスタートしてそのままバイロンがリード。解像度の問題で空撮映像だと全然誰が誰なのか判別が付かないぜ!(笑)

 その後は無風でステージ1も終盤となりますが、カイルは無線で無茶苦茶タイトで間違った方向に進んでいると叫び、一方でブッシャーなどフラッフラになって酷いルースの人もいるのでタイヤとしてはけっこう厳しい模様。そんな中ステージ残り4周、ターン4出口で9位を走っていたボウマンがふらついてぶつけてしまいスピン。ボウマンもむっちゃくちゃルースだと言っていたようで堪えられませんでした。コーション発生でそのままステージ終了になりバイロンがステージ1の勝者、レディック、ベル、ネメチェック、アルメンディンガーのトップ5。ブッシャー、ハムリン、グレッグソン、チェイス、マクダウルが続きました。まあでも400周のうちの100周ですからまだまだ準備体操ですね。

・ステージ2


 引き続きバイロンのリードで始まったステージ2、112周目にジョンソンがこれまたターン4の壁に接触し、後ろにいたコール カスターとコナー ジリッチも巻き添え。「新人みたいなミスをした」というジョンソンはリタイアで40位となりました。続く118周目のリスタートでもバイロンはリードをがっちり守りますが、レディックは前に出てクリーン エアーが欲しそうな雰囲気。ただロング ランで走っているとタイヤが落ちて来たのかバイロンに差を広げられてしまい、147周目にはハムリンに抜かれて3位後退、ガクンとペースが落ちました。うーん、アベマの放送の音声がちょっと具合悪いぞ。

 148周目あたりからピットサイクルとなりバイロンはここも問題なし。むしろレディックとハムリンは燃料をたっぷりと入れたので給油待ちが発生し、結果ピット前よりもさらにバイロンとの差が広がりました。大きな差を維持したままバイロンはステージ2も制します。ハムリン、レディック、ホースバー、ネメチェック、アルメンディンガー、チャステイン、ジョーンズ、グレッグソン、チェイスのトップ10でした。スイカ男がここまで上がってきた( ゚Д゚)
 手負いのラーソンはちょうど周回遅れの1位を維持できていたので、バイロンは点数を稼ぎつつチームメイトもフリー パスで拾ってあげる完璧なステージ、またカイルはステージ終了目前にスピンして芝の上を滑走しながら24位でグリーン チェッカーを受けました。

・ステージ3



 ここで戦没者の方々に対する黙とうのために全車ピットに整列して一時停止。黙とうを終えて一旦ピットを出てから改めてピットが開きます、黙とう中のピットでついでの作業したら当然ながらピット閉鎖中の作業となってペナルティーですが、レースの罰則よりも世論からの罰則がすごいことになるでしょう。もちろんそんな人はいないので正規のピット作業を経て上位勢の顔ぶれは変わらず209周目にリスタート、バイロンはほとんど毎回同じ形で1周で争いに決着を付けてリードを守ります。あ、音声のプツプツ途切れる不具合直ったな。
 バイロンとハムリンは僅差での争いを続けており、バイロンは時々ターン4でふらついてるのでさっきまでより少しバランスが悪そうな様子。ただハムリンも後ろを走ってタイヤを使わされているのでこの先どうなるのかが注目でしたが、237周目にゼイン スミスがクラッシュしてコーション発生。これでリードラップの全員が一斉ピット。トップ2の順位も変わらずここから仕切り直しとなります。

 244周目にリスタートしますが、翌周のターン4を出たところで多重事故が発生。3ワイドの争いで接触が起きてスアレスとブレイニーがクラッシュし、流れてきたスアレスがラーソンの右後部にクリーンヒット、せっかく修理したラーソンの車はさらに酷く壊れて今度はガレージ送り。さすがにラーソンはもう走るのを諦めてこれでリタイア、37位でした。1100マイル制覇を目指すはずが結果として両レース併せて走行距離が594マイルとコカコーラ1戦分にもちょっと届きませんでした。

 252周目にリスタート、バイロンはここのリスタートも同じパターンで制しますが、10周後にハムリンがとうとうバイロンをかわしました。完全に陽が沈んで路面温度が下がったところでちょっとバイロンのバランスが良くないのか、コーションが出ない前提だとこのタイヤで50周ほど走るのでタイヤを気にして必要以上に無理していないのか、現地の情報が一切入って来ないとこのあたりの雰囲気がなかなか掴みにくいです。
 ステージ残り25周あたりからバイロンはハムリンとの差を詰めてややタイヤの状態で勝っている雰囲気、ここから差が広がったり縮まったりしていましたが、ステージ残り10周でバイロンが逆転。ところがまだ争いは終わらず5周後にハムリン反撃、ホースバーもこれに乗じて2人まとめて抜こうというような動きで非常に見応えのある争いになりましたが、結果的に元の順位で収まりました。ステージ2までと比べると辛勝でしたがバイロンがステージ3まで制覇、ハムリン、ホースバー、レディック、チャステイン、AJ、ベル、チェイス、ブリスコー、プリースのトップ10でした。ここまでだいたい1ステージ1時間でわりと円滑に進んでいます。

・ファイナル ステージ

 このステージ間コーションはバイロン陣営が2缶給油で少し待った一方でハムリンは1缶のみの迅速作業、ホースバー陣営も2缶ながら給油は待たない作戦で早かったのでバイロンは3位に後退、1列目からリスタートできなくなります。308周目にリスタートしますが、ここでまさかの展開。ホースバーの車がターン1に入った直後にいきなりエンジンが壊れたようで白煙を出して急失速。後ろの人が一生懸命逃げましたが残念ながら後方で接触事故に発展、ブッシャーが巻き添えになりました。記憶に残るけど記録に残らない男ホースバー、ここでリタイア。ちょうどこの頃にカイルミヤタラーソンさんはもう私服に着替えてリュックを背負ってご帰宅です、お疲れさまでした‼凄いレースでした!また遊びましょう!

 314周目にリスタート、ホースバーの脱落で1列目からリスタートできたバイロンは翌周にハムリンをかわしてリードを取り返しました。ハムリンは一旦レディックにも抜かれましたが数周で抜き返しており、内圧の低いタイヤをあんまりこじらせないように気を付けている印象です。その甲斐あってか326周目にはハムリンがバイロンをかわしますが、ステージ3の流れを考えるとクリーンエアーを受けて楽に走れるとも限らない印象です。たださっきの走りでペース配分とタイヤの使い方が分かったのでより良い走りができるはず。
 とか言ってるそばから333周目、ハムリンが周回遅れに追いついた際の一瞬の隙を衝いてバイロンがまた抜き返しました。できれば前を走って相手をアンダーカット圏外まで追い出した状態でピットサイクルに入りたい、というのはお互いの認識だと思いますが残念ながら前に出ても全然相手を引き離すことができません。
 結局そのまま347周目あたりからピットサイクルとなり、バイロンとハムリンは同時に348周目にピットへ。ピットでもこの2人は接戦で僅差のままピットを出て行きました、ハムリンはちょっと停止位置を行きすぎたぶんだけ時間を僅かに余分に使ったかもしれないな、という印象です。コーション待ち作戦の人も何人かいたものの、ピット後の実質的な順位はバイロン、ハムリン、チャステイン、ブリスコー、アルメンディンガー。レディックはピットの速度違反で消えました^^;

 ところが残り30周を切るとハムリンのピット作業で給油がちゃんと予定通りの量で行えていなかったのではないか、という話に現地放送がなっている模様、アベマ放送席もそれを見ている視聴者もやや置き去り。実際ハムリンはややペースが落ちて残り25周でチャステインにかわされて3位に後退し、結果的に残り12周で給油のために再度ピットに入りました、全然足らへんやん(´・ω・`)
 一方で前が開けたスイカ男がそのままバイロンに接近、タイヤはチャステインの方が2周だけ新しいものです。残り20周で1秒差となってさらに差を詰めて行き、バイロンにとっては運悪く周回遅れも山盛りです。おかげでチャステインは残り16周でもうバイロンの背後に到達、お互いにラインを探りながらの争いです。向こうではよくキャット&マウス ゲームという表現が用いられますが和訳するといたちごっこだそうで。
 しかしこのキャットアンドマウスゲーム、さしづめ横から馬とハムスターが割り込むようにして残り7周で決着が付きました。バイロンは前方にいた周回遅れ・ロガーノの後方乱気流を食らってスロットルをかなり戻してしまいチャステインが急接近。さらに、バイロンの内側にはさっき再給油のついでにタイヤも換えたので速いハムリンがいたため、チャステインをブロックしようにも内側にすぐに下りることができませんでした。この大チャンスをチャステインは逃さずターン1で内側に飛び込むと、ちょっと勢いがありすぎてスライド ジョブを決めるような形となり、ターン2出口でバイロンは引くしかありませんでした。

 これで前に出たチャステイン、そのまま逃げ切って最下位スタートからまさかのコカコーラ600初制覇。今季初、通算6勝目を挙げました。NASCARによると『正式なスタート順位が最下位』のドライバーが優勝するのは1969年第43戦・リッチモンド フェアグラウンド スピードウェイで25人中25位スタートから優勝したボビー アリソン以来で、1972年以降の近代NASCARでは初としています。NASCARではエンジン交換や予選後の車検不通過などで後方からスタートすることがありますが、こうした事例では記録上のスタート順位は予選通過順位、後方からのスタートはレースでのペナルティーという扱いになっているので『正式なスタート順位』という表現が用いられています。

スイカスマーーーーッシュ!!!

 チャステインは練習走行で車を壊してしまい、チームが必死になって車両をくみ上げたことについて感謝を語りました。

「昨晩ショップを出た後、初めてこの車に乗ったんだ。10時頃に出たんだけど、彼らは2時半まで作業して、今朝は5時半に帰ってきた。たいていは30分か45分かけて車で帰るだろうから、ちょっとシャワーを浴びたくらいかな。寝たかどうかも分からない。5時半に帰ってきてこの車を準備したんだ。トラックハウスの献身的な仕事ぶりはすごいよ。土曜日が休みの人も来てくれたんだ。」
「ワールド600の最後のランで、一晩中ずっと調子が良かった2台を追い抜くことができた。フィル サージェンは2周早くピットに入るように言ってたんだ。少し混乱したせいで、2周長く走ってしまった。でもそれが最終的に功を奏した。グッドイヤー イーグルは少しだけフレッシュだったおかげで、より長く持ちこたえてくれたんだ。」

 バックアップ車両で走ったチャステイン、本当は壊した車を修理するだけの予定だったと舞台裏を明かします。ちなみにワールド600というのはこのイベントの初期の名称です。

「どうやってそれをやったかというと、チームがもう一台作ってくれたんだ。1時間半くらいはプライマリーを修理しないといけないと思っていた。それでよかったんだ。ところがNASCARから『ダメだ、何かが曲がっている。それも大きすぎるから、もう一台作ってくれ』と言われて、それでやり直したんだ。そしてやり遂げた、ワールド600で勝ったんだ!!」
「今夜のフィールドでの走り方はとにかくその場に留まっていた。他の車を追い抜く時もそんなに喜ばなかったし、最初のグリーン フラッグ サイクルで間違った側になった(コーション前にピットに入って損をしていた)時もそんなに悲観的ではなかった。
エンザ ザーデン フロリダのスイカを食べることを目標にして、これはフロリダから届いたばかりの新鮮なものだ。今週家族の農場から届いたばかり、というか先週だったと思う。フロリダのスイカ業界にとって、今がまさにそのスイカの季節なんだから、お祝いにスイカを買って帰った方がいいよ。スイカを潰す動画がSNSに溢れるのを見たい、見てみたいね。フロリダのスイカは旬だけど、一晩中彼らがそこにいてチームが車を作り上げてくれたから追い抜くことができたんだ。

 283周をリードしながらも2位となったバイロンは「彼に追いつかれ、僕はただ守ろうとしていたけど少しタイトになってしまった、残念だ。あれだけ多くの周回をリードしチーム全員が素晴らしい努力をしてくれたのに、最後の走りはもっと予測できたはずだ。本当に残念だ。」と落胆。3位はポールからペナルティーでの転落からまた戻ってきたブリスコー、4位は終始好調だったアルメンディンガー、そして5位は35位スタートで今季まだトップ10フィニッシュが無かったケゼロウスキーでした、いつの間に( ゚Д゚)
 チェイス、マクダウル、ベル、プリース、グレッグソンのトップ10。ステンハウス、ベリー、エリック ジョーンズ、ギスバーゲン、カイルと続きハムリンは16位。17位のロガーノまでがリードラップでした。プリースはこのところなかなか上手く戦えている印象ですね。一方で序盤に活躍していたネメチェックはダーティー エアーに苦しんでステージ3以降極端に落ちて行って2周遅れの27位、レディックもタイヤが30周ぐらいしかもたない様子で最後にはペナルティーは食らうわルースになってクラッシュ寸前になるわでもうガタガタ、26位で終えています。


 大きな波乱こそラーソンのスピンぐらいで4時間25分という比較的短時間での決着でしたが、終盤の逆転劇は路面条件が変化していく600マイルならでは、しかも最後尾スタートのドライバーが390周かけて追い上げてきて1位に上りつめるというのは長距離耐久ならではでした。チャステインが記録したラップ リードは最後の6周と、グリーンフラッグサイクルでの2周の合計8周。思い返せばNASCARにステージ制ができたきっかけ、2016年のコカコーラ600ではマーティン トゥルーエックス ジュニアが392周をリードして完勝しましたが、チャステインはいわば逆数といえるたった8周のリードで勝ったわけです。
 ひょっとするとチャステインにとっては開催地がシャーロットだったことは助けになったかもしれません。彼の話から推察するに、本当は壊した車を修理で対応するはずが別の車両が必要になり、それからショップで車を組み立てたということだと思います。シャーロット以外ならチームが現場に持ち込んだ予備の車両を仕上げることになると思いますが、いくらセッティングを同じにしようとしても現場の道具だけでは完璧な精度を出すことは難しくてどうしても違いが出てしまいます。ショップで組むと精密な測定機材があると思うので、従業員の皆さんは大変だったでしょうが車としては練習走行で速かった車をほぼ再現して決勝に持ち込むことができたのではないか、と思いました。まさにチームでの勝利ですね。

 エンジンが壊れたのは残念でしたがホースバーが優勝争いに加わりましたし、上位の顔ぶれには常連の有力どころだけでなく若手選手や中堅チームも入っており、1.5マイルでの競争力を多くのチームが持っている、ちょっとした波乱を加えれば多くの陣営にチャンスがある印象を受けました。今はGen7導入4年目でさすがに優勝者乱立時代から強豪の安定時代に移りつつある状況ですが、最近の内容を見ていると初勝利の選手がまたポコポコ生まれるのもそう遠くはないのかなと期待したくなりました。

 そして今回は初めてアベマで全編を視聴してみましたが、現地のスポンサーやコマーシャルの事情なんかが雑談で分かるところは面白い一方で、ピットからの情報が全く入って来ないので特にこの長距離戦ではドライバー・チームの考えていることが把握できなくて現地放送に慣れた人間には内容不足でした。おそらくアマゾンプライムが放映権を持っている期間は公式フル動画は来ないと思われるのでとりあえずこの先もアベマ観戦になりますが、見てるとなんか放送席に入って実況解説の手助けしたくなってしまいます(笑)次戦はナッシュビルです!

コメント

日日不穏日記 さんの投稿…
火曜日から、非公式の動画(6時間48分)を観ていて、プレーレースから全部観ていて、シャーロットを削除(4万アクセス程度)、現在は全て非表示になっています。公式のアーカイブも出てこないので、プライムが放映権を得た時点の危惧が現実になりました。アベマが無料放送をしていて助かりました。まぁ、有料でも契約したでしょうが。増田さんは、スポンサー関係はしっかりフォローしていましたが、公式のアーカイブでしか得られない情報はなく、物足りなく感じました。コメント欄は面白く、ハーフウェイでの黙祷で、スープラがペースカーをしていたことに、メモリアルデー・ウィークエンドのレースで大丈夫か?と言う書き込みに、TRDだから大丈夫と返し、ボケなのか分かりませんが、「TDRって、東京ディズニーランド?」と書き込みがあり、レース終盤には、「トイレ行きたい」に対して「行くな、垂れ流しだ」「お洗濯すれば大丈夫」。チャステインの勝利には🍉のマークが。そこはリアタイ?の面白さとは思いました。でも、公式のフルレースリプレイが良いなと。アベマでは、周回数が小さくて見えないので、百均で虫眼鏡を買いましたw。チャステインの優勝は目出たいですが、ハムリンの脱落でAJの4位とケセロウスキーの5位に歓喜しました。プライムの間は、アベマに頼るしかないかな・・・と思った次第です。あと、ジュニア、レターテ、キム・クーン、ベインとNBCのメンバーを引き抜いてますね。あとプライムの現地映像はタイヤチェンジは大きく表示されていますが、ポジションの上下は凄く観づらいですね。
SCfromLA さんの投稿…
>日日不穏日記さん

 レース見ながらチャットでああだこうだ言ってるのもけっこう楽しいんですよね、一時期DTMを公式YouTubeのライブ配信で見ていた時にそんな感じで楽しんでました。あれスプリントレースだし参加者多いのでコメントの流れがむちゃくちゃ早くて英語で参加するの大変でしたけど(笑)
 GAORAからG+に変わった時にも当時お世話になっていた(私は見る専)NASCAR掲示板で話題になってたんですけど、日本語で繋ぐだけだと情報不足なので、そこは録画放送でもライブのような体裁で「現地情報によりますと~」みたいな形で時々ピットの話を上げて欲しいというのがありましたね。実際、段々放送に慣れてきたらそういう形になってかなり充実していましたから、低予算のアベマではどこまでできるのかは素人では分かりませんけど改善点だろうなと思いました。ちょっと「バッドブラッド」言いすぎなんですよね(笑)
まっさ さんのコメント…
キャ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
勝ったァァ( ゚∀゚)ウォーァー!!!!!
🍉スイカァ(「🍉・ω・)「🍉
服部さーーーん やりました(>︿<。)
テールtoウィン 達成!!!!!
最終ステージ じわじわ追い上げてたけど、憎い11がラップダウンなのに仕掛ける気満々でドッキドキ...。
上手く利用してトップに立ったらそのまま外にズルズルっと...。もう心臓持ちませんw。4が引退となっても敵が多いですなぁ。 後はフェニックスでロガーノ倒してチャンピオンになれば完璧...。でも何かすんなり行く気がしないのがスイカ男なんだよなぁ....。
SCfromLA さんの投稿…
>まっささん

 おめでとうございます!!!🍉🍉🍉
バイロンを抜いた後に外へせり上がっていった時は私も「あ、やらかした」と一瞬クラッシュを覚悟しました(笑)トラックハウスはこのところ話題性でややスパイアーに持って行かれてましたけど、やっぱチャステインがいないと盛り上がりませんね~。
アールグレイ さんの投稿…
ラーソンは結局どちらもリタイアと去年と比べればまだ走れただけマシなんでしょうが、オールスターでのアクシデントも含め最近好調だっただけにこのまま流れが悪くならないかが心配です。

チャステインは最後尾から追い上げるレースが出来る事も、チーム含めて成長に繋がったのではないかと思います。
壁走りの時のような荒っぽい走り以外にもこういう一面を見せられた事も凄いです。

トラックハウスはチップガナッシのNASCAR部門を買収した事や、デイトナ500でのカストロネベス起用などインディカー関係での繋がりもちょっとはあると思うので、またプロジェクト91にも期待したいです。
ピットブル共同オーナーの離脱こそシーズン開幕にありましたが、それでもクラウンジュエルレース初制覇はチーム参戦5年目で大きな実績を作れたと思います。
次でチーム通算10勝目になるので、ぜひロードコースが得意なSVGか母国開催になるスアレスにメキシコシティーで決めてもらいましょう。
SCfromLA さんの投稿…
>アールグレイさん

 さすがにラーソンも今年の結果を受けて、時間的な制約が大きすぎるから両方出るのは現実的では無く、どっちみちクラッシュしてなくても途中で諦めないといけない、というようなことを口にしてましたね。
カート ブッシュが出た頃と比べるとエアロスクリーンもハイブリッドもあって車が高重心で重いし、トップチームとドライバーが積み重ねた経験値が非常に大きくなってるので、2回やったらもう潮時かなあと個人的には思いました。