NASCAR Cup Series
レース前の無線インタビュー、クリント ボイヤーがカイル"ラーソン"に間違って「やあカイル"ブッシュ"」と呼びかけてしまい、ラーソンもこれに「やあジェイミー マクマーリー」とお返し。なんとなくのどかな雰囲気で始まりましたがレースが始まると僅か7周でA.J.アルメンディンガーの車に問題発生、ターン4出口で白煙を出して最初のコーションが出ました。AJは思わず「おいECRふざけてんのか。」とエンジン屋さん批判、これはあんまりよくないやつ。このコーションで半数ほどの陣営が早くもピットで4輪交換を選択します、まだ燃料はステージ1を走り切れる量ではありません。
11周目にリスタート、ラーソンをベルが1.2秒ほどの差で追いかける展開で大きな動きが無く、35周目あたりからピットサイクルとなりました。この2人は41周目に同時にピットに入り、ラーソンの実質リードはそのままでしたがベルはちょっと引っ張りすぎてバイロンにアンダーカットされました。そのままステージ1後半はラーソン、バイロン、ベルのトップ3で差が開いて行って何も起きずに進行、ところが66周目にそのバイロンに右後輪のパンクが発生しました。バイロンは上手く対処してスピンしながら綺麗にピットに入ったのでコーションが出ず、タイヤ交換で周回遅れ。アンダーカットのために内圧が低いタイヤ交換直後から酷使したことが要因かもしれないと現地解説陣。なおバイロンのクルーは緊急事態だったので素手でタイヤ交換してしまい、パンクした当該タイヤを触ったクルーはちょっと手が黒くなった模様。過去には日本のレースでブレーキ ディスクを素手で触った強者が要るという都市伝説もありますが。。。
ステージ2後半もまたチェイスがラーソンに少しずつ追いつく展開、ラーソンはちょっと振動があるという話でタイヤを気にしながら走ってもいるんでしょうが、終盤に大量の周回遅れが出るとチェイスがもう真後ろに。結局ラーソンはギリッギリでステージ2も制しました、チェイス、ブレイニー、ベリー、ベルのトップ5。ケゼロウスキー、ボウマン、ハムリン、ギリランド、プリースと続きました。チェイスは前にさえ出たらなんか勝てるかもしれない速さがあります。ベリーは予選でぶつけてしまって最後尾・38位スタートでしたがブレイニー並の速さで猛追しこれも楽しみな存在。
・ファイナル ステージ
前にさえ出たら、なんて書いたらピットでチェイスがラーソンを逆転。以前はピット出口の基準線は2種類あり、黄色い線は速度制限区間の終了を意味していましたが、順位を決めるタイミング ラインはそれよりも手前にある白い線でした。この場合1番ピットの人は車を動かすとすぐに計測地点があるので有利でしたが、昨年の最終戦で黄色い線を速度制限とタイミングラインの両方で使用するように変更されました。この場合は1番ピットの人も制限速度まで加速してからタイミングラインに来るので勝率が多少下がります。今年は基本的に全てのトラックでこの手法になったようです、たしかに数戦前から気にはなってたんですけどあんまり大々的に取り上げられてないので確たる情報が見つからなかったんですよね。
218周目、気付けば残り49周。先ほどのリスタートでロガーノが2位を失ってラーソンとベルの1列目でリスタートです。さっきピットで給油した時点では燃料はちょっと足りないぐらいでしたがコーション連発で一安心、ラーソンはボウマンに押してもらって完璧なリスタートを決め単独走行に入りました。今日のベルにはラーソンを追う力は無さそうなのでこのままだとラーソンが勝って終わりそう、Gen7の6戦平均では最後のコーション発生は230周目、うち2回がオーバータイムだそうですが、今回はあるとしたら残り20周あたりで誰かのパンクでしょうかねえ。
しかし統計データの230周目も私の残り20周という呪いの言葉もあっさり通過して残りは15周、ラーソンとベルの差は2秒。その後、残り7周あたりでホースバーが急激に遅くなっているので何か怪しいなと思ったらどうも右フロントのタイヤが既に壊れている模様。壁に擦って本格的にダメになってからようやくピットに入りましたが、幸いというか残念ながらというかコーションは出ませんでした。油断したころに破片でコーション、ということもなくそのままホワイト フラッグ。
Advent Health 400
Kansas Speedway 1.5miles×267Laps(80/85/102)=400.5miles
winner:Kyle Larson(Hendrick Motorsports/HendrickCars.com Chevrolet Camaro ZL1)
NASCARはこれがオールスター前最後のレース、カップシリーズ第12戦カンザスです。先週のテキサスに続いて1.5マイルのトラックですが、テキサスのようなクセつよではなくわりと普通の1.5マイル。ターンのバンク角が17~20度のプログレッシブなのでテキサスのターン1と同じかやや低くなります。形状としてはトライ オーバルに分類され、フロントストレッチでは内側のエイプロン部分がわりと幅広く舗装されているのでここを使った争いがよく起こります。
昨年のこのレースではラーソンとブッシャーが最後の最後に信じられない接戦となり、なんと0.001秒差というほぼ同着でラーソンが勝利しました。あまりに差が小さいのでトランスポンダーの測定誤差を超えており、速報ではブッシャーが勝ったことになってぬか喜びさせられました。
・ちょっとしたデータ
カンザスでは現在ブッシュライトポールをベルが3連続で獲得中、同一トラック4連続ポールを獲るとラーソンが2017年からソノマで5連続ポールを獲得して以来の記録となります。でもベルはまだカンザスのレースでの優勝が無く最高位は3位です。Gen7車両で開催されたカンザスの6戦は全て異なる勝者となっており、古い方から順にカート ブッシュ、ウォーレス、ハムリン、レディック、ラーソン、チャステイン。通算ではハムリンは現役最多の4勝、ロガーノも3勝しています。ロガーノが最後に勝ったのは2020年秋のレースでしたが、これを最後にフォードの選手はカンザスで勝っていません。
過去6戦で最も平均順位が良いのはハムリンで、全てのレースが8位以内で平均順位なんと3.7。ラーソン、チャステインも1ケタ台で、4番目がブレイニー、5番目にベルの名前があります。まあまあ普通の1.5マイルということで特筆して意外な好相性や苦手というのは数字上は見られない感じです。通算成績だとチェイスが18戦出場で平均10.1と飛びぬけた数字を残して全体1位です。
カンザスではこれまでの通算38回のレースでヘンドリック モータースポーツが9勝、ジョー ギブス レーシングが8勝と勝利数で拮抗していますが、今年のJGRは1.5マイルのトラック(アトランタを除く3レース)で僅かラップ リードが16周。1.5マイル最初の3戦を終えた時点の数字としてこれは2017年以降最小だそうです。2017年というとまだファニチャー ロウ レーシングがあってマーティン トゥルーエックス ジュニアがむちゃくちゃ強かったシーズンでこっちがラップリードを持って行ってたのもありますね。
・レース前の話題
既に噂という形で既成事実になっていた感じがありますが、来年の最終戦開催地はフェニックスではなくホームステッド-マイアミ スピードウェイで開催されることが発表されました。NASCAR公式動画ではバック トゥー ザ フューチャーをパクった寸劇動画でカイルとケゼロウスキーに小芝居をやらせています(笑)
2019年最終戦後という舞台設定で、「パーティーに遅れる」と酒瓶片手に急ぐカイルをケゼロウスキーが引き留めてデロリアンを披露。興味無さそうなカイルが「未来に行ける」と聞いたらちょっと興味を示し、「ホームステッドに最終戦が返ってくるのか知りたい」とやる気に。ついでに知りたいことがないかケゼロウスキーに聞いたら「まだハムリンはチャンピオンになっていないのか」「俺は自分のチームでレースしているのか」を知りたいと話し、カイルは「よっしゃ行ってきたるわ」とデロリアンで未来へ見に行くというほぼコントです、さりげなくおちょくられているハムリン(笑)
未来から帰ってきたカイルが興奮した様子で「信じられねえよ!」とRFKレーシングの帽子をケゼロウスキーに手渡すと「そして俺はリチャードチルドレスで走ってるんだ!」とスーツも着替えて帰還。「それで最終戦はどうなったよ?」と聞くケゼロウスキーに対して「ああそうだった」とちょっともったい付けて未来の新聞を取り出し「2026年だよ!」とホームステッドに戻る見出しが書かれた新聞を見せました。新聞というあたりがBTTFっぽさを残してますね。
なお、開幕前のザ クラッシュに関しては来年もアメリカ国内での開催となり、エキシビションだから国外に行くということはしない模様。ただし将来の国外での開催については可能性を否定しませんでした。
・ARCA Menards Series Tide 150
開幕からぶっ続けで来ていたエクスフィニティー シリーズはここから2週間のお休みで母の日休暇、今週はARCA全国シリーズ・第4戦がやってきました。レースは34周目からブランドン クイーンがリードし続けて最終周になりましたが、あと半周というところで後方でスピン車両が発生してチェッカーまであと僅かなのにコーション発生。ARCAの規定ではこの場合オーバータイムとなりますが、クイーンはリードを譲りませんでした。ブランドン"バタービーン"クイーンが開幕戦に続く今季2勝目です。
・Craftsman Truck Series Heart of Health Care 200
レース序盤はコリー ハイムが優勢でしたが、コーション中の53周目のピット作業でレンチが壊れて順位を大きく落とし、代わってレースを主導したのはホースバー。最終ステージでは自身のピット作業中にコーションが出て大損しそうになりましたがリードラップに残っていたので順位を守りレースは終盤へ。しかし最後になって大外ラインで爆走するレイン リッグスの猛追を受け最終周はとうとう接近戦となりました。
リッグスは内側からホースバーを抜こうとしましたが、勢いがありすぎて外へ流れ接触。これで2人とも壁に当たってしまいますが、なんと2人とも立て直してそのまま続行。ホースバーが逃げ切ってトラックシリーズ通算5勝目を挙げました。リッグスは大いにレースを盛り上げての2位でしたが、レース後に荷台のカバーが規定を満たしていなかったとして失格になりました。繰り上がりの2位はバイロン、ハイムは3位でした。
・カップシリーズ
予選
ブッシュライトポールはラーソンが手にしました、今シーズン初で通算22回目です。2位はブッシャーで去年の最後の戦いがそのまま予選まで続いたような結果になりました。ベルは3位で連続ポール記録ストップ、レディック、ロガーノ、ギブス、バイロン、ダニエル スアレス、チェイス、ブレイニーのトップ10。11位にマクダウル、今週のホースバーは22位でした。
なお練習走行ではやはりラーソン、ブッシャー、レディックがロングランでも良いタイムで走っていた様子。またセッション中にはシェイン バン ギスバーゲン、ギブス、ケゼロウスキー、チェイス ブリスコー、ゼイン スミスの5人にタイヤのパンクが発生しました。スミスは右後輪、他の4人は左後輪のパンクでした。今年の1.5マイルで使用しているタイヤは右側が昨年と同じ、左はより摩耗しやすい新しい設計のタイヤになっているんですが、内圧を攻めすぎたんでしょうかねえ。
・ステージ1
レース前の無線インタビュー、クリント ボイヤーがカイル"ラーソン"に間違って「やあカイル"ブッシュ"」と呼びかけてしまい、ラーソンもこれに「やあジェイミー マクマーリー」とお返し。なんとなくのどかな雰囲気で始まりましたがレースが始まると僅か7周でA.J.アルメンディンガーの車に問題発生、ターン4出口で白煙を出して最初のコーションが出ました。AJは思わず「おいECRふざけてんのか。」とエンジン屋さん批判、これはあんまりよくないやつ。このコーションで半数ほどの陣営が早くもピットで4輪交換を選択します、まだ燃料はステージ1を走り切れる量ではありません。
11周目にリスタート、ラーソンをベルが1.2秒ほどの差で追いかける展開で大きな動きが無く、35周目あたりからピットサイクルとなりました。この2人は41周目に同時にピットに入り、ラーソンの実質リードはそのままでしたがベルはちょっと引っ張りすぎてバイロンにアンダーカットされました。そのままステージ1後半はラーソン、バイロン、ベルのトップ3で差が開いて行って何も起きずに進行、ところが66周目にそのバイロンに右後輪のパンクが発生しました。バイロンは上手く対処してスピンしながら綺麗にピットに入ったのでコーションが出ず、タイヤ交換で周回遅れ。アンダーカットのために内圧が低いタイヤ交換直後から酷使したことが要因かもしれないと現地解説陣。なおバイロンのクルーは緊急事態だったので素手でタイヤ交換してしまい、パンクした当該タイヤを触ったクルーはちょっと手が黒くなった模様。過去には日本のレースでブレーキ ディスクを素手で触った強者が要るという都市伝説もありますが。。。
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良い子も悪い大人もマネしないでね☆ |
ラーソンの方は何の問題もなくそのままステージ1を制し、2位はステージ残り2周で逆転が起きてチェイス。3位からベル、ブレイニー、シンドリック、ボウマン、ハムリン、プリース、ロガーノ、ギリランドと続きました。ハムリンは最初のコーションでタイヤを換えたらリスタート直後に集団に埋まってしまい大失敗かと思われましたが、前が空いたらペースが戻ったようでとりわけピット後に巻き返してきました。
・ステージ2
せっかく順位を挽回したハムリンですがクラッチが壊れているという情報、今後ピットに入るたびに苦労しそうです。リスタートではNASCARが再検証するほどの好リスタートでチェイスとラーソンが3周ほど争いましたがラーソンの壁は崩せず、隙を衝いてベルが2位となります。時間をかけてチェイスが2位に戻ったころにはラーソンとの差が5秒になっていました。
ステージ2も波乱なく中盤へ進み124周目あたりからピットサイクル、ラーソンは周回遅れやタイヤ交換を終えた”速い周回遅れ”の影響もあるのか、急激にチェイスとの差が縮まって差が2.5秒に半減。125周目にチェイスがピットに入ったので、アンダーカット阻止のため翌周に動きました。安定感抜群のラーソンのクルー、きちんとチェイスの3秒前方でラーソンを送り出します。ハムリンは情報通りクラッチが無いのでクルーに押してもらいながら強引に発進しましたが、それ以前に右前輪の交換時にナットを落として取っ散らかる失敗があり全体で5秒以上余分に時間がかかりました。本来のナットがうまくレンチにくっ付かずに落ちてしまい、素早く予備をポケットから取り出したらそれも落としてしまいました。
・ステージ2
せっかく順位を挽回したハムリンですがクラッチが壊れているという情報、今後ピットに入るたびに苦労しそうです。リスタートではNASCARが再検証するほどの好リスタートでチェイスとラーソンが3周ほど争いましたがラーソンの壁は崩せず、隙を衝いてベルが2位となります。時間をかけてチェイスが2位に戻ったころにはラーソンとの差が5秒になっていました。
ステージ2も波乱なく中盤へ進み124周目あたりからピットサイクル、ラーソンは周回遅れやタイヤ交換を終えた”速い周回遅れ”の影響もあるのか、急激にチェイスとの差が縮まって差が2.5秒に半減。125周目にチェイスがピットに入ったので、アンダーカット阻止のため翌周に動きました。安定感抜群のラーソンのクルー、きちんとチェイスの3秒前方でラーソンを送り出します。ハムリンは情報通りクラッチが無いのでクルーに押してもらいながら強引に発進しましたが、それ以前に右前輪の交換時にナットを落として取っ散らかる失敗があり全体で5秒以上余分に時間がかかりました。本来のナットがうまくレンチにくっ付かずに落ちてしまい、素早く予備をポケットから取り出したらそれも落としてしまいました。
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ナットが2本も転がる珍しい光景^^; |
ステージ2後半もまたチェイスがラーソンに少しずつ追いつく展開、ラーソンはちょっと振動があるという話でタイヤを気にしながら走ってもいるんでしょうが、終盤に大量の周回遅れが出るとチェイスがもう真後ろに。結局ラーソンはギリッギリでステージ2も制しました、チェイス、ブレイニー、ベリー、ベルのトップ5。ケゼロウスキー、ボウマン、ハムリン、ギリランド、プリースと続きました。チェイスは前にさえ出たらなんか勝てるかもしれない速さがあります。ベリーは予選でぶつけてしまって最後尾・38位スタートでしたがブレイニー並の速さで猛追しこれも楽しみな存在。
・ファイナル ステージ
前にさえ出たら、なんて書いたらピットでチェイスがラーソンを逆転。以前はピット出口の基準線は2種類あり、黄色い線は速度制限区間の終了を意味していましたが、順位を決めるタイミング ラインはそれよりも手前にある白い線でした。この場合1番ピットの人は車を動かすとすぐに計測地点があるので有利でしたが、昨年の最終戦で黄色い線を速度制限とタイミングラインの両方で使用するように変更されました。この場合は1番ピットの人も制限速度まで加速してからタイミングラインに来るので勝率が多少下がります。今年は基本的に全てのトラックでこの手法になったようです、たしかに数戦前から気にはなってたんですけどあんまり大々的に取り上げられてないので確たる情報が見つからなかったんですよね。
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旧基準ならラーソンが圧勝 |
せっかく追い上げたベリーは速度違反でペナルティーを受けて後退、チェイスに期待を寄せて174周目にリスタートしました。チェイスが1周でカタを付けてリード、ラーソンに続く3位にはなんとケゼロウスキーが現れると、ラーソンはダーティー エアーの中ではバランスが悪いのか5周後にケゼロウスキーにかわされます。リスタートやピットを除けばこのレースで初めてラーソンをトラック上で抜いた人となったケゼロウスキー、チェイスと大きく離されることなく周回を重ねます。195周目には1秒差を切って期待感向上、去年はブッシャーが惜しいところまで行き、今日はプリースも好調なのでRFKレーシング全体でわりと上手く行ってる様子です。
おいおいマジかよ、期待した傍からパンク発生でケゼロウスキー撃沈。これでリードラップの人はピットになだれ込みますが、チェイスのクルーが作業連携ミスで後退。これでラーソンはリードを奪還か、と思ったら今回はベルが一足お先にピットを出て行きました。ハムリンは3番手でピットに入ったものの、強引に1速に入れてたからか駆動系そのものが壊れてガレージへ。そのまま修理できずこのレース36位でした。ケゼロウスキーも修理できず37位に終わっています。
201周目・残り67周でリスタート。ベルの出足が今一つでラーソン、ベル、ロガーノによる3ワイドとなり、真ん中に挟まれたベルは引き下がります。これでラーソンとロガーノが前を争いましたが、後方でタイ ディロンをきっかけとする多重事故が発生し5回目のコーションが発生、普通に行ってたらロガーノにやられてたかもしれないラーソンですがコーション直前はギリギリ前にいてリードを守ります。続く207周目のリスタートはバックストレッチで集団から弾き飛ばされたカイルがスピンして6回目のコーション、さらに213周目のリスタートも後方で多重事故になりコーション3連発です。ジャスティン ヘイリーは事故現場からの約半周をずっとバックで走ってピット ボックスまで見事に運転。もしNASCARバック走シリーズがあったらチャンピオンの才能があるかもしれません(笑)
201周目・残り67周でリスタート。ベルの出足が今一つでラーソン、ベル、ロガーノによる3ワイドとなり、真ん中に挟まれたベルは引き下がります。これでラーソンとロガーノが前を争いましたが、後方でタイ ディロンをきっかけとする多重事故が発生し5回目のコーションが発生、普通に行ってたらロガーノにやられてたかもしれないラーソンですがコーション直前はギリギリ前にいてリードを守ります。続く207周目のリスタートはバックストレッチで集団から弾き飛ばされたカイルがスピンして6回目のコーション、さらに213周目のリスタートも後方で多重事故になりコーション3連発です。ジャスティン ヘイリーは事故現場からの約半周をずっとバックで走ってピット ボックスまで見事に運転。もしNASCARバック走シリーズがあったらチャンピオンの才能があるかもしれません(笑)
218周目、気付けば残り49周。先ほどのリスタートでロガーノが2位を失ってラーソンとベルの1列目でリスタートです。さっきピットで給油した時点では燃料はちょっと足りないぐらいでしたがコーション連発で一安心、ラーソンはボウマンに押してもらって完璧なリスタートを決め単独走行に入りました。今日のベルにはラーソンを追う力は無さそうなのでこのままだとラーソンが勝って終わりそう、Gen7の6戦平均では最後のコーション発生は230周目、うち2回がオーバータイムだそうですが、今回はあるとしたら残り20周あたりで誰かのパンクでしょうかねえ。
しかし統計データの230周目も私の残り20周という呪いの言葉もあっさり通過して残りは15周、ラーソンとベルの差は2秒。その後、残り7周あたりでホースバーが急激に遅くなっているので何か怪しいなと思ったらどうも右フロントのタイヤが既に壊れている模様。壁に擦って本格的にダメになってからようやくピットに入りましたが、幸いというか残念ながらというかコーションは出ませんでした。油断したころに破片でコーション、ということもなくそのままホワイト フラッグ。
ラーソンはベルと1.3秒も差があったのでもうあとは惰性で余裕の走り、と思ったらターン2を出たところで車の右前からタイヤの破片のようなものが散乱。そしてターン3に向けて急激に速度が鈍ったのでホースバーと同じ症状が出てタイヤが壊れたのかと放送席も急に大騒ぎ。これでベルが猛然と迫ってきましたが、ラーソンはとにかく安全運転していたようで最初にチェッカー フラッグを受けました。267周中221周をリードして3ステージ制覇のほぼ完全勝利、今季3勝目・通算32勝目を挙げました。今季12戦で8度目のトップ5フィニッシュ、ポイントではまだバイロンに次ぐ2位ですが今季平均順位は10を切って9.8となっています。レース中には現役ドライバーでは3人目の通算10000周リードにも到達しました。よし、今年もシャーロットはインディー500のせいで遅刻して欠場しておいてもらおう(笑)
「今日の一番長いランだったと思うのでペースを保つのに必死だった。ランの終盤は少し苦戦していたんだ。チェイスは本当に良かったので自分のペースをもっと上げないといけないと感じていた。それが最終的に報われたかどうかは分からないけど、それでもまだ苦戦していたんだ。右フロントがかなり摩耗し始めたのか、それとも何か他の原因があったのかは分からないけど、グリップがかなり失われ始めていた。そして、ひどい振動が出たので右リアかどこかが壊れてしまうんじゃないかと心配だったよ。でも、車も仕上がりも素晴らしくて、チームのためにも今日は素晴らしいパフォーマンスを見せられた。今回はここで紙一重の勝利じゃなくて良かったよ。少しだけ安全な差を確保して勝てたのは良かった、チームに改めて感謝するよ。」
2位からベル、ブレイニー、ブリスコー、ボウマン、ベリーとBの付く人が5連続。ボウマンはステージ2のリスタートで接触してちょっとサスペンションを壊しながらも好走しました。7位からプリース、ブッシャー、ロガーノ、ジョン ハンター ネメチェックのトップ10でした、ジョンハンターどっから出て来たんだ。ギリランドは12位、今季初・通算4度目のカップ戦出場となったハイムがなんと13位。チェイスはピット作業ミスが致命的になってしまい15位、4位スタートのレディックも噛み合わず17位、バイロンはコーションが少なすぎてとうとうリード ラップに戻れず1周遅れの24位でした。
あまりに強いラーソンには現地でも「今シーズンもうラーソンで決まりか?」といった見出しの記事や、ジミー ジョンソンになぞらえるようなものもあります。ラーソンはこれで5年連続で3勝以上を挙げていますが、開幕からの12戦で3勝したのは自身初。10勝してチャンピオンになった2021年は第14戦までは1勝、それ以降の22戦で9勝という異様な強さでした。
懸念材料は、コメント欄でアールグレイさんとちょこちょこやり取りしてますがカップシリーズ以外にも週末3連勝を狙ってエクスフィニティーとトラックに続けて出場し、さらに代役による予定外の出場まであって、そこにインディー500のために練習走行へ出向いたり、挙げ句の果てにスプリント カーまで乗っています。かつて週末3連勝の鬼・カイル ブッシュはカップも併催レースも出まくっていましたが、シーズン終盤に成績が落ちる傾向があり体力が持っていないのではないか?という見方がありました。ラーソンも途中で力尽きないかは気になるところです。
ラーソン独走で陰には隠れましたが3位のブレイニーも相変わらず速く、そして先週は残念ながらクラッシュ、今週も予選の失敗と速度違反で戦わずして負けていましたがベリーも1.5マイルで続けて良い走りを見せました。このあたりの存在はシーズンを面白くしてくれるでしょうし、まずは2週間後のシャーロットでどんな走りをしてくれるのかが楽しみです。
さて、次戦はオールスター戦ということで、事前情報ページも必要なさそうですからのんびり行きましょう、そしてその翌週はお馴染みのコカ コーラ 600です。お天気が壁にならないことをまずは祈りましょう。
コメント
カイルはまだあの反応ができてるうちは、少なくとも腕前の面では大丈夫な気がしますね。コンペティションコーションに関しては、おそらくですがパンデミックを経てチームも運営もぶっつけ本番、データ無しでもレースできることを学習できたので、前日に雨が降ってラバーが流れたとしてもカップシリーズでは採用しない方針になってるんじゃないかと思いますね。予選が雨で中止になっても全然コンプコーションの設定をしなくなってると思います。
カイルは、いつかはその時が訪れるとはいえ、移籍はあっても未勝利のシーズンを過ごす未来までは見えなかったでしょうね。
ケセロウスキーも、オーナードライバーになってからチームが毎年最低1勝は挙げるようになって、4年間も未勝利だったチームを建て直してくれたのは大きいです。
ラーソンは勝つ時はリードラップを多く取って圧勝するスタイルなのがベルやハービックと逆のタイプで面白い違いです。
もしカイルの時の様にシリーズの掛け持ちが今も認められていたら、エクスフィニティーやトラックは移動でフル参戦が難しいレースはあっても、全シリーズでトップ10ぐらいにはなれそうな感じもあります。
インディ500ではテストやプラクティスでのクラッシュもあった様ですが、無事予選も通過したので去年のリベンジに期待です。
GAORAはH1100の生中継あるのかなと思っていましたが、インディ500だけなんですね。
ABEMAでNASCARが放送開始された事もあるのでしょうが、GAORAが生中継したレースでは去年のH1100、シカゴストリート戦や今年のデイトナ500の様に雨に祟られるのが多かったので大変になってしまうのも理解できます。
NASCAR中継があった際に稲嶺ディレクターのX投稿を見るとなんか雨のせいもあって異常な忙しさだったみたいですから、アベマで2日後に見れるとなるとお金をかけて放送する利点が無くなっちゃったんでしょうね。
予選結果だけを見ると佐藤琢磨がまたえらく話題を作りそうな雰囲気なので、ラーソンの存在が影に隠れてしまいそうですがまあほどほどに争いの輪に入って無事にシャーロットまでたどり着いてくれると良いですね。ペンスキーの周辺はまたなんか騒がしくなってますけど^^;