Formula 1 AWS Gran Premio Del Made in Italy e Dell'Emilia-Romagna 2025
・決勝
車がぶっ壊れた角田はピットからのスタート。20人中15人がミディアムでのスタート、ハードの最上位は12位のハミルトンです。ハミルトンは予選でなかなかルクレールの前に来れないので逆さま戦略になることが多い気がしますね。ソフトは残り5周ぐらいの短距離戦が起きない限り誰も使わないでしょう。
スタートの動きが良かったのはピアストリ、ラッセルも良い動きでしたが行き場がなくて詰まってしまい、こりゃあピアストリが前を抑えて優勝確定〜、とか思ったんですが、ターン2で内側を抑えるピアストリに対してフェルスタッペンがまさかの大外刈り。ピアストリはちゃんと相手のラインを残したので最後は自分が引くしかなくなりフェルスタッペンが先行しました。もう選手権のことを考えて冷静に判断したのなら大物です。NASCARならラッセルがピアストリを押して前に出したんですけど、F1でやったら大事故ですからねえ()
前が開けば飛ばすのみ、フェルスタッペンはピアストリとの差を少しずつ広げる一方で、3位のラッセルは10周もしないうちに「このペースで走ってどうやって目標の周回数まで走れるのか分からん。」と彼にしては珍しくタイヤもたない発言です。ノリスはこれをさっさと抜きたいんですが、まあこのコースで抜くのは難儀でようやく抜いたのは11周目、すでにピアストリから7秒も離されていました。ノリスは予選で前に出れない、抜くのに時間がかかる、もう追いつかない、というパターンが続いてしまってますね。
ラッセルの後ろにはアロンソ以降の人も7人ぐらい続いてるのでそうとう苦しいのは明らか、結局ノリスに抜かれた11周目にラッセルはもうタイヤを交換しました。今年のハードはC4なので昨年のミディアムに該当しますが、40周ももたないと思うのでたぶんこんなに早く入ったら2ストップです。
2位のピアストリもタイヤは厳しいと見込んだようで13周目にもうピットへ、他のミディアムでスタートした人も順次タイヤ交換を行っていきますが、ピット前の時点でピアストリの3秒前方にいたフェルスタッペンはすぐにピットには入らず作戦が分かれます。
31周目にVSC解除、さすがにピアストリはアルボンに負けて表彰台にすら乗れないわけにはいかず、40周目にかわして3位到達。ただノリスとは12秒も離れているのでさすがに遠すぎます。このままレースが終わるかと思ったら46周目、さっきのオコンとほぼ同じ場所で今度はアントネッリがまた不具合により止まってしまいました。なんと今回はVSCではなくSCが宣告されてフェルスタッペンの18秒リードは消滅することが決定。なぜさっきのはVSCで今回はSCなのか不思議な感じですが、アントネッリの方が坂道をもう少し上ってしまっているので回収作業が大掛かりになってしまうせいでしょうか。
Autodromo Internazionale Enzo e Dino Ferrari 4.909km×63Laps(-0.218km)=309.049km
winner:Max Verstappen(Oracle Red Bull Racing/Red Bull Racing RB21-Honda RBPT)
F1はヨーロッパに戻って来てここから3週間連続開催、まずはイタリアのイモラで開催されるエミリア ロマーニャGP。COVID-19による数多くのレース中止や日程再編の中でしれっと日程に入って来てそのまま継続されているイベントの1つですね。この週末は1950年に初めてF1世界選手権のレースが開催されてからほぼ75年という記念の週末でもあります。アンドレア キミ アントネッリは出身地のボローニャから比較的近いので地元イベントという位置づけになります。
今回のレース最大の注目点は持ち込まれたタイヤ、今年から新たに設定された最も柔らかいタイヤ・C6がこのレースで初めて登場しました。ここはピットでのロスが比較的長いコースなのでみんな1ストップで走り切ろうとするため、これをなんとか2ストップにするためには柔らかくする必要がある、しかし元々C3~C5でやっているレースはもうこれ以上やりようがない、という中で導入された、昔で言えばハイパー ソフトやウルトラ ソフトのような発想ですが、果たして運営の思惑通りになるんでしょうか。
・レース前の話題
前戦マイアミ終了後にアルピーヌに激動がありました。5月6日にチーム代表・オリバー オークスが辞任することが発表されました。当面はフラビオ ブリアトーレが職務を代行するとしています。オークス辞任の理由は謎となっており、ブリアトーレとの対立があったのではないかとする説があった一方で、弟がイギリスで逮捕・起訴されたことが関係しているのではないか、とする説も浮上しています。
オリバーは弟のウィリアムとともにハイテック GPというF2・F3チームを所有しています。ハイテックはニキータ マゼピンをドライバーとして迎えた際に彼の父・ドミトリーがチームに出資しており、ロシアのウクライナ軍事侵攻によってロシア資金を絶つ必要に迫られた際にマゼピンから株式を引き取ったものの、実態は外部の企業を使った迂回資金でマゼピン家との関係が維持されているのではないかと指摘されています。
弟オークスの逮捕容疑は犯罪資金の移転に関する違反で、大量の現金を隠し持っていたとされています。要するにマネー ロンダリングに関わったということですね。アルピーヌは直接自分たちにも兄オークスにも関係していないのでこの件に関して何の反応もなく、ブリアトーレも不仲説などを否定しました。そういえば日本でもつい最近、家族が大きな問題を起こしたかもしれないから迷惑をかけるかも、と突然引退した芸能人の方がいましたね。私は全然知らない人なので何のこっちゃですが、なんか似てるなと思いました。
ただそのブリアトーレにもまた問題、F1チームの代表を名乗って務めるには資格制度があるんですが、彼はその条件を満たしていません。彼はアルピーヌF1チームに所属する正式な立場の人物ではなく、ルノーの本社側が契約してF1によこしているアドバイザーです。そのため、アルピーヌは一応肩書きとしてはデイブ グリーンウッドが代表に該当するとしているようですが、チームがオークスの解任に際して出した声明文には
『本日よりフラビオ ブリアトーレが引き続きエグゼクティブ アドバイザーを務め、オリバー オークスがこれまで担っていた職務も担当します。』
と書いてあります。オークスが担っていた職務=代表職のはずです。これだと傀儡になるしそんなことみんな知ってるわけですが、無資格の人間が代表職を行っていると違反行為になります。アメリカでイーロン マスクが正式な職員ではないのにあれこれと口出しやら職員の解雇やらを行っているのと似てますね。アルピーヌの発表はどう読んでもどこか矛盾していて、まあいかにもブリアトーレだなというデタラメな状態だと思います。
さらに代表辞任の翌日には、既に噂にはなっていましたがジャック ドゥーハンが交代させられてフランコ コラピントがドライバーとして起用されることが発表されました。とりあえずここから5戦の起用とされましたが、5戦後はオーストリア・イギリスという2週連続開催の途中、オーストリア終わりに該当します。そんな変なタイミングでまたドゥーハンに戻るとはちょっと考えにくく、あくまで建前だけで実際は最後までコラピントで行くんじゃないかと言われています。
実際、ブリアトーレはこの週末になって「必要なだけ走る。そんな制限は無い。」と声明と矛盾する発言をしました。言い換えれば5戦を待たずに2戦でまたクビになる可能性もあるわけですが、もうブリアトーレと周辺の人たちのやってることはドナルド トランプと同レベルのでたらめに見えます。こんなことばっかりやってたら企業イメージ落ちると思うんですけどね。
・練習走行
FP1、FP2はいずれも1位オスカー ピアストリ、2位ランド ノリス。FP3は1位ノリス、2位ピアストリ。マクラーレン無双となりました。
・予選
Q1開始から5分半ほど、角田 裕毅がターン5で縁石に乗って着地した瞬間に巻き込んでそのままコース外へ飛び出しけっこう派手にクラッシュしました。コース設計的に内側に巻きこむことはあんまり想定していないので壁との距離が近く、ぶつかった拍子にバリアに乗り上げて横転しています。角田って前にもターン14・15の縁石で吹っ飛んで車壊してたけどいつだったっけ?と思ったら2021年だったんですね。月日が経つのは早いもんですが立場を考えるとあの時と今とではクラッシュの重みが雲泥の差です。
さらに残り時間が0になろうかというところでコラピントもターン4でけっこう派手にクラッシュしました。2回も中断があったので色々予定が狂ったでしょうが結果的に大物がQ1落ちするようなことは無く進みました。
Q2は開始が遅れた以外は実力勝負でしたが、最速がなんとカルロス サインツ。さらに今回大型アップデートを持ち込んだアストン マーティンが2人ともミディアムを使用してアタックしフェルナンド アロンソが6位、ランス ストロールが7位と健闘。これでシャルル ルクレールが11位、ルイス ハミルトンが12位となってフェラーリが母国で2人とも落とされました。アントネッリも13位で脱落、Q2でイタリアの視聴率がガクっと下がったかも(笑)
最速争いはお馴染みの4人、1回目のアタックではマックス フェルスタッペンが1分14秒772を記録して僅差で1位でしたが、2回目のアタックでオスカー ピアストリが1分14秒670を記録して逆転。フェルスタッペンは自己記録を更新したものの0.034秒届きませんでした。ノリスは自己ベストを更新もできず3位のまま終了、と思ったらミディアムを履いたラッセルが間に割り込みました。
ピレリ ポール ポジションは今季3度目のピアストリ。フェルスタッペン、ラッセル、ノリスのトップ4にアロンソが5位で続き、サインツ、アレクサンダー アルボンとウイリアムズも奮闘。ストロール、アイザック ハジャー、ピエール ガスリーの順となりました。ハジャーは予選平均順位10.14で非常に立派だと思います。
車がぶっ壊れた角田はピットからのスタート。20人中15人がミディアムでのスタート、ハードの最上位は12位のハミルトンです。ハミルトンは予選でなかなかルクレールの前に来れないので逆さま戦略になることが多い気がしますね。ソフトは残り5周ぐらいの短距離戦が起きない限り誰も使わないでしょう。
スタートの動きが良かったのはピアストリ、ラッセルも良い動きでしたが行き場がなくて詰まってしまい、こりゃあピアストリが前を抑えて優勝確定〜、とか思ったんですが、ターン2で内側を抑えるピアストリに対してフェルスタッペンがまさかの大外刈り。ピアストリはちゃんと相手のラインを残したので最後は自分が引くしかなくなりフェルスタッペンが先行しました。もう選手権のことを考えて冷静に判断したのなら大物です。NASCARならラッセルがピアストリを押して前に出したんですけど、F1でやったら大事故ですからねえ()
前が開けば飛ばすのみ、フェルスタッペンはピアストリとの差を少しずつ広げる一方で、3位のラッセルは10周もしないうちに「このペースで走ってどうやって目標の周回数まで走れるのか分からん。」と彼にしては珍しくタイヤもたない発言です。ノリスはこれをさっさと抜きたいんですが、まあこのコースで抜くのは難儀でようやく抜いたのは11周目、すでにピアストリから7秒も離されていました。ノリスは予選で前に出れない、抜くのに時間がかかる、もう追いつかない、というパターンが続いてしまってますね。
ラッセルの後ろにはアロンソ以降の人も7人ぐらい続いてるのでそうとう苦しいのは明らか、結局ノリスに抜かれた11周目にラッセルはもうタイヤを交換しました。今年のハードはC4なので昨年のミディアムに該当しますが、40周ももたないと思うのでたぶんこんなに早く入ったら2ストップです。
2位のピアストリもタイヤは厳しいと見込んだようで13周目にもうピットへ、他のミディアムでスタートした人も順次タイヤ交換を行っていきますが、ピット前の時点でピアストリの3秒前方にいたフェルスタッペンはすぐにピットには入らず作戦が分かれます。
するとレッド ブルはここで策を講じました、ちょうどピアストリの前にはハードでスタートした角田がいます。これを使って多少なりとも足止めし、フェルスタッペンのピット ストップ ウインドウ外にピアストリをできるだけ長く留めておく考えです。残念ながら角田自身は追いつかれた場所が最終コーナーあたりだったので直線一本で簡単に仕留められて思い通りにはいかなかったものの、ピアストリの前にはまだ他にも数人の作戦違いが並んでいてどうしてもペースが上がりません。
結果、フェルスタッペンとピアストリによる仮想1位争いは32秒あたりでなかなか前進ができず進みます。4輪交換のロスは28秒ほどなのでここにピアストリが入れるかどうかが焦点ですが、25周を超えてもこの状態が続きました。ここまで来れたらフェルスタッペンは1ストップが見えてきた上にアンダーカットもされないとなると非常に作戦の自由度が高く有利な戦況です。2位のノリスも9秒離れてはいますがフェルスタッペンと同じペースで走ってとにかく引っ張る作戦になっており、こうなると作戦違いでピアストリを食えるかもしれません、それがパパイヤ ルール的にどうなのかは知らないですけど。かつてメルセデスがチーム内で争っていた時期には、タイヤの履歴差や使用順序で差を付けるのは良いけどピット回数を変えて争うのはダメ、みたいなチーム内規則ありましたねえ。
28周目、ピアストリは4位のハジャーを抜いてようやく作戦違い御一行様の接客が一段落。この周にノリスはようやくピットに入り、見た目上7位・実質3位で復帰しました。ところがノリスがピットを出た直後、エステバン オコンがコース脇に車両を止めてしまったのでVSCとなりました。フェルスタッペンは超ラッキー、ミディアムで29周走ったご褒美で1位で入って1位でピットを出ました。
このVSCでまだ入っていなかった人はみんなピットへ、早々にタイヤを換えていたピアストリなどはここでもう2回目のタイヤ交換を行ってしまい、順位はフェルスタッペン、ノリス、アルボン、ピアストリ、ハジャーのトップ5になりました。この5人は全員が今ハードを履いているので問題ないですが、ハードでスタートした人にはここでミディアムに換えたは良いものの最後まで走り切るのがけっこう大変なことです。オコンにはどうせならあと5周ぐらいしてから止まって欲しかったなあ、なんて勝手なことを思っていることでしょう。
結果、フェルスタッペンとピアストリによる仮想1位争いは32秒あたりでなかなか前進ができず進みます。4輪交換のロスは28秒ほどなのでここにピアストリが入れるかどうかが焦点ですが、25周を超えてもこの状態が続きました。ここまで来れたらフェルスタッペンは1ストップが見えてきた上にアンダーカットもされないとなると非常に作戦の自由度が高く有利な戦況です。2位のノリスも9秒離れてはいますがフェルスタッペンと同じペースで走ってとにかく引っ張る作戦になっており、こうなると作戦違いでピアストリを食えるかもしれません、それがパパイヤ ルール的にどうなのかは知らないですけど。かつてメルセデスがチーム内で争っていた時期には、タイヤの履歴差や使用順序で差を付けるのは良いけどピット回数を変えて争うのはダメ、みたいなチーム内規則ありましたねえ。
28周目、ピアストリは4位のハジャーを抜いてようやく作戦違い御一行様の接客が一段落。この周にノリスはようやくピットに入り、見た目上7位・実質3位で復帰しました。ところがノリスがピットを出た直後、エステバン オコンがコース脇に車両を止めてしまったのでVSCとなりました。フェルスタッペンは超ラッキー、ミディアムで29周走ったご褒美で1位で入って1位でピットを出ました。
このVSCでまだ入っていなかった人はみんなピットへ、早々にタイヤを換えていたピアストリなどはここでもう2回目のタイヤ交換を行ってしまい、順位はフェルスタッペン、ノリス、アルボン、ピアストリ、ハジャーのトップ5になりました。この5人は全員が今ハードを履いているので問題ないですが、ハードでスタートした人にはここでミディアムに換えたは良いものの最後まで走り切るのがけっこう大変なことです。オコンにはどうせならあと5周ぐらいしてから止まって欲しかったなあ、なんて勝手なことを思っていることでしょう。
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そんなこと言われてもなあ(´・ω・`) |
31周目にVSC解除、さすがにピアストリはアルボンに負けて表彰台にすら乗れないわけにはいかず、40周目にかわして3位到達。ただノリスとは12秒も離れているのでさすがに遠すぎます。このままレースが終わるかと思ったら46周目、さっきのオコンとほぼ同じ場所で今度はアントネッリがまた不具合により止まってしまいました。なんと今回はVSCではなくSCが宣告されてフェルスタッペンの18秒リードは消滅することが決定。なぜさっきのはVSCで今回はSCなのか不思議な感じですが、アントネッリの方が坂道をもう少し上ってしまっているので回収作業が大掛かりになってしまうせいでしょうか。
フェルスタッペンは18秒差が消し飛ぶもののタイヤを楽々換えられるという利点はあるわけで、それならとりあえずできるだけ良いタイヤに乗り換えるのが最優先事項、新品ハードがあるので交換しました。ノリスは練習走行で1周だけ使っておいたハードに交換、一方で既に2回タイヤを換えているピアストリはもうソフトしか在庫が無いのでステイアウト、他にも在庫や順位の都合で動かなかった人がいて順位とタイヤの状況がごちゃごちゃになりました。
上位9人はフェルスタッペン、ピアストリ、ノリス、ルクレール、アルボン、ラッセル、ハミルトン、サインツ、ハジャーの順。全員ハードなんですが奇数順位の人はさっき換えたタイヤ、偶数順位の人はステイアウトした人で綺麗に分かれました。マクラーレンは条件の良いノリスが後ろにいるわけですが、ピアストリはドライバー選手権1位の選手で予選でも前でした。さあパパイヤ ルール的にはどう考えたらいいんでしょうか、考えてたらもうマックスは逃亡して終わりですけど。
54周目、残り10周でリスタートする短距離戦。マクラーレンはさすがに始まってすぐに入れ替えるというわけにもいかないのである程度2人に争わせて4周後に自力でノリスが前に出ました。もうそのころにはフェルスタッペンは5秒も前方にいましたので勝負は決していました。フェルスタッペンが日本GP以来となる今季2勝目、通算65勝目を挙げました。レッドブルにとってこれはF1通算400戦目という節目のレースでした、持ってますね~。またフェルスタッペンはイモラで4連勝です。
上位9人はフェルスタッペン、ピアストリ、ノリス、ルクレール、アルボン、ラッセル、ハミルトン、サインツ、ハジャーの順。全員ハードなんですが奇数順位の人はさっき換えたタイヤ、偶数順位の人はステイアウトした人で綺麗に分かれました。マクラーレンは条件の良いノリスが後ろにいるわけですが、ピアストリはドライバー選手権1位の選手で予選でも前でした。さあパパイヤ ルール的にはどう考えたらいいんでしょうか、考えてたらもうマックスは逃亡して終わりですけど。
54周目、残り10周でリスタートする短距離戦。マクラーレンはさすがに始まってすぐに入れ替えるというわけにもいかないのである程度2人に争わせて4周後に自力でノリスが前に出ました。もうそのころにはフェルスタッペンは5秒も前方にいましたので勝負は決していました。フェルスタッペンが日本GP以来となる今季2勝目、通算65勝目を挙げました。レッドブルにとってこれはF1通算400戦目という節目のレースでした、持ってますね~。またフェルスタッペンはイモラで4連勝です。
ノリス、ピアストリが表彰台に乗り4位にはVSC・SCが味方になってくれたハミルトン。アルボン、ルクレール、ラッセル、サインツ、ハジャー、角田のトップ10でした。アルボンは今季7戦で6度目の入賞、かつ5位がこれで3回目。ウイリアムズは2022年以降の3年間で一度も6位以内に入っていなかったので快進撃とすら言えます。
どうせピアストリが逃げてフェルスタッペンはじわじわ離されて終わるレースだと思って見始めたらまさかの展開、フェルスタッペンはスタートの攻防での思い切りが見事で、今回は押し出すこともなく単純に素晴らしい争いを見せ、これ1つで勝利を手繰り寄せました。ペース自体も非常に速くてレッドブルの作戦も完璧、まるで常勝チームのようです(笑)
マクラーレンとピアストリはタイヤが摩耗してちょっと判断を急ぎすぎましたね。自分たちがレースで強い、主導権はこっちにある、という考えからつい「こっちが動けば向こうも動くはずだ、こっちのタイヤが厳しいのに向こうが耐えられるはずはない。」と判断してしまったのかなと思いました。集団に埋まって全然フェルスタッペンに追いつかなかったところでおそらく選択ミスに気付いただろうと思いますが後の祭りでした。
レッドブルはバーレーンのようにいわゆるリア リミテッドのコースだとズルッズルになって戦えない一方で、鈴鹿やサウジアラビアやここのようにフロント リミテッドのコースだと空力性能が活かせるし摩耗バランスも合っていて、そこにフェルスタッペンを加えるとマクラーレンと同等かそれ以上になるんだなと再認識できるレースでした。F1は何年かに1回、複数チームが僅差で争って、車両の特徴でコースごとに勢力図が変わる面白いシーズンがありますね。実際にはどこまで行ってもマクラーレンが僅かに車では勝っていて、それをフェルスタッペンの腕で強引にどうにかしてるんだと思いますが、まだそう簡単にシーズンを終わらせない気迫を感じました。
次戦はモナコ、ここはドライバーの度胸とセンスが相対的には勢力図に影響しやすく、前に出てしまえばそのままどうにかなるコースですが、紙一重である激戦と何も起きない凡戦のどちらに転ぶでしょうか。
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