Formula 1 Lenovo Japanese Grand Prix 2025
鈴鹿サーキット 5.807km×53Laps=307.771km
4位ラッセル、5位ルクレール、6位アントネッリ。ここまでスタート順位と変動がなく、実質レースをしていない2021年ベルギーを除けば常設サーキットとしてはF1史上初の出来事でした。また、アントネッリは31周目までタイヤを換えずに走り続けたのでラップ リードを記録、そして後半のハードを積極的に使えたのでこのレースのファステストも記録しました。18歳と224日のアントネッリ、これらはいずれもF1史上最年少記録となり、またこのファステストは鈴鹿における決勝の最速記録を塗り替えるタイムでもありました。フェルスタッペンが史上最年少優勝を記録したのは18歳227日で、ラップリードや優勝の記録を塗り替えられる最後の週末がこのレースでしたが、いくつか歴史に名を刻みました。
鈴鹿サーキット 5.807km×53Laps=307.771km
winner:Max Verstappen(Oracle Red Bull Racing/Red Bull Racing RB21-Honda RBPT)
始まったばかりの2025年F1シーズンですが第3戦で早くも日本に来ました。昨年に続いて春開催の鈴鹿サーキット、今年もたまたま桜が開花している時期と重なりました。新聞の記事で読みましたけど近年は海外からやってくるお客さんというのがかなり多くなっていて、昨年は桜があることでこれに拍車がかかった面もあるようですね。
我々にはお馴染みの鈴鹿ですが今年はセクター1の路面を再舗装、縁石・コース外の芝生・砂場も一部に変更が行われました。既にスーパーフォーミュラでも使用されていますが、ただでさえ速いコーナーが続く区間をさらに速く走れるようになったと思われます。ただスーパーフォーミュラでもそうですけどコースの大きさに対していくらなんでも速すぎますので、とにかく事故のないようにしてもらいたいです。
・レース前の話題
気の短いレッド ブル レーシングの首脳陣がたった2戦で決断、このレースからレーシング ブルズとドライバーを入れ替える『1・2軍入れ替え』を行い、角田 裕毅がレッドブルへ、リアム ローソンがレーシング ブルズへと転属しました。日本人選手が有力チームから出走する機会が到来したことで日本のファンは大盛り上がりでしょう、yahoo知恵袋も急にF1関係の質問、特に『どうやったら見れますか』『一番安い方法を教えてください』みたいなやつが増えていました(笑)
レッドブルから2軍チームに落とされたのはダニール クビアト、ピエール ガスリーに続く3人目ですか・・・角田に関しては『フェルスタッペンと同じオーバーステア好みだからローソンより合う』ということが言われます。フェルスタッペンのチームメイトが常に劣後してしまう要因として、彼がとにかく回頭性の高い車であることを第一に望みそれを桁外れの腕前で制御してしまうため、他の人が乗るとどこにすっ飛ぶか分からないヤバい車になっていて扱えない、ということがあると考えられています。
好みが似ていれば影響は相対的に小さくなりますが、現実問題として角田は今年の車・RB21で実戦走行しておらずシミュレーターだけのぶっつけ本番になります。しかもフェルスタッペン自身がこの車の挙動に満足できておらず扱いにくさを口にしていますから他の人がそれより上手く扱えるという可能性は小さく、まず第一目標としては6位以内でレースを終えられるぐらいになるのかなと思います。
日本人選手が前年にチャンピオンを獲得したチームから出走するのは史上初めて、前年に1勝でも記録したチームに乗ることすらほぼ無いですからねえ。角田への期待もありますが、ただまあたった2戦で交替させるんであれば最初から角田を起用していればよかっただけの話ですし、そうしなかった理由/ローソンを選択した理由があるのならそれを安易にひっくり返してどうなるんだという話にもなります。
「RB21にやるべきことが多くあることは承知しており、裕毅の経験は現在のクルマの開発に非常に役立つことが証明されるだろう。裕毅をチームに迎えてRB21のステアリングを握る姿を見るのを楽しみにしている。」
というのがチーム代表・クリスチャン ホーナーの声明ですが、首脳陣は自分たちの手法のマズさを全部ドライバーに責任転嫁しているように見えますし、過去に何度も書いていると思いますがレッドブルは働く人が最高の力を発揮できるようにする組織になっていないように思えます。ドライバーを最も構成部品の1つとみなして使っている印象がありますね。オフから乗っている車ではないから角田の結果が伴わないというパターンも想定はされると思いますが、その時に責めるべきは角田なのか、数か月を無駄にする采配をした自分たちなのか、首脳陣にはじっくり考えてからモノを言っていただきたいですね。
この唐突な決断にはフェルスタッペンの契約問題があるともされており、来年以降も長期契約を結んでいるもののいわゆる『逆パフォーマンス条項』があると噂されています。これは年間コンストラクターズ選手権順位が設定以下になった場合にはドライバーの方から契約を解除できるというもので、言ってみてば『俺様が乗るに相応しい速い車でなければこっちの好きにさせてもらいますよ』というようなもの、大物選手の契約にはよく付帯されていると聞きます。
フェルスタッペンが孤軍奮闘しても今年の状況だと下手したらコンストラクターズ4位になってしまうので、解除条項が発動したら困るからあわてて入賞できそうなコマと入れ替えた、という見方もされている様子です。今のところフェルスタッペンは5連覇を目指していますが、もしそうした噂が事実なら彼が『もういっそチームメイトがずっと0点でも良いや、このチームやめたい』とか思い始めたらもう本当に組織としてオシマイですね・・・
なお今回レッドブルは特別スキーム、かつてのホンダRA272をイメージして白ベースの車体になっているスロウバック スキームとなっているため、元々今年は白ベースになっているレーシングブルズとちょっと見分けが付きにくくなっています。決勝で角田が似たような場所を走って『なんだ、どっちでも変わらないじゃないか』とならないことを祈ります。あと私にはRA272よりもハムリンのSportClipsスキームのカムリに似ている気がしてならない。
そしてもう1つ、来年から新たな技術規則となってパワー ユニットはMGU-Hが廃止される一方で電動機の出力を大幅強化、最高出力における内燃機関と電動機の比率がおおよそ50:50になるという大きな変更が行われます。ところが、まだこの規則が始まってもいないのにFIAがV型10気筒エンジンを導入するような話を持ち出し始めました。それも、2026年車体規則がまだ継続している最中の2029年とか早い段階で導入したい意向すら示している模様。
最新の情報では近くこの件についてチームを集めた会合が行われる見通しで、場合によってはV10導入を前提に現行PUをさらに2年間延長して使用するというような案まで出ているようです。そうすると2026年用PU開発は全くの無駄になってしまい、新規参入のアウディーからしたら参戦前から梯子を外されたような状態になりますから意味が分かりません。今やっている燃料そのものが非化石由来となって温室効果ガス排出量が削減されるので、ほんなら小排気量ターボである必要ないやんか、という理屈みたいですが私はあまりに安直だと思いますね。CN燃料だって作るのに結局化石由来の何かしらの動力を使ってるわけで、使用料を減らすにこしたことはありません。
・練習走行
FP1は平穏でしたがFP2でジャック ドゥーハンが大クラッシュ。DRSを開けたままターン1に侵入してえげつない速度でコース外にはみ出して壁に突っ込みました。幸いドライバーは無事でしたが車両はかなりの破損。さらにフェルナンド アロンソがデグナー手前でうっかり芝を踏んでしまって曲がれず飛び出すと、中国で起きなかったので油断していた芝生火災まで発生。角田からするとRB21に慣れたいのにこのセッションでは12周しかできませんでした。
さらに土曜日のFP3
また出火。今年は非常に山火事が多い日本ですが、再舗装して車高をさらに攻めて下げてきた今年の各車のセッティングで火花も多くて火が付きやすいと思われます。このレースは3連戦の初戦、よくフジテレビの解説で茶化し気味に解説されますが、3連戦の初戦はレース後車検を細かくやると忙しいのでスキッド プランクの厚みを検査しないとも言われています。バレないと思って下げまくってるんじゃないか、と言われてもなんか否定できない感じで底を擦りまくってますね。
各セッションの最速はFP1と3がランド ノリス、FP2がオスカー ピアストリでした。角田はそれぞれ6位、18位、9位でした。なお、山火事が相次ぐ中で『本当の理由は〇〇だ』『自然にこんなに山火事が起きるはずがない、真犯人は〇〇だが隠蔽されている』みたいな事を書く輩がいますが、他人の不幸で注目を浴びようとするとか最低の行為です。まともな倫理観を身に着けるまでインターネットを使わないでいただきたいですね。
・予選
Q2、130Rの内側あたりで芝生出火、もうやだ(笑)懸念していた問題で余計な中断が入ってしまいましたが、Q2でアイザック ハジャーが9位、ローソンが14位、角田は15位と、こっちはこっちで懸念していた問題が発生してしまいました。角田は完全にタイヤの準備に失敗してアタックに入った段階で全然まだグリップが来ていなかった様子ですね。
そしてQ3、1回目の計測でピアストリが1分27秒052を記録し2019年にセバスチャン ベッテルが記録した最速を更新。フェルスタッペン、ルクレール、ラッセル、ノリスと続きます。ノリスは5位だとちょっと期待外れなので挽回したいところ。
勝負の2回目の計測、ノリスが今度は見事にまとめて1分26秒995とついに27秒の壁を破ります。あとはピアストリが、と思ったらなんとその前にフェルスタッペンが1分26秒983と0.012秒上回る大逆転。最後に来たピアストリは1分27秒027で惜しくも届かず、フェルスタッペンが今季初のピレリ ポール ポジションを獲得しました。フェルスタッペンが『予選1位』なのは昨年の第23戦カタール以来ですがこの時は他車の妨害で1グリッド降格。第14戦ベルギーでも予選1位でしたがPU交換で10グリッド降格となっており、ちゃんとしたポールは第11戦オーストリア以来です。本人も信じられない様子。
2位のノリスは最後のシケインで縁石にノリスぎましたね。ピアストリ、シャルル ルクレール、ジョージ ラッセル、キミ アントネッリのトップ6。7位にはなんとレーシングブルズのアイザック ハジャー、Q1ではシートベルトがきつく締まりすぎているという何とも言えない問題で痛くて集中できませんでしたが、一旦車から出てやり直して問題解消。痛みをやや引きずりつつも快走を見せました。ルイス ハミルトン、アレクサンダー アルボン、オリバー ベアマンと続きます、熊男出没注意。12位のカルロス サインツがQ2でハミルトンのアタック妨害をしてしまったので3グリッド降格となり、角田は14位スタートとなりました。
・決勝
日曜日は大気の状態が不安定ということで天気が懸念されましたが、夜から朝にかけて雨が降って決勝の時点では上がっていました。これでとりあえず草が燃える可能性は少なくなりましたが、路面温度が21℃とかなり低めです。私は天気が回復していたら午後から撮り鉄活動しようと思っていたので、ちょうどF1が始まるころの時間帯に外出したので録画観戦になりました(笑)
鈴鹿のような高速コースではあまり接近して走りたくないので、見た目上差が開いていてもそれが付いて行けないのか意図的なのか見極める必要がありますが、とりあえず序盤はフェルスタッペンが少しずつノリスを引き離して8周で2秒差になります。でもピアストリはお構い無しにノリスの0.6秒後方を走行、この人わりといつもこういうスタイルな気がしますね、若さがあふれています。
そんなピアストリもさすがに10周を経過するころには距離を取り、ほとんどのドライバー間の差が1秒以上になって当面我慢比べの展開。ノリスのエンジニア・ウィル ジョセフはタイヤについて「グレイニングの兆候は見られないからリアの温度が問題になるレースだ。」とお知らせ。フロントの傷み方がそんなにひどくないみたいです。あまりに何も起きないので国際映像もサービスして角田を映してくれたりしていますが、こちらも1周目にミスったローソンを抜いた以外変動が無くて13位、前にいるピエール ガスリーを抜くことができません。あ、ガスリーも元同僚ですね。
18周目、ノリスに対して「ボックス トゥー オーバーテイク フェルスタッペン」の指示。フェルスタッペンがピットに入らないなら入ってアンダーカットを狙うぞということですが、直前で「ステイ アウト」と指示変更、これは単なる揺さぶりでしょう。一方で5位のラッセルは19周目にミディアム勢で最初にピットに入りました。今日はミディアム→ハードの1ストップが圧倒的な主流作戦。
続いて20周目にはマクラーレンが2.5秒差の3位にいるピアストリをピットへ呼びました、2人でフェルスタッペンを攻略するためにまず後ろの人から動かして揺さぶる感じでしょうか。ノリスの方もここまで残しておいたタイヤを使ってフェルスタッペンとの差を詰め始めて1.5秒差になりました。
すると21周目、フェルスタッペンがピットに入った、のは分かるんですがノリスも同時にピットへ。普通に行ったら同時では順位は変わりません、公式ハイライト動画の解説者も「マクラーレンがなぜこうしたのか理解できん。」と口走ります。ただ今回のマクラーレンは最も出口側のピット、ノリスは左後方からフェルスタッペンが来ているのにアンセーフ リリースかという際どいタイミングで発進しました。そのまま並走してピットを出たら道が無いのでノリスはそのまま芝生に突っ込みふらふら。
スタートのタイヤは上位7人を含めた大多数がミディアム、8位のハミルトンがハードを選択。フォーメーション周回を終えて正規グリッドに着いたら1列目のフェルスタッペンとノリスはお互いに内側を向けて車を停車させ対抗意識ありありという感じでのスタートでしたが、雨で奇数列と偶数列の差が小さいせいか蹴り出しは意外とみんな似たようなもの、昨年はターン2の先で大事故が起きたのと対照的に今年は早い段階でほぼ1列になり1周目の上位10人に順位変動もありませんでした。
そんなピアストリもさすがに10周を経過するころには距離を取り、ほとんどのドライバー間の差が1秒以上になって当面我慢比べの展開。ノリスのエンジニア・ウィル ジョセフはタイヤについて「グレイニングの兆候は見られないからリアの温度が問題になるレースだ。」とお知らせ。フロントの傷み方がそんなにひどくないみたいです。あまりに何も起きないので国際映像もサービスして角田を映してくれたりしていますが、こちらも1周目にミスったローソンを抜いた以外変動が無くて13位、前にいるピエール ガスリーを抜くことができません。あ、ガスリーも元同僚ですね。
18周目、ノリスに対して「ボックス トゥー オーバーテイク フェルスタッペン」の指示。フェルスタッペンがピットに入らないなら入ってアンダーカットを狙うぞということですが、直前で「ステイ アウト」と指示変更、これは単なる揺さぶりでしょう。一方で5位のラッセルは19周目にミディアム勢で最初にピットに入りました。今日はミディアム→ハードの1ストップが圧倒的な主流作戦。
続いて20周目にはマクラーレンが2.5秒差の3位にいるピアストリをピットへ呼びました、2人でフェルスタッペンを攻略するためにまず後ろの人から動かして揺さぶる感じでしょうか。ノリスの方もここまで残しておいたタイヤを使ってフェルスタッペンとの差を詰め始めて1.5秒差になりました。
すると21周目、フェルスタッペンがピットに入った、のは分かるんですがノリスも同時にピットへ。普通に行ったら同時では順位は変わりません、公式ハイライト動画の解説者も「マクラーレンがなぜこうしたのか理解できん。」と口走ります。ただ今回のマクラーレンは最も出口側のピット、ノリスは左後方からフェルスタッペンが来ているのにアンセーフ リリースかという際どいタイミングで発進しました。そのまま並走してピットを出たら道が無いのでノリスはそのまま芝生に突っ込みふらふら。
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あぶねえ(笑) |
「押し出された。」と主張するノリスに対してフェルスタッペンは「あいつ自分から芝生に突っ込みはったで。あと白線超える前にリミッター解除しおった。」と指摘。私もあれはノリスの方が引くべき状況、というかそもそも並べて発進させること自体ペナルティーのリスクがあるだけで利益を得られる見込みがないのでチームは冷静に見るべきだったと思います。結局この件には何のペナルティーも出ず、フェルスタッペンは寄せていないし、ノリスは速度違反していなかったことになります。芝生で暴れたのでフェルスタッペンとノリスの差は2.5秒に拡大しました。あとピット出口脇で撮影してたカメラマンさん、芝生いっぱい飛んできて痛そう^^;
残り20周、フェルスタッペン、ノリス、ピアストリはそれぞれ1.5秒差でレース序盤のような状態に戻りました。ここから先に差が詰まったのはまたもやマクラーレンの方で、40周目にはピアストリがDRS圏に入りました。レッドブルからしたらパパイヤルールでてきとーに揉めててくれな感じ。
ピアストリは「もしランドはまだタイヤを労わってるのなら、今すぐ攻撃に転じないと。」とやんわり自分が速いアピール、エンジニアのトム スタラードからは「これがランドのペースだから。」と返答があり、なんとなくノリスはコケにされています。映像からはノリスの車がタイトっぽい動きに見えますが、このやり取りを聞いたジャンピエロ ランビアーズはフェルスタッペンへ「マクラーレンがペースについて話し合ってるけど集中して行け、お前のペースは良いぞ。」ほら、身内のゴタゴタを喜んでる(笑)
その後フェルスタッペンにはジャンピエロから「すまん、ピットでフラップの調整間違えたかもしれへんわ。」とちょっと怖いことを言われましたが、正しかったのか気にならないのかむしろ間違えたやつが良かったのか、ノリスを1.1秒以内に全く寄せ付けません。そうは言ってもこの高速コースでどっか1か所ミスったらその瞬間に全部パーになるわけですが、フェルスタッペンは全くミスらんどころか52周目にはこの時点で全体2番手(最終的に3番手)となる1分31秒041を記録、タイヤは余ってました( ゚Д゚)
残り20周、フェルスタッペン、ノリス、ピアストリはそれぞれ1.5秒差でレース序盤のような状態に戻りました。ここから先に差が詰まったのはまたもやマクラーレンの方で、40周目にはピアストリがDRS圏に入りました。レッドブルからしたらパパイヤルールでてきとーに揉めててくれな感じ。
ピアストリは「もしランドはまだタイヤを労わってるのなら、今すぐ攻撃に転じないと。」とやんわり自分が速いアピール、エンジニアのトム スタラードからは「これがランドのペースだから。」と返答があり、なんとなくノリスはコケにされています。映像からはノリスの車がタイトっぽい動きに見えますが、このやり取りを聞いたジャンピエロ ランビアーズはフェルスタッペンへ「マクラーレンがペースについて話し合ってるけど集中して行け、お前のペースは良いぞ。」ほら、身内のゴタゴタを喜んでる(笑)
その後フェルスタッペンにはジャンピエロから「すまん、ピットでフラップの調整間違えたかもしれへんわ。」とちょっと怖いことを言われましたが、正しかったのか気にならないのかむしろ間違えたやつが良かったのか、ノリスを1.1秒以内に全く寄せ付けません。そうは言ってもこの高速コースでどっか1か所ミスったらその瞬間に全部パーになるわけですが、フェルスタッペンは全くミスらんどころか52周目にはこの時点で全体2番手(最終的に3番手)となる1分31秒041を記録、タイヤは余ってました( ゚Д゚)
フェルスタッペンがポール トゥー ウインで今季初、通算64勝目を挙げました。日本GPは2022年から4年連続での優勝です。レッドブルとしてはこれが鈴鹿での8回目の優勝でコンストラクターとしては歴代最多となりました。大本命だったノリスとピアストリは2位・3位、予選での僅かな差がそのままレース結果に繋がりました。ただマクラーレンはこれで鈴鹿で延べ表彰台回獲得数が26回となり、これはコンストラクター別で最多記録です。
4位ラッセル、5位ルクレール、6位アントネッリ。ここまでスタート順位と変動がなく、実質レースをしていない2021年ベルギーを除けば常設サーキットとしてはF1史上初の出来事でした。また、アントネッリは31周目までタイヤを換えずに走り続けたのでラップ リードを記録、そして後半のハードを積極的に使えたのでこのレースのファステストも記録しました。18歳と224日のアントネッリ、これらはいずれもF1史上最年少記録となり、またこのファステストは鈴鹿における決勝の最速記録を塗り替えるタイムでもありました。フェルスタッペンが史上最年少優勝を記録したのは18歳227日で、ラップリードや優勝の記録を塗り替えられる最後の週末がこのレースでしたが、いくつか歴史に名を刻みました。
7位からハミルトン、ハジャー、アルボン、ベアマンとなり、ハジャーは3戦目で初入賞、ベアマンも2戦連続で入賞しました。ハジャーは予選でのシートベルト問題に続いて決勝前はシートに問題があってレース前にバタバタしているようでしたが100%と言える仕事をこなし、アルボンは無線で作戦から何から文句を言いまくってましたが3戦連続入賞でした。
フェルスタッペンがチャンピオンらしい素晴らしい走りでの優勝、全く追い抜きが無いので角田の話題性で久々にF1を見た人はあまりの事件の無さに退屈したことは想像に難くないですが、ずっとF1を見ている人からすると玄人好みで中身の濃い優勝争いと感じたのではないかと思います。フェルスタッペンにとっては路面温度が下がってタイヤの摩耗が少なくなったことが助けになったのかもしれませんが、まあとにかく予選での完璧な走りがあってこそですから腕でもぎ取ったと言って間違いない勝利だと思います。
一方でマクラーレン側からすると、タイヤが落ちてこないので作戦でどうにかするしか勝ち筋が見いだせない中で、結局それも手詰まりという感じになりました。結果論ですが、ノリスに対する18周目のピット指示はそのまま実行した方がいくらか可能性があったかもしれません。
なぜノリスがフェルスタッペンと同時に入ることになったのかを考えると、19周目にラッセルが動いたことがきっかけだと思います。20周目にノリスから動かすと、1周待たされるピアストリはピット後にラッセルにアンダーカットされる危険性があり、それを避けるには20周目に動かすしかなくなりました。
そしてピアストリを動かしてしまうと、ノリスを2周以上待たせたら今度はマクラーレンのチーム内でアンダーカットが成立して順番が入れ替わってしまいます。こうなるとまたパパイヤルールで譲るの譲らないのという話になりますし、タイヤが減らないレースでなおかつハードを使ったスティントとなると履歴差があっても大した威力がありません。威力が無い武器をこしらえるために揉め事を増やすのは割に合わないので順番にピットに呼ぶしかなかったと思われます。おそらくマクラーレンは『フェルスタッペンを攻略する(※ただしチーム内のドライバーは入れ替わらないこと)』という但し書きが付いた状態でレースしていますね。
そんな想像をめぐらしながらマクラーレンの代表・アンドレア ステラの話を読むとまあだいたい上記内容の通りで、ノリスを真っ先に動かさなかったのはSCの危険性を考慮したからだとのこと。冒険するよりもまずは確実に2位・3位を獲れることから優先する、見ている側からするとちょっと残念にも見える手堅いレースの進め方を重視したことが要因でした。でもそういう堅実さの積み重ねがあったからマクラーレンは現行規則最後の2年で一気に伸びたとも言えますし、選手権という点ではフェルスタッペンが追いついた方が面白いので個人的にはむしろ大歓迎です(笑)
そして角田は14位スタートで12位でした。最初にミスったローソンを抜き、ピット サイクルで作業にやや時間のかかったガスリーを抜いただけになってしまいました。前提条件を考えずに、フェルスタッペンがPtoWしたレースで相方がQ2落ちして決勝も入賞すらできませんでした、というのがあれば、ペレスでもガスリーでもクビアトでも間違いなく『実力不足』『交替させろ』と言われる結果だったと思いますから、結果だけで言えば角田も失敗の部類と言え、アンチはボロカス書いてるでしょう。
ただ最初にも書きましたが今回はあまりに条件が整っていない中での船出なので、そこは割り引いて考える必要があると思います。フェルスタッペンやハミルトン、かつてのベッテルとかミハエル シューマッハーとか、こういう言うなればA級を超えた特A級やS級の超超超一流選手というのはこういう条件でも平気で好成績を出して帰ってくるでしょう。
ですからそこと比べて『〇〇なら表彰台ぐらい乗ってる』みたいな言い方をするのは簡単ですが、個人的にはこういう特A級選手とA級選手にはやはり大きな違いというのがあると思うので、角田は特A級、何度もチャンピオンを獲って記録にも記憶に残るまでに特別な選手ではさすがにないだろうなとは思いますが、大多数のF1選手はみんなそういうもので、特A級の人が異常なんです(笑)
今のRB21はフェルスタッペンが乗ってなんとか表彰台を争えるような車、ゼクスが死ぬ気で乗って初めてウイングガンダムと張り合えるトールギスみたいなものだと思います。その他のOZのパイロットも精鋭部隊ですがトールギスは扱えずゼクスは別格です。オールドタイプのエース級パイロットでもニュータイプのアムロやカミーユとは大きさ差がありますね。これは架空の世界の話ですが、スポーツ競技/アスリートにもそういう部分は多かれ少なかれあると私は思うので、これは角田であろうとなかろうとそもそも今のRB21で表彰台に乗る、優勝するなんていうのを基準に置くのは望みとして高すぎる設定ではないかと思います。
そこまでの高望みをしなければ今回の角田は堅実に条件の中で仕事をしたと思いますし、まずこの3連戦を通じて車とレッドブルでの仕事のやり方、エンジニア陣との擦り合わせといった見えない部分を詰めていく時間を積み重ねることになるだろうと思います。本当に良くないのはそこで自分を大きく見せようとして壊しまくったり、無駄に怒ったり汚い言葉を吐いたりして余計な方向へ力を注いでしまうことでしょう。
それともう一点、レッドブルに入るととにかく対フェルスタッペンで比較されて評価を下げる危険性が高いので、そもそも話に乗らずにレーシングブルズで堅実にシーズンを進めたほうが良いと思うファンの方もそれなりにいたのではないかと思います。それも一理あるんですが、個人的にはそもそもこの世界に来る人は人並み外れた向上心の塊か人並み外れた金持ちしかいないので、機会があれば不利益になるかもしれないから断る、というのは選択肢に入っていない気がします。これがもしF1参戦たった2戦でレッドブルに呼ばれたとか、ライセンスは取ってるけどまだF2までしか乗ったことない、とかいう選手なら話は全然違いますけどね。
日本にいれば主力選手で年俸数億円を貰って最低でも5年ぐらいはやれそうなのにわざわざマイナー契約でMLBを目指す野球選手と同じようなもので、そもそもそういう気概がなければこの世界にたどり着いていないので、外から観れば愚かで無謀に見えてもアスリートからすると別に今までと同じことをしたまで、というのはあるんじゃないかと思います。
それに、レッドブル乗りました、まあ他のドライバーと似たような成績で微妙でした、となったら残酷な言い方をすればそもそもそこまでの才能、選手だということでもあるので、堅実にレーシングブルズで入賞を重ねても到達できる山の高さにはそんなに違いは出ないかもしれません。
それに、レッドブル乗りました、まあ他のドライバーと似たような成績で微妙でした、となったら残酷な言い方をすればそもそもそこまでの才能、選手だということでもあるので、堅実にレーシングブルズで入賞を重ねても到達できる山の高さにはそんなに違いは出ないかもしれません。
もっと先を見て『フェルスタッペンが抜けた弱小レッドブルフォードにエースとして取り残される』『アストンマーティンホンダへ2027年以降に加入するなら今レッドブル色を付けるのは得策ではない』というところまで心配している方はかなりの角田推しの方だと思いますが、来年すら分からない立場なので起用する側も本人もたぶん目の前のチャンスに食いついて結果を出す以外に無いと私は思いますね。
私はあんまり日本人ドライバーだとかいうこだわりで観戦してはいないんですが、でもどうせならやっぱり角田が好成績を残してくれた方が楽しいだろうし色んな人にモータースポーツの存在を知ってもらえる機会にもなると思うので、5月のマイアミあたりから上昇気配を漂わせてくれてスペインあたりで1回大きな結果に繋がればなあぐらいの勝手な希望的観測を持っています(笑)
さて、次戦は3連戦の2戦目・バーレーン。決勝の開始時間は日付が変わった4月15日0時になるみたいですね、録画視聴確定!
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