NASCAR Cup Series
Cook Out 400
・ステージ1
最初の20周は波乱なくベルがリードしていましたが、2位で様子見していたチェイスがここから急に接近して24周目にリードを奪います。スタート直後から放送席もタイヤを労わること、20周を超えてきてタイヤの性能が落ちてからが本当の力量であることを強調していましたが、まさにその通りの展開となりました。ベル陣営はレース前の段階からロング ランを課題に挙げていたそうでここからどのぐらい踏ん張るのかが注目でしたが、31周目にデブリーによりコーションが発生。本当の力は分からないまま大半のリード ラップ車両はピットへ。
ジョッシュ ベリーを先頭に6人がステイ アウトして40周目にリスタート、5枚の壁がある恩恵もあってベリーが快走します。20周以上かけてピット組で最上位となるロガーノが2位にたどり着きましたがベリーまで約2.5秒差。両者のタイム差は1周0.1~0.2秒程度でこのまま追いつかずに終わりそうだと思ったら、71周目にクリス ブッシャーがスピン。ステージ終了目前のコーションでふたたびのピット競争となりました。ブッシャーは外にゼイン スミスがいるのに寄せて行って自分から引っかかって壁に当たった感じです。
ここでベリーもタイヤ交換のためピットに入りましたが混雑するピット内で悲劇、ウォーレスにぶつけられてドアが凹んだ、だけならよかったんですが当たりどころが悪かったのかいきなり車の電源が切れて車両が停止。ドア付近は内部でバッテリーを積んでいる近くなので不具合が出たようで、ピットに戻ってバッテリーを積み替え再起動、せっかく頑張ってたのに思わぬ形で周回遅れです。
ロガーノ、薄毛だったから植毛したことをもうすっかり忘れるぐらい自然なふさふさになりましたね。
・ステージ2
ロガーノなどがピットに入った一方でボウマンはなおもステイアウトを選択、チェイスとの1列目で93周目にリスタートしますがタイヤの新しいチェイスが外から豪快にボウマンをかわしてリードを奪いました。これに10年ぶりのグランド ファーザー クロックを求めてハムリンおじさんが続きます。この組み合わせでのロングラン対決の行方、を見る前に122周目、バート マイヤーズの車が出力を失ったのかトラック上で止まってしまって4回目のコーション発生。リスタートから30周ちょっと走りましたのでまた大半の人はピットへ。
ハムリンをはじめとした5人はステイアウトを選択して132周目にリスタート、ステイアウト勢でハムリンより速い人はいないのでしばし独走となります。ステージ残り12周あたりから周回遅れに詰まり、その間に4輪を交換しているチェイスが2位となってかなり近くまでは来ましたが、焦るほどの状況になる前にステージ2はチェッカーを迎えました。ハムリン、チェイス、ウォーレス、ギブス、チェイス ブリスコー、ブレイニー、ロス チャステイン、ベル、ラーソン、タイラー レディックのトップ10でした。
この頃になるとオースティン シンドリックもベリーと同様に電気系の不具合が生じているようで、これまたバッテリー交換作業が発生します。クール スーツの循環水を冷やせなくなってしまい、温もってお湯が循環しているのでもはや逆効果になって機能を止めたとも言っていました。なぜかギブス君もクールスーツが壊れてるみたいですけどマーティンズビルに変な電磁波でも発生してるんでしょうか(。∀゜)
・ファイナル ステージ
ここはステイアウト無しのリードラップ全員ピット、ハムリン/チェイスの1列目で194周目にリスタートしましたが、7周後にライリー ハーブストがシンドリックに吹っ飛ばされてスピンしすぐにコーションとなってしまいました。クールスーツが壊れて集中力が、というわけではないでしょう。
さすがにここはほぼ全員ピットに入らず208周目にリスタート、気づいたら2列目にブレイニーがいるのでまだ全然勝負は分からないですね。とりあえずハムリン、チェイス、ウォーレス、ベル、ブレイニーのトップ5で隊列が落ち着きます。かなり路面にラバーが乗ったので、特にチェイスはやや外寄りを使ったV字に近いラインを使って上手く加速していると放送席が指摘しています。
最終ステージは燃料的に最低1回は給油が必要、現場の見方では理論上は2回タイヤを交換するのが最速だけど、実際はコーションの危険性や台数の多さを考えると難易度は高いとのこと。そんな中266周目、13位にいたバイロンがピットに入りますがすぐに他の人は動きません。バイロンとルディー フューグルのコンビは2ストップを狙ったと見せかけて変則1ストップもわりとやってくるので、アンダーカット狙いか2ストップ狙いか判断が難しいところです。ところが275周目、ピットを出たばかりのシェイン バン ギスバーゲンが脱輪、コーションとなったのでピットに入った人は大損しました。アンダーカット戦略の最大の敵が誰かしらの脱輪というのがなんともねえ。
287周目/残り114周でリスタートしますが11周後にギブスが回されてコーション。何というか、後ろにいたレディックの不注意っぽい事案に見えます。続くリスタートは307周目、しかしこれも2周後にノア グレッグソンがブッシャーにぶつけられてスピン、エクスフィニティー同様に終わりが見えてくると乱戦になってきました。エクスフィニティーのグダグダを受け、レース前のミーティングではソイヤーさんから『お互いに敬意を払いなさい』と忠告を受けてはいるんですが、この事故は流れの中での事故っぽいので致し方なしでしょうか。いや、グレッグソンがキレてコーション中に威嚇してるからかなり危ないな・・・(笑)
Cook Out 400
Martinsville Speedway 0.526miles×400Laps(80/100/220)=210.4miles
3月最後のNASCAR カップ シリーズは最小トラックのマーティンズビル、1949年からシリーズ戦が開催され続けてこれがなんと通算153回目の開催、デイトナに次いで2番目に開催の多いトラックです、なお最初の6年間は未舗装でした。短い直線と鋭角なターンで構成されておりターンのバンク角は12度。それもターンの内から外まで全てではなく自動車3台分ほどの幅でコンクリート舗装された部分だけです。外から抜くのはよほどの速度差が無いと難しく、内側を抑えられたらたとえそれが周回遅れでも簡単には抜けません。
リスタートで外にいると次々と車が内側に突っ込んできて順位を下げまくったりぶつけられたりするので、基本はとにかく内側を抑えておくこと。一方でNASCARの暗黙のマナーとしてあまりにも曲がらなくて遅い人が内側で鬼ブロックすることは好まれず、やり過ぎたらぶつけられます。最初は軽いあいさつ程度、やり過ぎたら吹っ飛ばされます。実際問題、あんまり無理に目先の順位を守ろうとするとブレーキとタイヤがもたないので、時には内側を空けて相手に譲ってしまい、一旦温度が下がるのを待つ頭脳的な走り方も必要です。
マーティンズビルのレースは長らく500周で定着していましたが、Gen7が導入された2022年から春のレースだけは400周に短縮されました。昨年の400周レース優勝者はウイリアム バイロンで、2022年も制しておりマーティンズビル2勝。一方で直近となる昨年秋の500周レースはライアン ブレイニーが制し、こちらも2023年秋と合わせて通算2勝です。
Gen7で開催されたマーティンズビル6戦で他に優勝しているのはカイル ラーソンとクリストファー ベル。ここでは2021年秋のアレックス ボウマンから7戦続けて30歳以下の選手が優勝しており、現役最多のマーティンズビル通算5勝を挙げているデニー ハムリンは2015年を最後に勝利がありません。じゃあ最近は成績が悪いのかというとGen7での6戦全てトップ10で平均順位9.3は全体7番手の数字、決して悪いわけではないんですね。
Gen7ではブレイニーが平均順位3.5と異様な好成績になっていますが、チームメイトのジョーイ ロガーノも優勝こそないものの6戦全てトップ10・平均5.2で2番手の数字。やはり本命はブレイニー、バイロン、ベル、ラーソン、ロガーノの5人あたりでしょうか。先週も活躍したバッバ ウォーレスがトップ10フィニッシュ3回で意外と好成績な一方で、カイル ブッシュ、ブラッド ケゼロウスキーのベテラン陣はいずれも2度の優勝経験がありつつGen7での平均順位は21を下回って厳しい結果になっています。
なお、今回使用されるタイヤは昨年の秋のマーティンズビル、開幕前のボウマン グレイ スタジアムで使用されたものと同じ種類、そしてショート トラックですので雨に備えてウエット ウエザー タイヤも用意されています。
・レース前の話題
来週のダーリントンに向けて各陣営がお馴染みのスロウバック スキームを公開しています。今年も細かすぎて伝わらないものが満載となっており、ハムリンは2000年のカール エドワーズが使用したオフィス デポ スキームを模したものだと言いつつ正直赤いだけみたいな微妙な見た目だったり、ベルはレース人生初期に指導してくれていた師匠・リック ファーケル(ワールド オブ アウトロウズの創設メンバーとしても知られる)が現役だったころのスキームだということで全然NASCAR関係なかったり、ネタ探しが大変そうです(笑)
リチャード チルドレス レーシングはエクスフィニティー シリーズで起用しているオースティン ヒルとジェシー ラブのカップシリーズスポット参戦計画を発表しました。ヒルはユナイテッド レンタルズの支援で第8戦ダーリントン、第19戦シカゴ、第26戦デイトナ、第29戦ブリストル、第34戦タラデガの計5戦へ、ラブはC4 アルティメット エナジーの支援で第9戦ブリストルに出場します。ラブはこれがカップシリーズのデビュー戦となります。
・Craftsman Truck Series The Boys & Girls Club of the Blue Ridge 200
高額優勝賞金が設定されたトリプル トラック チャレンジの初戦でもあるこのレース、ポールシッターのコリー ハイムが200周中149周をリードする圧倒的な速さでしたが、残り35周のリスタートでケイデン ハニーカットと軽く接触した際にタイヤをカット、クラッシュして優勝戦線から脱落します。そのハニーカットも残り14周・タイ マジェスキーに接触されて2台揃ってスピンしこれまた脱落。
タナボタでリーダーになったのはタイラー アンクラムでしたが、マカナリー ヒルジマン レーシングのチームメイト・ダニエル ヘムリックが1枚上手でした。残り4周で完全にアンクラムをかわしたヘムリックがトラックシリーズでは初勝利、全国シリーズとしても2021年のエクスフィニティーシリーズ最終戦以来3年4か月ぶり2度目の優勝となり、賞金5万ドルを手にしました。車から降りると車の上から歓喜のバックフリップを見せました。エドワーズのスロウバック、ではないです。
・Xfinity Series Marine Corps 250
ポールシッターのコナー ジリッチがステージ1・2を連取、250周中100周でリードを記録しましたが、速いだけではどうにもならないのがマーティンズビル。最終ステージに入ったらもうコーションだらけで約120周の間に10回もコーションが出てオーバータイムになりました。
そのオーバータイムはテイラー グレイをリーダーに始まりそのまま最終周のターン3まで来ましたが、2位のサミー スミスが無謀な体当たりに出たためグレイは吹っ飛ばされ、自身もフロント部分が凹んでどう見ても自爆。3位のジャスティン オールガイアーは隙を衝きたかったけど後ろからも押されているのでスミスに当たってしまい、結果4位にいたヒルが一番内側をするすると抜けて行きました。ヒルが今季2勝目・通算12勝目を挙げダッシュ フォー キャッシュの賞金10万ドルも手に入れました。またRCRはこれがエクスフィニティー通算100勝目でした。ユナイテッドレンタルズさん、彼にあと数戦カップのチャンスをあげてみたらどうでしょうか。
なお事後情報ですが、スミスの自爆攻撃はNASCARの許容範囲を超えていたと判断され、25000ドルの罰金とドライバー選手権ポイント50点剥奪の処分が課されました。あまりにレースが無茶苦茶になったので、次戦に向けてNASCARの競技担当責任者・エルトン ソイヤーは話し合いの機会を持つとしています。ちょっと度が過ぎてましたね。
・カップシリーズ
予選
ブッシュ ライトポール賞はベルが獲得、今シーズン初、マーティンズビルでも初めてで通算は14回目です。ベルは先週のレースがあまり良い結果ではなかったので出走順17番手、20人ほどが自分の後に予選に臨んだわけですが誰も彼の記録を上回ることができませんでした。2位からチェイス エリオット、ボウマン、ラーソン、ハムリン、クリス ブッシャー、ロガーノ、ウォーレス、タイラー レディック、バイロンのトップ10でした。ブレイニーは32位でした。
ちなみに練習走行の全体最速はウォーレス、周回を重ねた場合の平均タイムで速そうなのはウォーレスの他にタイ ギブスも意外と早く、30周平均だとブレイニーが最速でした。ギブスは予選13位、過去のマーティンズビルもあまり結果は出ていませんが今週はどうなるでしょうか。
最初の20周は波乱なくベルがリードしていましたが、2位で様子見していたチェイスがここから急に接近して24周目にリードを奪います。スタート直後から放送席もタイヤを労わること、20周を超えてきてタイヤの性能が落ちてからが本当の力量であることを強調していましたが、まさにその通りの展開となりました。ベル陣営はレース前の段階からロング ランを課題に挙げていたそうでここからどのぐらい踏ん張るのかが注目でしたが、31周目にデブリーによりコーションが発生。本当の力は分からないまま大半のリード ラップ車両はピットへ。
ジョッシュ ベリーを先頭に6人がステイ アウトして40周目にリスタート、5枚の壁がある恩恵もあってベリーが快走します。20周以上かけてピット組で最上位となるロガーノが2位にたどり着きましたがベリーまで約2.5秒差。両者のタイム差は1周0.1~0.2秒程度でこのまま追いつかずに終わりそうだと思ったら、71周目にクリス ブッシャーがスピン。ステージ終了目前のコーションでふたたびのピット競争となりました。ブッシャーは外にゼイン スミスがいるのに寄せて行って自分から引っかかって壁に当たった感じです。
ここでベリーもタイヤ交換のためピットに入りましたが混雑するピット内で悲劇、ウォーレスにぶつけられてドアが凹んだ、だけならよかったんですが当たりどころが悪かったのかいきなり車の電源が切れて車両が停止。ドア付近は内部でバッテリーを積んでいる近くなので不具合が出たようで、ピットに戻ってバッテリーを積み替え再起動、せっかく頑張ってたのに思わぬ形で周回遅れです。
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トラック上はステージ残り2周でリスタートし、ステイアウトしたロガーノがステージ1を制しました。ボウマン、A.J.アルメンディンガー、ケゼロウスキー、エリック ジョーンズ、ジョン ハンター ネメチェック、ライアン プリースとここまでがステイアウト勢。8位にピット組で最上位のチェイスが入りました。
ロガーノ、薄毛だったから植毛したことをもうすっかり忘れるぐらい自然なふさふさになりましたね。
・ステージ2
ロガーノなどがピットに入った一方でボウマンはなおもステイアウトを選択、チェイスとの1列目で93周目にリスタートしますがタイヤの新しいチェイスが外から豪快にボウマンをかわしてリードを奪いました。これに10年ぶりのグランド ファーザー クロックを求めてハムリンおじさんが続きます。この組み合わせでのロングラン対決の行方、を見る前に122周目、バート マイヤーズの車が出力を失ったのかトラック上で止まってしまって4回目のコーション発生。リスタートから30周ちょっと走りましたのでまた大半の人はピットへ。
ハムリンをはじめとした5人はステイアウトを選択して132周目にリスタート、ステイアウト勢でハムリンより速い人はいないのでしばし独走となります。ステージ残り12周あたりから周回遅れに詰まり、その間に4輪を交換しているチェイスが2位となってかなり近くまでは来ましたが、焦るほどの状況になる前にステージ2はチェッカーを迎えました。ハムリン、チェイス、ウォーレス、ギブス、チェイス ブリスコー、ブレイニー、ロス チャステイン、ベル、ラーソン、タイラー レディックのトップ10でした。
この頃になるとオースティン シンドリックもベリーと同様に電気系の不具合が生じているようで、これまたバッテリー交換作業が発生します。クール スーツの循環水を冷やせなくなってしまい、温もってお湯が循環しているのでもはや逆効果になって機能を止めたとも言っていました。なぜかギブス君もクールスーツが壊れてるみたいですけどマーティンズビルに変な電磁波でも発生してるんでしょうか(。∀゜)
ここはステイアウト無しのリードラップ全員ピット、ハムリン/チェイスの1列目で194周目にリスタートしましたが、7周後にライリー ハーブストがシンドリックに吹っ飛ばされてスピンしすぐにコーションとなってしまいました。クールスーツが壊れて集中力が、というわけではないでしょう。
さすがにここはほぼ全員ピットに入らず208周目にリスタート、気づいたら2列目にブレイニーがいるのでまだ全然勝負は分からないですね。とりあえずハムリン、チェイス、ウォーレス、ベル、ブレイニーのトップ5で隊列が落ち着きます。かなり路面にラバーが乗ったので、特にチェイスはやや外寄りを使ったV字に近いラインを使って上手く加速していると放送席が指摘しています。
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これで他の人たちはコーション中にピットに入ることができました。ハムリンはここも先頭でピットを出て、続いたのは1番ピットのベル。ウォーレス、チェイスが続きました。ベルはレース序盤に古いタイヤのケゼロウスキーと絡んでごっちゃごちゃになり一時大きく順位を下げていましたが、少しずつ戻してきて元居た場所に帰ってきました。マーティンズビルはピットも狭いし曲がってるので1番ピットの効果がデカい気がしますね。
287周目/残り114周でリスタートしますが11周後にギブスが回されてコーション。何というか、後ろにいたレディックの不注意っぽい事案に見えます。続くリスタートは307周目、しかしこれも2周後にノア グレッグソンがブッシャーにぶつけられてスピン、エクスフィニティー同様に終わりが見えてくると乱戦になってきました。エクスフィニティーのグダグダを受け、レース前のミーティングではソイヤーさんから『お互いに敬意を払いなさい』と忠告を受けてはいるんですが、この事故は流れの中での事故っぽいので致し方なしでしょうか。いや、グレッグソンがキレてコーション中に威嚇してるからかなり危ないな・・・(笑)
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けっこう勢いよくぶつかったふなっしー |
316周目にリスタートしますが、今回は翌周にブリスコーが突っ込みすぎて姿勢を乱しロガーノを吹っ飛ばしました、恨みを買うやつ。続いてのリスタートは326周目、ここでベルが外からハムリンをかわそうと数周にわたって並走し抵抗しましたが、ハムリンの車からは何というか「お前もう3つも勝ってるやろ、俺にも勝たせろや!」的雰囲気が漂っていて、抑え込むことに成功します。ハムリンの車の動き、ものすごく良いように見えます。
ここからはハムリン、ベル、ウォーレス、チェイスの4人がいずれも0.4秒前後の間隔で並んだままレースは残り50周を切りました。もし私が追いかける側のドライバーなら今仕掛けようとしてもタイヤを使うだけなのでとりあえず周回遅れを待ちたいですね。コーションが出ないなら周回遅れが出てから最後の勝負にタイヤを残したいですし、コーションが出るとしたらタイヤが残っていないとリスタートでボコられるので、どっちにしろタイヤを残したいです。ハムリンからするとそれが分かってますから後ろを見てあまり攻めすぎないことでしょうかね。
ここからはハムリン、ベル、ウォーレス、チェイスの4人がいずれも0.4秒前後の間隔で並んだままレースは残り50周を切りました。もし私が追いかける側のドライバーなら今仕掛けようとしてもタイヤを使うだけなのでとりあえず周回遅れを待ちたいですね。コーションが出ないなら周回遅れが出てから最後の勝負にタイヤを残したいですし、コーションが出るとしたらタイヤが残っていないとリスタートでボコられるので、どっちにしろタイヤを残したいです。ハムリンからするとそれが分かってますから後ろを見てあまり攻めすぎないことでしょうかね。
残り30周あたりからハムリンは周回遅れの集団に入りはじめましたが、ここまで加速時に非常に丁寧にスロットルを開けてタイヤを労わる走り方を徹底していたとのこと。タイヤが残っているしトラクションのかかりが非常に良いので、立ち上がりでうまく周回遅れを処理して追う側が期待する展開になりません。むしろベルの方が周回遅れに手間取って差が開いています。
結局ここからの30周ほどで完全に明暗が分かれました、ハムリンとベルの差はみるみる開いて残り23周で1秒、4周後には1.5秒、残り14周でとうとう2秒差。NASCAR名物、独走確定と思ったらコーションで台無し、というパターンも今回は起きず、なんと最終的に4.617秒という大差でハムリンが今シーズン初優勝を挙げました。通算55勝目、マーティンズビルでは10年ぶりの6勝目です。
結局ここからの30周ほどで完全に明暗が分かれました、ハムリンとベルの差はみるみる開いて残り23周で1秒、4周後には1.5秒、残り14周でとうとう2秒差。NASCAR名物、独走確定と思ったらコーションで台無し、というパターンも今回は起きず、なんと最終的に4.617秒という大差でハムリンが今シーズン初優勝を挙げました。通算55勝目、マーティンズビルでは10年ぶりの6勝目です。
ハムリンはドーナツではなくバーンナウトしたままトラックを逆走するパフォーマンスを披露、解説で散々タイヤを労わる話をしてきただけに、放送席のクリント ボイヤーも「どんだけタイヤ労わっとったんや!」。
通算55勝はラスティー ウォーレスと並ぶ歴代11位タイ。
「クリス ゲイル、エンジニア全員、ピット クルー、ウォールの向こうにいる全員が、ここ数年の我々とは違うアプローチでここに来ることを決意したんだ。本当に素晴らしかった。車は素晴らしかった。必要なことは全てやってくれた、クリスと一緒に勝って55勝を手にして本当にうれしいよ。」
昨年までのクルー チーフ・クリス ゲイブハートがチームの競技部門のとりまとめ役に異動し、昨年はギブスのクルーチーフだったクリス ゲイルと新たなコンビを組むことになったハムリン。
「彼はこの11番のチームにやって来て、私たちのスタイルを学ぶという点で本当に勇敢な戦士さ。ここ数週間、彼は最後の仕上げをしてくれた、本当に素晴らしくかみ合ったよ。僕らの関係は良くなってきている。彼と一緒に勝てて本当に嬉しいよ。何年もレイト モデルなどでレースをしてきたマーティンズビルに戻ってきて。ああ、ここで勝つのは最高だ。」
ハムリンはバーンナウト後に『11 AGAINST THE WORLD』(ハムリン対世界)という旗を掲げていましたが、この意味については
「昨年末に一緒に過ごしたオハイオ州立大学のファンの仲間たちはいつも『オハイオ州立大学対世界』というイメージを持っていたんだ。だから今は『11対世界』さ。」
オハイオ州立は大学フットボールの名門強豪大学、1月に開催されたプレイオフでもノートルダムを下していわゆる全米王者となりました。ハムリンはロガーノほどの無謀な走りは少ないわりに、時に荒っぽい物言いが物議を醸すこともあるせいか優勝すればブーイングを浴びるのが定着しているだけに、そこに対する彼なりの対抗心というところでしょうか。また自身が共同オーナーを務める23XI レーシングはNASCARと泥沼の法廷闘争中ですから、こちらに対する意味も含まれているのかもしれません。何にせよ彼らしい反抗の仕方です(笑)
2位は「フリーになるように調節したら最後はルースになりすぎた。」と敗因を語ったベル、続いてウォーレスが2戦連続での3位です。チェイス、ラーソン、チャステイン、プリース、ロガーノ、ブリスコー、トッド ギリランドのトップ10でした。ロガーノは最後にブリスコーの前でレースを終えられたのでいくらか良い気分で終えられたでしょうかね。
今回酷いレースになってしまったのはベリーとシンドリックでした。2人とも複数回のバッテリー交換が必要になり、ベリーはせっかく速い車を持っていたのに4周遅れの32位。そしてシンドリックはなんと『ペンスキーが持ってきていたバッテリーの在庫が無くなった』という珍事でリタイアし37位でした。ウッド ブラザーズ レーシングもペンスキーの提携チームなのでペンスキーの道具を使っており、レース中に何回も何回も複数のドライバーがバッテリーを積み替えるような事態が想定されていませんでした。
・ステージ 車検場
レース後車検で24位フィニッシュのジョーンズに失格処分が下されました。規定最低重量を満たしていませんでした。これによりジョーンズは最下位扱いの38位となり、レース中のステージ順位等の記録や獲得ポイントも抹消されました。チームは控訴しませんでした。
終わってみれば400周中274周のリード、ハムリンの完勝でした。解説によるとGen7車両になってマーティンズビルではターンの真ん中で車の向きが変わりにくい特性があるとのこと。どうしても早く向きを変えたいと思うとクルンと車の向きが変わるセッティングにしたくなりますが、そうすると後ろが滑ってしまうので現在の仕様のタイヤでは摩耗が進んでロングランで苦しくなってしまいます。ハムリンはこのあたり、クルーチーフが変わったことで重視する部分を変えてきたのかなと思います。
もう1人変化を実感しているのがウォーレス、彼も今年新たなクルーチーフ・チャールズ デナイクと組んでいます。デナイクはこれまでトラックシリーズでクルーチーフをしておりカップシリーズを担当するのは初めてですが、過去2年間はクリスチャン エッケスを担当して2年連続で4勝しています。そんなに簡単に事が運ぶわけではないですが、ウォーレスはこれまでのレースで手ごたえを感じているようで、ハムリンもウォーレスの走りを評価していたようです。どうしてもウォーレスって10~15位の選手、たまにトップ5、ぐらいのイメージですから、これは1段階上がってくると見る側も面白いですね。
次戦はダーリントン、スロウバック ウイークエンドです。珍しいペイント スキームで誰が誰か分からなくなりつつ楽しみましょう。
コメント
話は変わりますが、アベマの中継、天野さんと桃田さん観ました。G+時代を思い出し懐かしく、それ以来のNASCAR視聴と言うコメントや、それ以降の「空白期」について教えて欲しいというコメントもありましたね。ベルの初優勝は2021年のデイトナ/ロードだし、チャステインやシンドリックも、それ以降に台頭してきたドライバー。観るにはとても楽しいし、再びNASCARを観るファンが増えるいい機会なので、是非、アベマには頑張って欲しいと思います。ただ、観戦記を書くには、ピット順やペナルティなど、ノートパソコンで画面を最大にして、英文表記して観ていると、必要な情報量が足りなくて無理ですね。引き続き、現地実況に頼ろうと思います。
私も反応を知りたくてABEMAのコメント欄をちょっと見たりするんですけどG+以来の人が複数いて「日本語実況解説があるって大事なんやなあ」と思いましたね。(YouTubeに公式フル動画があることが知られていない、というのもあるとは思います)
ハムリンにとってクルーチーフ変更が上手く回っているのならまだまだ勝てる要素はじゅうぶんあると思います、わざわざあんな旗を用意しているうちは気力もじゅうぶんでしょう(笑)訴訟については調べた範囲ではそんなに大したことは喋って無かったと思いますね、立場上これはあんまり法定外で余計なことを口にしてはいけないというのもありますし。
エクスフィニティーのチャンピオンだったよね?と思いましたが、そのエクスフィニティーでの優勝自体2021年のチャンピオンを決めた最終戦の1勝のみ(これはこれでそのワンチャンスを掴んだ事が凄いと思います)なのも考えれば、完走の安定感だけではカップシリーズを戦うのは厳しいのかなと思わされます。
それでも、バックフリップをカールの様にいつかはカップ戦でも決められる日を待ちたいと思います。
ハムリンはNext Genになってからのショートトラックではマーティンズビルだけまだ勝っていなかったことも意外でした。
マーティンズビル6勝目は現役ドライバーの中では最多ですし(それでもリチャードペティのマーティンズビル15勝は絶対に破られない記録でしょうね)、オーナーとしては今は大変な状況かも知れませんが、それでも新スポンサーのプログレッシブに早いタイミングで勝利を見せられた事は大きいでしょうし、そしてF1の記事で貼られていた高安とどちらが早く「アレ」を達成するかも楽しみです。
あと1勝でJGRでの勝利数もトップのカイルに並びますし、これも得意な次のダーリントン戦で早く決めてほしいです。
自分的にはオフィスデポはトニーのスキームのイメージです。
同ポイントまでもつれ勝利数の差でチャンピオンが決められた2011年のトニーのプレーオフだけで5勝の爆発力は忘れられません。
カールの方を当時アフラックやサブウェイ、たまにケロッグといった日本でも馴染みがあるスポンサーのスキームだったのもあって応援していましたが、そのシーズンは1勝のみだった事がポイント制度の違いはあるにせよ、2003年のケンゼスの時と違って逆に響いてしまった形が残念でした。
相撲ネタを拾っている(笑)ハムリンは去年もTRD側の凡ミスやディロンの自爆が無ければもうちょっと上に行っていた可能性がありましたし、クルーチーフ交替で向上心を持って取り組んでいる雰囲気なので期待は持てそうな感じですね。
私もオフィスデポはスチュワート、エドワーズはアフラックのアヒルちゃんのイメージが強いですね~。