2024 AUTOBACS SUPER GT Round8 MOTEGI GT 300km RACE
モビリティリゾートもてぎ 4.801km×63Laps=302.463km
なお、今日本で注目されている女性ドライバーといえばjujuこと野田 樹潤ですが、juju選手は今のところスーパーライセンスポイントが0なので、現時点でFEテストに参加したところで、というのが現実です。どのみち参戦しているスーパーフォーミュラとFEテストの日程が近すぎて参加は難しいですけどね。
モビリティリゾートもてぎ 4.801km×63Laps=302.463km
GT500 class winner:au TOM'S GR Supra 坪井 翔/山下 健太
(TOYOTA GR Supra GT500/TGR TEAM au TOM'S)
GT300 class winner:VENTENY Lamborghini GT3 小暮 卓史/元嶋 佑弥
(LAMBORGHINI HURACAN GT3 Evo2/JLOC)
オートバックス スーパー GT、前戦から2週間の間隔で開催される第7戦(公式表記は第8戦)はもてぎ、本来なら最終戦だったはずのレースです。チャンピオンが決まってレース後にセレモニーがあって、というのを期待していた方からすると鈴鹿の延期によりもてぎが最終戦でなくなったのは少し恨めしいかもしれません。
2009年以降はシリーズの最終戦として開催され、パンデミックによる日程変更の影響で一旦2020年から2年間はその座を富士に明け渡したものの、その後ふたたび最終戦に戻ってきているもてぎ。2008年以前の3年間も富士が最終戦の開催地でしたが、当時ターボエンジンにはやや不利な規則で直線の遅かった日産陣営が「最終戦の富士を続けるならボイコットする」的なちょっと強い言葉を発していたと記憶しています。実際には彼らもVK45DEエンジンを投入してNA化し対策をするわけですが、やや車両特性が顕著に出てしまう富士が最終戦を避けられる一因ではあるのかなあと思います。
話が逸れましたが、2021年以来3年ぶりにサクセスウエイト搭載状態でのもてぎのレースとなります。ストップ&ゴーのもてぎは車が重たいとブレーキへの負担がじわじわ効いてきますし、GT500クラスで最大燃料流量が下げられている車両は加速もきつくなります。今年は『実ウエイトは少し軽いけど流量制限あり』『流量制限はないけど実ウエイトが重い』の境界線付近の車両がそれなりにいるので、どっちの方がまだマシなんだろうか、という興味もあります。
・レース前の話題
アステモ リアル レーシングの太田 格之進が11月にデイトナ インターナショナル スピードウェイで開催されるIMSA ウェザーテック スポーツカー 選手権の公式テストに参加し、アキュラ ARX-06 の走行機会を得たことが発表されました。太田選手、京都出身で小学校から大学まで立命館一筋、立命館大学 法学部卒業ということできっとお金持ちで秀才なんだな、とか思ったりしますが、英語も既に堪能らしく海外志向も強いそうです。
IMSAの活動自体がアメリカのHPD主導で日本側のホンダ本体からすると『アメリカ部門で勝手にやってます』的立ち位置だったと思うので、ホンダのドライバー育成活動において日本からIMSAへの道は今まであんまり無かったと思いますが、HRCが全体を取りまとめる形にしたことも多少関係あるでしょうかね。
そしてもう1人、こちら今シーズンはGT300のアールキューズ モータースポーツに所属してなかなか良い走りを披露した印象のある小山 美姫がABB FIA フォーミュラE 世界選手権の女性ドライバー限定テストにアプトから参加することも発表されました。小山は2022年にフォーミュラ リージョナル ジャパニーズ チャンピオンシップでチャンピオンを獲得し、現在はトヨタの育成ドライバーとなっています。アプトは今シーズンからローラのパワートレインを搭載し、ローラにはヤマハが技術提携していて、そのヤマハにはトヨタが出資して昔から強力関係にありますから、こうした一連の流れは多少影響したと思われます。
でも話が進んだのは前戦オートポリスの週末で、レースが終わったら即ドイツへ行ってシート合わせとシミュレーター走行をこなして、とかなりの大急ぎの予定で行ったり来たりした様子。小山選手はFRチャンピオンでスーパーライセンスポイントを現時点で15点以上有しています。F1でお馴染みのジャーナリスト・米家 峰起がXに投稿した内容によれば、フォーミュラE出場のためのライセンス発給要件はスーパーライセンスポイント20点の他に、15点+走行距離100km以上というのもあるそうで、今回のテストで100km以上走れば発給要件を満たせる模様。米家さんの情報なのでたぶん正しい内容でしょう。
| https://x.com/m_yoneya/status/1849568605463249367 |
なお、今日本で注目されている女性ドライバーといえばjujuこと野田 樹潤ですが、juju選手は今のところスーパーライセンスポイントが0なので、現時点でFEテストに参加したところで、というのが現実です。どのみち参戦しているスーパーフォーミュラとFEテストの日程が近すぎて参加は難しいですけどね。
・予選
GTは今日も雨だった(-_-)GT300クラスの予選は雨なのでタイム合算方式無しになりましたが、Q1は時間とともに雨が強まって途中でレッド フラッグにより中断が挟まる状態。再開後も開始時点ほど好条件では無かったようで、結局Q1の最速はPONOS FERRARI 296・ケイ コッツォリーノが計測3周目に出した1分58秒352がそのまま最後まで残り続ける、という珍しい形になりました。
いくぶん路面水量が減ったらしいQ2ではタイヤで言うとブリヂストンとミシュランが強いのかな、という印象の中でapr LC500h GT・小高 一斗が1分57秒322を記録してポール ポジションを獲得しました。小高はムータレーシングに所属していた2020年に2回ポールを獲っており、それ以来の通算3回目。aprとしては2021年第6戦オートポリスでの嵯峨 宏紀以来でLC500hでの初ポールでした。
1 apr LC500h GT(25kg) 小高 一斗/中村 仁
2 Studie BMW M4(35kg) 荒 聖治/ニクラス クルッテン
3 UPGARAGE NSX GT3(4kg) 小林 崇志/小出 俊
4 LEON PYRAMID AMG(50kg) 蒲生 尚弥/篠原 拓郎
5 SUBARU BRZ R&D SPORT(9kg) 井口 卓人/山内 英輝
6 PONOS FERRARI 296(22kg) ケイ コッツォリーノ/リル ワドゥー
9 D'station Vantage GT3(49kg) 藤井 誠暢/チャーリー ファグ
16 muta Racing GR86 GT(50kg) 平良 響/堤 優威
17 VENTENY Lamborghini GT3(50kg) 小暮 卓史/元嶋 佑弥
ポノスはQ2でもワドゥーが良い走りでしたが、かなり路面状況が難しそうな最終コーナーあたりが上手くまとまらなかったように見えて6位、でも296はここまでの傾向として基本的にウエットで速いですね。選手権上位勢ではレオンがQ1序盤は苦戦していた様子でしたが最後は上手いことまとめて4位。逆にQ1でタイムが出ないうちに終わってしまった感のあるムータとJLOCベンテニーウラカンは下位に沈んでしまいました。ムータは何か飛び道具があるでしょうけどJLOCは後輪交換しか特殊武器が無いのでとにかく決勝は抜くしかないですね。BRZも前戦での事故から修理され、ちゃんと出場して5位です。
一方こちら雨でもタイム合算のGT500、時々こういう条件で異様に強いダンロップ・Modulo CIVIC TYPE R-GTがツボにはまりました。Q1で大草 りきが1分49秒255を記録して2位に0.335秒、3位以下に対しては0.9秒以上の貯金を稼ぐと、Q2の伊沢 拓也も1位から0.579秒遅れの1分48秒656でセッション3位となり、合算タイムで2位を0.381秒引き離しポールを手にしました。中嶋レーシングのポールは2021年第4戦(公式表記は第3戦)鈴鹿以来4年ぶり。でもあの時はレース序盤にクラッシュしてしまったんですよね、今度こそちゃんと勝負したい。
1 Modulo CIVIC TYPE R-GT(7kg) 伊沢 拓也/大草 りき
2 ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GT #8(26kg) 野尻 智紀/松下 信治
3 au TOM'S GR Supra(36kg/-1) 坪井 翔/山下 健太
4 KeePer CERUMO GR Supra(41kg) 石浦 宏明/大湯 都史樹
5 ENEOS X PRIME GR Supra(32kg) 大嶋 和也/福住 仁嶺
6 ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GT #16(21kg) 大津 弘樹/佐藤 蓮
7 DENSO KOBELCO SARD GR Supra(39kg) 関口 雄飛/中山 雄一
8 Deloitte TOM'S GR Supra(34kg/-1) 笹原 右京/ジュリアーノ アレジ
9 STANLEY CIVIC TYPE R-GT(34kg/-1) 山本 尚貴/牧野 任祐
11 Niterra MOTUL Z(46kg) 高星 明誠/三宅 淳詞
12 MOTUL AUTECH Z(40kg) 千代 勝正/ロニー クインタレッリ
前戦を終えてけっこうドライバー選手権が接戦になりましたが、雨で相対的にサクセスウエイトの影響力が小さくなったことも手伝ったかauトムスが3位。Q1の坪井は前の車に詰まって1.6秒遅れの8位でしたが、Q2の山下はなんとしても間隔を空けるために4周しかない計測周のうち3周を全て最終セクターで減速して捨ててしまい、最後の1周でQ2で2位となる記録を出しました。間隔を空けてゆっくり走っている最中に他者の邪魔になったような映像がありましたがペナルティーではなかったようです。
Q2で最速だったのはARTA8号車・松下の1分48秒077でこれが効いての2位。Q1では福住が2位を記録していたエネオスルーキーは、Q2で大嶋が13位とちょっと苦戦してしまい合算で5位まで下がってしまいました。デロイトトムスとスタンレー国光はauに上に行かれてしまった以上は悔しい結果かもしれません。
・決勝スタートドライバー
これだけぞろぞろとピットに入ってくる様子をここのカメラで撮って放送してるのはわりと珍しいアングルな気がするなとか思いました。GT300でも22周目にレオンAMGとベンテニーウラカン がピットへ。K2 R&Dレーシングは無交換で蒲生から篠原へ、 JLOCは2輪交換で元嶋から小暮へ。この2台は実質の2位、3位で合流しました。
BRZが かなりコースの外側まで出ていったので逆に回収は早く終わり、FCYは翌周には 解除されました。FCY直前にエネオス・ 福住に抜かれて7位に落ちていた山本はさらに後ろから狙われてひ たすら防戦を強いられています。この後エネオスGRスープラは出力が出なくなる不具合に見舞われてピットに入ったので山本は6位を取り戻しますが、何せチャンピオンを争う最大の相手・山下が1位を独走しているので苦しい立場。
GT500は伊沢、松下、坪井、石浦、大嶋、大津。 GT300は中村、荒、小出、蒲生、井口、 ワドゥーとなりました。決勝開始前は快晴で気温21℃、 路面温度29℃ととても快適。なにせこの週末のスリック タイヤでの走行はグリッドに付く前のウォームアップ走行だけです から、走ってみないと誰が速いのか分かりません。 伊沢選手はとりあえず飛ばせるだけ飛ばしてみて、 タイヤがダメならごめんなさい作戦しかないですかね・・・
・決勝
警察車両による先導走行、栃木県警はNSX、インプレッサ、 GT- Rなどお馴染みヨダレが出るパトカーを持っているのでちょっと格 好良い隊列になります。 インプレッサだけちょっとコース外に飛び出して砂の上を走ってい ただけると()そういえば以前にフジテレビNEXTで放送されている「 みんなの鉄道」という番組で真岡鐵道の回を見たんですが、 番組の終わりごろに踏切で待っている一般車両がNSXだったので 鉄道よりそっちが気になって「おお、さすがもてぎ!」 と思ったことがありますw
スタートは両クラスともに、後方までちゃんと最終コーナーを立ち上が って隊列が揃わないうちにもうレースが始まってしまい、 特にGT500は始まった時点で1位から最後尾まで直線1本ぐら いの差がついてしまいました。 まずは伊沢を先頭に上位4人は予選のままとなります。耐久レースだしタイヤも冷えてるからスタートで無理しちゃいけないのは分かるんですけど、いくら何でも開きすぎな気がするんですよねえ。
GT300では蒲生がスタートから仕掛けていってターン3で3位 に浮上、 抜かれた小出がターン5で抜き返そうと内側に入ったものの、 抜けずに加速が鈍ったら逆に山内に抜かれて1周で2つ順位が 下がりました。
上位勢が比較的落ち着いた展開の中で目を引いたのはベンテニーウ ラカン、 元嶋がギャンギャンに攻めていて6周目には既に9位まで浮上、 さらに前を狙います。するとその直後、GAINER TANAX Z(10kg) にエンジン関係の不具合が出たようでピット出口の先あたりで車を 止めてしまい、これを動かすためにFCYとなりました。猛烈に攻めているであろう 元嶋選手はタイヤを少し冷やせるのでありがたいかもしれませんね。
なおゲイナーZは結局エンジンそのものではなくセンサー関係の不具合で動いたり止まったりしたようで、再起動と停止を何度か繰り返し12周遅れの23位でレースを終えました。この車、設計自由度の高いGTA-GT300車両ではあるんですが、ゲイナーが日産側に製造許可を取りにいったところ『量産車フレームを使用すること』を条件として出されたので、ざっくり言うと2002年以前の古いGT500規定のような作り方が求められています。エンジンはGT-R NISMO GT3のVR38DETTをそのまま使う、つもりがGT-Rより小さい車体なのでただでさえ搭載場所が狭く、そこに量産車フレームも邪魔になるのでけっこう無理くり押し込まれ、タービンも少し小さいものが使われているようです。不具合の多さも致し方なしでしょうか。
話をレースに戻すと8周目にFCYが解除されます。困ったことにGT500のリーダー・伊沢は『ちょうど今からGT300の後方集団に追いつ きますよ』という面倒くさいところでFCYになっていたので、 再開直後のターン5で松下にスパッとかわされてしまいます。すると今度は9周目にHOPPY Shatsz GR Supra GT(0kg)がS字で砂場に埋まって停止して連続FCY。右後輪がいきなり脱輪したようで、原因はハブの破損だったそうです。
GT500が10周目のセクター4に入るあたりでこのFCYは解除されますが、 なんとさっきリードを奪ったばかりの松下が出遅れて3位に後退。レース後のARTAのリポートでは「出遅れちゃって」としか書いていないので、本当に早押しに負けただけかもしれません。これで伊沢がリードを取り返したかと思ったら、タイヤが冷えているこの機会を逃すまいと坪井がターン5 で伊沢に並びかけ、 レース序盤にしてなんと選手権1位のauトムスがこのレースの1位となります 。
同じ頃、トムスのもう1台・ デロイト号は対照的に車の不具合でガレージへ。 スタート前からなにかエンジンに不安を抱えて様子がよろしくなさ そうだ、と伝えられていましたがどうやらダメだったみたいです。
トムスが逃げていく一方、 2位の伊沢は予想通りというとアレですがペースが上がらず後ろが 次第に大渋滞に。 だたウエイトの軽いシビックなので抜くとなると簡単ではない様子で、これを抜きあぐねていた松下は16周目に逆に石浦に抜かれてしまいまし た。 石浦は17周目に伊沢も抜いて2位となりGRスープラやりたい放題。松下は21周目にGT300を利用してようやく伊沢を抜いたもの の、既に坪井からは13秒差、 さっきお先に失礼した石浦とも3秒以上離されてしまいました。ホンダ同士だから逆にちょっとやりにくい、みたいなところもあったでしょうか。
そんなにSCが入る可能性は高くないはずのもてぎですが、やっぱりレースの1/3まで来たらSC警戒で先に先にとピットに入りたくなるもの。GT300は19周目にムータレーシングが最初にピットに入り 、お馴染みタイヤ無交換作戦で平良から堤へ。 これを見て翌周にaprとスタディーがピットに入り、 aprもやっぱり無交換。
これと時を同じくしてGT500も22周目を終えてキーパーセル モ、ARTAなど5台が、 23周目にもモデューロを先頭に渋滞になっていた6台がまとめて ピットに入り、この集団ではスタンレーシビッ クが最初にピットを出ました。このチームは抜けないなら牧野が燃費を稼ぎ、最小限の給油で順位を稼ぐ作戦がお馴染みです。後ろがみんな動いてからリーダーのauトムスも動き 、24周目に坪井から山下へ交代。 4輪交換して何の心配もない先頭です。
これだけぞろぞろとピットに入ってくる様子をここのカメラで撮って放送してるのはわりと珍しいアングルな気がするなとか思いました。GT300でも22周目にレオンAMGとベンテニーウラカン
ピットサイクルが一巡してGT500はauトムス・ 山下が15秒ほどの差を付けての1位。2位にキーパーセルモ・ 大湯、そのすぐ後ろにARTA 8号車・野尻。ARTA 16号車・ 佐藤がピットで順位を上げて4位になりましたが僚友から5秒ほど 離され、5位にデンソー・中山、 そしてレース序盤からブレーキの黒煙が少し気になるスタンレー・ 山本が6位です。冷却設定けっこう攻めてます?
GT300はapr LC500h・小高が先頭ですが真後ろに篠原がつけています。 抜いたら両クラスで選手権1位の人が1位になって最終戦が面白く なくなるのでどうにかしてほしいところですが、 3位には小暮も続いています。毎度のことでピットを終えたら順位爆上げだろう、と思いこまれているムータは実際には8位までしか追い上げられていませんが、元々ピット前の段階でGT300はかなり全体の差が広がっていてピット前から既に1位から30秒近く離されていました。無交換だけで追い上げるのにも限度があります。
集団に埋まっているから燃費走行という展開ではなく、たぶんけっこう一生懸命に走らないとついて行けない状況だったのではないかと思いますが、後に一瞬だけ表示されたピット内滞在時間の表示を見るとムータは54.8秒でしたがレオンは57.8秒、ベンテニーも61.4秒ということで給油時間はそんなに短縮できておらず、とりあえず無交換で前には出たけど4輪交換勢と比べても10~15秒程度の差なので後ろから追い上げられて苦しくなっているようです。むしろウラカンの数字ってタイヤ交換の時間を引いたら給油時間すごく短い可能性が高いですね。
GT500の34周目、小暮は篠原をかわしてとうとう2位。 さらに3周後のターン1から外ラインで小高と並走し、 ターン3の手前で前に出てリードを奪いました。 ちょっと接触するヒヤヒヤ具合が小暮さんらしくて最高! 昔GT500でチャンピオン取った時もピットで待つロイック デュバルをヒヤヒヤさせて帰ってきましたからね。あ、 放送席からも「地球的な常識で動いてない。」とかいじられてるw
これでGT300のチャンピオン争いは少し楽しみが増えましたが、スバルファンにはこの後悲しい時間が訪れます。40周目の90度コーナーでBRZ・ 山内が止まりきれずはみ出して順位を下げ、 何か動きが変なのでまたブレーキが壊れていないか心配になります 。そのまま続行したところ、続く41周目の ターン1でブレーキを踏んだら勢いよくスピンしてそのまま砂場へ 。元々接触で少し外装に破損もありましたがそれとは別件っぽい問題でレースを終え本日3度目のFCYとなります。前戦とは違ってブレーキのローターそのものが壊れて吹っ飛んだようです、たまーにNASCARでも見るやつですが非常に怖いですね。コース外がだだっ広いもてぎだったのは幸いでした。
BRZが
そして独走するヤマケンの15秒以上後方ではキーパーセルモ・大湯をARTA・野尻がなかなか抜けずに延々と追走し、歯ぎしりしすぎて奥歯が5本ぐらい折れるんじゃないかという状態でしたが、53周目・ 残り11周でようやく大湯を抜いて2位に浮上します。でも1位まで20秒も差があって届きそうもありません。
その53周目には二テラZ・三宅、Astemo CIVIC TYPE R-GT(26kg)・塚越 広大、apr LC500h・小高の3人が絡む接触事故が発生。先にS字に入ろうとした小高の斜め後ろから、2台で並走して意地の張り合いになっていた塚越と三宅が並んだまま勢いよく突っ込んできた形になり、外側にいた小高がコース外へ。うまいこと復帰できたのでFCYすら出ずにレースは続行しましたが、aprは結局11位で入賞できませんでした。三宅と塚越の両選手にはそれぞれ相手への接触行為に対して黒白旗で警告が出された記録があるので、たぶんこの時のものでしょう、ペナルティーは出ませんでした。
その後の10周は大きな動きもなく、GT500はauトムスGRスープラ・坪井/山下組が開幕戦以来の今季2勝目を挙げてチャンピオン獲得に大きく前進しました。2位にARTAシビック・野尻/松下組、3位がキーパーセルモGRスープラ・石浦/大湯組でした。セルモは今季3度目の表彰台でドライバー選手権では気づいたら3位に浮上しています。
スタンレーシビック・山本/牧野組はこのレースを6位で耐え抜きドライバー選手権2位ではありますが18点差とかなり厳しい数字。ニスモの2台のZは速さが見られず7位と9位に終わり、日産陣営は数字上のチャンピオンの可能性がこのレースを終えた時点で全て無くなってしまいました。本業でも苦戦が伝わる日産自動車、フェアレディーZの新規受注を再開したそうですが、私はそもそも受注が止まっていたことを再開のニュースで知りましたw
GT300はベンテニーランボルギーニGT3・元嶋/小暮組が前戦から2連勝となる今季3勝目。2位のレオンAMGに20秒差を付けていた結果、ちょうどGT500のauトムスが2台の間でチェッカーを受けたので記録上はこのレース唯一のリード ラップ車両となりました。おそらくSUPER GTでは年間に4勝したドライバーはおらず、JGTC時代の1998年にGT300で鈴木 恵一/舘 信吾が5勝したのが最後ではないかと思うので、最終戦では大記録とチャンピオンを狙うことになります。
3位には昨年の第5戦以来1年以上ぶりの表彰台となるアップガレージNSX・小林/小出組が入りました。選手権上位勢ではスタディーM4が5位、Dステーションヴァンテージが6位となっていずれもチャンピオンの可能性は消滅。ムータレーシングは13位で入賞できず、数字上の可能性は残りましたが崖っぷちです。
・GT500振り返り
auトムスは予選で3位になっても、ドライバーの話からは雨の恩恵だろうし決勝はまあサクセスウエイトなりのレースになるから欲をかかずに、という雰囲気を感じたので優勝は本人たちも驚く結果だったのではないかと思います。前にいたのが決勝では弱さのあるモデューロシビックで、抜けない相手のはずだったARTAがFCY明けに躓いてくれて、しかもモデューロが蓋になってくれたから大量の貯金もできて、とこれ以上ない展開でしたが、単独で普通に走ってウエイトの影響を全く感じない速さだったのがいちばん衝撃でした。
大半のチームがさっさと22~23周目にピット作業を終えてしまったので、残りの190kmを走るのに多かれ少なかれ燃費走行が必要になったことは彼らにとって有難い話で、燃料流量制限のハンデはライバルが全力で走れないことによってある程度相殺されます。トムスは持ち込みセットを大外ししないことも昨年からずっと続く武器ですが、土曜日が雨で最適化できないほぼぶっつけの条件でチーム力が発揮され、ハンデを補うほどコーナーで速くタイヤにも優しい見事な車だったと思います。
さすがに予選が晴れていたらそれなりの順位にしかならず、決勝はいくら速くても埋まってしまって優勝はさすがに無理だったでしょうが、欲をかかずに千載一遇のチャンスで普段通りに全てを機能させたという点で運と実力の完璧な融合だったと思います。普通にやったらええ、これに尽きるのかなと。 by 藤川 球児
ドライバー選手権で18点差は昨年の第2戦から14戦連続入賞中の彼らにとって王手に等しいですが、唯一気になるのは他のGRスープラに不具合が相次いだことでしょうか。寒いかもしれない12月の鈴鹿で想定していない問題が起きないことを願います。でもたとえ0点でも他の候補者は優勝が絶対条件なので大丈夫かもしれません。とにかくこのレース、トムスが速すぎたことしかほぼ記憶にないですw
・GT300振り返り
『JLOCは後輪交換しか特殊武器が無いのでとにかく決勝は抜くしかないですね』とか書いたら本当に全部ぶち抜いたのでびっくりしました、2006年に最後尾スタートから猛烈に追い上げて来たけど1位になれると思ったら接触によるペナルティーで結局5位だったDHG ADVAN FORD GTを思い出しましたね(2008年に最後尾スタートで優勝したWedsSport IS350よりこっちの印象が強いw)
さすがに群雄割拠のGT300ではいくらウラカンが速くても追いつかないだろうと思っていたので、追いついた上に20秒も通り過ぎる速さにはもう脱毛。待つべきところはちゃんと待って仕掛けるべきところでは大胆に勝負に行ってる印象で、とにかく車に自信があるからドライバーが欠片も失敗することを恐れていない、そんな印象を受けました。2位のレオンAMGもそうですが、サクセスウエイトが50kgの上限で張り付いているので基本的な車の動作が全く変わらない状態で持ち込みセットを考えられるのもけっこう大きいかもしれません。最終戦、小暮さんが栄光を勝ち取るところを個人的には待ち望んでいますよ、呪ったらごめんなさいね。
気になったのはホピ子のハブが折れたり、BRZのブレーキが砕け散ったりとけっこう致命的な破損が発生した点。HOPPY team TUCHIYAの監督・土屋 武士はXへの投稿で脱輪の原因がハブの折損であることと、重大事故につながりかねない問題が発生したことに対して謝罪の言葉を紡いだ一方で、その投稿内では
『このハブは10000キロ以上のマイレージの実績があるもので、トラブル時は3600キロという距離でしたが破損してしまいました。
この要因として考えられることは、今年当初からBoPウエイトが増えたことによって、昨年比約60キロ増だったことで、その負荷に耐えられる強度が足りていなかったことがひとつ推測されます。対策として、新たに強度をあげたハブの製作に取り掛かっています。
他にもスーパーGTのタイヤのグリップが強力なこと、前回のオートポリスが車両にダメージを与えやすいハードなサーキットで3時間レースだったこと、など他にもたくさんの要因が重なって起きたことだと考えます。』
としています。
『こうやって知見を増やしていけることは若者たちの成長になるので、未来に繋がるいい経験を積ませていただいていますが、それは誰も怪我をしなかったから言えることだと思っています。』
『まだクルマを作らせてもらえる、まだ走らせてもらえる、そういうことが当たり前ではないことを肝に銘じ、一つ一つ丁寧に積み上げていきたいと思います。』
と、技術職人集団のトップらしい言葉で締めくくっていますが、速度抑制策としてGT300はどんどん重量を追加していくことでとりあえずなんとかしようとしている今の運営方針が文字通り軋みを生んでいるようにも感じますし、土屋監督の言葉にもいくらかそうした思いが滲み出ているようにも感じました。土屋監督、以前にMC86を使っていた時代もGT3車両との性能調整の不平等さであったり、色んなことについてわりとはっきりと外に向けてもモノをいうタイプの人ですからね。
想定が未熟、作り方が悪いだけ、自己責任、と切り捨ててしまうのは簡単ですが、BRZのブレーキに関しても同じような遠因があるのではないかと思えてしまいますし、以前から書いている気がしますがSUPER GTの2クラス混走を今の車両の枠組みで継続していくのはもう限界ではないかと思います。運営側にはこうした事案を警鐘として受け止めていただきたいなと思いました。
さて次戦は12月7日・8日という異例の時期に開催される第5戦こと最終戦です。想定外の気温になったりするとタイヤが仕事をしなくなってエライことになるかもしれないので、最後まで見る側も油断しないようにしていきましょう。とりあえず大事故は勘弁願いたいですが、GT500クラスでは寒い時期にサクセスウエイト無しで走ることによってしか出せないものすごい予選記録が出るかもしれません。いや、今年の流れだと雪が降るなんてことも・・・
コメント