Formula 1 Heineken Silver Las Vegas Grand Prix 2024
自分も同じように伸ばして1位を譲りませんでした。ラッセルが今季3度目のピレリ ポールポジションを獲得、無線では「ズーババー」というなんかよく分からん内輪の流行語?を言いながら大喜び。2位にサインツ、3位のガスリーは予選自己最高位です。ルクレールを挟んで5位にフェルスタッペン、6位にノリスとなりこのままレースを終えたらしょっぱい順位ですがチャンピオンは決まります。ちなみにフェルスタッペンは前戦の17位スタートを含めてこれまでに10個の異なるスタート順位から優勝していますが、まだ5位からの優勝を記録したことはありません。キャディラックが参戦すると21位、22位スタートも可能になるので可能性がさらに広がりますね(謎)
Las Vegas Strip Circuit 6.201km×50Laps=309.958km
winner:winner:George Russell(Mercedes-AMG Petronas F1 Team/Mercedes F1 W15)
さあ2024年のF1世界選手権も大詰め、前戦では豪雨のサンパウロでマックス フェルスタッペンが優勝してランド ノリスの大逆転チャンピオンへの流れをバッサリと断ち切り優勝マジックを24としました。早ければもうこのレースでチャンピオンを決めてしまうこともできますが、まあそんなに焦らんでもいいでしょうw
昨年に初開催されて2度目となるラスベガス、開催地は1.5マイルの標準的な高速オーバル・ラスベガス モーター スピードウェイ、ではもちろんなくラスベガス市街地コースです。巨額の費用でただでさえきらびやかなベガスにF1を持ち込んで運営はさぞかしウハウハだろうと思ったら、確かに数字上の経済効果や運営側の利益はあったものの、地元企業で利益を受けられる人には限りがあり、レースの準備のために生じる制約で迷惑を被った一般の人も多かった模様。
F1側は儲かってもこのイベントの主催者からするとそんなに美味しい話ばかりではなく今年はどうやらチケット販売状況も立ち上がりが悪かったようで、開催権契約は3年+最長7年のオプションだそうですが最短の3年で終わるのではないかという話まで出ています。あとどうでも良いけどこいつちょっと怖いんですけど私だけ?w
日本でもどっか首都に対する妙な反抗心からF1を誘致すると言ってる場所があるみたいですけど、問題点を見ないで良いところばっかりかいつまんでいかにも誘致したらものすごく利益があるような話ばっかりしてるように思うんですよね。はっきり言って、国際博覧会が批判されてるから開催前にもう目をそらして次の話題にすり替えてるようにしか見えないですけど、実現可能性とか費用とかちゃんと考えてるのか私には甚だ疑問です、大阪って言うんですけどね、ってワシが住んどるとこやないか。
・レース前の話題
さてそんなF1を運営するリバティー メディア コーポレーションですが、社長兼CEO・グレッグ マフェイが退任することが発表されました。20年近く会社の幹部を担ってきたマフェイ、その間にリバティーはF1を買収し、さらに今年はMotoGPとスーパーバイク世界選手権の運営会社も買収し、フォーミュラEの運営会社も65%を出資する筆頭株主となって経営の主導権を手にしています。まさに今のリバティーの体制づくりを主導した人物と言えます。
ただ、マフェイと、マフェイがF1のCEOとして連れてきたステファノ ドメニカリはアンドレッティー グローバルのF1参入計画を快く思っていない様子で、FIAが認めた参入計画をF1は認めずに門前払いしたことでアンドレッティーから反トラスト法違反の訴えが出され、調査が始まってしまいました。あんまり話をこじらせるのはよろしくないし、主要な国際レースを相次いで傘下に収めて区切りとしても良さそうなので身を引いたという見方をされているようですね。
アンドレッティーの方もマイケル アンドレッティーがCEOを退いて経営体制に変化が加わる見通しで、双方のトップが入れ替わることでF1参入計画にも何らかの発展があるのではないか、と期待する向きもあります。と書いていたらラスベガス終了後の11月25日、キャディラックが2026年からF1に参戦することでF1と基本合意したと発表がありました。キャディラックのワークス参戦という立ち位置ですが、アンドレッティーの運営会社と協力しての参戦ということでようやくアンドレッティーの悲願が達成されたことになります。
GMは2028年からF1のPU製造会社として参加登録を行っており、このタイミングで車体・PUとも自社製造の完全ワークス体制となることを目指しているようですが、とりあえず2026年からの2年間は自社PUが無いのでどこかのを使うことになり、フェラーリではないかとされています。やはり反トラスト法の調査が入ると折れるしか無いんでしょうかねえ、NASCARはどうなるんやろ。
運営絡みではレース現場からも1つ、2022年からレース ディレクターを担当していたニールス ビティッヒが11月12日に突然辞任することが発表され、後任としてF2・F3でレースディレクターを担っていたルイ マルケスが就任することが発表されました。レース進行の要となる人物がシーズン残り3戦で辞任するという異例の事態で、ビティッヒ自身が「辞任していない」と主張するほどに急速で混沌とした状況に見えます。
レースディレクターのようなレース本体を取り仕切る人物はFIAの人事権ですが、2021年12月に新たにFIA会長に就任したモハメド ビン スライエムの下でFIA全体がやや混乱した様子が見てとれ、10月にもFIAの幹部2名が辞職したことが明らかになっています。アラブ首長国連邦出身ということでなんとなく「どうせこいつも大金持ちで金権商業主義のF1に加担してる首謀者だろ」と思われがちですが、実際はアンドレッティーの件でもF1とは立場が逆で参戦容認派でした。スプリント制を6戦に拡大する案やラスベガスについても反対の意向を示すなど極端な商業主義には反対の立場とみられ、F1とはやや対立とまでは行かずとも緊張関係にあるとされます。
一方で2023年のサウジアラビアGPでは、フェルナンド アロンソに課されたペナルティーがレース後に撤回された件について、自らペナルティー撤回のため介入したのではないかと内部告発されたり(報告書によれば証拠なしとされる)、中東でのレース開催数増加はいわゆる『スポーツ ウォッシング』であると批判されています。最近ではレース審査委員会への批判や汚い言動に対する罰則を強化するなど独善的な対応も批判されています。
彼の人物像はひとまず横に置くとして、日本の刑事司法制度で言えば検察のような役割であるレースディレクターというのは「まあこの人がそういうならしゃあないかあ」と思えるような参加者との信頼関係を築かないといけない職業です。全然できてない人をほったらかしにもできませんが、コロコロ変えて"当たり"の人が出るのを待てば良いものでも当然ありません。
FIAが大枠の形を決め、リバティーはその決まりごとに従ってF1世界選手権という競技を商業に乗るように運営するのが本来のF1の形態のはずですが、運営会社の発言力が強すぎて主従がひっくり返っているのも事実。スライエムに対する内部告発や幹部の辞任の背景は結局両者の対立関係に起因した闘争ではないかと見られる要因となっているわけですね。なんか古い時代に戻った感があるような無いような。。。
そんな国際連盟と運営会社に翻弄されながら戦う参加者のみなさんですが、ザウバーは来シーズンのドライバーとして20歳のブラジル人・ガブリエル ボルトレートを起用すると発表。年齢を見ても分かる通りつい数年前まではまだカートで走っており、2020年のイタリアF4で4輪レースにデビューしたばかり。昨年のFIA F3選手権チャンピオンで今年も現時点でFIA F2のドライバー選手権1位にいるという逸材です。ミケーレ アルボレートとは何の関係もありませんw
ザウバーは既にニコ ヒュルケンベルグの契約を発表済みなので周 冠宇とバルテリ ボッタスはいずれもチームに残留しないこととなり、他チームに空きがありませんので2人ともとりあえずF1を去ることになりました。ボッタスがいなくなることで30年以上続いてきたフィンランド人ドライバーの系譜が一旦途切れることになります。フィンランドといえばキミ ライコネンに関する書籍の出版でも知られるヘイキ クルタという有名なジャーナリストさんがいまして、とにかく母国ドライバーへの熱意がすごい人でオートスポーツ誌に不定期に寄せられるコラムがむちゃくちゃ面白かったんですけど、フィンランド人不在のF1をどう思うでしょうかねえ。
不在と言えば、アルピーヌは2026年から自社製ではなくメルセデス製PUを採用するカスタマー チームとなることを正式に発表しました。これでグリッド上からルノー製PUも姿を消すことになります。そのうちルノー自体も姿を消して別の投資主体の手に渡るだろう、と思ってる人がほとんどでしょうかね。あ、GMがルノーのPU開発部門を買って従業員と設備を手に入れたらゼロから立ち上げるより良いかも(・∀・)
・予選
もう驚かなくなってきましたけどセルヒオ ペレスがQ1で脱落。今シーズン6回目のQ1落ちで予選16位となります、深刻ですなあ。Q2では攻めすぎたかフランコ コラピントがターン16の内壁に思いっきり車をぶつけて大クラッシュ、散乱する部品と動いてしまったコンクリート壁の修復でQ3開始が遅れ、ただでさえ夜10時を過ぎて寒いのにさらに寒くなってしまい、ウイリアムズの懐事情もさらに寒くなってしまいました。
Q3の1回目のアタックではジョージ ラッセルが2位以下に0.2秒以上の差を付けますが、なおも路面のグリップ力には伸びしろがあり、スリップストリームの有無も記録に影響。なんと2回目のアタックでシャルル ルクレールがこれを0.028秒上回って見せると、カルロス サインツに至ってはさっきのラッセルを0.401秒も上回るぶっちぎりの暫定1位に浮上し、全く誰も眼中に入れていなかったピエール ガスリーが0.254秒差で続きました。サインツは前にいたルイス ハミルトンのスリップを適度に貰え、ガスリーはこの2人が開けた空気の穴を通れたかも。さすがにラッセル厳しいんじゃねえの?と思いましたが
自分も同じように伸ばして1位を譲りませんでした。ラッセルが今季3度目のピレリ ポールポジションを獲得、無線では「ズーババー」というなんかよく分からん内輪の流行語?を言いながら大喜び。2位にサインツ、3位のガスリーは予選自己最高位です。ルクレールを挟んで5位にフェルスタッペン、6位にノリスとなりこのままレースを終えたらしょっぱい順位ですがチャンピオンは決まります。ちなみにフェルスタッペンは前戦の17位スタートを含めてこれまでに10個の異なるスタート順位から優勝していますが、まだ5位からの優勝を記録したことはありません。キャディラックが参戦すると21位、22位スタートも可能になるので可能性がさらに広がりますね(謎)
角田 裕毅は7位、FP1、FP2と最速だったハミルトンはQ3でリアのグリップ不足に苦しんで2回ともアタックに失敗し10位。もしQ2と同じタイムなら3位、ひょっとしたらポールを獲れていたかもしれないので非常に残念でした。
・決勝
サインツはタイヤを換えさせてもらえませんでしたが、サインツの真後ろにいたハミルトンと2位のフェルスタッペンは2回目のタイヤ交換を実施。ここから2回目のピットサイクルになっていきます。ハミルトンの気持ちになって考えると、同時にピットに入ったと思った目の前の人がいきなり減速をやめてコースへ戻って行ったらうっかりそっちを見て釣られたり、白線を踏んだり変なミスしそうだなと思いました^^;
サインツ、ルクレールが続いて5位にフェルスタッペン。この瞬間に4年連続4回目のワールド チャンピオンが決定しました。ホワン マヌエル ファンジオ、アラン プロスト、ミハエル シューマッハー、セバスチャン ベッテル、ルイス ハミルトンに次ぐ史上6人目の4回以上のチャンピオン誕生です。なおラスベガスでチャンピオンが決まったのは1981年のネルソン ピケ、1982年のケケ ロズベルグに次いで史上3度目。4回しかやってないラスベガスで3回も起きるのはなかなか珍しいですが、この両名もチャンピオンは5位で決めており、なんと3人全員が『ラスベガスで5位でチャンピオン』です。
ノリスが6位(とファステスト ラップ)、今日は全然名前が出てくる撮れ高もなかったオスカー ピアストリが7位となり、3位・4位だったフェラーリとはコンストラクターズ選手権で僅か24点差となりました。マクラーレンから53点離されたレッドブルはペレスが覚醒してくれないと無理です。
毎度のことながら最初に使用するタイヤの定石はミディアムで、上位14人がミディアムを選びました。ピットに入ると21秒ほどかかるのでできれば1ストップで走りたいレース戦略ですが、ミディアムを上手いこと使ってあげないと距離が足りなくて2ストップしないと無理だろうという予想です。市街地レース、しかもアメリカなので(←失礼)なんかフォーメーション周回の時点でもうコース上にゴミ袋的なものがいくつも飛んでいます。
スタートでは偶数列があまりきれいな路面ではないのでラッセルは余裕を持ってターン1へ。サインツはなんとなーく外へ膨らみつつガスリーを牽制していましたが、がら空きになった内側を走っただけのルクレールが4位から一気に2位に上がりました。なんかオースティンを思い出すような光景ですが、別にサインツも強引にガスリーを抑え込みに行ったというわけでもないので「あら?何か抜かれた!?」という感じだったんじゃないでしょうか。
ルクレールはそのまま4周目にラッセルも狙ってDRSで接近しますが、ラッセルも非常に見事な防御のライン取りでルクレールを追い払いました。どうもラッセルは左側のフロア端にビニール袋みたいなゴミが引っかかっていたようですが、この争いの過程で外れてルクレールの眼の前にあるピトー管に飛び移ったようです、変にブレーキ ダクトとかを塞がなくて良かったですね。
まさかフロアのごみでラッセルが遅くなっていたわけではないでしょうが、一度退けられたらルクレールはラッセルに追いつかずあっさりと離されていき、それどころか7周目にサインツがルクレールをかわして2位を奪還。ルクレールにはさらに4位に来ていたフェルスタッペンにも狙われ、8周目に抜かれました。どうしたルクレール、実はピトー管にピロピロしたゴミは空力に絶大な影響でもあるのか。
この頃には多くの車両の左前輪にわりとひどそうな黒い筋が見えておりグレイニングができているとのこと。グレイニングというのは主に発熱不足や過負荷でタイヤの表面のゴムが上手く溶けずに表面がガシガシと削れてしまってささくれる症状ですね。SUPER GTで『ピックアップ』と表現されているものも基本的に同じです。グレイニングができると一気にペースが落ちて摩耗も進んでしまい、9周目の段階で早くもルクレールとノリスがタイヤ交換へ。ハードにつなぎますがこれはちょっと1ストップ無理っぽい流れ。
サインツもガクンと遅くなって10周目にはラッセルが7秒以上も前方に消えてしまいます。一方まだ元気なのはフェルスタッペンでとうとうサインツも抜いて2位浮上。抜かれたサインツはやはりもう限界なようでタイヤ交換へと向かいハードへ交換、秋のグレイニング祭りです。
元気に見えたフェルスタッペンでしたが祭りの参加者には加わることになり、11周目に降参してタイヤ交換。後ろがみんな入ったので12周目にラッセルもハードへと交換し見た目上2位で戻りました。この時点でまだ唯一入っていなかったのは10位スタートのハミルトン、他のドライバーに比べるとタイムの落ち幅は比較的小さく、13周目まで引っ張ってタイヤを交換します。
ただハミルトンは感触としてまだミディアムで行けると思っていたので「まだ行けるじゃねえか。」と言いつつピットに呼ばれ、『こりゃあ文句言うだろうなあ』と思って見ていると、案の定ピットを出たら前にわんさか車がいたので「どんだけ順位落としたんや!」。でもピーター ボニントンは「引っ張ってたらあと5つ下げとんねや。」と事情説明、来年フェラーリのエンジニアさんはこの猛獣をちゃんと扱えるんだろうか^^;
なおこの1回目のピット サイクル、角田くんはピット出口にあった速度制限解除の看板をぶっ壊してしまい、この後ピットに入ったエステバン オコンは「どうないなっとんねや!看板見えへんぞ!」とびっくりして怒っていましたw
16周目、スタートから徐々に順位を下げていたガスリーが「パワーが無い!」と吠えますが、エンジニアのカレル ルースからは「見たところ大丈夫、リミッターを打っただけや。」とそっけない返事。でもその後本当に白煙を上げたので「見てみろや!」と怒りつつどうしようもないのでピットへと退出しました。リミットを打って壊れたのか、壊れてるのにピット側で正しく診断できていないのか、どっちにしろあんまよくないですね、職を失うPU開発チームの怨念かもしれません。
タイヤを換えてしばらく経過した20周目、リーダーのラッセルに対して2位のフェルスタッペンは約10秒差。サインツ、ルクレールがそれぞれ2~3秒の差で続きますが、ここに猛獣ハミルトンがすごい勢いで迫ってきました。やはり今日のメルセデスは2人とも速い上にタイヤもきちんともたせることができて最強のようです。ただルクレールは前のサインツのスリップを使えるのでハミルトンはなかなか抜けません。そうこうしている間にサインツのタイヤがダメになったようで、サインツは27周目に「オレをピットに入れてくれ」ともう自分からリクエスト。
しかしここでフェラーリはかなりのムチャブリを指示。まずサインツに対してはルクレールと順位を入れ替えるように指示を出し、サインツはターン15で内側を空けます。でもルクレールの真後ろにはハミルトンがいるのでがら空きの内側に一緒に入って抜かれそうになり、サインツはこれをなんとか抑えました。
任務をこなしたサインツ、タイヤを換えたいわけですしもうさっき要求もしたのでピットへ向かいますが、なぜかギリギリで入るのをやめて白線を横切り走路へと逆戻り。ギリギリで「入るな」と言われたようで、サインツが「どないなっとるんや!」と問い詰めると「準備できてへんねん」とピットからは悲しい返答。ピットに入るつもりで一旦ブレーキも踏んでしまっているのでこの周のサインツは譲ったのと無駄にブレーキ踏んだので本来より3秒近く遅くなってしまいました。
サインツはタイヤを換えさせてもらえませんでしたが、サインツの真後ろにいたハミルトンと2位のフェルスタッペンは2回目のタイヤ交換を実施。ここから2回目のピットサイクルになっていきます。ハミルトンの気持ちになって考えると、同時にピットに入ったと思った目の前の人がいきなり減速をやめてコースへ戻って行ったらうっかりそっちを見て釣られたり、白線を踏んだり変なミスしそうだなと思いました^^;
異様に速いハミルトンは31周目にフェルスタッペンをコース上で抜き、まだ2回目のタイヤ交換をしていないルクレールはアンダーカットすることが確定的なのでこれで10位スタートから実質の2位まで浮上。32周目にラッセルも無事に2回目のタイヤ交換を終えてメルセデスワンツーとなります、今日は失格になることもないだろうw
フェルスタッペンとジャンピエロ ランビアーズは今日の目的がチャンピオンを決めることだというのをちゃんと確認し合っていて余裕のドライビング。この後フェラーリが2人とも近寄って来ますがとにかく無理せず安全運転に徹しています。結局残り4周までに2人とも前に出しましたが、何せ今日はノリスに全然追い上げてくる気配が無いので焦る必要ゼロでした。でもフジテレビNEXTの放送席では『表彰台に乗ってチャンピオンの方がインタビューが一度に済むから放送的には簡単でありがたい』みたいな妙なネタで盛り上がっていましたw
方や安全運転していないのがハミルトンで、ラッセルよりタイヤは1周古いのにファステスト連発で差を削り取っています、1周で0.5秒前後追いついており計算上は最終周ぐらいに追いつきそうな勢い。そのままじわじわと詰めていってタイヤ交換後の10秒差を半分に削り取って5秒差まで行きました。
さすがにここでラッセルも少しペースを上げて対抗、それまで1分36秒前半で走っていたものを35秒台に切り上げてハミルトンを諦めさせました。ベルギーみたいに1ストップvs2ストップのレースではないのでさすがに追いつくほど甘い世界ではありませんでしたけど、ちょっと期待してしまいましたw
最後はハミルトンが緩めてラッセルも緩める、という感じで7.3秒の差を付けてラッセルが優勝、オーストリアGP以来の今季2勝目・通算3勝目を挙げました。ハミルトンが2位に入ったのでメルセデスは2022年のブラジル以来となるワンツー フィニッシュでこれが通算60回目です。
今シーズンは既にレッド ブル、フェラーリ、マクラーレンもワンツーを記録しており、同一シーズンに4チームがワンツーを達成するのはF1史上初めて。また4つのチームが4勝以上を記録したのも、7人のドライバーが複数勝利を記録したのも史上初めてです。まあ昔はそもそも年間15戦以下で4つのチームが4勝ずつは絶対不可能な時代が普通だったわけですが、それでも激戦であることに変わりはないですね。
サインツ、ルクレールが続いて5位にフェルスタッペン。この瞬間に4年連続4回目のワールド チャンピオンが決定しました。ホワン マヌエル ファンジオ、アラン プロスト、ミハエル シューマッハー、セバスチャン ベッテル、ルイス ハミルトンに次ぐ史上6人目の4回以上のチャンピオン誕生です。なおラスベガスでチャンピオンが決まったのは1981年のネルソン ピケ、1982年のケケ ロズベルグに次いで史上3度目。4回しかやってないラスベガスで3回も起きるのはなかなか珍しいですが、この両名もチャンピオンは5位で決めており、なんと3人全員が『ラスベガスで5位でチャンピオン』です。
またフェルスタッペンは昨年もカタールのスプリントでチャンピオンを決めたのでチャンピオン決定曜日が土曜日、このレースも現地土曜日開催なので2年連続で土曜日にチャンピオンを決めたという非常に珍しいケースです。
そして8位にヒュルケンベルグが入り、アルピーヌは無得点だったのでコンストラクターズ6位はまたハースが取り返しました。角田も粘って9位に入りVCARBとアルピーヌも3点差となっています。ペレスは10位、最後は角田を抜けるのかと思ったら届きませんでした。
思ったよりタイヤの消耗が激しくて1ストップなんて全くできなかった今回のラスベガスですが、気温の低い条件になるとやたら速いメルセデスに誰も追いつけませんでした。ハミルトンが予選でちゃんと走っていれば優勝争いがひょっとしたら盛り上がったかもしれないので、鬼の追い上げで盛り上げてくれたハミルトンですが優勝争いを退屈にした犯人もこの人ですw
今回のレースの前には床下のスキッド ブロックに関して新たな技術規則が発行されており、車高対策が強化されていました。スキッドブロックの検査では設けられている穴に定規を入れて深さを計測し違反かどうかを調べる仕組みですが、いくつかのチームは規則で定められた簡単に言えば補強部材を活用して、計測穴本体が削れないように絶妙な保護をするような構造を取り入れていました。
この補強材もチタン製なのでメルセデスなんかは異様に床下を擦りまくって火花が出ていたようです。ブラジルでウエットにもかかわらず火花が出まくっていたメルセデスは車高設定大丈夫なのかと不思議に思っていましたが、あれはスキッドブロック本体ではなく保護材が擦った結果、わざと擦らせているからああなってたんですね、納得。
この補強に関する規則は言わば『抜け穴』になっていたので、穴を守るための抜け穴ルールを埋める技術指令が出されてこのレースから床下を擦りまくることができなくなりました。おかげでメルセデスもそんなに極端な擦り方をしていませんでしたが、ことこのレースに限ってはそれよりも車の速さが光っており、そもそも床下を擦りまくるセッティングって車としては結構ピーキーになりがちなので、絶対的な速さはさておき挙動の一貫性、操縦安定性はむしろ上がったんじゃないかとも思ったりします。
そして何と言ってもフェルスタッペンが4連覇です。実質ホンダPUが4連覇したわけですから2021年に技術陣が『撤退する前に持てる技術を全部注ぎ込むぞ!』と意欲的に開発したRA621Hの力を改めて感じますが、2022年開幕時点の車体/PU双方のアドバンテージはほとんどが無くなってしまい、追われる側となってからは最も厳しいシーズンでした。チャンピオンを決めたレースが5位って昨年どころか今年の序盤の時点ですら考えられなかった出来事です。
追われる過程でフェルスタッペンのドライバーとしての"悪い癖"も久々に顔を出す場面があり、このあたりは他のドライバーと最後まで競り合ってのチャンピオン争いを2021年しか経験しておらず2年以上独走だった影響かなと思いますが、来年はもう開幕から接戦ということがじゅうぶん考えられます。対ノリスでの「最悪ぶつかってもワシがリードしとるからえんじゃい」的強引な防御は自分が選手権でリードし、かつ相手が1人だからできる話で最初から接戦だと単に自滅するだけで役に立ちません。
必然的にそうした運転はできないか、あるいはやった結果自分からチャンピオン争いを手放すか、ということになりますので、ちょっと苦しめられて色々あった反省点を経験した上で彼が来年どういうドライバーとして戦うことになるのかが今から楽しみですね。もちろんこれは来年も複数チームによる混戦であることが前提ですので、またレッドブルが隠し玉を取り出して独走するようなシーズンはちょっと勘弁ですw
次戦は中東へ飛んでカタール、そして翌週が最終戦のアブダビとなります。ブラジル~(1週間)~ラスベガス~(1週間)~カタール~アブダビ、の方が移動が楽な気がするんですけど何でアメリカから中東へ飛ぶ3連戦なんでしょう^^;
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