NASCAR Cup Series
ちょうど4人がチャンピオン経験者、残る4人が初のチャンピオンを目指し、違った、3人が初チャンピオンを目指し、ハムリンは"アレ"を目指します。そしたらブレイニーが目指すのはアレンパになるのか、いやアレンパは達成でけへんかったから演技悪いんか、負けたらロジャー ペンスキーが引退せなあかんしな。。。
ターン4でトゥルーエックスとチェイスが並走して接触、外へ弾かれたチェイスがさらにレディックと接触して2台で絡みました。レディックは芝生と舗装の境界線に引っかかって車両が転がり、損傷が酷くて当然ながらリタイアです。転がった後に冷静に芝生を横切ってピットへ直行してるのでNASCARドライバーすげえ、って思いましたけど。
111周目、ここでようやくベルがギブスを抜いて再リード。ここから誰も追いかける人がいなくなりますが、10周もするとステージの折り返しが見えてくるのでピットサイクルとなって一旦レースの関心はそちらへ向かいます。ベルは特に問題もなく作業を終えましたが、ギブスは速度違反でペナルティーを受け後退。
トラック上では3回目のコーションでピットに入っていた一部の人がコーション待ち、というかたぶんノーピット作戦を目指して走り続けており、ベルはこれをかいくぐってリード奪還を目指しています。しかし遅い人を掻き分けてペースが鈍っているうちにコンテンダー破壊マン・トゥルーエックスに追いつかれました。ベルは152周目にダニエル スアレスを抜いてリードを取り返したもののトゥルーエックスは離れてくれません。
圧勝だと思ったらまさかのピット戦略で一杯食わされ、しかも僅かながら『死に体』のブレイニーに間に入られて勝利をさらわれたベル、2位でもポイントでのチャンピオンシップ進出には大きく前進しましたが、やはりやりきれない思いが残るレースとなりました。3位からスアレス、バイロン、ボウマン、トゥルーエックス、ロス チャステインと続き、ノーピットのハムリンも8位でなんとかレース全体のグダグダを収めました。ラーソンは11位、ほぼ出オチだったホースバーは23位でした。プレイオフ選手ではブレイニー、チェイス、レディックの3人がチェッカーを受けられず。一旦戻ってきたチェイスも終盤にひっそりと撤退してたんですね^^;
プレイオフ順位で下にいたロガーノが優勝で情勢を一発でひっくり返し、プレイオフ順位はこうなりました。
ハムリンは8位で終えて、レース内での獲得ポイントはラーソンと変わらないものでしたが、元々の持ち点の少なさと当落線の高さが影響して4位と27点差。現状は4位と5位に大きな差が生じてしまいました。無論、ここまで勝ち残った人はみんな勝つ力のある人たちですから、残りの2戦でレディックとブレイニーが勝ち、当落線がラーソンのところまで下がってくる可能性だってじゅうぶんにあります。単に点数を稼ぐだけで行こうとするなら相当ステージポイントも稼がないと届かないでしょうね。もちろん上にいる人が今回みたいにリタイアしたら差し引きチャラですけど。
South Point 400
Las Vegas Motor Speedway 1.5miles×267Laps(80/85/102)=400.5miles
winner:Jpey Logano(Team Penske/Pennzoil Ford Mustang Dark Horse)
NASCAR カップ シリーズは残り4戦、いよいよチャンピオンシップ進出の4人を決めるプレイオフ最後の関門・ラウンド オブ 8にやってきました。26戦のレギュラー シーズンとプレイオフの2ラウンド/6戦を勝ち残った8人はカイル ラーソン、クリストファー ベル、タイラー レディック、ウイリアム バイロン、ライアン ブレイニー、デニー ハムリン、チェイス エリオット、ジョーイ ロガーノ。
ちょうど4人がチャンピオン経験者、残る4人が初のチャンピオンを目指し、違った、3人が初チャンピオンを目指し、ハムリンは"アレ"を目指します。そしたらブレイニーが目指すのはアレンパになるのか、いやアレンパは達成でけへんかったから演技悪いんか、負けたらロジャー ペンスキーが引退せなあかんしな。。。
話が逸れましたが、ラスベガス、ホームステッド、マーティンズビルの3戦で上位4人だけが最終戦フェニックスでチャンピオンを争う権利を得ます。勝てば文句なしの一発進出、その他はポイント順。さすがにここまで来ると1戦取りこぼしたらそうそう取り戻せません。
さて、今週は1.5マイルのラスベガス、第3戦に次ぐ今年2度目の開催ですが前回優勝したのはラーソンで、昨年のこのレースも勝ったのはラーソンと現在2連勝中。ラスベガスでプレイオフのレースが開催されるのは2018年から7年連続7回目で、2021年のラーソン、2022年のロガーノはこのレースで勝ってチャンピオンにもなっています。ラーソンはラスベガス3連勝なら一気に2度目のチャンピオンへの機運が高まることでしょう。なおロガーノは2018年マーティンズビル、2020年カンザスと当時のプレイオフ7戦目で勝っていて『偶数年のプレイオフ7戦目』には3連勝中ですw
ラーソンとロガーノはいずれもラスベガス通算3勝で現役最多、平均順位でもラーソンが全体1位、ロガーノが3位と好成績。ロガーノはGen7導入以降はトップ10が2回、12位以下が3回とやや数字が落ちるものの、1回勝ってますから本人も苦手な意識は無いでしょう。前戦でアレックス ボウマンのレース後車検失格が無ければプレイオフからは脱落していた、ある種もっとも失うものが無い立場だというのも精神的にはメリットです。
・レース前の話題
トヨタ自動車は世界的にモータースポーツ活動をトヨタ ガズー レーシングの名のもとに統合していますが、現在活動の一部が『トヨタ レーシング』として行われていた北米でも全てTGR傘下に統合されることが発表されました。だから特に何が起きるわけでもないですが、NASCARの活動もTGRの仲間入りというわけです。でもあくまでトヨタがNASCARで関わるのは表面上はTRDによるエンジン製作とチームへの支援で、直接TGRがチームを動かすような仕組みでは無いので見た目にも大差はなさそうですね。
そしてエクスフィニティー シリーズからの話題も1つ、ダニカ パトリックに次ぐ有力女性ドライバーとしてこれまで注目されてきたヘイリー ディーガンですが、来年から活動をオープン ホイールに移し、インディー NXT バイ ファイアストンに参戦することが発表されました。今季はエクスフィニティーにAM レーシングからフル参戦すると発表されていたのに、シーズン途中に契約を解除したディーガン。おそらく彼女の起用には少なからずスチュワート-ハース レーシングとトニー スチュワートが影響力を持っていたのではないかと思われ、SHRの消滅でストックカーにおける後ろ盾が無くなったのかな、という印象です。
元々トヨタ系の育成ドライバーとして注目を集めながら2020年にフォードの育成へと転向したわけですが、当時トヨタがもう彼女を必要としていなかったのかどうかは分かりませんけど最近のフォードの若手育成事情を見てもあんまり良いタイミングでの転身では無かったのかなあとも感じました。何にせよまだ若いので次の挑戦を頑張ってもらいたいですし、アメリカには女性ドライバー結構たくさんいますので、いずれはいちいち女性だからと取り上げる必要もなくなる時代になるのが一番良いでしょうね、ストックカークソ重たいしレース数多すぎて大変ですけど^^;
・Xfinity Series Ambetter Health 302
名前を見るたびにアンバターサンドが食べたくなりますが、11位スタートのA.J.アルメンディンガーがステージ1で4位、ステージ2は2位とするとピットでジャスティン オールガイアーを逆転しリーダーに。その後、レース終盤にはライアン シーグの猛攻を受けるものの冷静にしのぎ、オーバータイムも制して今季初勝利。最近ロード コースではシェイン バン ギスバーゲンやサム メイヤーにお株を奪われてしまいましたが、2021年第4戦・ラスベガス以来となる久々の1.5マイルでの勝利でチャンピオンシップ4進出を決めました。素晴らしい!
・カップシリーズ
予選
カップの予選はベルがブッシュ ライト ポール賞を獲得、今季3度目でラスベガスでも昨年のこのレース以来となる通算3度目。ただ、ポールシッターでありながら彼はピット選択で最も出口寄りの1番ピットを選ばず6番ピットを選択しました、これは今季初の出来事です。クルー チーフのアダム スティーブンスは、過去にポールを獲って1番ピットを選んでもなぜか順位を下げることが多くさほど利点が無いと考えていることを明かしました。確かにラスベガスでは統計的になぜかポールシッターよりも予選2位の選手の勝率が高いんですが、ピット位置もその一因なのかもしれません。え、お前がそこにズラ置いたんじゃないかって?やだなあまさかw
予選2位はレディックで、ベルが選ばなかった1番ピットも獲得。2列目がボウマンとハムリン、3列目にラーソンとカーソン ホースバーが付けました。バイロンとロガーノが5列目に並び、チェイスはちょっと離れて18位、そしてブレイニーは練習走行でいきなりパンクしてクラッシュしてしまい予選タイム無し、最下位スタートです。ほらアレンパとか誰かが言うからさあ・・・
・ステージ1
10周でホースバーが14位まで落っこちたところに日欧のレースとは全く異なるオーバルの難しさを感じたりしますが、とりあえずベルがレディックすら相手にせず独走。30周もすると周回遅れに追いつき、既に2位のレディックと2秒差、5位以降とは10秒以上も差が付きました。
ステージが80周なので33周目あたりから早くも最初のピット サイクルとなり、35周目にベルもピットへ。アンダー グリーンのピット作業なので特に1番ピットだ6番ピットだという話が気になることなくスピーディーにステージ1は後半戦へ。
引き続きベルがレディックとの差を保ったまま快走してステージは無風のまま終盤となりますが、63周目にオースティン ディロンがクラッシュして本日初のコーションが発生。ダニエル ヘムリックと接触したようですが、映像を見るとヘムリックが普通に速度出しすぎて追突したように見える…予期しないクラッシュでほとんど減速せず壁に突っ込んだディロンの車両は走行不能、レッカー移動されて一発リタイアとなりました。
既にこのタイヤで20周ほど走っているのでリード ラップ車両はピットへ、2輪交換したドライバーも多くマーティン トゥルーエックス ジュニアとバイロンが1列目になりました。4輪交換の先頭はピットを5番目に出たレディックで、ベルは4輪交換した上にレディックにも抜かれて7番目でした、あれえ、6番ピット上手く行ってないんじゃw
リスタート手順を整えていたらエリック ジョーンズの右前輪が外れる、という問題が起きたので少しコーションが長引いてしまいステージ残り9周でリスタート、リスタートを制したのはトゥルーエックスでしたが、3周後にはレディックがかなりの旋回速度差を見せつけてリードを奪いそのままステージ1を制しました、ベルも2位で続きます。
バイロンが4位、ロガーノは8位、ラーソンが10位となってプレイオフ選手でステージ ポイントを得たのは5人。ハムリンはアンダーグリンのピット作業で失敗して順位を下げたことが響き11位、続いてチェイスが12位、ブレイニーはよく頑張って17位まで挽回しました。
・ステージ2
リスタートから9周走っただけなのでここで戦略がばらけることに。ピット勢は2輪交換が4人いましたが、レディック、ベル、バイロンの有力どころ3人は堅実に4輪を交換。そしてハムリンだけがステイアウトを選択しました。ラーソンは金属片が車に当たり、ちょうど左前部のブレーキ ダクト入り口あたりに損傷があったのでテープで補修、後方リスタートとなります。ラーソンはプレイオフに入って各ラウンド最初のレースで破滅的な結果になってきましたが、今週もまさか・・・?
ハムリンと2輪交換したタイ ギブスの1列目でステージ2が始まりますが、ステイアウトはかなり無理がありハムリンはクリーン エアーを得るとかいう次元ではなく半周で順位を下げました。ハムリンがどこまで落ちてしまうのかが気になるところでしたが、リスタートして2周を終えようかというところで事件は突然に起きました。
ターン4でトゥルーエックスとチェイスが並走して接触、外へ弾かれたチェイスがさらにレディックと接触して2台で絡みました。レディックは芝生と舗装の境界線に引っかかって車両が転がり、損傷が酷くて当然ながらリタイアです。転がった後に冷静に芝生を横切ってピットへ直行してるのでNASCARドライバーすげえ、って思いましたけど。
さらにこの接触事故は後方に波及、一緒に巻き込まれたブラッド ケゼロウスキーがスピンしてエイプロンからトラックへと戻り、運悪くそこにいたのがブレイニー。車にも壁にもぶつかってトー リンクを壊し、全部ちゃんと直せるのか不透明です。チェイスも当然修理が必要な状況で、よもやいきなりこれほどプレイオフ選手に試練が訪れるとは思いませんでした。
97周目、ギブスとロガーノの1列目でリスタート。2列目リスタートのベルがすぐ2位になりますが、案外ギブス君が抜かれることなくリードを維持します。一方さっきステイアウトで失敗したハムリン、コーションでタイヤを換えたもんだと思ったらそのままだったようで、抜かれまくってあっという間に20位以下に落ちています。別にタイヤのセット数がそんなに厳しいわけでもないのに、なぜそこまでこだわるのかちょっと私には分かりません。
さっきクラッシュした面々ではブレイニーは一応走れているものの速いとは言えず、チェイスの方もけっこう壊れている様子。とりあえず最低基準タイムを満たしてdvpによる強制リタイアは免れ、現状の33位から下の順位は既にリタイアした人だけで失うものがないため、修理作業で一旦ガレージへ引き上げました。最低基準タイムを満たしている車両であればメカニカル トラブル扱いで裏側での修理が可能です。
111周目、ここでようやくベルがギブスを抜いて再リード。ここから誰も追いかける人がいなくなりますが、10周もするとステージの折り返しが見えてくるのでピットサイクルとなって一旦レースの関心はそちらへ向かいます。ベルは特に問題もなく作業を終えましたが、ギブスは速度違反でペナルティーを受け後退。
しかしこのピットサイクルで酷かったのはラーソン陣営でした。右後輪のナットを締める前にジャッキを落としたのでちゃんと締まっておらず、これにタイヤ キャリアーは気づいていたのにナットを締めた本人もジャックマンも気づいておらず連携が乱れて大混乱。事態の収拾に随分時間がかかった上に、ようやくナットを締め直してピットを出た後になって『取っ散らかりすぎて左の後輪を換えるのを忘れた』ことに気づいてもう1回ピットに入るというコントみたいな展開になりました。ラーソン、まさかの2周遅れでピットで反省会が始まります。なお同じころにチェイスは修理から帰ってきました、こっちは27周遅れ。
トラック上では3回目のコーションでピットに入っていた一部の人がコーション待ち、というかたぶんノーピット作戦を目指して走り続けており、ベルはこれをかいくぐってリード奪還を目指しています。しかし遅い人を掻き分けてペースが鈍っているうちにコンテンダー破壊マン・トゥルーエックスに追いつかれました。ベルは152周目にダニエル スアレスを抜いてリードを取り返したもののトゥルーエックスは離れてくれません。
どうもクリーンエアーを失うとかなりタイトになって苦しい様子のベル、前が開けていると少し引き離せるのに、周回遅れが出てきたらまたすぐ追いつかれる、という感じで最後までトゥルーエックスに煽られましたが、なんとか最後まで順位を守ってステージ2を制しました。トゥルーエックス、バイロン、クリス ブッシャー、ロガーノのトップ5。7位にはなんとジャスティン ヘイリーが入り、てっきりノーピットかと思ったら普通に均等割りに近い作戦でした。ステージ1終了後のコーションでタイヤを換えて次のコーションをステイアウトする、というオーソドックスなやり方が良かったみたいですね。ノーピットのスアレスは8位で作戦はまあまあ成功でした。
ハムリンはタイヤがボロボロで早めにピットに入るしかなくステージ19位でしたが、結局何をやりたかったのかよく分からない戦略でした。スアレスがノーピットで8位だったことを考えると、ハムリンもせめてレディックが事故ったところでタイヤを交換し、堅実に均等割りするか、どうせ攻めたことをやるならノーピットで行った方が良かったでしょうね。ただトヨタの場合3メーカーで僅かながら燃費が最も悪いとみられることが悪材料ではありますが。
・ファイナル ステージ
ハムリン陣営の混乱止まらず、左後輪のナットを締める前にジャッキを落として発進してしまい、大慌てで呼び戻されました。元々19位だったので失う順位は少ないですが、ハムリンが無線でキレまくってるのは間違いないでしょうw
上位勢はみんな4輪交換で順位変動も少なく、173周目にベル/トゥルーエックスの1列目でリスタート。ベルを映しても面白くないせいか、NBCはフリー パスを得るために集団内をゴボウ抜きしているラーソンばかり捉えています。その映像には妙に勢いのないハムリンの姿もありますが、どうやら振動を訴えている模様。大丈夫かいな。
NBCの狙いは見事に当たり、ラーソンとギブスは激しいフリーパス争いを展開。ギブスとしてもラーソンを周回遅れに押し込めておくことはチームメイトの助けになります。問題は自分たちの後ろにハムリンがいるので、ハムリンにとっては目先の問題として彼が邪魔であることですが・・・w
ところが193周目、ハムリンのすぐそばでギブスがスピン。ちょっとラーソン相手に無理をしすぎたかもしれませんが、結果的にラーソンに即時のフリーパスをプレゼントしてしまいました。ラーソンも思わず無線で「ちょうど良い~、何か儲かった~。」このコーションでリードラップ車両がピットへ、4輪交換と給油でトップ2は変わらず。
199周目、残り69周でリスタート。さっきノーピット作戦だった人がちょうど69周を走り切ったので一応行けるわけですが、半分に割って1ストップにするか悩みどころです。引き続きリーダーはベルですが、リスタートでバイロンがトゥルーエックスをかわして2位に浮上。ベルからするとチームメイトの壁が無くなりました。
ベルは序盤こそバイロンに迫られていましたがその後は2秒以上の差に追い返すことに成功。そして残り40周あたりからピットに入るドライバーが出てきてピットサイクルになりました。危険を冒したくないベルは230周目にピットに入り、これを見てから翌周にバイロンも入りました。しかし当然ノーピットを狙った勝負を仕掛ける人もおり、トラック上ではさっきノーピット経験済みのスアレスを筆頭に、ロガーノ、ハムリンなどおそらく8人が挑戦している様子。できればノーピットで走り切るより前に良い感じでコーションが欲しいところではあります。
残り26周の段階でスアレスとベルの差は約20秒、1周で0.7秒ほど追いついているので計算上では追いつくのが残り数周とけっこうギリギリのタイミング。ここからベルはノーピット勢の壁が減って行くので段々とペース差は1秒に近くなっていき、残り15周で約10秒差となります。ただちょっと気になるのは、ベルはスアレスに追いついてるけど、2位のロガーノもスアレスに追いついている点。ノーピット勢で本当に速いの、ひょっとしてロガーノか?
残り8周、ベルは周回遅れの集団でやや手間取らされる一方でロガーノがスアレスの後ろに到着。しかもロガーノの後ろには手負いのブレイニーがいて、ターンの出口で速度が落ちたら少しだけですが押してくれます。ベルは対ロガーノで考えるとここ数周はやや差が詰まらず停滞している状況。
そして残り5周、とうとうフロントストレッチでロガーノがスアレスの内側に並びかけてリード チェンジ。この時放送の本家であるNBC側の映像は4分割画面だったんですが、分割画面の際にどれか1つを選んで使用することが多いNASCAR公式映像はあり得ないことにスアレスのクルー チーフ・マット スワイデルスキーを映しているカメラを選択。おかげで残り5周の最後の見せ場でおっさんの顔を映している間にリーダーが入れ替わりましたw
NASCAR公式にスワイデルスキー推しスタッフがいる疑惑が浮上しましたがレースはいよいよ最終局面。ベルは残り2周でスアレスをかわしましたがロガーノとは1秒以上の差が残って最終周となりました。もうロガーノの敵は燃料残量だけでしたが、そこは現役トップクラスの燃費走行ができるドライバーと車両と作戦参謀の組み合わせ、計算に狂いはありませんでした。ジョーイ ロガーノ、先週一度は脱落したはずの黄色い悪魔がチャンピオンシップ4進出を決めました。
いつもにましてレース後にはしゃぎまくってる気がしましたね。はっ、冒頭で書いた「ある種もっとも失うものが無い立場だというのも精神的にはメリット」とか「『偶数年のプレイオフ7戦目』には3連勝中」とか「ポールシッターの勝率が低い」とか全部その通りになってしまったではないか( ゚Д゚)
さらに言えば、1番ピットのレディックが事故ったということはもやは1番ピット選択は路面のグリップがどうとかいう話ではなく呪われているのではないだろうか( ゚Д゚)
プレイオフ順位で下にいたロガーノが優勝で情勢を一発でひっくり返し、プレイオフ順位はこうなりました。
それにしても今回は69周というなんとも言えない周回数のグリーン フラッグ走行がレースを大きく左右しました。ステージ2でスアレスがノーピットをやってみたことはおそらくロガーノ陣営の判断基準になったと思います。スアレスは元々ステージ1では15~20位あたりの出来映え、97周目にリスタートした際には24位あたりだったものがノーピットで8位でしたから戦略としては成功しています。
ロガーノ自身は199周目にリスタートした時点で8位、そこからノーピットのために徐々に順位を下げる我慢のレース展開でしたが、ここはさすがにナッシュビルのレースでオーバータイムの連続を凌いで航続距離を130マイル近くにまで伸ばした燃費お化けの本領発揮だったと言えそうです。普通に全力で走っても絶対ベルには勝てないと考えた時の最善策、作戦に失敗したら失うものが多いバイロンやラーソンにはできないものでした。
でもなかなかレース中に2回も『残り69周』が発生して、しかもコーションが出ずそれを走り切るというのは珍しい事案だったと思います。案外この距離ってノーピットと1ピットが分かれて面白いので、ステージ距離を 65/75/127 ぐらいにしたらどうかと一瞬思いましたが、始まった瞬間からコース上で争わずに戦略ゲームやるのも何か違う気がしたのでやっぱそのままで良いですw
レディックは先週のローバルでは反省材料山盛りでしたが、今回は本当に「そこにいたことが唯一の問題だった。」というやつで反省のしようもなく切り替えるしかありません。プレイオフに入ってからトップ10が初戦のアトランタ一度きりで不調サイクルにハマってるのも悩ましいところですね。チェイスもブレイニーもどうしようもなかったという点では同じでした。しいて言えばブレイニーは練習走行でパンクしたところからもう不運が始まってましたね。とりあえずみなさんお祓いしてからフロリダへ移動してください。
次戦はホームステッド、大外ラインを走るのが得意なレディックは過去4回出場して3回が4位以内、と優勝経験こそ無いものの得意分野。でも平均順位のデータだけで言えばベル、チェイス、ハムリンの3人は僅かながらレディックを上回っており、ポイント下位勢はけっこうチャンスがありそうです。ブレイニーはホームステッドでは今一つですが最後のマーティンズビルで強いので、開き直って思い切ったセッティングを持ち込んでみるとか頭を切り替えてみるのも1つの手かもしれません。
コメント
来年もこの調子で、カップシリーズでのオーバル初勝利も飾って欲しいです。
ロガーノも一転してのチャンピオンシップ4一番乗りは勿論、ポールウルフにとっても現役クルーチーフでは単独最多勝の41勝目というおめでたい記録も出来たので良かったです。
ラスベガス戦はシェル/ペンゾイルがチームペンスキーのスポンサーになってから、毎年ペンゾイルブランドのスキームが見られるので楽しみにしていましたが、去年からのロガーノのスキームは何かに似ているなと思ったら、DEI時代のスティーブパークやJGTCのペンズオイルニスモGT-Rにそっくりですね。
ペンスキーはシンドリックやブレイニーもメナードなどの黄色系のスキームで走っていることが多いので、これぐらいデザインを変えてくれるとまだ見分けがつくので助かりますw
シェル/ペンゾイル自体毎年のダーリントン戦でのスローバックでも、色々なカテゴリーからネタを引っ張ってくるイメージがあるので、改めてモータースポーツに長年貢献してきた企業と再確認させられるだけに、日本でシェルのガソリンスタンドが見られなくなったことは残念です。
ステージ2のハムリンのステイアウトは意味不明でした。ハーフウェイまで引っ張るとか。何考えてるんだ!と叫んでいました。ベルは、ここ2年ファイナルまで進んでいますが、ロガーノ、ブレイニーの2人にチャンピオンを阻まれています。是非、リベンジして欲しいと。
ロガーノはキャリア35勝。カートを抜き、単独史上25位。一つ上はケセロウスキーですが、初優勝は2009年と同じ。ペンスキー移籍後は毎年優勝しています。ただ、キャリアハイは、2015年の6勝で、マーティンズビルでケンゼスに撃墜され、チャンピオンを逃しています(それがなければ、チャンピオンはカイルではなく、ロガーノだったかも)。毎年確実に優勝はするものの、優勝回数を稼ぐドライバーではない気がします。ただ、ここ一番の勝負強さはピカイチで、3度目のチャンピオンの目が出てきた気がします。インタヴューはいつもイラっとしますがw。
ペンゾイルスキームで黒の横じまにするとペンズオイルニスモGT-Rになりますよね~、ケゼロウスキーのカストロールスロウバックと並べて展示したら面白いのではないかと思いました。(グランツーリスモでできそうですが)。
でもたまにやってくるブレイニーと2台ペンゾイルで前から見たら見分けが付かないやつはどうにかしてもらいたいですね、デザイン変えたらいいのに(笑)
今回は動画の尺でフェイントかけられるパターンでしたね^^;
ロガーノは撃墜した回数も撃墜された回数も現役トップクラスだろうと思いますけど、今回はベテランらしい味のある優勝で個人的には彼のキャリアでもベストレースじゃないかと思いましたね。それでもやっぱり笑顔がくどいと思わせてくれるあのキャラはもはや誰も到達できない領域です(笑)