NASCAR プレイオフ 第1戦 アトランタ

NASCAR Cup Series
Quaker State 400 Available at Walmart
Atlanta Motor Speedway 1.54miles×260Laps(60/100/100)=400.4miles
※NASCAR オーバータイムにより266周に延長
winner:Joey Logano(Team Penske/Auto Trader Ford Mustang Dark Horse)

 NASCAR カップ シリーズはプレイオフに入りました。まずは16人の候補者を3戦で12人へと絞り込むラウンド オブ 16。優勝してプレイオフに入ってはいるけど平均的な成績としては生き残るのはかなり難題・・・という選手がまずはふるい落とされるはずですが、それを阻むかのように初戦はドラフティング トラックのアトランタです。1周1.54マイル、スーパー スピードウェイ使用の車両で行われる『ほぼ疑似直線レース』なので、下剋上を果たすならここしかありません。
 今年の第2戦・アトランタではダニエル スアレス、ライアン ブレイニー、カイル ブッシュの3人がほぼ同時に並んでチェッカーを受ける、というマンガみたいな結末でスアレスが勝利を挙げました。疑似直線レースとは言っても1.5マイルでは旋回半径が小さすぎて、特に内側のラインは全開では走れないし外側であっても簡単ではないんですが、これがなぜかデイトナ、タラデガとはまた異なる独特のレース展開を生み出し始めているのかもしれない、そんな印象を受けました。
 そんなアトランタ、年1回開催だったり2回開催だったり、時期も春だったり夏だったりとちょろちょろ動いてきた歴史があるんですが、プレイオフのレースとして開催されるのは2004年~2008年の期間に開催されて以来16年ぶり。この5年間の優勝者はジミー ジョンソンとカール エドワーズが各2勝、トニー スチュワートが1勝でした。今とはプレイオフの仕組みが全然違うので参考にもなりませんが、プレイオフのアトランタで勝ってチャンピオンにもなったのは2007年のジョンソンだけです。

・レース前の話題

 年末で期限切れとなるNASCARとチームとのチャーター制度契約の延長問題。プレイオフ期間にまで契約問題を持ち込みたくないNASCARは話の解決を急ぎ、どうやらこの週末の金曜日を1つの交渉期限にするとチーム側に伝えた模様。大多数のチームが2025年から7年間の新たな制度発効に同意して契約したようだと現地メディアが伝えました。
 ただしFOXのボブ ポクラスは23XI レーシングとフロント ロウ モータースポーツが契約をまだしていないと伝え、実際に23XIは『公正に交渉する機会が得られなかった』ことを理由に契約していないことを声明で発表しました。匿名の情報源はこの期限について『期限までに署名しなければ2025年の参戦を認可しないおそれがある』と運営側が仄めかしてやや威圧的であったしており、こうした対応への反発とみられます。
 この契約、あくまでNASCARと各参加チームとの個別契約でチームの全会一致は必要はありませんでしたが、チーム側は連帯して1枚岩で交渉にあたってきていました。それがとうとう現実的に契約に進んだチームとそうでないチームに対応が分かれてしまい、しかもそれが当然ながら公になったので結果としてはむしろプレイオフ前にこの問題が改めて浮き彫りになってしまった形です。契約しないと分配金も何も手に入らないし、この状態で交渉を継続しても他チームより良い条件とはなりにくい(そうなったら残るチームも当然その条件に引き上げざるを得ない)のでどこかで引くか撤退するかの選択しか残されていないですが、まだしばらくこの事案は尾を引きそうです。

 そのチャーターに絡んで、RFK レーシングは来シーズン3台体制に拡充し、ドライバーとしてライアン プリースを起用するのではないか、との噂。以前にお伝えした通りRFKには新たにスポンサーとしてクローガーが加わるのではないかともされており、この資金を活用してスチュワート-ハース レーシング閉鎖に伴うチャーターの1つを購入、そこにSHR閉鎖で職を失うプリースをそのまま乗せる、という話のようです。チームの将来や年齢構成を考えると若いヤツを1人乗せたい気はしますけどどうなんでしょうかねえ。
 
 最後に、今年のインディアナポリス 500に参戦し、コカ-コーラ 600とのダブル デューティーに挑戦したカイル ラーソン。結局インディー500の開始が雨によって遅れたので移動が間に合わず、コカコーラ600もまた雨天で短縮されたので1周も走ることなく挑戦は失敗に終わったわけですが、来年もまた再挑戦することが間もなく発表されそうだ、との情報です。
 また、今季限りでフル参戦から引退するマーティン トゥルーエックス ジュニアは来年のデイトナ500にスポット参戦、その際のクルー チーフにはかつての相棒・コール パーンと組む見込みであることをトゥルーエックスが明かしました。とりあえずMTJには目の前のプレイオフを戦うことが重要ですが、シーズン中盤以降かなりの不調なので流れを止めないと早期脱落しかねません。

・Xfinity Series Focused Health 250

 エクスフィニティー シリーズは最後の攻防で明暗が分かれました。残り2周・ターン3でリーダーのオースティン ヒルは2位のチャンドラー スミスをブロックしようとしますが、スミスはヒルを危うくスピンさせるような勢いで押しのけてリードを奪いました。スミスの背後には別チームとはいえ同じトヨタ系チームのコリー ハイムがいたので当然ターン4を出たら押してくれる、と思ったらなんとハイムはヒルの側に付いて押していき、誰も付いて来なかったスミスはあっさり陥落。
 スポット参戦のハイムは「彼には速さも勢いもなかった。」と、勝つためにはメーカーなんかより勝ち馬に乗る方が大事だと考えてスミスを無視。ただ、せっかく冷静に判断したハイムでしたがその先のターン1で攻めすぎて壁に擦り万事休す。バックストレッチではパーカー クリガーマンがヒルの背後に付きましたが、こちらはターン3で乱気流に負けてドアンダーを出してしまい撃沈。ヒルが第2戦アトランタ以来の今季3勝目を挙げ、アトランタでは直近の5戦で4勝と無類の強さを見せています。

・カップシリーズ
 予選

 カップシリーズの予選、ブッシュ ライト ポール賞は、もう言わなくても分かりますよね。

 ドラフティングトラックで予選をやったらマイケル マクダウル、これテストに必ず出てきますので忘れないように()2位はライアン ブレイニー、2列目はトッド ギリランドとジョッシュ ベリー、3列目にオースティン シンドリックとラーソン。だいたいデイトナの予選と顔ぶれは同じです。プレイオフ選手ではジョーイ ロガーノが4列目、ウイリアム バイロンとチェイス ブリスコーが5列目、アレックス ボウマンとハリソン バートンが6列目です。トヨタ車では10列目スタートのタイ ギブスが最上位、なんとデニー ハムリンが予選最下位、ドラフティングトラックで単独走行するとマスタングが速くてカムリが遅い傾向は開幕から全く変わらないですが、オフに車体形状の調整とか入るんでしょうかね。

・ステージ1

 とりあえず事故でも起きない限りは全体の流れだけ追っておけば良いステージ1、マクダウルを先頭に早い段階でシングル ファイル化。後ろではちょろちょろと2ワイドの順位争いがあるものの、マクダウル-ブレイニーの2人はずっと組んだまま走り続けてあっという間に30周。
 すると30周目に急にブレイニーがマクダウルをさっとかわして先行し、これでレースの流れがようやく変わりました。マクダウルはピッタリ後ろに付いていこうとして乱気流を食らった様子、ふらついてしまって4位まで後退。これでブレイニーの後ろにはチームメイトのシンドリックが付きました。
 ブレイニーは自分の後ろにシンドリックとラーソンが並ぶと、この2人を空力を利用してどちらも前に進めないように制御、有野課長的に言うと完全に"パターンに入った"状態にした様子。えー、この後も文中で繰り返しパターンにハマる話が出てくるので、簡単にこの"アトランタパターン"について記しておきます、と言ってもあくまで私が長年の観戦経験から「こういうことが起きてるんじゃないの?」と100%想像で書いたもので何の参考資料もありませんw


 リーダーは直線部分で内側を走ります、内側の人はドラフトがあるので車速が伸び、外の人は風よけが無いので伸びません。

 でもターンでは内側だとスロットルを戻す量が多くなり、旋回速度は外側の人が速いので段々外の人が上がってきます。リーダーは自由に単独走行で速いライン、ないしはちょっと後ろの人が乱気流を食らって嫌そうなラインを選ぶだけです。もちろん、ミスってスロットルを戻しちゃったら撃沈します。

 リーダーは直線になるとまた内側に下ります。するとターンの出口で出遅れた内側の人がまたドラフトを貰って直線では伸びがあり、しかも追い上げる過程で外の人にサイド ドラフトもかかるのでこっちは車速が伸びません。内側の人は直線で伸びてターンで遅れる、外の人はターンで抜いて直線で抜き返される、これが延々と続いてしまって全然前に追いつきません。直線が短くてリーダーを捕まえることも、お隣さんを抜ききることも容易ではなく誰かがミスらん限り完全に拘束されてしまい、無理に抜きに行っても自分がミスって損するだけなのでパターンにハマり続けるわけです。


 そのままほぼブレイニーがパターンにハメたままステージは残り5周を切りますが、56周目になんと3位のラーソンがいきなり姿勢を乱してターン2でクラッシュ。「パンクしたのか何だったのか分からん」というラーソンですが動きを見るとハイサイドっぽいですね。これで170mphぐらいのかなりの速度で壁に勢いよく突っ込み右側をほぼ全損、しかも運悪くそこにブリスコーもほぼ減速できずに突っ込んでしまいました。

 怪我や脳震盪が無いか心配になるかなり怖い衝撃の受け方でコンテンダー2人が突然の脱落、そのままステージ1はコーションで終了となりブレイニー、シンドリック、ボウマン、ロガーノ、リッキー ステンハウス ジュニアのトップ5。プレイオフ ポイントが40点あるラーソンは1回のリタイアならまだ重大ではないものの、『始まって早々にコンティニュー1回を使ってしまった』ような状態なので残るラウンドオブ16の2戦では慎重に行かざるを得ません、波乱の幕開けとなりました。

・ステージ2

 ステージ間コーションで全車ピットに入って順位に変動があり、ステージ2はボウマン/シンドリックの1列目でリスタート。お互いに後ろの人の力を借りて単独で前にようと試みた結果シンドリックが先行しました。ブレイニーが後ろに付いているので状況はステージ1とあまり変わって無いですね。ステージ1でハンドリングが悪くて後方を一人旅していたハムリン、ここでも「そのうち事故になるぞ」といやーな予感がして後方待機作戦を選択。

 やがてシンドリックがアトランタパターンにハメてステージ1と同じ状況が到来。ただステージ1と違うのはこの後に必ず給油が必要だということです。燃費走行も大事だけどあんまりいつまでも埋まっていたくもない、という微妙な心理で中団では95周目あたりから積極的に動き回る人が現れてちょっと危うい場面も散見。ピット前にかけて危ない時間帯が続きそうだなという雰囲気でしたが、114周目にデブリーによるコーションが出たのでほぼステージ均等割りの全員同時ピットとなりました。
 大半は給油のみか2輪交換のいずれかを選択、ずっと先頭を走っていたシンドリックの給油量が気になりますが、他の上位勢もパターンに入っているとそれなりにスロットルを踏まされているとみられ、ほとんど給油時間に差はありませんでした。そして給油のみのピットは無茶苦茶混乱するので接触もありました、レディックは軽く車体が破損。策士だったのはハムリンで、どうせ後方待機作戦でピット後の順位がどうでも良いので最初から1周ズラしてピットに入りました。
3秒で作業が終わるため、
4輪効果により遥かに交錯しやすい。
もう意味が分からない状況w


 120周目にリスタートするとシンドリックがすぐにパターンにハメにかかり、ここもブレイニーとボウマンを綺麗に支配下に置くことに成功。残り周回数が減ってきて当面燃費も気にしなくて良いので、中団ではまたなんか危なそうな動きも見えます。しかしそのままステージ2はシンドリックがハメ技を決めたまま走り切って勝利を手にし、ブレイニー、ボウマンが続きました。最後バックストレッチでロガーノとギリランドが軽く接触して危なかったですが、トッギリが失速しただけで済みました。

・ファイナル ステージ

 ステージ間コーションで全車ピットへ、シンドリック陣営は完全に作業で躓いて10列目まで後退しました。最終ステージはロス チャステインとマクダウルの1列目でリスタート、チャステインがなんとかハメ技に持って行けそうでしたが、175周目にジョン ハンター ネメチェックが単独スピンしコーションとなります。燃料的には70周は走れると予想されている中で、残り80周ちょっとという周回数は悩みどころ。
 結局ほぼ全員がここでの給油を選択、タイヤはさっき換えたばかりなので多くは給油のみで行きました。ここでもやはりピット内でいくつかの接触が発生しています。チェイス エリオットは発進直後にシンドリックと交錯した後で走行レーンではコリー ラジョーイとステンハウスの2台に挟まれる二重苦でした。まあこの状況でぶつかるなという方が難しいw


 182周目、ステイアウトしたギブスとバッバ ウォーレスの1列目でリスタート。10周ほど経過するとこの2人が縦に並ぶ隙があり、最初の2人が縦に並んだ場合はシングルファイルに収束していきそうな雰囲気。しかもどうせ給油が必要なこの2人は全開で走りますが、追いかけているその他大勢は燃費走行が必要なのであんまり慌てて速く走るわけにもいきません。
 それでも上位勢はドラフトから離れたら意味が無いので全体的に様子見モードからお急ぎモードへと頭を切り替えている様子ですが、その矢先の205周目でした。ブッシャーがこれまたハイサイドのような動きでターン2の出口付近で外へすっ飛び、たまたまそこにいたブレイニーを撃墜。壁に当たって跳ね返ってきたブレイニーにトゥルーエックスも接触してコンテンダー2人が思わぬ被害を受けました。トゥルーエックスは元々ハンドリングが最悪だったところに接触の破損が加わって最終的にリタイア。ブレイニーの方はドアがテープだらけですがサスペンション周りは大丈夫なようです。

 ギブスとウォーレスはここでもちろん給油へ、どうせ後方リスタートなので4輪交換しました。他にも上位リスタートが期待できないそれなりの人数がピットに入って万全の状態で残り50周あまりのレースへと臨みます。
 残り49周、カイルとバイロンの1列目でリスタート、カイルはさっきトヨタの2人が隊列を引っ張っていた間にするすると上手く順位を上げていました。気づいたらあれだけレースを支配していたマスタングがトップ5に誰もいなくなったぞ^^;

 どうやらカイルは上手くパターンに入ったようでチャステインとバイロンを制御していますが、空撮映像で見た時に明らかに1人だけ異次元の動きをしているのがギブスでした。タイヤも燃料も余力があるので攻めまくり、この狭いアトランタで3ワイドお構いなしの大外ラインでゴボウ抜き。リスタートから15周でもう3列目あたりにまで顔を出してきました。でもちょっと余計な動きも多すぎてどっかで仲間外れにされそうな気も^^;
 残り28周、2列目まできたギブス君は目の前にいるバイロンを押しまくってカイルを2位に落とし、そして旋回速度の速さを活かして自分はすぐにバイロンを抜きました。ついさっきピットに入って捨てたトラック ポジションをなんと20周あまりで取り返した形、タイヤの差は戦力の決定的な差ではないと思っていましたが、JGRの黒いモビルスーツはバケモノか。
 単独で前に出ることができたギブスは後続をアトランタパターンに入れて逃げ切りたいところでしたが、カムリが単独走行で遅いせいもあるんでしょうか、残り12周でスアレスが並びかけてきて2ワイドの争いへ。ここからいよいよ最後の激しい争いに、と思ったらなんと250周目にコーション発生。誰かスピンしたか!

 って看板かーい。青いから壁に貼ってあるガイコのバナー広告かと思ったら、トラックの上に設置されていたウォルマートの広告が脱落。運営とするとかなりの失態で、軽い物とはいえそれを車両が撥ねてしまってるので大反省ですね。

 というわけでプレイオフ初戦のアトランタは残り5周からリスタートの短距離戦という益々ヤバい展開へ。外側はスアレス-ロガーノ-チャステインの並び、内側はギブス-カイル-バイロンの並びです。ロガーノ→チャステインの並びがまた怖いな・・・w
 スアレスはリスタートで見事な動き出しを見せた、ので孤立してドラフティングトラックではむしろ悪手、ギブスに主導権を握られかけます。ただもうここまで来るとみんな攻めまくるので3ワイドの応酬、ギブスも外されてしまって気づいたら外はロガーノ-ブレイニー、内側はスアレス-チャステインといずれもチームメイトが縦に並んで最高のお膳立てができました。しかし残り1周半、
あ~れ~~~・・・・・

 バートンとシンドリックが軽く接触した弾みでノア グレッグソンが弾き飛ばされてしまい、ホワイト フラッグ目前でコーション再発生、やっぱりオーバータイムになってしまいました(。∀゜)
 コーション時点で前にいたスアレスにリスタートのレーン選択権があったので外を選択、ロガーノは内側へ。それぞれ後ろにはチームメイトが構えてオーバータイムのリスタート。双方チームメイトの支援を期待した動き出しで完全に互角となりバックストレッチを4台が固まって並走。しかしターン3で明暗が分かれ、ブレイニーはほどほどで引いた一方で、チャステインは攻めすぎてタイトになりスロットルを戻して失速。これでスアレスは孤立しました。


 あとはロガーノが逃げるか、ブレイニーがチームメイトを最後に裏切るかの戦い、スアレスも諦めずに追いかけましたが、もう一度押してあげるために攻めていたチャステインがまたターン2でタイトになって失速、スイカ味のタコスは実現しませんでした。そしてターン2を出た時点でロガーノが先頭に1人で立ち、後ろにブレイニーとスアレスが並ぶというアトランタパターンの形になっており、後ろからも熱烈な推し活はありましたがブレイニーですら全然ロガーノには届きませんでした。
 そのままロガーノが逃げ切ってチェッカーを受けようかというところ、ターン3~4で多重事故が起きて先にコーションが出たのでここで決着、プレイオフ初戦はレースの終盤に9周をリードしただけのロガーノが制し次ラウンド進出決定。ロガーノにとっては今季2勝目で、アトランタで勝つのは昨年の春のイベント以来の2勝目でした。
 今回ロガーノのスポンサーは出番の多いシェル/ペンゾイルではなくオート トレーダーでしたが、RacingReference.infoの記録上の表記では、ロガーノがオートトレーダーを背負うのは通算でも24回目、このうち8回はシェル/ペンゾイルとの連名で、オートトレーダー単独名義はどうやら16回目と通算570戦出場のロガーノとしてもそこそこレアなスキーム、真面目に年ごとの数字は数えてないですがざっと年間1~2回しかありません。そしてオートトレーダースキームで勝つのは昨年のアトランタに次いで2度目、このミニカーはよく売れるんじゃないですかね()
 
あ、先客がおる・・・

 フロントストレッチ上では車が壊れてカニ走りしている人がなんとかチェッカーを受けるためにもがいており、その1人・バートンが延々ともがいていたのでロガーノのバーンナウトにすごく邪魔になっていましたw

 ひとしきりはしゃいで車を降りるロガーノの向こうに救出されるバートンの姿がありますが、結局彼はチェッカーを受けられず1周遅れの31位でした。記録としてはクラッシュしてチェッカーを受けられなかった扱いですね。レース結果は2位からスアレス、ブレイニー、クリストファー ベル、ボウマン、レディックと6位まで全員プレイオフ選手、ベルなんかほとんどレース中は存在感無しでしたけどちゃんと上位にいますねw
 7位にノン コンテンダーのカイルを挟んでチェイス、バイロン、シンドリックのトップ10。37周をリードして初優勝の芽もあったのにウォルマートに邪魔されたギブスは結局17位、ハムリンは車のバランスが最悪だったとはいえ事故を避けるはずが結局最後の多重事故に巻き込まれて24位でした。プレイオフ順位はこうなりました。

 46点を荒稼ぎしたシンドリックがかなりの貯金を築くことに成功、逆にプレイオフポイントを元々持っていない上に一撃で脱落したトゥルーエックスが泡沫候補状態です。ラーソンはプレイオフポイントの恩恵をものすごく受けましたね、もしこのラウンドを3点差とかで脱落したら、その敗因は『シャーロットを休んだせいでレギュラーシーズンで2位だったから』となってしまうので、インディー500にまた出場するためにもそういうオチにはしたくないでしょう。頑張ったはずなのに当落線ギリギリにいるギブス君がちょっと気の毒に見えるのは私だけでしょうかw

 結局今回もごちゃっとして最後はロガーノがオイシイところを全部持って行ってしまったレースでした。ドラフティングトラック化したアトランタにはどちらかというと否定的な私でしたが、今回ステージ1をのーーんびりと眺めている間に「あ、これ空力的にハメ技みたいになってるんか」と思ったらそれ以降なんか見えない空気の流れを意識しながら見るのがちょっと面白くなってあっという間に終わってしまいました。
 チャステインの支援次第ではスアレスにもチャンスがあったわけですが、1度ならず2度までも突っ込みすぎて曲がれずに失速するあたりがいかにも彼らしく、なんか元気のないままレギュラーシーズンが終わったことを考えると、ミスを咎めるよりは「久々に"らしい"姿だったからよかったぞ」とでも声をかけてあげたい感じです、スアレスからしたら「おい頼むぞ」でしょうけどw
 最後の多重事故もターン2でチャステインが失速し、前が詰まってるからとにかく速く走ってほしい後続が押しまくった結果チャステインが弾かれて始まったので、まあこのレースの裏の主役はチャステインでしょう、次点はウォルマート()

 予想外の勝者、とはならなかったもののシンドリックがたくさん稼いでこのラウンド突破の足掛かりを作ったというのはじゅうぶんな波乱要因で(通常の獲得ポイントで言えばシンドリックはカイルよりも少ないので明らかに劣勢)、言葉は悪いですがシンドリックが通るなら代わりに落ちるのは誰なんだ、というところがなかなかの激戦になりそうです。まあ結局ブリストルで冴えなくてシンドリックが落ちるかもしれませんけどね。
 JGRはそもそもカムリがドラフティングトラックで速さが無い、というのがあるとはいえ、ハムリンもトゥルーエックスも酷いルースを訴えていてまともの競争に参加できないハンドリングだった様子なので、ギブスとベルはまあまあまともな車でウォーレスもレディックもちゃんと走るのに、何でこの2人だけそこまで大外れしたのかというのが少し気にはなりました。ハムリンはエンジン保管規定違反で食らったペナルティーが今のポイントにモロに効いてますが、トゥルーエックスともどもさすがにここではまだ落ちてほしくないですね。

 さて、次戦は平均速度の高いロード コース・ワトキンス グレンです。カップシリーズとしては想定レース時間がかなり短い部類で、過去6回のイベントはいずれも2時間20分以内に終了、昨年は2時間かからなかったというスピーディーなレースですね。いっそ400マイルでも良い気がするw

コメント

SCfromLA さんの投稿…
>アールグレイさん

 スパイアーとシボレーからすると、これだけドラフティングトラックでポールを獲りまくっている選手が移籍してきた途端に遅かったら「チームか車のせい」となってしまうので、期待半分怖さ半分かもしれません。でもフォード勢の中で特に彼とFRMが速いのは何かしら1つセッティングの秘策(というなのインチキ)があるかもしれないので、そこはチームも知りたいでしょうね。
 スアレスはなんとなく「チャステインより下だから結果を出さないといけない!」みたいな感じでやや固くなって余計に結果が出ていない印象を受けるんですが、市民権を取ったり母国レースが決まったり、精神的にうまい落ち着きどころみたいなのを自分で少し見つけられているのかもしれませんね。
SCfromLA さんの投稿…
>日日不穏日記さん

 混戦になったらベテランの力、という使い古した表現がしっくりおさまる結末でしたね~。やらかして勝った時は自分でも分かってるしブーイングも多いからまだまだ嫌なヤツだと思いますが、今回みたいに普通に勝ったらさすがにベテランの領域に来た選手だなと感じます。まあ彼はそう簡単には変わらないでしょうけどw
 そして仰るようにバイロンがちょっと影の薄い状態が続いてしまってるので、去年勝ったグレンから勢いを取り戻せるのかは次戦の注目点だと思っています。空気を読まなそうなスポット参戦の人がいるのでタダでは終わらない予感がしていますけど・・・w
カイル・プッシュ さんのコメント…
期待通り、カイル優勝!とはなりませんでしたが、いろいろあって面白いレースでしたよね。ギブス君が遂に勝つのか?と思って見てましたが、結局ロガーノ。
おいしとこだけ持っていった感じです。
今回の主役、ボクははウォルマートやったと思います!笑
SCfromLA さんの投稿…
>カイル・プッシュさん

 では今回のドライバーオブザデイ(?)はウォルマートの看板が得票率80%で初受賞ということで!(謎)