2024 AUTOBACS SUPER GT Round4
FUJI GT 350km RACE 今季2度目の富士スピードウェイは350kmのレースです。今年初めて導入された350kmレース、ここと次戦の鈴鹿で実施されます。タイム合算方式の予選と相まって、予選〜決勝前半と決勝の後半、 いずれもざっくり200kmぐらいをこのクソ暑い中で走るタイヤ 性能が求められます。
GT300はかなりドライバー交代を引っ張るところがあったので サイクルが終わるまでに時間がかかりましたが、 全車が作業を終えて1位はもちろんレオンAMG・蒲生。 2位は35周目とやや引っ張ってから4輪を交換した初音ミクAM G・片岡。ただこの2人には50秒という絶望的大差。
ARTAはサクセスウエイトが6kgと本来の実力からすればここまであまりに得点できていなかったので、むしろ今勝たなかったらいつ勝つんだ、という状況ではありました。昨年も第6戦SUGOで優勝はしているものの、これを含めて入賞が8戦中たった3回。勝てそうなレースでも何か起こって落としてしまう、というかそもそも完走できないことすら多かっただけに、ドライバーもチームの人たちもまずは一安心といったところでしょうか。ちなみにピエール北川の場内実況によるダイジェスト動画で最後に『ARTA50周年』と言っていますが、オートバックス50周年のうっかり言い間違いミスですね。
富士スピードウェイ 4.563km×77Laps=351.351km
GT500 class winner:ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GT #8 野尻 智紀/松下 信治
(Honda CIVIC TYPE R-GT/ARTA)
GT300 class winner:LEON PYRAMID AMG 蒲生 尚弥/篠原 拓郎
(Mercedes AMG GT3/K2 R&D LEON RACING)
2ヶ月ぶりのオートバックス SUPER GT 第4戦、・レース前の話題
今回からJLOCはMETALIVE S Lamborghini GT3(14kg)がEVO2へと車両変更。既にチームメイトのJLOC Lamborghini GT3(50kg)は昨年の途中から新車になっていましたが、これでようやく2台とも新車になりました。 第2戦の富士ではEVO2にさらにアップデート部品を取り付けた88号車が優勝していますので、 揃って競争力のあるちょんまげウラカンは注目されそうです。ただ、87号車はマジで納車されたばっかりでこの週末に組み立てて初走行、という状況。期待はしたいけどとりあえずちゃんと走ってほしい、な感じです。
また、前戦で告知された通り、この88号車もそうですが 安全面からGT300クラスのサクセスウエイト上限値が50kg に設定されており、 車両によっては前戦の時点でこれを超えていたために『シーズン途中にウエイトが減る』という珍しい状況が発生しています、しかも今後も増えない(・∀・)
また、日曜日には今度は次戦からの予選制度の変更が告知され、『予選Q1~決勝スタートまで1セットのタイヤでぶっ通し』というのをやめてQ1・Q2それぞれで新品タイヤの装着が可能となりました。GT300クラスに関してはタイム合算制なのにQ1を2組に分けることで不公平感があったことから、次戦からQ1は全車一斉の出走となりQ2の上位組/下位組の順位入れ替え制度も廃止されて全体的に今の枠組みの中ですっくりさせました。公平性、分かりやすさといった点を気にした形です。
タイヤに関しては、GT500クラスで第3戦までに未勝利のメーカー=ヨコハマ、ダンロップに対して、次戦からドライ タイヤを2セット追加で持ち込めるようになりました。今季のより長寿命・省資源を意識した競技規則ではブリヂストンの優位性が強まっており、削減一辺倒では追う側がレースを通じたタイヤ開発に振り向ける原資が無く、広がった差が埋められないままになる懸念があったためとみられます。
いずれも環境対策、将来にわたってシリーズを持続的な環境にするための種まきと言える規則変更が、興行や競技性という点からはマイナスに働いてしまったので走りながら考えて変更した形です。タイム合算方式そのもののあり方も議論には上がったようですが、さすがにそこまでシーズン中に手を付けると一貫性が無くなるため、今後の検討課題とはしつつ今期中の変更は行わない方針のようです。
そして来年にも話題は及び、来年の暫定的な開催日程が発表されて2019年以来となる海外大会が6月にマレーシア・セパン サーキットで開催予定であることが発表されました。海外戦はパンデミック以前はタイでの開催だったので、マレーシアに戻ってくるのは2013年以来。冬場のテスト走行ではセパンが使用されていますが、2014年以降の現行枠組みの車両では初のレースということになります。しかも夜間レースを予定しまいます、本当はパンデミックがなければ2020年にやりたかったものです。
・なんと今日もいきなり予選制度変更
予選制度の変更は次戦からでしたが、思わぬ問題で今日も通常とは異なる運用となりました。本来ならGT300はけっこう複雑なタイム合算制度になっていま すが、予選前に開催されたFIA F4のレースで路面上にオイルが付着する事案が発生。 これによりコース清掃が行われ、 これ以降の最初の走行がGT300の予選だったので後から走るグ ループが普段にも増して有利になってしまう可能性が浮上。
そのため運営は公平性の観点から雨天時の予選制度を例外的に適用 、 これによりQ1の記録でアッパー16とロウアー17に振り分ける のは普段と同じですがタイム合算は行われず、 単純にQ2の記録で予選順位が決まる『ほぼノックアウト方式』となっています。
昨年までのノックアウト方式と違うのは17位以下にもQ2が存在するのと、 Q1とQ2は同じタイヤで走る必要があることです。 GT500は組分けが無いので出走順による有利不利は存在しない ため、通常通りの合算方式です。
・予選
気温33℃/路面温度54℃、いやマジでここ最近暑すぎません? 気象情報でもよく「屋内でも躊躇せずエアコンを使用して」 と言われますが、私の仕事には空調のない部屋で火を使って、 屋内とはいえ朝から部分的に40℃ を超えるような場所で作業することも多く、 ちょっと今までに経験がないです。
ドライバーはそんな私の職場より遥かに高温の環境なので単純に車内に長時間いるだけですごいなと思いますが、GT300クラスのQ1で最速だったのは1分38秒106を記録した前戦の勝者・ D'station Vamtage GT3(46kg)・藤井 誠暢でした。Q2でもチャーリー ファグが1分38秒101とほぼ同タイムを出しますが、他の人がQ2で記録を伸ばしたため結果は4位でした。
ポール ポジションはLEON PYRAMID AMG(42kg)。Q1の篠原 拓郎は1分38秒271でB組2位でしたが、 Q2の蒲生尚弥は1分37秒764と大きく伸ばしました。 ちゃんと計算してないけど仮に合算予選でもたぶん1位ですね。ドライバーの力量としてはおそらく元々 篠原<蒲生 というコンビですが、Q2でもQ1からの落ち幅が少ないブリヂストンの力も出たかなと いう印象もあります。
2位はなんとメタライブウラカン。Q1の松浦 孝亮はB組4位、同組の篠原から約0.4秒離されていましたが、 Q2の坂口 夏月は蒲生から僅か0.051秒差でした、Q2での上げ幅という点ではメタライブウラカンの方がさらに上を行ったことになります。3位はグッドスマイル 初音ミク AMG(24kg)・谷口 信輝/片岡 龍也。4位のヴァンテージを挟んで5位に88号車ウラカン・小暮 卓史/元嶋 佑弥、ウラカンは2台とも期待通りの上位と言えます。
さすがに最大ウエイトのGTA-GT300勢は苦戦し、 muta Racing GR86 GT(50kg)が18位、Green Brave GR Supra GT(50kg)が19位といずれも似たような順位にとどまりました。本来なら80kgのウエイトが載るはずだったムータ レーシング、ウエイトが50kgで止まってくれてるのは好材料ですが、絶対的に富士では速さが足りませんでした、まあしゃあないわなあ。
一方、シビック同士の争いとなったGT500はARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GT #8(6kg)がポールを獲得。Q1の松下 信治は約0.2秒遅れの3位でしたが、Q2の野尻 智紀が2位を約0.4秒も突き放す圧倒的速さを記録し、合算で0.318秒差というけっこうな差でした。Q2がQ1より速かったのは15台中3台だけで、上位7台の中では8号車のみでした。
2位はSTANLEY CIVIC TYPE R-GT(40kg)・牧野 任佑/山本 尚貴、牧野はQ1の最速でした。3位にModulo CIVIC TYPE R-GT(2kg)・大草 りき/伊沢 拓也が入ってシビックがトップ3独占、4位KeePer CERUMO GR Supra(28kg)・石浦 宏明/大湯 都史樹、5位Astemo CIVIC TYPE R-GT(38kg)・太田 格之進/塚越 広大でした。
燃料流量制限を食らうと富士の予選では勝負権が無く、Nittera MOTUL Z(43kg/-1)が12位、au TOM'S GR Supra(40kg/-2)は14位、前戦優勝のDeloitte TOM'S GR Supra(37kg/-1)は15位でビリでした。
・スタート担当選手
GT500はARTA 8号車・野尻、チーム国光スタンレー・牧野、中嶋モデューロ・ 伊沢、キーパーセルモ・石浦、アステモリアル・太田。中嶋レーシングはダンロップのタイヤが決勝でどこまで通じるのか。
GT300はK2 R&D レオン・篠原、JLOC 87号車・坂口、グッドスマイル・谷口、Dステーション・ ファグ、JLOC 88号車・元嶋。ウラカンはいつものパターンだとタイヤ2輪交換が多いですが、そもそも給油の長さをカバーするためなので、それを考えると上位勢は比較的戦略ゲームよりはコース上での速さの勝負になりそうです。レオンはいざとなったら色々カードがあるだろうけども。
・決勝
気温35℃/路温56℃マジ勘弁してください。 なんか全世帯で夕方5時に何かしらの余った排水を家の前に同時に 撒いて蒸発させて雲を作る、とかできません?暑いせいか最終コーナーの路面に一部破損があり、 修復が間に合わないので白い線を引いて注意だけ促す、 というなかなか大雑把な対応。 踏んだらどうなるのかはよく分かりませんw
決勝がスタートすると最初の1周はGT500の上位4人、 GT300の上位6人に順位変動なし。 両クラスともポールシッターがまずはそれなりに後続を引き離す始 まりとなりました。そのまま6周目あたりからGT500とGT300の1回目の遭遇 、GT300を抜こうとしたデロイトトムス・ 笹原 右京がシケインの高い縁石に乗り上げて見事にジャンプする珍 しい場面がありました。幸い車は壊れず、このレースをしぶとく10位で終えることになります。
GT500は15周を終えて野尻と牧野が3.5秒差、 伊沢はそこからさらに5秒差、前を追いかけるよりは後ろから石浦 が来ています。同じ頃GT300でも篠原が坂口に4. 7秒ほどの差となっており、坂口と谷口も2.5秒差。 スタートからここまで特に1位争いが盛り上がる場面はまだ訪れず順当なレースです。
あまりに争いが無いので映像がGT500の13位争いを映したり していましたが21周目にようやく上位で動き。 4位の石浦は伊沢を捕まえるのかと思ったら後ろからENEOS X PRIME GR Supra(38kg)・福住 仁嶺が接近。福住は8位スタートから、 うっかりブレーキングで飛び出したりしつつも順位を上げてきてお り、ここで石浦を抜いて4位・GRスープラ最上位になります。 このチームも決勝で強いですね。福住はこの後26周目の最終コーナーで伊沢も抜いて3位・野尻と16秒差です。
すると27周目、 ダンロップコーナーでGT300車両が故障によってシケインのは 待避路に停止。 これを見てピットに飛び込んだのがレオンAMG・篠原でした。ピットに入って作業を開始すると、作業中に狙い通りFCYとなったので大きく恩恵を受けることができ、おそらくロスを少なく見積もって30秒は削減できたと思いますが、4輪交換と給油を終 えることに成功してリード ラップの後方で合流します。
FCYは30周目に解除、GT500はこのあたりがピット ストップ ウインドウの入口だったので、 ここから中団以降の人が動きを見せ始めます。と言ってもあんまり入るのが早いと燃料的にかなり際どくなってしまうんですが、ピットで抜かれたら抜き返すのが大変、SCが出たら大変、それなら順位を確保してから燃費走行する方がマシ、どうせみんな状況は似たようなもの、という考えが先に来るので似た戦略に傾きます。
32周目、2位の牧野がピットへ。 4輪交換して山本に交代しました。少し差があるので待つ余裕があるARTA、2周後にピットに入って野尻から松下へと交代し、戻った場所は山本のだいぶ前方でした。ピット作業やら戦略やら、どこかでやらかしてしまうARTAですがここまでは順調。
その後ろ、 実質3位の争いは31周目と早めに動いたキーパーセルモ・ 大湯がエネオスルーキー・大嶋とモデューロシビック・大草をアンダーカット。ピットで2台抜きする形で実質3位を奪います。 ただ後半に46周もしないといけないのはけっこう大変です。
この後GT300もピットサイクルとなりますが、 とりあえず作戦で大きく得をした蒲生が圧倒的有利な立場、 ただ入ったのが早いのでタイヤと燃料を大事にしないといけません 。どちらかというと自分との戦い。一方GT500はピット後に山本が速く、 当初8秒あったらしい差が1秒ほどになってこっちは人間どうしの 戦いです。いや、山本はNSXの神様だから人間vs神かw
GT300はかなりドライバー交代を引っ張るところがあったので
片岡のすぐ後ろにはリアライズ日産メカニックチャレンジ GT-R(32kg)・ジョアン パオロ デ オリベイラが迫っていて、JLOC 88号車・小暮、Dステーションヴァンテージ・ 藤井も近くにいます。JLOC 87号車・松浦は31周目と早くも遅くもないタイミングで後輪だけを交 換しましたが、先に入った勢には前に出られ、 後から入った勢にも作業時間の関係か前に出られたようで6位へと後退。チームメイトは28周目にドライバー交替して4位なことを考えるとちょっともったいない印象です。でもよく考えたら無事走り切れるだけでもじゅうぶんなはずなんですよね、期待持ちすぎた^^;
で、ここからいつもなら色々と起こるはずのジャパニーズのエキサイティングでドラマチックなスーパーのGT選手権ですが、今日はなんと膠着してしまいます。GT500では山本が野尻の後ろで機会を窺ったものの、1秒前後の差で走り続けたせいでタイヤを傷めてしまい、徐々に離されていって終戦。そしてGT300も2位の片岡がオリベイラに見せ場を作らせず見事に封じ込めており、順位が変動したのはウラカンとヴァンテージの4位・5位だけでした。
ちょっと仕事で疲れていたこともあって最後の10周ぐらいはウトウトしてしまいましたが、GT500はARTAシビック、GT300はレオン AMGが危なげなくトップでチェッカーを受けて、猛暑の富士を涼しい顔で走り抜けました。いや、実際はくったくただと思いますけど。
・GT500振り返り
ARTAはサクセスウエイトが6kgと本来の実力からすればここまであまりに得点できていなかったので、むしろ今勝たなかったらいつ勝つんだ、という状況ではありました。昨年も第6戦SUGOで優勝はしているものの、これを含めて入賞が8戦中たった3回。勝てそうなレースでも何か起こって落としてしまう、というかそもそも完走できないことすら多かっただけに、ドライバーもチームの人たちもまずは一安心といったところでしょうか。ちなみにピエール北川の場内実況によるダイジェスト動画で最後に『ARTA50周年』と言っていますが、オートバックス50周年のうっかり言い間違いミスですね。
スタンレーシビックは2位でしたが、山本/牧野組は4戦連続入賞でコツコツと稼いでいるので、第4戦を終えてドライバー選手権で2位に浮上。チーム国光らしい戦いにはなっています。40kg積んでましたからタイヤが先に傷むのも多少はやむなしです。そしてGRスープラ最上位でキーパーセルモが入り、石浦/大湯の新体制としては初の表彰台となりました。モデューロシビックは最終的に6位でしたが、タイヤがボロボロになって入賞圏外、みたいな酷いことにはならず走り切れたのはタイヤ開発陣とすると一歩前進でしょうか。
しかし恐ろしいのはドライバー選手権1位のauトムスで、14位スタートからピットを40周まで引っ張り、後半は山下 健太が相対的に新しいタイヤに加えて効果的にサイド ドラフトを使って直線の速い車に対抗。中継映像を見る限りでも2台をサイドドラフトで足止めして相手の最高速を潰してしまい、最大燃料流量が2段階も違う相手を直線でどうにかしていました。最後にはアステモシビックがガス欠症状に見舞われたので順位がさらに1つ上がり7位で4点獲得。実はこのアステモのガス欠が無ければ選手権1位の座はスタンレーシビックに渡っているはずでした。
他の人がみんな後半を長くして燃料ケチケチ走行になると、流量制限を食らっている側としたら自分たちはそもそも勝手に燃費走行モードなので、相手だけ相対的に出力が落ちて少し助かります。ここに新しいタイヤと、あとはヤマケンの腕前を足し合わせればいくらかの順位は得られるだろう、というトムスの思い切りが見事でした。あとはJ SPORTSの放送席がサイドドラフトを理解してくれるとなお良いんですけどね~。
アステモシビックはGT500で最も早い30周目にピットに入ったので後半は47周もありました。GT500だと45周ぐらいが上限に近く、できれば42~43周ぐらいが精神的に安心な距離。45を超えると速さを維持しつつ燃費走行して走るのはかなり大変な長さですので、塚越はほんの僅かに頑張りすぎたか、計算がズレていたと思われます。トムスの2.5秒後方・8位でちゃんとチェッカーを受けられたのが幸いでした。ちょっと長いから見ていて気にはなってたんですよねえ。
Zは存在感が薄くMARELLI IMPUL Z(26kg)の5位が唯一の入賞、ニスモは2台ともまあまあウエイトが重いとはいえ、より条件の悪いトムスの2台に敵わないというのはなんか基本的に間違ってたのかなと思ったら、事後情報ではこの猛暑でのタイヤとセッティングの組み合わせがうまくいっていなかった可能性があるとのこと。高温で強いとされていたミシュランとはタイヤの潰れ方、捩れ方の概念が異なると思うので、そこに対して経験不足だった可能性がありそうです。インパルとのデータ共有ってさすがに最低限しかやってないんでしょうかね?
・GT300振り返り
レオンAMGはいっつも勝ってる印象がありますが実は2020年第4戦以来でした、言われるまで気が付きませんでした。2020年ってことは当時は無観客レースなので、有観客のレースだと2018年最終戦以来の優勝ですね。仮にFCYをうまく拾わなくても勝てた可能性は高かったと思いますが、レースの1/3でライバルを戦闘不能にしたのはえげつない破壊力でした。
事後情報では、ちゃんとチームは燃費や想定周回数から逆算してFCY/SCウインドウを設定しており、これを超えたら何かあればいつでもピットに飛び込めるように準備していました。そしてドライバーからも何かあれば伝えるようになっており、実際に篠原はシケインで車が止まっているのを見てすぐチームに伝え、チームは即座に決断したようです。F1ほどピット側でコース上のあらゆることを把握はできないですからドライバーの反応は大事ですね。
おそらくですが、8秒ほどの差だった2位のメタライブウラカンは仮に入れるタイミングだったとしても燃費的にまだ距離が足りないから無理で、3位のグッドスマイルはレオンから12秒ほど離れていたので間に合わなかったと思われます。事前の準備と運が完璧に噛みあいました。以降はタイヤと燃料が心配でしたが、結果的に46周という距離はなんとか行ける長さだったので無事に走り切りました。
ちなみに、これでGT300は第2戦から3戦連続でポール トゥー ウインが続いています。元々ポールシッターの勝率が高いとはいえないこのシリーズでかなり珍しい記録では?と思ったので調べてみたところ、おそらく2011年の第6戦~第8戦に記録されて以来13年ぶりの記録と思われます。当時は初音ミク グッドスマイル BMW、R&D SPORT LEGACY B4、初音ミク グッドスマイル BMWでした。2008年の第2戦~第4戦でも異なる3車両によって3戦連続のPtoWが記録されています。
2位のグッドスマイルはFCYが無くても2位が限度だったかなあとは思いますが、昨年は一度も表彰台に乗れず2022年の第5戦鈴鹿で優勝して以来の久しぶりの結果でしたから、やっと戻って来られてよかった、という方が勝てなかったことよりは強いかもしれません。セッティングで攻めすぎてパンクしたり、コースを攻めすぎてパンクしたり、結構色々ありましたからねえ。
上位7台がグループGT3車両が占めましたが、GT300規定最上位の8位になったのはお馴染みムータレーシング。今日は暑いし車も重いので、ピットに入るのを43周目まで我慢して空いた場所を走りつつ、タイヤはちゃんと4本交換するというGT500のトムスと似たパターンの戦略を採用。直線が遅くて抜けないから無交換で前を確保した方が・・・という考えはバッサリ捨てて速さを活かす決断が成功しました。これで平良 響/堤 優威はドライバー選手権1位を死守、しかし2点差で蒲生/篠原組が続いており、レースで強いブリヂストンのGT300とGT3がシーズンの折り返しで綺麗に並びました。どっちもウエイトは上限の50kgで同じになりますしね。
対照的にグリーンブレイブはタイヤ無交換に出たものの、そもそも自分たちでも理論上の速さと追い抜きのしにくさを天秤にかけた上でのややギャンブル。結果としてズルズル下がってしまい、車に不具合も出たので7周遅れの23位、無得点。吉田 広樹/野中 誠太は1位から21点差の選手権7位と連覇に黄色信号です。
中団以降で気になったところといえば、初めて完走したGAINER TANAX Zが10位で初入賞、予選も8位でしたので壊れまくりながらもそこそこの速さを既に持っているわけですが、ホイールベース由来の乗りにくさが予選の映像から垣間見え、これを開発していく過程でどう対処するのか気になるところです。
また、レース結果としては22位だったアールキューズ AMG GT3ですが、予選のQ1と決勝の前半を担当した小山 美姫が非常に良い走りをしていたのが中継映像でも取り上げられていました。予選ではあと僅かでアッパー16出場というところまで記録を伸ばし、決勝ではベテラン相手に全然遠慮せず真正面からしっかり戦う姿に新鮮味を感じました。他のドライバーが今のところ彼女を「ちょっと危ない」と思っているのか「上手い、面白い争いができる」と思っているのか分かりませんが、単に話題性ではなくしっかりと力を見せていると思いました。
普段は60歳を超えた大ベテランのおじさんが後方を走っていることが多いチームですが、アルナージュレーシングがきちんとAMG GT3をメンテナンスして、速い人が乗ったらちゃんとそれなりの順位を争えるんだなあということも改めて確認できましたね。脱毛ケーズフロンティアGO&FUN猫猫GT-Rももっと頑張らないと。
前戦の締めくくりで私は
予選で速いから決勝はひょっとしてタイヤが落ちるのも早いかも?という話とは真逆で、どちらかというと『決勝に自信があるから予選からかなり攻め込んでる』という様子も感じられます。特にGT300クラスだと、あんまり名指しするのもアレですが速くて長持ちするブリヂストン勢は予選からどんどん行った上でタイヤ無交換までできてしまう状態で、なんというか『持つ者と持たざる者の格差』みたいなものが色濃くなっている印象です。
運営が考える、より長持ちするものを作ることでレース現場が社会に資するものであってほしい、ついでに速度も抑制してほしい、という目的から言うとこれが正しくて、その能力に長けたところが強いのは当たり前の結果なんですが、エンタメとして考えた時にはコンテンツ力がいくぶん弱まっているのも感じます。特にこれが3時間レースになりますと、各陣営の持っている力通りに時間とともにただ差が開いていくだけになってしまって、どっかでSCでも入らないと盛り上がりに欠けてしまう状況はこの2戦で感じました。
と書いたんですが、350kmでも傾向としては同じかなあと思いました。次戦からタイヤの運用方法が変更されますので予選ではいくぶんみんな攻め込めるようになりますし、決勝のスタートで使うタイヤは従来よりも履歴の浅いタイヤ、というか基本的に昨年と同条件で走れるようになります。これがレース展開に対してどう作用するのかが1つの注目点にはなるかなと思います。
350kmという距離そのものに関しては、GT最初期に比べたら遥かに車が速くなっている=レースが早く終わってしまうことを考えたら、耐久性がどうとか環境開発がどうとかいう話とは別に、お客さんへの興業の提供としてはちょっと距離が伸びたものが標準になっても良いような気はしました。
かつては1曲平均4分40秒ぐらいだったアーティストが、近年は3分50秒になってるのにライブで同じ曲数歌っていたら、年々ライブが短くなって「もうちょっと歌ってよ!w」って思うでしょうから、速くなったぶん距離が伸びたって構わないでしょう。F1も低速のシンガポールはちょっと短く、高速で燃料も余るモンツァはちょっと長く、みたいな柔軟性あっても良いと思うんですよねえ。
次戦は8月31日~9月1日、夏休みの最後の最後、か最近はひょっとしたらもう終わっている学校が多いかもしれない日程で鈴鹿の350kmレースです。あ、そういえば最終コーナーの壊れた舗装部分に引いてあった白線、わりと早い段階で消え去ってたのでみんな踏んだっぽいですけど影響なかったんでしょうか^^;
コメント
私ぐらいになると高速道路でカムリ抜く時にサイドドラフト〜 って言いながら抜いていきます。逆にミラーのブラインドスポットモニターのマークが出たらサイドドラフト仕掛けられたァ〜となります。
(ただのミーハーです。安全運転で気分だけです。念の為。)
スポイラーでなくウィングであそこまで効くんだ〜。
NASCAR観戦のノウハウがGTまで役立ってるのかと思うと嬉しくなります。
500kmなら土曜日に100kmスプリント(ドライバー交代あり。タイヤ交換、給油なし。)
決勝400kmでもありかなぁと思います。グリッドはMoto GPと同じで予選1回でスプリント、決勝両方確定でチーム負担を増やさない。グリッドペナルティは決勝時に適用。
さ、スイカ割りしてこよ〜。
高速道路でトラックの近くを走るとふらつく、なんてよく言われるぐらいなのでサイドフォースが発生していること自体は日常的に体感している人はそれなりにいると思うんですけど、サイドドラフトはなぜか広まらないですよね~。
今回オートスポーツwebでヤマケンサイドスリップについて記事になっていましたが、どういう効果なのか説明されていないのでたぶん「横方向でもスリップが効いて加速する」と誤解してしまった人がいるんじゃないかなあと思います^^;