ハースが単独で活動を継続

 約1か月前、スチュワート-ハース レーシングの閉鎖が発表され様々な体制への影響が気になるNASCAR界ですが、SHRの共同オーナー・ジーン ハースが単独でNASCARへの関与を継続することが明らかになりました。SHRが所有するカップ シリーズの4つのチャーターのうち、1つを継続して保有する1台体制のチームとしてシリーズに参戦し、併せてエクスフィニティー シリーズの2台体制も維持。組織名は『ハース ファクトリー チーム』となる見込みです。


「モータースポーツへの私の取り組みは変わっていません。ただ、関与の範囲が変わっただけです。」

とハースは声明の中で語りました。

「4台のカップシリーズチームを運営するのは非常に困難になりましたが、同時にハース オートメイションを宣伝し、HaasTooling.comを成長させるためのプラットフォームも必要です。カップに参戦し続けることで、ハースオートメイションはNASCARの最高レベルで競争することができ、これは当社の顧客や販売店にとって重要なことです。Xfinityシリーズのプログラムはお客様に充実した週末の体験を提供し、当社の事業全体に深みと規模をもたらします。」

 チームは引き続き現在の拠点を使用して活動し、社長には現在もSHRの副社長で実質的にNASCARの活動を取り仕切っているジョー カスターが就任。具体的な体制はまだ明らかになっていませんが、カップのドライバーは息子にして昨年のエクスフィニティーシリーズ王者・コール カスターが最有力と見られています。
 もし最初からこうするつもりならSHR消滅の話と同時にちゃんと話を整理して発表されているはずですから、SHR閉鎖と今回のハース単独での参戦継続は必ずしも一連の動きとしてまとめられたものではないと考えられます。元々エクスフィニティーに関しては何らかの形で活動が継続されるのでは?という情報が当初からあったので、まずはそのあたりを起点に実際の発表後の反応や従業員の雇用、もちろん経済面での影響を精査した上での決断ではないかと思います。
 今回の発表で、ある程度の雇用やフォードとしてのNASCARプログラムが大幅に縮減されずに一定程度は維持されることになりますから、激変が避けられて見ている側としてもNASCARとしてもひとまずの不安解消に繋がりますね。

・"チェイス"がJGR加入?

 とはいえSHRの現在のドライバーは新たな仕事を探す人が大半なわけですが、そのうちの1人・チェイス ブリスコーについて非常に大きな動きがありました。既にマーティン トゥルーエックス ジュニアの後任としてジョー ギブス レーシングに加入するのではないか?という噂が上がっていましたが、今週のニューハンプシャーでのレースに向けて予想外のことが起こりました。
 レースに先だって取材を受けていたクリストファー ベルが、ベテランにしてチームの4人で唯一のチャンピオン経験者・トゥルーエックスが抜けてリーダーシップは誰が取るのか?という質問をされた際にこう話しました。

「いい質問ですね。正直、ドライバーの立場からリーダーシップがあるかどうかはわかりません。確かに、レースのミーティングに入ると、レースカーに何が必要かなど経験豊富なドライバーが舵取り役を担うようになると思います。経験を積むにつれて、自分たちの車に何が必要かをチームに伝える自信が確実につきましたが、毎週議論を引っ張る人は変わっています。月曜日のミーティングに行くたびに、その週に良いレースをした人がリードすることがあり、タイだったこともあれば、マーティンや私、デニーだったこともあります。」
「その点ではリーダーシップの役割は本当にあるとは思いません。チェイスが乗ることになっても、、、(苦笑)。誰かが、(記者陣大爆笑)えっと19号車に新しいドライバーが乗っても、それが誰であれ、その経験レベルによってチームにどれだけ貢献できるかが決まります。」

 えーっと、来年19号車にはチェイスというドライバーが乗るらしいということをうっかり喋ってしまって慌てて訂正しました。トヨタがこの取材の内容を文字起こしした報道向け素材ではチェイスの部分は消されていますw
あ、間違えて言っちゃった(≧▽≦)


 ベルはこの後ブリスコーに対して「えらい失敗した」「やらかした、Twitterを見て」などのメッセージを送信。ブリスコーはこの時、スプリント カーのレースに出るためにニューハンプシャー レースウェイ フラット トラックというNASCAR開催地から車で数分の別の場所におり、ここが意外と電波状況が悪いらしくてブリスコーはすぐにこの話に気づけなかったとのこと。周囲の人は知ってるけど本人は何が起きてるのか分かってない、という状況が数時間続いたようです。

 というか、そういうメッセージが届いたとしてもとりあえず知らないことにするんじゃなくて、もうやらかしたこと全部含めてブリスコーの側でも認めてしまい、笑って済ませてそれで大丈夫なことに驚きましたね、いや裏でむっちゃ怒られてるかもしれんけどw

 このベルのやらかしは誰が見ても笑うしか無く、ラーソンはXに

「このニュースには驚かされたよ。チェイス エリオットのジョーギブスレーシングでの新たな冒険が上手く行くよう祈っている。チームメイトとして一緒にいて楽しかったよ。」

と、"チェイス"がJGRに移籍するという情報に悪乗り。報道陣に対しては「ツイートする前にベルとブリスコーに『あまりの面白さに笑い死にそうだ』とメッセージしたんだ。チームに誰かが入ってくることを発表する最高の方法だね。」と冷やかしました。
 ちなみに、Racing Reference.info によれば苗字・名前のいずれかに"チェイス"と付く現役選手はエリオット、ブリスコー以外にも5人おり、最も有名なのはトラックシリーズに出場しているチェイス パーディーでしょう。2022年はハットリ レーシング エンタープライジーズ、昨年はカイル ブッシュ モータースポーツ、そして今年はスパイアー モータースポーツからシリーズにフル参戦。今年のマーティンズビルでは3位を獲得しています。チェイスッテイッタイドノチェイスナノカナ、タノシミダナ。

コメント

日日不穏日記 さんの投稿…
僕は、フェイスブックのF1コミュニティに入っていたり、F1関係のまとめサイトとXで相互フォロー(フォローって今言うんだろうか?)をしていたので、ハースの問題は、結構話題になってました。勿論、NASCARに興味のあるメンバーではないので、度々コメントしたり、フェイスブックで投稿していたんですが、彼らの興味は、F1のハースがどうなるか。アンドレッティが参入出来るのかだったわけですけど、まぁ、ブリスコーとカスターは、就職の目処が付いたんでしょうね。ベルはこってり油を絞られたんでしょうw。Xは、ドライバー間のコミュニケーションツールになってますね。メルセデス時代のハミルトン(今もだけどw)が、NASCARに興味を示すニュースが流れたら、ロガーノが歓迎する旨コメントしたりとか。それにしてもラーソン、エリオットを冗談めかしてディスってない?
Cherry さんのコメント…
パパカスターがボスだからという理由でコールカスターが復帰となると個人的にはシートの無駄でしかない気しかしないので、今SHRのカップに乗ってる誰かが乗る方がまだマシな気がしますw

おいラーソン、てめえ体育館裏こい()
SCfromLA さんの投稿…
>日日不穏日記さん

 このラーソンの投稿は、仮にチェイスをディスっていたとしても「ジョークだよhahahaha」と言えばいくらでも言い訳ができてしまうという点で秀逸ですね(笑)
SCfromLA さんの投稿…
>Cherryさん

 カスターもエクスフィニティーの結果を考えるとプリースより上ぐらいの力はあるんじゃないかなと思うので、もう1回チャンスがあってもいいんじゃないかと私は思いますね~。シンドリックとの社長の息子対決も面白そうですしw

あ、ラーソン呼びつけられたw
ChaseFun9 さんのコメント…
Larsonの悪乗りw
これは寂しい来シーズンからJGRを応援しますwww
SCfromLA さんの投稿…
>ChaseFun9さん

 新天地でのチェイスの活躍に是非ともご期待くださいww
アールグレイ さんの投稿…
SHRとしては、ベリーのROTYとカスターのNXS連覇で最後の花道といきたいですね。
タイトルとしては今までの実績と比べると少し寂しいかもしれませんが、ハースファクトリーでどうなるか見ていきたいです。

新体制ではどの番号(チャーター)を残すのかも注目したいです。
一番イメージが強い14はトニーがAJフォイトに憧れて選んだ番号でもあるので、トニーが離れる以上使うのはどうなのか?とも思いますし。

トニーもお子さんができたようなので、良かったですね。
11月出産予定の男の子のためにも、オーナーとして最後の一踏ん張りですね。
SHRの閉鎖の記事の中に貼られていた、従業員に対して演説するスチュワートの画像を見ると、瘦せた?と思うと同時に追い込まれている様にも見えてちょっとショックだっただけに、子供の存在が生きがいになればいいなと本当に思います。
SCfromLA さんの投稿…
>アールグレイさん

 スチュワートが痩せたのは、痩せようと思ったけど生活を変えられずに困った末、いわゆる肥満症薬(やせ薬)を服用してごっそり体重削ったからだそうですね。ドラッグレースだと体重が重いのは致命的だからなんとかしたかったんでしょうか。それでも「妻より重い」って言ってますけどw
 ちょうど2人の様子がMobil 1 the Gridで取り上げられてましたけど、俺がドラッグレース頑張るから、お前は新しい家族のために見守ってくれ、みたいな雰囲気でやってるようには見えましたね~。子供をできれば2人産んだ後にいずれドラッグレースに戻りたい、って奥さんは言ってましたけど。(ゆえにNASCARのオーナー業にまでもう力を割いていられない、ということなんでしょうね)